ニュース
「LINE GAME」2013年の展開についての発表会を開催
賞金1,000万円のコンテストを実施。大きな盛り上げを目指す
(2012/12/19 16:51)
NHN Japanは、無料通話・メールサービス「LINE」をゲームプラットフォームとする「LINE GAME」に関する発表会を開催した。
発表会では、LINEとLINE GAMEの現状、またLINE GAMEについての2013年の展開が示された。まず登壇したのは、NHN Japan代表取締役社長の森川亮氏。森川氏は、LINEのユーザー数は国内で3,600万ユーザー、世界で8,700万ユーザー以上を獲得していることを明かし、年内か年明けには目標の1億人を達成できると話した。
LINEのDAU(Daily Active User)は65%で、1日に22億件のメッセージがやり取りされており、この数字は森川氏によれば「他の同等サービスの10倍の規模」にあたるという。LINEではこの規模を活かし、LINE GAMEを含めた連携アプリや、キャラクターのグッズ展開、スタンプの販売、企業情報をアナウンスする公式アカウントなど、LINEの潮流を述べていった。
LINE GAMEは「LINE POP」が牽引。ゲーム制作はリアルグラフを意識
続いて登壇したのは、スマートフォン事業部部長の鎌田誠氏。鎌田氏は、LINE GAMEの2012年の実績と、2013年の展開を話した。
現在、LINE GAMEには6タイトルがラインナップされている。LINE GAMEが本格的にスタートしたのは11月19日からだが、6タイトルの累計で2,000万ダウンロードを突破し、現在では3,000万ダウンロードに達する勢いがある。DAUも600万人を突破し、現在でも徐々にDAUは増えている状態だという。
中でも特に勢いがあるのがパズルゲーム「LINE POP」で、配信開始から12日間で1,000万ダウンロードを達成し、最大同時接続は160万人を記録した。App Storeでは、世界11の国と地域で無料総合ランキングで1位を獲得しており、App Storeのトップセールスでも上位をキープし続けてビジネスとしても成功している。
「LINE POP」は、並べられたブロックを3つ以上揃えて消していくパズルゲームで、1分間の時間制限の中でいかに高い点数を取れるかを競う。大きな特徴はLINEとの連携で、ゲームを起動すれば、LINEに登録されている友達のスコアがリアルタイムのランキングとして表示される。ランキングは常に変動するので、自然と競争心が煽られる仕組みだ。
鎌田氏はLINE POPの魅力について、「LINEのリアルグラフをベースとしているので、みんなで集まって一緒にゲームをしているような、リアルフレンドとの競争やわいわいとした感覚が魅力ではないか」と語った。
この「リアルグラフをベースとしている」という点が重要で、LINEとゲームが連携することのメリットとして、鎌田氏は同じゲームをやっている友達とやり取りをする「内部性」、まだゲームを始めていない友達を誘う「外部性」の両面を挙げ、これらのやり取りがLINEを経由して行なわれることで、ゲームとコミュニケーションの双方がさらに発展していくと分析した。
今後は、ユーザー体験を3段階に分けることでLINE GAMEを展開していくという。第1段階では、「LINE POP」のようなゲームを通したコミュニケーション体験、第2段階ではゲーム自体をコミュニケーションの場にする。第3段階では、より深いゲーム体験としてゲーム世界での生活体験を目指すという。
具体的には、第1段階では“手に取りやすい”「LINE POP」のように簡単なやり取りをさせ、第2段階では“ややしっかりした”育成ゲームやパーティゲームを持ってきてゲーム内での交流や同期対戦をさせる。そして最後に“本格的な”MOやMMORPGを導入して、フレンドとのパーティープレイや、ギルド戦などでどっぷりとゲームをプレイしてもらいたい構想だ。
この構想を踏まえ、LINE GAMEの今後のタイトルとしてレースゲームや進んだ距離を競うシューティング、アーケードなどにあるようなコインゲームを準備していることが発表された。
また配信を準備しているタイトルも続々と控えており、2013年春以降は月5、6本よりも多いペースでの配信を行なっていきたいと鎌田氏は話した。
賞金1,000万円のゲームアプリコンテストを開催。ゲームでさらなる飛躍を狙う
ここで森川氏から、LINE GAMEの新たな取り組みとして「LINE GAME+YOU」と銘打たれた展開について発表があった。これまでLINE GAMEは「LINEとゲームの相性はいいのか」、「ビジネスとして成立するのか」などの疑問点について見極め、実績を重視する段階にあった。森川氏はこれらに実績が出せたと判断して、次に「1歩踏み込んだ」展開をし、より広いパートナーとプラットフォームを盛り上げていこうというもの。
発表会では、この最初の取り組みとして「LINE GAME コンテスト」の実施が発表された。「LINE GAME コンテスト」は、“LINEにあったらいいな”と思うゲームアプリを募集するコンテストで、応募されたスマートフォン向けのネイティブアプリを審査し、大賞を決定するというもの。募集するのはアプリのアイデアではなく、制作する必要がある。
応募期間は2013年1月21日から3月19日までで、特設サイトから応募できる。応募資格は特に指定されておらず、プロからアマチュア、個人、国籍、年齢などは一切問われない。ただし、未発表のアプリで、AndroidとiPhoneのどちらかでアプリが動作する必要がある。詳しい審査方法は特設サイトにて改めて発表される予定。
大賞の賞金は1,000万円。大賞に選ばれればLINE GAMEへゲームをリリースできるほか、LINEキャラクターをゲーム内で使用することも可能になる。また審査は2次審査まではNHN Japan内部で行なわれるが、最終審査はLINEユーザー1万人によって審査されるという。最終的な結果発表は、5月下旬を予定している。
森川氏は最後に挨拶として、「今年LINEのプラットフォーム化を発表したが、プラットフォームは単純にコンテンツを並べていけばいいわけではなくて、サービスの流れや潮流を作ることが大事。これまでは内部で頑張っていたが、+YOUということで来年はより多くのパートナーと共にLINEの価値を高めていって、LINEを世界へ広めていきたい」と語った。