台湾BenQ、ゲームにも適したフルHDプロジェクター「W1080ST」を発表

6畳間でも設置可能な世界初のフルHD/短焦点の“ゲーミングプロジェクター”


11月23日発表

Singapore Carlton Hotel



 台湾BenQは11月23日、シンガポールにて開催しているプライベートイベント「2012 BenQ Regional Media Meeting」にて、ゲーミング用途にも適したビデオプロジェクター「W1080ST」を発表した。発売時期は2013年第1四半期を予定し、価格は1,299ドル。日本でも日本法人ベンキュージャパンより、2013年3月の発売を予定している。

「2012 BenQ Regional Media Meeting」では、プロジェクターのほか、液晶モニターに関する発表も行なわれた
左側の白い筐体が「W1080ST」。右にあるのはXbox 360とKinect
今回発表されたビデオプロジェクターのスペック表

 BenQは、11月23日よりシンガポールにて、アジアパシフィック地域のメディアに対して自社のゲーミング向けの取り組みを紹介するプライベートイベント「BenQ Regional Media Meeting」を開催している。「W1080ST」は、その目玉として発表されたビデオプロジェクターとなる。

 「W1080ST」は、個人宅のホームシアターとして設計されたビデオプロジェクターのハイエンドモデルで、同社によれば、個人向けで、フルHD(1,920×1,080ドット)/短焦点レンズ(Short Throw)は世界初だという。独自開発のライトエンジンと大口径のレンズを採用し、フルHDに対応しながら近い距離に設置できるため、極めて明るく、クッキリとした非常にシャープな映像を出力することができる。

 スローレシオは0.69~0.83で1メール距離からの出力で65.7インチ相当となる。出力は最短で40インチ、最長で300インチ。入力はHDMI×2、D-sub15ピン×1、コンポジットビデオ×1など。本体サイズは312×109×244(幅×奥行き×高さ)で、重量は2.85kg。

 デモンストレーションでは、Xbox 360をHDMI接続し、スクリーンから120cmほどの距離から「Just Dance 4」(Ubisoft)を80インチサイズで出力していたが、細かいテキストを含め、プロジェクター特有のブレや白みがかることもなく、メリハリの効いたくっきりした映像で、これならゲーム用途でも十分利用できると感じた。

 1メートルで65インチサイズなら、ほとんどのゲームシーンに適用が可能で、プロジェクターの置き場所や、自分のポジションに困ることもなく、自分の手前においてゲームや映画を楽しむことができる。これは内蔵する10Wのスピーカーから音を聞くという面でも非常に相性が良いと感じた。なお、短焦点レンズの弱点として、台形補正ができないため、あまり角度を付けた設置(業務用の超短焦点レンズにおける、ホワイトボードの真上に設置など)は難しいということだ。

 ゲーミング用途では必須のスペックとなる応答速度については、FPSやレースゲーム向けに1桁前半台(1~4ms)でしのぎを削るゲーミングモニターと比較するとまだまだということで特に数字を出してアピールするつもりはないということだが、プロジェクターとしては応答速度に優れる球体型を採用し、2桁台前半(数十ms)までは引き上げられたとしている。

 FPSやRTS、レースゲームなどなど、高い応答速度が求められるゲームには若干厳しいかも知れないが、それ以外のジャンル、とりわけデモにも使用された「Just Dance」シリーズのようなパーティー向けのKinectタイトルとの相性は抜群で、BenQが提唱するプロジェクターによるゲーミング「Big Screen Gaming」を担うフラッグシップモデルとなりそうだ。


【プレゼンテーション】
BenQ SingaporeのShayane Neo氏の説明は、すでに海外では発表済みの「W1070」と「GP10」は省き、最新モデル「W1080ST」に特化した内容となっていた

「Just Dance 4」のデモンストレーションを行なっているところ。わずか1.2メートルほどの距離からフルHD映像が出力され手いるのは驚きだ取材に協力して頂いたベンキュージャパン代表執行役社長のマーティン・モーレ氏(左)と、液晶ディスプレイプロダクトマネージャーの洞口寛氏(右)

【W1080ST】
大口径のレンズが特徴的な「W1080ST」。個人向けビデオプロジェクターの分野で初の「フルHD/短焦点」を実現し、映画、テレビの出力に留まらず、ゲーミング用途にもアピールしていく考えだ

【W1070】
「W1070」はフルHD、3D立体視に対応した、ビデオプロジェクターとしては標準的なスペックを備えた「W1080ST」の下位モデルとなる。スローレシオは1.15~1.5で、2メートルで79インチサイズとなる。

【GP10】
「GP10」はライトにLEDを搭載した20,000~30,000時間の耐用時間を備えた小型軽量モデル。解像度は1,280×800ドットまでで、デモではWiiによるデモが行なわれていた

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(2012年 11月 24日)

[Reported by 中村聖司]