WARGAMING.NET、Blizzard Entertainmentブースレポート
「World of Tanks」は本格始動! 「StarCraft II: Hearts of the Swarm」に注目が集まる
G-STAR2012で欧米系メーカーで大きなブースを構えていたのがWARGAMING.NETとBlizzard Entertainmentだ。どちらも試遊台を多く配置し、ステージで派手なイベントを行ない、来場者の注目を集めていた。
WARGAMING.NETは昨年会場に戦車を持ち込み大々的にアピールしていた。このためすでに韓国サービスを行なっているものと思っていたが、実は11月15日より韓国国内でのテストを開始するところで、本格稼働はこれからだという。
Blizzard Entertainmentは「StarCraft II」拡張パック第1弾の「StarCraft II: Hearts of the Swarm」と、こちらも「World of Warcraft」の拡張パックとなる「World of Warcraft: Mists of Pandaria」を出展していた。「StarCraft II: Hearts of the Swarm」は特に注目度が高かった。また、Pandariaのぬいぐるみとチャイナ服のコンパニオンは大人気で撮影ブースは常に賑わっていた。
■ リアルな戦車でカジュアルに戦える「World of Tanks」、韓国でいよいよスタート
コンパニオンの撮影会は様々な場所で行なわれていた |
VIPコーナーでは似顔絵を描いてもらうことも |
WARGAMING.NETは中央の大きなステージでイベントを行ない、向かって左側に「World of Tanks」、右側に「World of Warplanes」の試遊コーナーを構えていた。イベントはグッズを配ったり、クイズに答えたりするものが中心だったが、その回数が多く、常に来場者を惹き付けていた。ブースは2階建てになっており、上にある「VIPコーナー」には、抽選で選ばれた人だけが行くことができた。ここでは並ばずに試遊台でタイトルに触れることができるほか、希望すれば自分が戦車に乗ったようなイラストを描いてもらえる。VIPコーナーにはWorld Cyber Gamesに出場した韓国人選手の手形も展示されていた。
「World of Tanks」は戦車戦をテーマにしたシューティングゲーム。2010年3月にスタートし、欧米やシンガポールでサービスされている、。戦場には最大で30台の戦車が参加でき、第一次大戦から、ベトナム戦争まで活躍した戦車に乗り込み戦いを繰り広げることができる。シミュレーション性よりもカジュアルな対戦を意識したバランスとなっている。サービスの初期でアメリカ、ドイツ、フランス、ソ連、および英国の戦車が230種類収録されていたが、最新バージョンでは中国の戦車もフォローしており、収録戦車は増え続けている。
ゲームに登場する戦車の造形は非常に凝っており、ハッチや外装なども細かく再現されている。マップは丘と森林のある場所から、砂漠地帯、工業地帯と様々で、軽戦車から重戦車までそれぞれ戦い方があり、自分なりの戦い方を求めていける。日本での展開はアナウンスされていないが、日本から海外サーバーでプレイしているユーザーは多い。
「World of Tanks」の韓国でのオープンβサービスは11月15日よりスタートする。現在正式サービス開始日は未定。基本プレイ無料アイテム課金のビジネスモデルとなる。広報担当者によれば、「World of Tanks」は韓国ではサービス前から人気が高く、ユーザーが独自で"韓国語版パッチ"を作り海外のサーバーでプレイしていた。このパッチが出回ったことで多くのユーザーがプレイするようになったという。WARGAMING.NETは「World of Tanks」のビジネスモデルなどで韓国製のゲームを参考にしており、開発者も韓国に強い期待を掛けているという。
もう1つの「World of Warplanes」は空の戦いをテーマにしたシューティングゲーム。欧米で2013年サービス予定で、現在はテストが行なわれている。こちらも基本プレイ無料アイテム課金のビジネスモデルを予定している。1930年代の複葉機から、第2次大戦のプロペラ機、朝鮮戦争のジェット機まで合衆国、ドイツ、およびソ連の戦闘機が登場する。戦闘機は軽量級、重戦闘機、爆撃機といったカテゴリーわけされている。
戦闘を繰り返すことで様々なカスタマイズが可能になり、より自分の戦いにあった戦闘機にすることができる。兵器、エンジン、他にも様々なパーツを付け替えていくことで性能を変えることができる。そして「World of Tanks」、さらに海の戦いを描く「World of Battleships(サービス時期未定)」と連動する機能も準備されるという。こちらの連動要素はまだ明らかになっていないが、陸、海、空の世界がどのように融合していくか注目である。ちなみに、こちらも日本での展開は予定されていない。
「World of Tanks」と「World of Warplanes」の試遊コーナー。「World of Tanks」は11月15日からオープンβテストが行なわれる予定だ |
【World of Tanks トレーラー】 |
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【World of Tanks】 | ||
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モデリングやグラフィックスはリアルだが、戦闘の感触はカジュアルで、手軽に戦車戦を満喫できる |
【World of Warplanes】 | ||
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複葉機からジェット機まで、様々な戦闘機に乗ることができる |
■ 「StarCraft II: Hearts of the Swarm」の新ユニット、新バランスに注目が集まる。Pandarenも大人気
パンダの着ぐるみは撮影コーナーで大人気だった |
イラスト教室。本格的なアートの描き方を学べる |
Blizzard Entertainmentブースでの一番人気は「StarCraft II: Hearts of the Swarm」だ。「StarCraft II」にはTerran、Protoss、Zergの3種族が登場する。拡張パックではそれぞれの種族にフォーカスされたキャンペーンが収録される予定で、「Hearts of the Swarm」ではZergにフォーカスが当てられる。20のミッションが用意される予定で、RPGのようにキャラクターを育て、プレーヤーによって異なるプレイスタイルが楽しめるという。
「Hearts of the Swarm」ではキャンペーンの他に、各種族向けに新ユニットが追加され、種族間のバランスも調整が行なわれる。また、クランシステムの実装や、課金アイテム実装を予定したアップデート要素も盛りこまれる。発売日・価格は未定となっている。ちなみに、本作をプレイするためには、基本セットである「StarCraft II: Wings of Liberty」が必要となる。
会場では20分間「Hearts of the Swarm」のPvEに触れることができた。韓国のプレーヤー達は20分の時間いっぱいまで、拡張パック実装後のゲームバランスを細かくチェックし、新ユニットの使い勝手などを確認していた。プレイ待ちの列はかなりの長さになっていたが、本作へ寄せる強い期待感が伝わってきた。
もう1つ出展されていたのが、「World of Warcraft」の最新拡張パック「World of Warcraft:Mists of Pandaria」だ。昨年に引き続き2回目の出展となる。北米では9月に発売され、韓国でも9月25日に発売されている。この拡張パックの大きな特徴はPandarenというパンダそっくりの新種族と、Monkという新クラスの追加だ。Pandarenはかわいらしさだけでなく、どこかふてぶてしさも感じさせる造形で、強い存在感がある。
試遊台ではPandarenの故郷を歩くことができた。水墨画のような切り立った山々のある秘境とも言える場所で、のどかな風景の中に赤い中華風の建物が見える。街の様々な場所ではカンフーの訓練をしているがいるのが面白い。また、凧のような乗り物や、中国風のドラゴンに乗ることもできた。
タイトルだけでなく、Blizzard Entertainmentのブースは"ゲームの世界観"を活かした出展が楽しい。「World of Warcraft:Mist of Pandaria」はゲーム内の世界そのままの建物の撮影ブースがあり人気だった。コンパニオンを取るだけでなく、自分で建物の前に立ち、「ゲームの世界に入った自分」を想像しているような人もいた。この他ファンアートを展示していたり、様々なグッズを販売しているコーナーもあった。
ステージではおなじみとなった対戦大会は開催時は黒山の人だかりになった。今回のG-STARでは昨年ほど対戦ブースは目立たなかったが、ユーザー達の変わらない関心の高さを感じさせられた。面白かったのは、イラストのテクニックを紹介するイベント。「StarCraft II」の重厚なイラストをペイントソフトでどう描いていくか、細かい解説を交えながら実際にイラストを描いていた。ファンアートも多いBlizzard Entertainmentならではのイベントと感じた。
「StarCraft II: Hearts of the Swarm」は特に熱心にチェックしている人が多かった | ||
左はファンアート、中央と右はショップ。Blizzard Entertainmentのグッズを購入できる |
【StarCraft II: Heart of the Swarm トレーラー】 |
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【World of Warcraft:Mists of Pandaria】 | ||
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Pandariaの世界が新しく追加される。Pandarenはどう猛さも合わせ持つ。中国風のフィールドも興味深い |
(2012年 11月 12日)