東京ビッグサイトにて「東京おもちゃショー2012」が開幕

今年のトレンドは“スマホとの連携” 夢がつまった35,000点のおもちゃが勢揃い!


6月14日~17日開催(一般公開日は16日、17日)

会場:東京ビッグサイト 西1~4ホール



 国内最大規模の玩具見本市「東京おもちゃショー2012」が6月14日、東京ビッグサイトにおいて開幕した。会期は6月17日までで、一般公開日は6月16日と17日の両日となっている。本稿では、初日の模様と今年のおもちゃショーの見所を紹介しよう。各おもちゃの詳細については追って詳報をお届けする予定だ。

会場となる東京ビッグサイト
会場の様子。奥に見えるのはタカラトミーとタカラトミーアーツのブース
初日は発表会も数多く開催された。写真はタカラトミー一押しのおもちゃ「バトロボーグ20」の発表会にゲストとして招かれた日本フライ級チャンピオンの粉川拓也選手と、お笑い芸人の小島よしおさん
トヨタの子供用コンセプトカー「Camatte(カマッテ)」

 「東京おもちゃショー2012」は、社団法人日本玩具協会が年に1度開催している国内最大規模の玩具見本市。国内の玩具見本市はほかにも「静岡ホビーショー」があるが、こちらが静岡に本社を置くタミヤを中心に、模型やプラモデル、ラジコンにフォーカスを当てているのに対し、「東京おもちゃショー」は、それらを除いた、幼児向け、女児向けも含めたいわゆる“おもちゃらしいおもち”ゃが展示され、両イベントは綺麗に棲み分けがされている。

 「東京おもちゃショー」を牽引するのは、バンダイ、タカラトミー、エポック社、セガトイズといった昔ながらのおもちゃメーカーで、いわゆるゲームメーカーはスクウェア・エニックスや、カプコンなど一部のメーカーがフィギュアやグッズを展示しているに留まる。むしろ各おもちゃメーカーがライセンスを受けて展開している「ポケットモンスター」(ポケモン)や「マリオ」(任天堂)、「マジゲート」(gloops)などのおもちゃのほうが、存在感を放っている印象だ。

 おもちゃショーの会場は例年通り、東京ビッグサイトの西1~4ホールを使用している。言い換えると西ホールの1階と4階全域で、吹き抜けになっている中央エリアも含めるとかなりスペースは広い。会場のブースデザインは比較的ゆったりとしており、ベビーカーを引きながらでも十分に楽しめるが、おもちゃショーの慣例として、ブースデザインの特異さに注意する必要がある。具体的には、ブースをぐるりと壁で囲い、入口と出口を設定し、順路に従ってすべてのアイテムを見ていく形のブースデザインを採用しているメーカーが非常に多い。このため、「あのメーカーの注目の○○だけを見る」という見方は基本的にできないので、時間に余裕を持って訪れたいところだ。

 「東京おもちゃショー2012」のトレンドは、まずはなんと言ってもスマートフォンとの連携機能を持ったおもちゃが筆頭に挙げられる。スマホの活用方法は実に様々で、スマホとセットで遊ぶことを前提に設計しているものもあれば、スマホを使うことで追加要素を楽しめるものや、スマホがあると楽しさが倍加するもの、中にはバンダイの「ARカードダス」のように、カードゲームなのにスマホがないと遊べないものまである。下記に写真と共に紹介するので参考にしてみて欲しい。

 次に天体系のアイテム。はやぶさの帰還や、金環月食などで宇宙に対して関心が高まりつつあることを受けたもので、天体望遠鏡や地球儀、天球図といったそのものズバリのアイテムから、セガトイズが近年特に力を入れて展開している家庭用プラネタリウム「ホームスター」シリーズの最新作「アースシアター」など様々なアイテムが出展されている。

 3点目としては、時節柄のおもちゃ。具体的には、スカイツリーの模型(複数社)や、オリンピックに合わせてナデシコユニフォーム姿のリカちゃん(タカラトミー)、そして夏ということで、食玩を得意とするタカラトミーアーツからは、プッチンプリンをアイス化する「プッチンアイス」や、泡を何度でも発生させるビールジョッキ「ジョッキアワー」など、今年もユニークなアイテムが出展されていた。

 最後に、おそらく“大の大人がもっとも楽しめるおもちゃ”は、東京ゲームショウ初出展となるトヨタが参考出展していたコンセプトカー「Camatte(カマッテ)」だろう。トヨタ内でコンセプトカーの制作を専門にしている企業価値創造室の最新モデルで、“おもちゃのように楽しめる車”を具現化したものとなる。ちなみに、“かまって”の主語はこの車自身で、家族に構って貰うためのアイデアを詰め込んだ夢の車となる。

 Camatteは、最高時速40kmで実際に走行可能な電気自動車で、手回しで簡単に取り外せるネジを外すだけでボディー丸ごとの交換が可能。ブースには“空”をイメージした上開きの近未来的なボディと、“陸”をイメージしたジープスタイルのボディ、そしてフロントのみだがレーシングスタイルのボディの3つのボディが展示されていた。

 車内デザインは、前部中央にハンドルが1つ、シートが1つの1人用自動車と見せかけつつ、実はシートの斜め後ろに1つずつシートがあり、3人乗りとなっている。子供、お父さん、お母さんの3人乗りをイメージしており、車内空間をお互いの身体が触れあう密着感のある狭さにすることで、逆に家族間の会話が弾むのではないかとしている。

 また、センターのシートとペダルは位置調節が可能で、お父さんとお母さんを後ろに乗せて、子供でも運転が可能。トヨタの担当者は、「初日から予想以上の反応に驚いています。一般公開日のお子さんの安全確保が今から課題です(笑)。Camatteは家族をターゲットにした夢の車です。ぜひ感想をお寄せ下さい」と笑顔で話してくれた。東京おもちゃショーに訪れたらぜひ見ておきたい大人も子供も要注目のドリームカーだ。

【会場の様子】
会場はゆったりしている。逆にブース内は混み合っているので注意したい

【バトロボーグ20(タカラトミー)】
本来ゲストとして出席するはずだったお笑い芸人スギちゃんが急遽病気で欠席ということで、同じ事務所の小島よしおが参戦したタカラトミーの新製品「バトロボーグ20(トゥエンティ)」発表会。Wiiコントローラー+ヌンチャクのようなスタイルの無線コントローラーでロボットを操作し、相手を倒すというバトルロボット。2人の対戦は予想通り(?)粉川選手の勝利に終わり、粉川氏は防衛戦に病欠したスギちゃんを指名した。「バトロボーグ20」は7月14日発売で、価格は3,990円

【粉川選手対小島よしお「バトロボーグ20」対決】


【アースシアター(セガトイズ)】
家庭用初となる光学式、デジタル式のハイブリッド式投影方式を採用した次世代家庭用プラネタリウム「アースシアター」。光学式で6万個の星を投影しながら、「地球の夜空」、「はやぶさの旅」という2つのデジタル映像を自然な形で重ね合わせ、15分程度の宇宙の旅を堪能することができる。発表会にはフリーキャスターの新藤晶子さん(左)と、制作に携わったプラネタリウムクリエイター大平貴之さん(中央)、デジタルグラフィックアーティストのKAGAYAさんの3人をゲストに迎え特別対談を行なった。大平氏は、「プラネタリウムは老若男女、すべての世代に楽しんで貰える」とプラネタリウムの万能的な魅力を力説すると、KAGAYAさんは「私は想像の世界をデジタルで描く仕事をしているが、それが家庭で楽しめる。私が作ったプラネタリウムの番組は全国90館で流されているが、この製品が発売されることにより、それが数万に広がる」と熱っぽく語ってくれた。「アースシアター」は6月14日発売予定で、価格は36,750円

【スマートペット(バンダイ)】
顔の部分にiPhone/Androidをはめ込んで楽しむ「スマートペット」。タッチ操作でリアクションが返ってくるだけでなく、カメラ・マイク機能を使ってトリックを覚えさせたりできる。フェイスを取り外せば持ち運びも可能で、フェイスを付けたまま充電も可能。「スマートペット」は6月16日発売予定で、価格はオープンプライス

【HYBRID GRADE(バンダイ)】
一見、1回500円のガシャポンで手に入るフィギュアだが、専用アプリを通してフィギュアをスキャンすると、映像や音のエフェクトが楽しめるという“フィギュア&ARおもちゃ”。7月30日から順次「仮面ライダー」、「ワンピース」、「TIGER & BUNNY」の3ラインナップの展開を予定し、今後「ドラゴンボール」や「機動戦士ガンダム」なども展開していく。ブースでは、「ワンピース」のルフィ(肉持ちVer)を試すことができた。フィギュアをアプリに読み込ませると、「ドンドンッ! 腹減ったぞ~肉~~」という声が聞こえてきた。このリアクションは、1人の時、2人の組み合わせ、4人セットでそれぞれ異なるということで、持ち寄る楽しさがありそうだ。「HYBRID GRADE」は7月30日より発売開始予定で、価格は1体500円

【ARカードダス(バンダイ)】
1988年にスタートした「カードダス」のスマホ対応バージョン「ARカードダス」。1枚100円で購入できるカードは基本的にコレクション要素のみで、実際のバトルやクエストはカード裏のバーコードをスマートフォンに読み込ませて行なうようになっている。ブースではすでに発売している「仮面ライダー」最新カードセットとなるの第5弾と、新規ラインナップとなる「ワンピース」が出展されていた。スマホだけで完結できそうな製品ではあるが、カード事業部のビジネスと言うことで、カードの付加価値をいかに高めていくかを重視しているということだった

【ワンピースARカードダス(バンダイ)】
「ワンピースARカードダス」アプリのスクリーンショット

【赤ちゃん専用iケース(マテル)】
iPhone人気は遂に赤ちゃんにまで! クリアカバー/保護カバーでよだれ、汚れをシャットアウトし、誤動作も防ぐ。赤ちゃんに最適な取っ手やビーズ、背面にはミラーも完備。赤ちゃんに安心してiPhoneで遊ばせることができる。6月16日発売予定で、価格は1,995円

【Cocolo Bear(キューブ)】
スマートフォンを装着し、専用アプリで遊ぶと音声をぬいぐるみがリップシンクして喋ってくれるというもの。音声は600種類以上。基本的にはリップシンク機能を備えたスピーカーとして使えるクマさんで、ラジオや電話にも適用することができる。価格、発売時期共に未定

【Camatte(トヨタ)】
上段が空バージョンのCamatteで、下段は着せ替え用のボディとなる。非常に可愛らしく、しかも実際に動くということで、多くの報道陣が集まっていた

【スカイライン スーパーシルエット(日産)】
日産は、これまで支えてきてくれたおもちゃ業界に対する感謝と支援という意味で、スカイライン スーパーシルエットを参考出展。1982年製のGT-R R-30がベースになっているが、スカイラインの歴史を後世に伝えるために動態保存されているという。その周囲にはおもちゃメーカーに協力して貰い。日産のミニカーなどが展示されていた

【スギちゃん危機一髪だぜぇ(タカラトミー)】
黒ひげ危機一発のスギちゃんバージョンが緊急発売。11月発売予定で、価格は3,150円

【おかしなシリーズ(タカラトミーアーツ)】
食玩を得意とするタカラトミーアーツの人気シリーズ「おかしなシリーズ」は今年も魅力的な製品が勢揃いしている。1番上は取っ手に隠されたバネの衝撃で泡を再発生させるおもちゃというよりはアイデア商品の「ジョッキアワー」。中段はグリコとの夢のコラボレーションとなるプッチンアイス。プッチンプリンをセットして凍らせるとアイスとして食べられるというやや強引系アイテム。下段は板チョコやポッキーでパーティーが楽しめるというもの

(2012年 6月 14日)

[Reported by 中村聖司]