日本マイクロソフト/カプコン、「Xbox 360 感謝祭 in AKIBA」を開催
10周年を迎えたXbox。発表会ではKinect専用タイトル「重鉄騎」のデモを実施
日本マイクロソフト株式会社は2月26日、カプコン株式会社と共同で、両社の最新ラインナップを集めたユーザー体験イベント「Xbox 360 感謝祭 in AKIBA <CAPCOM × Microsoft 新作体験会>」を開催した。会場となった東京秋葉原のベルサール秋葉原 1Fイベントスペースには、両社の新作タイトルがずらりと並べられ、自由に試遊することができたほか、奥のメインステージでは、新作タイトルのステージイベントも開催された。本稿では開幕に先駆けて実施されたメディア向け特別ステージの模様をお伝えしたい。
【Xbox 360 感謝祭 in AKIBA <CAPCOM × Microsoft 新作体験会>】 | ||
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イベントでは、「バイオハザード オペレーション・ラクーンシティ」や「Dragon's Dogma」など全8タイトルの試遊台を出展。日本マイクロソフトはセカンドパーティータイトルも含めてすべてKinect専用タイトルだ |
■ 22周年を迎えたマイクロソフト。今後もカプコンをストラテジックパートナーに共に歩んでいく
挨拶を行なう日本マイクロソフト 執行役 インタラクティブ・エンターテイメント・ビジネス ゼネラルマネージャーの泉水敬氏 |
泉水氏と握手を行なうカプコン CS開発統括/副統括 小林 裕幸氏 |
今回出展された8タイトルを改めて紹介する泉水氏 |
プレス発表会では、主催社を代表して、日本マイクロソフト 執行役 インタラクティブ・エンターテイメント・ビジネス ゼネラルマネージャーの泉水敬氏が挨拶を行なった。
泉水氏は、Xboxフランチャイズが、2月22日を持って10周年を迎えたことを取り上げ、ここまで来れたことを日本のメーカーやクリエイターに感謝を述べた後、「今回は中でも初代Xboxのローンチからパートナーとして共に歩んできたカプコンと共にイベントをお送りしていきたい」と挨拶。
続いて泉水氏の紹介を受けて登壇したカプコン CS開発統括/副統括 小林 裕幸氏は、Xboxの10周年カプコンの出展タイトルについて駆け足で紹介していった。「ASURA'S WRATH」(発売中)、「ストリートファイター X 鉄拳」(3月8日発売予定)、「バイオハザード オペレーション・ラクーンシティ」(4月26日発売予定)、「Dragon's Dogma」(5月24日発売予定)の4タイトルを発売日順に紹介していった。「バイオハザード オペレーション・ラクーンシティ」については、「Xbox 360ユーザーに近々何か発表があるので期待して欲しい」と意味深な発言も行なわれた。
そして今回小林氏が特に力を入れて紹介したのが自身がプロデューサーを務める「Dragon's Dogma」。小林氏は、「5月24日に発売が決定しました。剣と魔法のハイファンタジー世界を一から考証し、世界最高峰のオープンワールドアクションゲームになってます。美しい背景、伝説のモンスター、あたかもそこにいるような極上のファンタジーが体験して頂ける。もうまもなく完成と言うことで大阪の開発チームが頑張って作っている。完成度には満足しています」とやや興奮気味に語り、初公開となるトレーラーを見せてくれた。
トレーラーは残念ながら撮影禁止で、あらためて3月以降に公開する予定とのことだが、トレーラーでは、美しいグラフィックス、大迫力のエフェクトをベースに、4人パーティーで巨大なモンスターや、大勢の敵と渡り合っていくシーンが次々に描かれていた。街のシーンではそこで暮らす人々の息づかいが感じられ、あたかもMMORPGのような会話シーンも好印象だった。和製“ポスト「Elderscrolls」”の完成が楽しみにさせる内容だった。
そして小林氏によれば、このタイトルもXbox 360のユーザーに向けて何らかの発表があるようだ。今後も引き続き続報に期待していきたい。
■ Kinect操作でメカを操作する醍醐味、不便さを手触り感たっぷりに描いた「重鉄騎」
ミリタリールックで登場した「重鉄騎」プロデューサー 北林達也氏(左)と片岡謙治氏(右) |
デモを担当した「重鉄騎」ディレクター安藤行男氏 |
「重鉄騎」のステージでは、安藤氏が実機でデモをしながら、北林氏と片岡氏が解説するという形で行なわれた |
目標達成後はクルーと握手するシーンも。もちろんここはKinect操作で、実際に手を前に出して握手する。「重鉄騎」はKinectの使い方が独創的だ |
そして本日のサプライズとして日本マイクロソフトとカプコンのコラボレーションタイトル「重鉄騎」の紹介に移った。
「重鉄騎」は、東京ゲームショウ2010初日に実施されたTGSフォーラムのマイクロソフト(現日本マイクロソフト)の基調講演でサプライズ発表されたタイトル。カプコンの数あるタイトルの中でもとりわけユニークなIPとして知られるXbox用ロボットアクション「鉄騎」のIPを使ったKinect専用タイトルで、あの超弩級の「鉄騎専用コントローラー」による本格的なロボット操作をKinectを使って行なおうという、数あるKinectタイトルの中でも群を抜いて野心的なタイトルである。
開発はカプコンとフロムソフトウェアの共同開発となっており、発売時期は2012年を予定。まだ発売は先のためか、今回も一般ユーザーには一切公開されず、2011年の東京ゲームショウと同様にメディアのみへの公開となった。
登壇したのは、「重鉄騎」プロデューサー 北林達也氏と片岡謙治氏の2人で、Kinectを使ったデモンストレーションは「重鉄騎」ディレクター安藤行男氏が担当した。
デモは、昨年の東京ゲームショウのメディア向け内覧会で公開されたニューヨークマンハッタンを舞台にした1stステージだった。プレーヤーは戦闘ロボット「鉄騎」に搭乗する兵士として、同乗する部下3人を統率しつつ、他の部隊と共に歩調を合わせてマンハッタンへ上陸を目指していく。
このゲームの時代設定は近未来となっているが、ウィルスの影響でコンピューターが使えなくなり、その結果、技術レベルが退化しているという設定になっており、鉄騎の操作系は、第二次世界大戦時の戦車のような非常に原始的なものとなっている。兵士達は口々に“こんなもので”とポンコツ扱いをし、乗り物そのものにドラマ性を持たせているところが大きな特徴となっている。
「重鉄騎」はKinect専用タイトルだが、その操作体系は意外性のある内容となっている。鉄騎の移動や攻撃といった操作そのものはXbox 360の標準ゲームコントローラーを使うのだ。Kinectでは何をするかというと、コックピット内での視点変更や、スイッチ、ベンチレーター、ペリスコープ(潜望鏡)といった機器をする。そのほかにもよく分からない取っ手や、怪しげなボタンなどもあり、非常にメカメカしい。シミュレーター好きにはたまらないのではないだろうか。
具体的な操作方法としては、手を前に出して右か左に払うような操作をするとその方向に視点が動き、仲間に視点が移動する。左右操作で、両サイドの機器を操作できる。上にするとペリスコープが下がってきて、遠くの状況を把握することができる。立ち上がると鉄騎から外に出て、目視で敵の状況を確認することができるといった具合。移動や銃撃をKinectで行なうゲームはこれまでにもあったが、逆に基本操作はコントローラーに任せ、メカを操作する醍醐味が味わえる部分のみをKinect操作にしている点が非常におもしろいと感じた。
また、Kinect操作は、本作のドラマ性にも大きく寄与してしている。デモでは、同乗していたクルーがパニックを起こして鉄騎から外に逃げだそうとするシーンがあり、安藤氏はこれを両手で引っ張る操作で引きずり戻し、クルーを席に戻したところで彼の顔に鉄拳制裁を繰り出した。クルーは防衛本能で殴り返してくるものの、すぐに我に返り、本来の任務に戻った。北林氏によれば、こうしたシーンではクルーに手を出さないという選択肢も選べるようで、自身の判断や行動により、ストーリーに変化も生まれるようだ。
イベントの締めくくりとして北林氏は、「今回、カプコンとフロムソフトウェアというコアゲームに強い2社が共同開発しているので、普通のゲームになることはありえません。皆さんの期待以上のゲームになると思いますのでぜひご期待下さい」と挨拶。北岡氏は「『重鉄騎』の開発は順調に進んでおり、完成間近となっています。これからどんどんと情報を公開していくので楽しみに待っていて下さい」と、マスターアップが近づいているという嬉しいニュースも明らかにしてくれた。
【デモシーン】 | ||
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ゲーム音声はすべて英語だが、メニューや字幕は日本語化され、完成間近という印象を受けた。デモの途中で実は1度、鉄甲弾の直撃を受けてゲームオーバーになっており、簡単なゲームではなさそうだ。グラフィックスも非常に美しく、日米問わずKinectのキラータイトルとなるのは間違いなさそうだ |
【鉄拳制裁シーン】 | ||
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鉄騎内で突如発生したクルーの逃亡。主人公は逃げ出したクルーを捕まえて引きずり下ろし鉄拳制裁を加える。ここをわざわざKinect操作にしているところが非常にユニーク。北林氏によれば、これ以外にも人間ドラマが描かれるシーンはあるという |
【「Diabolical Pitch」スクリーンショット】 | |
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【「Crimson Dragon」スクリーンショット】 | |
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(2012年 2月 26日)