ネクソン、「サドンアタック」王者決定戦「SACTL 2011 Winter」決勝戦を秋葉原で開催
4クランの熱い戦いから、今年も伝説のプレイが続出!
株式会社ネクソンは、Windows用オンラインFPS「サドンアタック」の公式大会「Sudden Attack Clan Tournament League(SACTL) 2011 Winter」の決勝トーナメントを秋葉原UDXにあるアキバスクエアで開催した。
10月下旬からオンラインで行なわれた予選大会には772のクランが参加した。前回の優勝クラン「NabD」が予選で敗れるなど波乱もあり、最終的に「思考の違い」、「#Avenger」、「Kmn-Gaming」、「iZoNe」の4クランが決勝トーナメントにコマを進めた。
5月に開催されたベルサール秋葉原の大会では、会場に人が入りきれず、外から立ち見で観戦する人も出るほどの混雑ぶりだったことから、今回は一回り大きなアキバスクエアに会場を移しての開催となった。それでも会場は500人以上の来場者でごった返した。
決勝トーナメントの合間には、ネクソン運用本部 ゲーム運用6チームの柴田岳寛氏から、新マップや新しいモードなどアップデート情報の発表もあった。また、会場横にはリアルガチャや協賛企業によるゲーミングデバイスの販売コーナーが設けられて、観戦の合間も楽しめるイベントとなっていた。
実況のyukishiro氏(左)と解説のBRZRK氏(右) | マップの抽選を行なうネクソン運用本部 ゲーム運用6チームの柴田岳寛氏 | クリスマスなのでサンタとブラックサンタのコンパニオン |
協賛企業のブースでは、ゲーミングデバイスの即売会が行なわれた | じゃんけん大会の豪華な賞品 | マシントラブルのために、じゃんけん大会は途中と最後の2回行なわれた |
■ 772クランの中から選ばれた最強4クランが出場
今年は夏と冬の2回、大会が開催された |
予選に勝ち残ったのは以下の4つのクラン。
「思考の違い」
1次2次予選を無敗で勝ち上がってきた唯一のクラン。「SAOMT 2011 Summer」の覇者Celluloidも破り、今大会1番のダークホース。
「#Avenger」
「SACTL 2010-2011」の覇者NabDを破って決勝に進出を決めた。
「Kmn-Gaming」
実力・名声は申し分ない無冠の強豪クラン。本大会で初優勝を目指す。
「iZoNe」
「SAOMT 2011 Summer」ではNabDに敗れて準決勝に終わった。前回の雪辱に燃える。
最初に柴田氏がくじ引きをして、準決勝と決勝のマップを選定。選ばれたのは準決勝が「プロバンス」、決勝第1戦が「クロスポート」、第2戦が「シティキャット」、第3戦が「ドラゴンロード」となった。試合の実況はyukishiro氏、解説はBRZRK氏が行なった。
試合のルールは5対5の、爆破マップ対戦。クラン代表同士のナイフ戦で先攻後攻を決める。前半戦は5本先取。後半戦は攻守を入れ替えて、5本先取するか、相手と6ポイント以上離れた時点で終了となる。
準決勝に使われる「プロバンス」は、大会では久しぶりに登場するマップ。センターを挟んだ長距離の打ち合いや、爆破ポイントでのボムの投げ合いが見どころだ。通常は防衛側のブルーチームが有利と言われている。
決勝のトーナメント表 | ナイフ戦のルール | すべての試合で、決着は一瞬でついた |
準決勝のマップ「プロバンス」 | コスプレ姿のコンパニオンに連れられて、選手が入場 | 円陣を組んで気合を入れる姿は、試合中何度も見られた |
予選第1試合は、#Avenger対Kmn-Gaming。前半戦はナイフ戦で勝利したKmn-Gamingがレッドチームを選択した。Kmn-Gamingは連携を取って攻めていくが、先制したのは#Avenger。1ラウンド目、2ラウンド目を取って2-0。3ラウンド目でようやくKmn-Gamingが1ポイントを返し、4ラウンド目もKmn-Gamingが#Avengerの裏を取る戦略で爆弾設置に成功してポイントを奪取。点を取っては取り返す展開が続いたが、9ラウンド目にKmn-GamingのKinko選手が屋根から3人抜きの攻撃で5-4とし、Kmn-Gamingが優勢のまま後半戦に持ち越した。
後半戦は、#Avengerがパーフェクトゲームでポイントを取り返すなど、また混戦となる。#Avengerはラッシュ気味の攻撃で勢いをつけるが、最後の最後までシーソーゲームが続く。しかし、1対1の戦いを制して爆弾解除に成功し、9-8でKmn-Gamingがマッチポイントを取り、そのまま勝利した。
予選第2試合は“思考の違い”対iZoNe。“思考の違い”はここまで唯一無敗で勝ち上がってきたが、勝つために選抜して横浜で事前練習も積んできたというiZoNeの前に終始劣勢の試合が続いた。前半戦はナイフ戦で攻撃側のレッドチームを選択したiZoNeが果敢に突撃していき、“思考の違い”にポイントを与えない。4-0のマッチポイントの試合では、1対1まで競り合ったが爆弾を解除しに行った“思考の違い”を、待ち伏せていたiZoNeが倒して5-0のストレート勝ちで制した。
後半戦は、防御側のiZoNeが爆弾の解除に成功して6-0となり、大会ルールによりコールド勝ちを決めた。これまで個人技が目立っていたというiZoNeだが、今大会ではしっかりしたチームの作戦を練ってきており、それが強さにつながったのではと、実況のyukishiro氏は語っていた。2つの準決勝試合の結果、決勝はKmn-Gaming対iZoNeで争われることになった。
【準決勝】 | ||
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#Avenger対Kmn-Gamingの準決勝第1試合。激しいシーソーゲームをKmn-Gamingが制した | ||
“思考の違い”対iZoNeの準決勝第2試合。iZoNeがストレート勝ちを決めた |
■ 逆転劇が続くシーソーゲームを制したのは、奇跡のグレネード
決勝最初のマップは「クロスポート」。北アフリカを舞台にした象徴的な建物が並ぶマップ。グレネードの投げ合いが激しく、うまく敵を倒していかなければきつくなってしまうという、どちらかというと防御側が有利なマップだ。
第1ラウンド前半戦はiZoNeが攻め側。まずはiZoNeがいい位置を確保して爆弾を設置して先制。しかしすぐさまKmn-Gamingが取り返してシーソーゲームの様相を呈する。Kmn-Gamingが遠距離から積極的にファーストキルを取りに行き2-1とリードしたが、その後iZoNeが強さを発揮して引き離し、スモークを上手く使う攻撃でKmn-Gamingを翻弄し、最後はAサイトで陽動をしている間にBサイトに爆弾を設置するという作戦で前半戦を5-2で制した。
後半戦は攻め側に回ったKmn-Gamingが攻めに転じてじりじりと点差を詰めていき、5-5まで戻し、さらに6-5と逆転した。iZoNeも1ポイントを取って6-6に並んだが、Kmn-Gamingが先に5ポイントを取って第1ラウンドに勝利した。
【決勝戦第1ラウンド】 | ||
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「クロスポート」での第1ラウンド。逆転でKmn-Gamingがマップを制した |
第2ラウンドのマップは「シティキャット」。日本の神社をモチーフにしたマップで、Bサイトには日本風家屋が立ち並び、Aサイトは日本の看板がある繁華街風だ。一般のマップと比べて狭いため、展開が早い。長距離からのスナイパーにも注意が必要だ。
前半戦はKmn-Gamingが攻め側。「いくぞ!」と気勢を吐いてスタートした。だが、前半戦は完全にiZoNeのペースで試合が進む。連携がうまく決まったiZoNeが、Kmn-Gamingの出鼻をくじく作戦で、5-0で前半戦をストレート勝ちした。結局そのまま後半戦も勝ち、2ラウンド目はiZoNeが勝利して、これで1対1となり、勝敗は3ラウンド目に持ち越された。
【決勝第2ラウンド】 | ||
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マップは「シティキャット」。iZoNeが連携のとれた完全な試合運びで獲得した |
決勝最終ラウンドのマップは「ドラゴンポート」。中華街をモチーフにしたマップで、大会では定番中の定番の1つ。毎回、看板から足を滑らせての転落死など、伝説を作ってくれるマップだそうだ。
どちらの選手も円陣を組んで気合を入れた後、いよいよ最終戦がスタートした。前半戦はKmn-Gamingが攻め側。看板のぼりで素早くBサイトに侵入して、まずはKmn-Gamingが先制。しかし今度はiZoNeがパーフェクトゲームで取り返す。さらに、Kmn-Gamingが爆弾解除に来たiZoNeを下から倒して2-1に。さらに、1対3まで追い詰められた状態からKmn-GamingのCyborg選手が冷静に1人ずつ処理して3人抜きして3-1に引き離した。だがここからiZoNeの反撃が始まり、Kmn-Gamingは痛恨のクリアリングミスで3-3に戻される。その後また引き離して5-3で前半戦を終えた。
後半もKmn-Gamingが好調にポイントを取って始まったが、後半2ラウンド目、iZoNeのTAKASHI選手が陽動からBサイトに爆弾を設置、解除に来た相手を倒すという完璧な段取りで勝利したことで流れが変わった。その後iZoNeが追い上げていってついに7-7のマッチポイントに。Kmn-Gamingはもう1点も落とせない状況で、誰もがiZoNeの勝利を確信し始めていたが、その時、奇跡が起こった。Kmn-GamingのNoe選手が投げたグレネートで、iZoNeの4人が同時に倒されたのだ。4キルの瞬間、会場はどよめきと歓声に包まれた。そのままもう1キルも奪ってこのラウンドを取り、勢いづいたKmn-Gamingがいっきにたたみかけてマッチポイントを奪取、逆転劇で悲願の初勝利を手にした。
優勝したKmn-GamingのKaminage選手は「嬉しいです。クリスマスに初めて思い出ができました」と語って会場の笑いを誘っていた。優勝したクランには賞金50万円のほか、ゲーミングデバイスなどの副賞が贈られた。
【決勝戦最終ラウンド】 | ||
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最後の逆転劇で、Kmn-Gamingが混戦を制した |
■ 「人質救出」、「Prison」、「三つ巴戦」など新要素が続々登場
予選第1戦が終了した後の時間を利用して、柴田氏が今後のアップデートについての情報を発表した。これらの新マップやモードは来年初頭から順次導入していきたいと柴田氏。
・新マップ「Prison」
刑務所が題材の爆破マップ。かなり広めのマップ。ボーダー柄が好きだという柴田氏は「囚人服が実装できればいいのですが、そこまでは時間がないかも」と残念そうだった。こちらは来年初めの速い段階で実装される予定だ。
【新マップ「Prison」】 |
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刑務所が題材の爆破マップ。室内と室外のどちらから攻めるかがキモとなる |
・新マップ「ヴァンパイアモード」追加マップを3種類追加
既存マップの中から3つが、ヴァンパイアマップになる。追加されるのは「Vampire Submarine base」、「Vampire Gateway」、「Vampire Cube」の3つ。「ついにヴァンパイアが宇宙に行きます。Vampire Cubeは韓国でも人気です。皆さんも楽しめるのではないかと思います」と柴田氏。
【Vampire Cube】 | ||
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宇宙空間が舞台のマップ | ||
【Vampire Submarine base】 | ||
「潜水艦基地」を使ったヴァンパイアマップ | ||
【Vampire Gateway】 | ||
「ゲートウェイ」を使ったヴァンパイアマップ |
・「三つ巴戦」追加
「サドンアタック」で初めて3つのチームが三つ巴で戦うマップ。プレーヤーは赤、青、緑の3チームに分かれて、各チームのベースにあるフラグの争奪戦を行なう。フラグを占領すると、占領された側はその場でのリスポーンができなくなる。かわりに占領した側が、そこをリスポーン地点として利用できるようになる。「マップ構造は単純なので乱戦が予想されます」と柴田氏。
【「三つ巴戦」追加】 |
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3つの勢力が入り乱れるモードは「サドンアタック」では初めての実装となる |
・新モード「人質救出」追加
劇場のガラスケースの中に拉致された女優を救い出すというミッション。ブルーチームは制限時間までに、ガラスケースに設置された3つの破壊装置の解除をめざし、レッドチームはそれを阻止する。韓国では有名な女優さんが人質のモデルになっているが、日本では別人に変更される。CMも作られる予定で「お茶の間でサドンアタックを見られるかもしれません」(柴田氏)。韓国でも有名な女優と監督を使った実写のCMが作られ好評を博しているそうだ。解除しなければならない爆弾が3つもあるため、どう攻略していくかという戦略が勝敗のカギを握る。
【新モード「人質救出」追加】 |
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映画のようなドラマティックな演出のミッションとなる |
・「サドンアタック」の大型改変
UIやショップの改変などが行なわれて、より遊びやすくなる。「前回のシーズン2レベルか、それ以上の改変になると思います」(柴田氏)。
・リスポーン爆破ミッション
爆破マップでリスポーンしまくりたいという容貌に応えて、韓国でテスト的に取り入れられる。韓国実装後に日本でも実装される予定だ。
・補給倉庫ライフル戦
アサルトライフルの専用マップとして実装される予定。その他、まだ実装されていない武器に関しても早めに出していきたいとのことだ。
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□ネクソンのホームページ
http://www.nexon.co.jp/
□「サドンアタック」のページ
http://www.suddenattack.jp/
(2011年 12月 26日)