ガンホー、「トイ・ウォーズ」の日本選手権「TWGP2011」を開催
「ホビークラ部」の、新フィギュアは巫女と少佐と甲冑美女に


12月24日開催

会場:ベルサール秋葉原



 国内最大のPCゲーム総合イベント「第4回 秋葉原PCゲームフェスタ」が開催中だ。2日目の24日には、地下ステージでガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社による、オンラインFPS「トイ・ウォーズ」のオフラインイベント「TWGP(トイ・ウォーズグランプリ)」が開催された。

 「トイ・ウォーズ」は2011年3月にサービスがスタートしたWindows用オンラインFPS。フィギュアを使ってFPSをするという特殊な設定で、様々なアニメとコラボレーションしたアバターが特徴。現在は会員数が30万人を突破し、ゲーム内のアバターは1,000種類を数えている。

 「TWGP」は「トイ・ウォーズ」の日本一決定戦を決める初の公式トーナメント。その決勝トーナメントにはオンライン予選を勝ち残った3組と、2組みのシードクランが出場した。また、同じ会場で、来場者の中から希望者を募った個人戦「アームズレース大会」も開催され、36人が上位を争った。

 決勝の合間には「トイ・ウォーズ」運営チーム制作担当の斎藤和寛氏が、アップデート情報を発表するカンファレンスコーナーや、ゲスト声優の佐藤利奈さん、岡本信彦さん、岩瀬周平さん、近藤唯さんによるトークショーが行なわれた。

 本レポートでは、「TWGP」決勝トーナメントの様子と、発表された最新情報について紹介したい。


実況と解説を担当した阿部官房長官さん同じく実況・解説の「トイ・ウォーズ」運営チームの波光正俊氏運営プロデューサーの小島幸博氏がバズーカ型クラッカーで開会を宣言
「トイ・ウォーズ」の公式大会は今回が初めて入口にあった彩川鳴実のポップフィギュア部のメインキャラクターのポップ



■ 実力派5クランが出揃った決勝トーナメント

決勝トーナメントの出場クラン。「露隠の葉月」は残念ながら棄権
優勝賞品は、レアなゲーム内アイテム他豪華なラインナップ

 「TWGP」は、「トイ・ウォーズ」の公式トーナメントとしては4回目になる大きな大会。出場したのはオンライン予選を勝ち残った「wasd」、「BOSS」、「傀儡子」の3チームと、「第1回 輝け!T-1甲子園!!」の優勝クラン「Sossu Ne Hi !」、「第2回 輝け!T-1甲子園!!」と東京ゲームショウ2011で開催された「e-Sports日本選手権 in TGS」で2冠を達成した「V1vace」のシードクラン。当初は6クランで争う予定だったが、「露隠の葉月」が棄権したため、5クランでの決勝トーナメントになった。

 実況と解説を行なったのは、「トイ・ウォーズ」の大会ではおなじみの阿部官房長官さんと、「トイ・ウォーズ」運営チームの波光正俊氏。最初に、プロデューサーの小島幸博氏がバズーカ型のクラッカーを鳴らして開会を宣言した。

 大会のルールは、5対5のクラン戦で5ラウンド先取。モードは、赤と青チームに分かれて復活なしで戦う「サボタージュ」だ。マップは、薄暗い夜のリビングで戦う「ナイト・イン・ザ・ハウス」。CBTのころからあるマップで、「トイ・ウォーズ3大マップ」の1つに数えられるポピュラーなマップ。3階層に分かれており、いかに早くセンターの3階を占拠するかがカギを握る、短期決戦の多いマップだ。

 第1回戦第1試合は「露隠の葉月」が棄権したため「wasd」が不戦勝となった。代わりに、運営により急きょ結成された「自称最強軍団」とのエキシビションマッチが行なわれ、「wasd」が安定した強さを見せた。第1回戦第2試合は、唯一の女性プレーヤーがいる「傀儡子」が「BOSS」と対戦。東京ゲームショウ2011の「e-Sports日本選手権 in TGS」で4位入賞を果たした「傀儡子」が5対0で「BOSS」にストレート勝ちをした。

 準決勝第1試合は、今回の優勝候補「V1vace」と「wasd」の試合。「wasd」が先行したが、すぐに「V1vace」が取り返す激しいシーソーゲームが続いた。先にマッチポイントを取った「wasd」が有利に見えたが、最後の最後で「V1vace」が勝利をもぎ取った。準決勝第2試合は「傀儡子」と「Sossu Ne Hi !」の試合。こちらもスタートからしばらくは混戦気味だったが、「傀儡子」がチームワークで決勝進出を決めた。

 「V1vace」と「傀儡子」の決勝戦は、「V1vace」が圧倒的な強さを見せて5対0のストレートで勝負を決めた。3位決定戦は「Sossu Ne Hi !」が制した。実況の阿部氏が短期決戦の多いマップだと説明していたが、どの試合も1分を超えることがほとんどない速攻で、予定時間を大幅に残しての決着というFPSの大会では珍しい結果となった。

 今大会にも優勝して「V1vace」は3冠王となる。クランリーダーRemilee選手は「夏とTGSも勝つことができて、今回も勝てて素直に嬉しいです」と喜びを見せていた。


不戦勝となった第1回戦の代わりに、運営チームとのエキシビジョンマッチが行なわれた試合の様子。どの試合も短期決戦に終わった「ナイト・イン・ザ・ハウス」は夜のリビングルームが舞台のマップ
第3位の「Sossu Ne Hi !」第2位の「傀儡子」優勝した「V1vace」




■ 4つのアバターコラボや、ストーリーモードなど盛りだくさんに発表

「トイ・ウォーズ」運営チーム制作担当の斎藤和寛氏
韓国N.Ogamesからのビデオメッセージも紹介された

 2回戦終了後のカンファレンスでは、「トイ・ウォーズ」運営チーム制作担当の斎藤和寛氏が2012年4月までのコラボレーション情報や、今後のアップデートの方向性を説明した。

 最初に「トイ・ウォーズ」を開発している韓国NQ GamesのCEOアン・テション氏と開発プロデューサーのキム・ソンチョル氏のビデオインタビュー映像が紹介され、現在認識している問題点への解決や、日本のファンに対する感謝の言葉が紹介され、その後斎藤氏がそのメッセージに沿ったアップデート予定の詳細を説明した。

 斎藤氏は、2012年のコンセプトを「もっとトイ・ウォーズ」とし、アバターのコラボレーションやネットカフェのイベントなど、カジュアルさやコミュニティの面から「トイ・ウォーズ」らしさを追求していくという方針を説明した。

 「トイ・ウォーズ」は公認ネットカフェでのオフラインイベントにも力を入れており、これまでも月に1~2回程度の頻度で開催されている。2012年もこの方針を維持して、まずは1月8日に東京で「第12回T-1カーニバル」を開催、さらに1月29日には愛知で「第13回T-1カーニバル」を開催する。他にもネットカフェでプレイした人限定のポイントを付与するなど、ネットカフェでのプレイを盛り上げていく施策も行なっていく予定だ。

 アバターは4つのタイトルとのコラボレーションが発表された。2011年1月には「ギルクラウン」のキャラクター、桜満集(おうましゅう)、楪いのり(ゆずりはいのり)、恙神涯(つつがみがい)、篠宮綾瀬(しのみやあやせ)のアバターが実装される。2月には「LASTEXILE 銀翼のファム」のファム、ジゼル、ルスキニア、ミリアのアバターが、3月には「BLACK LAGOON」のレヴィ、シェンホア、バラライカ、ロベルタのアバターが実装される。さらに4月には「GOSICK -ゴシック-」とのコラボレーションが予定されている。


【コラボレーション情報】
3月のスタートから会員数は30万人を突破した2012年のコンセプトは「もっとトイ・ウォーズ」公式ネットカフェイベント「T-1カーニバル」。今年は11回開催された
2012年1月には、東京と名古屋のネットカフェでイベントが開催されるネットカフェならではの特典も用意される予定だ2012年1月のアバターコラボ「ギルティクラウン」
アバター化されるキャラクター2月に実装される「LASTEXILE 銀翼のファム」アバター化されるキャラクター
3月に実装される「BLACK LAGOON」アバター化されるキャラクター4月に実装される「GOSICK -ゴシック-」

 アップデートプランについては、この1年を振り返って、初心者狩りなどがあるせいで初心者が離脱しやすいという問題と、シューティング以外の遊び要素の不足を指摘した。そういった問題を「ガンホーと開発チームで検討した結果、2012年度の開発はカジュアル性を強化する方向で、初心者と上級者が共存できるゲーム作りを目指す。

 そのためのアップデートの1つが、アドベンチャー形式のストーリーモードが遊べるストーリーシステムだ。プレーヤーが所属しているフィギュア部のライバルとして「第3回PCフェスタ」で発表された「ホビークラ部」が「ようやく形になってまいりました」と斎藤氏。今回は、ホビークラ部の部員が使うフィギュアが初めて公開された今年の6月に新キャラクターの声優公開オーディションが行なわれ、すでに声の収録は終了している。実装は春ごろになるそうだ。

 その他の開発計画としては以下のようなものが発表された。

・アイテムマッチリニューアル

 「『トイ・ウォーズ』らしさを追求するには、アイテムが主力の戦いにすべきだと思っている」と斎藤氏。このアイテムとは、武器や装備ではなくゲーム内でドロップアイテムとして入手できるものがカギを握ってくる戦いを目指すのだそうだ。

・模擬戦

 KILL/DEATHのない練習モード。年明けの早い段階で実装する予定。

・爆破戦

 まだ何を爆破させるのかが決まっていない。「開発チームがニヤニヤしていたので、楽しみにして欲しいです」(斎藤氏)。爆破戦専用のマップも実装されるので、現在とは異なる戦いが楽しめる。

・PvE

 長らく要望があったが、ようやく開発に着手した。2012年中には実装したいと思っている。開発チームは絶対にやると意気込みを語ってくれた。

・ミッションクエストシステム

 アドベンチャーモードの実装に関連した項目。デイリークエストやマンスリークエストなどを検討中。

・クランシステムの改善

 現在のクランシステムは登録した後誰かが来るまでずっと待っていなければならない。それを改善して遊びやすくする。「コミュニティの面で私たちができるフォローをしていきます」。

・観戦システム

 プレーヤーの要望を受けて具体化。近々実装できる予定。

・UIの大改修

 現在のUIを全面的に見直して、もっとカジュアルさを追求したキャラクター性があるものに変更する。

 12月26日に実装される直近のアップデートについても情報が公開された。「武器選択システム」は、7つの武器から選択をするのは多すぎるという声を受けて、ルームの設定によって近接武器以外に2つの武器を選択して戦うモードが選べるようになる。武器はリスポーン時に選びなおすことができる。ほかにもショップアバターの追加、インベントリの拡張、フレンドリストの拡張などが行なわれる。また来年1月には、待望の「オフィスマップ」が実装される。

 友達を誘ってプレイするとアイテムがもらえるキャンペーンや、武器選択システム実装記念のキャンペーン、休眠プレーヤーの復帰キャンペーンなどの各種キャンペーンも予定されている。


【アップデート情報】
2011年の反省点は、見た目と中身のかい離2012年からは中身もよりカジュアルにしていくアドベンチャー形式のストーリーモードを開発中
6月に新キャラクターのためのオーディションが開催された「ホビークラ部」の新キャラクター「ホビークラ部」のキャラクターが使うフィギュア
システムもよりカジュアルで使い安く改善されるシステム面の変更点(1)システム面の変更点(2)
実装のロードマップ12月26日実装の「武器選択システム」12月26日に実装されるその他の要素
各種キャンペーンの予定1月に実装されるオフィスマップストーリーモードのイベントシーン




■ ゲストの声優4人が「トイ・ウォーズ」で対決!

ゲストのトークコーナー

 ゲストのコーナーでは、声優4人によるトークと対抗戦が行なわれた。出演したのは、彩川鳴実とナルミ一号機の声を担当している佐藤利奈さん、ヤマト役の岡本信彦さん、そして今後入る予定のストーリーモードに登場するホビークラ部の部員、海藤アカネ役の近藤唯さんと、アカネが操作するフィギュアガルド少佐役の岩瀬周平さんの4人。近藤さんと岩瀬さんは6月のオーディションでこの役に選ばれた。イベントのゲストは初挑戦ということで、とても緊張した様子だった。

 トイ・ウォーズは素体であるフィギュアのパーツを変えることで、別のキャラクターにすることができる。斎藤氏によれば、声もそんな交換可能なパーツの1つという位置づけで、「声を着せ替えできるのがタイトルの特徴でもあります」と説明した。

 キャラクターを演じる苦労話などのトークの後は、フィギュア部とホビークラ部に分かれての2対2チームデスマッチと、20キル先取の個人戦が行なわれた。チーム戦ではFPSを普段から遊ぶという岡本さんがいい動きでチームを勝利に導いた。個人戦では刀を持った近藤さんのツインテールキャラが次々に相手を倒して勝利した。試合後は、それぞれのキャラクターの声を演じるミニコーナーがあったが、それまでずっと緊張気味だった近藤さんが、キリリとしたアカネを演じて見せ、そのギャップに歓声が沸いていた。

 会場の背後側で行なわれていた「アームズレース大会」は、10月24日に実装されたばかりの新モード「アームズレース」で戦う個人戦。36人が参加して、上位3人にはオリジナルの羽アクセサリーがプレゼントされた。

 最後はオフラインイベントでは恒例の、リアルレボルト軍曹が登場してのじゃんけん大会で、オリジナルTシャツやマグカップなどがプレゼントされた。


ゲストの声優4人が「トイ・ウォーズ」で対決した近藤さんは、刀がメインウエポンのツインテール岡本さんはガトリングガン
36人が参加した「アームズレース大会」の様子「アームズレース大会」上位入賞者には、大会限定アクセサリーがプレゼントされた
「ナルミ一号機」のコスプレをしたナルミガールズ設定資料の展示コーナー未公開資料や、イベントシーンの背景画などが展示されていた
来場者が無料で引ける「リアルトイがちゃ」のコーナーオフラインイベントの人気者「レボルト軍曹」レボルト軍曹とじゃんけん大会

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(2011年 12月 24日)

[Reported by 石井聡]