DeNA、「Mobage」向け新作ソーシャルゲーム発表会開催
「ファイナルファンタジー」、「キン肉マン」のソーシャルゲームが初登場


12月2日 開催


 株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)は12月2日、SNSサイト「Mobage」向け新作ソーシャルゲームの発表会を開催した。

 発表会では、「ファイナルファンタジー」(FF)シリーズ初のソーシャルゲームとなる「ファイナルファンタジー ブリゲイド」と、人気漫画「キン肉マン」を題材とした「キン肉マン超人タッグオールスターズ」の発表が行なわれた。「ファイナルファンタジー ブリゲイド」では株式会社スクウェア・エニックス代表取締役社長の和田洋一氏が登壇し、自ら内容の説明を行なった。

 また、漫画「キン肉マン」を題材としたソーシャルゲーム「キン肉マン超人タッグオールスターズ」の発表では、漫画家ゆでたまごの原作担当をしている嶋田隆司氏、12月1日に正式に誕生したばかりの「横浜DeNAベイスターズ」に所属するプロ野球選手の森本稀哲氏も登場して、発表会に花を添えた。




■ 「FF」要素を満載した「ファイナルファンタジー ブリゲイド」

スクウェア・エニックス代表取締役社長の和田洋一氏
プレーヤーは、「飛空艇」に乗り込んで仲間と「飛空艇団」を作って旅をする

 「ファイナルファンタジー ブリゲイド」は、プレーヤーはそれぞれの飛空艇に乗り込み、仲間と「飛空艇団」を作って世界を旅しながら、敵を倒したりクエストをこなすことで、より強い「飛空艇団」を目指すというRPG。フィーチャーフォン版は12月中旬よりクローズドβテストが行なわれ、12月下旬には正式サービスを開始する予定。スマートフォン版は順次リリースされるという。基本プレイ無料のアイテム課金制によるサービスとなる。

 和田氏は本作のリリースに対して「IP(知的財産)があるからいいわけではありませんし、IPがあるからこそ、既存のゲームデザインに引きずられてしまいます。そのため、今回は完全なオリジナルということで制作しました」と語った。またDeNAとの協業については「全く考え方が違うので、議論が激しくなることもあれば、勉強になることもありました。その結果、いいものができあがったと思います」と述べた。

 内容については、「どのようなゲームの形でも、まずはお客様に何を体験してもらうかが重要」と述べ、「FF」を通しては「仲間のために戦うという部分を重点的に体験してもらおうと、DeNAさんとも議論を重ねてきました」として、仲間との助け合いの部分を強調した。

 会場のスライドでは、「白魔道士」、「黒魔道士」などの「ジョブ」や、「イフリート」、「シヴァ」といった幻獣のイラストが紹介された。他にも「アビリティ」など、シリーズには欠かせないのこれらの要素は「満載」だとして、「これらのバリエーションを多様にすることで、お客様にいつも新鮮な感動を持ってもらえると思います」と和田氏は語った。

 ゲームに登場するイラストは、これまでの「FF」とは違ったパステル調のかわいらしい仕上がりとなっている。これは2012年2月16日に発売が予定されているニンテンドー3DS用ソフト「シアトリズム ファイナルファンタジー」向けに描かれたもので、「ファイナルファンタジー ブリゲイド」でもこのイラストを使うという。これについて和田氏は、ソーシャルゲームの利用層が幅広いことを挙げ、「女性や、コアではないプレーヤーにも楽しんでいただけるようなデザインにしました。モンスターや召喚獣など、お馴染みのキャラクターがこのデザインに生まれ変わります」と述べた。

 また和田氏は、先日発売されたPSP用「FINAL FANTASY 零式」に封入されているシリアルコードを「ファイナルファンタジー ブリゲイド」で入力するとアイテムが入手できるというコラボレーション要素も紹介。「シリーズの他の作品とコラボレーションをすることで、できるだけ広い人々に届けていきたい」とした。


DeNA代表取締役社長の守安功氏

 本作の紹介には、DeNA代表取締役社長の守安功氏も登壇した。本作について「大きいタイトルなので、絶対失敗するわけにはいきません。社内で最も信頼できるチームを起用して今後の運用体制に当たらせます」と述べた。内容については「ゲームには懐かしいと思えるようなバトルシーンも登場するので、『FF』シリーズのファンの方にも満足いただけるのではないかと思います」と語った。

 また和田氏も、「ソーシャルゲームはローンチしてからが勝負になります。我々と業界の雄であるDeNAさんがタッグを組むことが価値に繋がるのではないでしょうか。本作を、長い長いタイトルにしたいと思っています」と述べた。


コンセプトは「仲間のために戦う」という体験。「FF」でお馴染みの「アビリティ」、「ジョブ」といったシステムも満載
かわいらしいイラストによるゲーム構成が発表された。2Dグラフィックスの頃の「FF」シリーズをイメージしたバトルシーンや、「バハムート」などのキャラクターも全て新しいイラストによって表現されているという



■ 原作の魅力を存分に活かした「キン肉マン超人タッグオールスターズ」

「キン肉マン超人タッグオールスターズ」のディレクターを務める油井聡史氏
漫画家ゆでたまごの原作担当をしている嶋田隆司氏
DeNA取締役の小林賢治氏
「ラーメンマン」の姿で登場したプロ野球選手の森本稀哲氏

 「キン肉マン超人タッグオールスターズ」は、ミッションをこなして「キン肉マン」に登場する超人たちを仲間にして、「最強の超人タッグ」を目指すカードRPG。基本プレイは無料で、アイテム課金制となっている。配信開始はフィーチャーフォン版は12月下旬予定、スマートフォン版は2012年2月中旬を予定している。フィーチャーフォン版については、本日より事前登録が可能になっており、事前登録するとレアカードがもらえる。

 発表に登壇したのは、同タイトルのディレクターを務めるDeNAの油井聡史氏。本作について、「原作の魅力を活かしつつ、童心に帰って超人を1人1人集めていく楽しみがあります」と説明した。油井氏は、プレーヤーは好きな超人同士を組み合わせて「タッグ」を結成できる点にも魅力があるとし、原作に登場したタッグや実現不可能だった夢のタッグの結成がゲーム内で楽しめることをアピールした。

 ゲームの主な流れは、好きな超人でタッグを組んでトレーニングをしていると、道場破りとして新たな超人が挑戦をしてくるというもの。その超人たちと拳を交えて仲間になりながら最強を目指す。ゲームには「火事場のクソ力」や「マッスルドッキング」などの原作を活かした画面も見られ、「キン肉マン」の魅力を最大限に活かした内容になるようだ。

 また会場では、DeNA取締役の小林賢治氏、嶋田氏、森本氏によるトークセッションが行なわれた。嶋田氏は、今回の企画を聞いた時点でソーシャルゲームのことを知らなかったそうだが、「ユーザーとやり取りできるのは画期的だと思う」とコメント。開発については、「今まで『キン肉マン』は多くゲーム化されてきましたが、ここまで原画を多く使ったゲームは初めて。スタッフの方の『キン肉マン』ラブを感じられたので、私たちも新しいイラストをがっつり描きました」と描き下ろしの協力をしていたことを明かした。

 小林氏はこの企画をかねてから切望していたそうで、「『Mobage』のユーザー層は最初こそ若い世代が多かったのですが、30代のお客様も増えてきたので、その世代にビンゴだと思っています。我々のやりたかったタイトルでもあるので、期待してください」と語った。

 一方、森本氏は会場に「ラーメンマン」の衣装で登場。かつては「ジェロニモ」に憧れており、実際にゲームにも触れて楽しさを実感できたという森本氏は、「子供の頃に夢見ていたものがゲームになったということで、これから楽しみにしています。個人的には、来年からDeNAさんが球団のオーナーになりますが、こんな格好でよければいつでも呼んでください。何でもするつもりです」と冗談めかしながら話した。

 嶋田氏は、「今週の月曜日には連載も再開され、ゲームの発表もできました。これからも『キン肉マン』を盛り上げていきたいなと思っています。このゲームは、30歳代の方ならずっとやっていただけると思うので、期待してください」とファンにメッセージを送った。


好きな超人タッグで最強を目指す
新しく描き下ろした原画も存分に使いながら、「キン肉マン」の世界を忠実に再現したゲームになるようだ
プレーヤーが夢見たタッグも実現できる会場には実物大の「キン肉マン」フィギュアも登場した


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(2011年12月2日)

[Reported by 安田俊亮]