Wemadeが出展していたMMORPG「天龍記」は三国志をモチーフとしたMORPG「蒼天」の続編「蒼天2」として開発がスタートし、そこから三國志に限らずより幅広い“武侠”や“東洋ファンタジー”の要素を強くし、進化した作品である。

　本作は韓国では2012年第2四半期基本プレイ無料アイテム課金による正式サービスを開始予定だ。「天龍記」はWemadeブースのほぼ半分に20台の試遊台で大きくアピールしていた。今回は取材できたゲームシステムとムービーも紹介したい。

【トレーラームービー】

■　縁が人をつなぎ合わせる。自分だけの“年代記”が作れるMMORPG

会場では20台の試遊台で「天龍記」が体験できた

NPCの人脈図なども細かく記録される

　「天龍記」はベースの世界観には三国志を取り入れているが、東洋ファンタジーの要素を濃厚にしたオリジナルストーリーが展開する。時代設定は三国成立以前となり、三国志のキャラクター達も多数登場する。戦闘ではスキルのモーションやエフェクトの表現には特に力が入っており、見た目の派手な、爽快感のあるゲームを目指している。

　ゲームの大きな目的としてはプレーヤー自身による大勢力の形成が掲げられている。大きなギルドとして小さなギルドを傘下に置き、より強大な力を求めて他のギルドと戦っていく。開発者には“群雄割拠”の雰囲気をゲーム内で実現していきたいという想いがあるという。プレーヤー達自身が三国志の英雄のように大きな勢力を目指して集い、戦っていくのだ。

　キャラクターのクラスは素速い攻撃を得意とする「侠客」、様々な術を使いこなす「術者」、召喚術や回復術を使う「導師」、ダメージを受けるほど攻撃力が上がる近接職の「剣客」の4種類がある。“武功”と呼ばれる様々なスキルがあり、繋げていくことで大ダメージを与えられる。さらに“門派”に所属しているNPCと交流することで特別なコンボスキル「連環武功」を獲得できる。

　「天龍記」ならではの要素として、4つのクラスに加え、“社会職業”という要素が関わってくる。例えば「洛陽兵士」から「洛陽警備隊長」といったように、能力やクエストによって条件を満たすことで昇進し、社会的地位を上げていくことができる。社会的職業は上位職になるにつれ人数制限が厳しくなり、限られたものしかなることができない。社会的職業は称号がつき、職業に応じたクエストが受けられる他、「隠しクエスト」が発動するなど特別なイベントが発動することもある。

　「どのような経歴を持ちなにを為したか」。「天龍記」では自分の足跡を記録し、それをふり返ることが大きな楽しみになる。代表的なものが社会職業であり、「洛陽では兵士の職を得たが、徐州で見出され出世した」といった自分のこれまでの経歴は全て記録され閲覧することができる。さらにサーバー内で特定のモンスターを最初に倒すような「偉業」を成し遂げると記録と共に即レベルアップなどの特典が得られる。「釣り」や「制作」などの生産スキルの結果も記録され、それらは「図鑑」で閲覧可能となる。

　NPCには“人脈”が設定されており、プレーヤーのクエストの進行に合わせて人脈図が書き加えられていく。人脈はクエストのトリガーとなり、「連環武功」の獲得や“奇縁”といった特別なクエストが発生することもある。単純な反復クエストを繰り返すことでその人物の信頼を獲得し、思わぬ大人物を紹介してもらうと言ったこともある。プレーヤー1人1人が三国志の登場人物のように、様々なNPCと出会い、自分だけの物語を作り上げていく体験ができるのだ。

　今回の試遊台では中レベル向けのフィールドでキャラクターの様々なスキルを試すことができた。今回体験できたのは侠客でハイスピードで敵に突進したり、下から上に剣を跳ね上げたり、赤いエフェクトと共に強力な攻撃を繰り出すのが爽快だった。特に砲丸投げのように剣を振り回し、回転切りをするのが楽しかった。

　術者は舞うような動きで光弾を発したり、導師は飛ぶように移動スキルがあったり、クラスごとの派手なスキルも面白かった。攻撃の中には敵を気絶させるスキルがあり、ここからさらにスキルを繋げられる。今回はまだ技の繋がりを試す段階だったが、全てを把握した上で攻撃ができれば楽しいと感じた。加えて自分だけの物語を記録できるシステムの存在を知ることで、「天龍記」に対してさらに興味がふくらんだ。

　MMORPGにおいて「自分の足跡」というのはキャラクターへの思い入れを深くする重要なファクターだ。「天龍記」ではよりゲーム世界に入り込んだ“自分の歴史”を記していける。全く違う場所で活躍していた人がふとした縁で繋がったり、意識していないところでニアミスしていたり自分と友達の経歴を比べるのも楽しいだろう。上級者は「こいつと仲良くなっていれば、いずれはすごい人と繋がれるよ」と後輩に教えるなど、“縁”の面白さもオンラインでさらにふくらむと感じた。プレーヤー社会に注目したいタイトルだ。

【4つのクラス】

試遊台では高レベルキャラクターの多彩なスキルが体験できた