NCJ、オンラインアクションRPG「ブルーティアーズ」開発者インタビュー

本作1本に注力する韓国NEXTPLAYのこだわりと作り込み


開発プロデューサーを務めるAiden Lim氏(右)と、日本開発担当マネージャーのShin Pyoserb氏(左)

11月9日 収録



 韓国NCsoftが11月8日に開催した「G-Star 2011 Premier」に合わせて、エヌ・シー・ジャパンが11月17日よりクローズドβテストを実施(テスターは14日まで募集)する新作オンラインアクションRPG「ブルーティアーズ」の開発元、韓国NEXTPLAYを訪問する機会が得られた。

 「ブルーティアーズ」は、韓国では「Punch Monster」というタイトルで2010年7月よりサービスされている。等身が低めのキャラクターを操作する、見た目にはカジュアルな印象のあるゲームだが、多数の敵を一気に倒す爽快感がウリで遊び応えもある。弊誌では先行プレイレポートを掲載しているので、そちらも合わせてご覧いただきたい。

 今回はNEXTPLAYで本作の開発プロデューサーを務めるAiden Lim氏と、日本開発担当マネージャーのShin Pyoserb氏のおふたりにお時間をいただき、「ブルーティアーズ」の見所や日本でのサービスにかける意気込みを伺った。




■ 見た目はカジュアル、でも中身はボリューム満点

基本はベーシックな横スクロールアクションだが、充実したコンテンツとシステムでプレーヤーを楽しませる

 まずおふたりから、改めて本作のゲーム紹介が受けられた。キャッチコピーに使われている「爽快ドミノ狩り」というのは、敵を全部まとめて1発で倒すという意味。シューティングゲームを意識しており、自機がパワーアップして弾幕で敵を一掃するような爽快感を横スクロールアクションで実現するという目標を掲げている。

 ゲームでは、1つの大陸で繰り広げられる勇士達の冒険談が語られる。物語の鍵になるのは、「マーブルストーン」と呼ばれる神の能力を発揮する媒体となる存在。神が流した喜び、悲しみ、怒りの涙と言われているもので、ゲーム中では「マーブルストーンペンダントシステム」として、神の鎧を着て強力な攻撃力が得られたり、神のガーディアンと呼ばれていたタイタンを召喚して広域攻撃ができたりという仕組みがある。

 大陸は11のエリアで構成されており、現在はそのうち8エリアが公開されている。マップは8つの村と、約200のフィールドマップで構成されている。エリアごとにボスがおり、それぞれ2つから3つのダンジョンがある。さらにメインストーリーのダンジョン以外に外伝となるスペシャルダンジョンが大陸に3つある。モンスターは約2,100種類、クエストは約2,200種類。これらの数字だけを見ても、非常にボリュームのあるゲームだということが感じられる。

 システム面では、4時間ごとに大陸のどこかにボスモンスターがランダムに登場する「ワールドボスシステム」や、ビンゴの形をしたミッションボードで毎日・毎週25種類のミッションを行なう「ファンファンビンゴ」、狩りが退屈になるであろうタイミングでランダムにあるモンスターが現われる「フォーチュンモンスターシステム」など、遊びが単調にならないよう配慮されたシステムを用意。採集や釣りなどの収集システムや、それらで得た素材を使った生産システム、ギルドシステムや友人登録システム、ユーザー間取引のための競売や個人商店、広い大陸でも目的のNPCやエリアを見つけられるガイド機能「GPSシステム」など、MMORPGの基本的な機能もきちんと搭載されている。

 17日から開始されるCBTでは、レベルキャップは40までで、初期クラス3つとその上位職6つ、全てのクラスを体験できる。キャラクターのアバターは日本で人気のアニメの特徴を取り入れた独自仕様に変更されている。またバランスも調整され、ソロプレイでも遊びやすいように韓国版より難易度が下げられる。さらに日本のユーザーの意見を反映する作業も進めており、登場するモンスターをペットにして他のユーザーのペットと戦わせるような仕組みも作りたいという。




■ 誰でも爽快に楽しめる、しかしただ簡単でもない……NEXTPLAYによる一球入魂の作りこみ

イラストは可愛らしさを前面に出してカジュアルユーザーにアピール。しかし下^無二はヘビーユーザー向けの歯ごたえのある要素も盛り込まれている

 続いてLim氏がインタビューにも応じてくれたので、その内容をお伝えする。

――まずNEXTPLAYについて教えてください。ほかにはどんなタイトルを手がけているのでしょうか?

Aiden Lim氏: 「ブルーティアーズ」だけです。これに全力を注いでいる会社です。

――韓国版は現在どういった状況でしょうか?

Lim氏: 2010年7月に正式サービス開始しました。最高レベルは60です。クラスは日本の仕様と同じく6種類に分かれています。

――本作がターゲットとしている年齢や性別はどの辺りですか?

Lim氏: 15から25歳くらいのRPGが好きなユーザーです。横スクロールのアクションではではあまり感じられない打撃感を伝えられるよう努めています。操作感にはコンシューマーゲームの要素も入っていますので、ターゲットにはコンシューマーゲームのユーザーも入っています。男女比は韓国では男性が6~7割程度です。

――比較的カジュアルなユーザーをターゲットにしているようですね。

Lim氏: ライトユーザー向けに気を配っています。アイテムの性能に、クリティカル率や回避率が何%アップと書いてもわかりにくいので、より具体的にスキルを変化させるアイテムを作っています。例えば「ファイアボール」のスキルを持っていたら、それまでは1つの方向にしか撃てなかったものが、あるアイテムを装備すれば3方向に撃てるようになります。自分が強くなったことを視覚的にすぐ体感でき、それが成長の刺激剤になります。こういった理解しやすいアプローチを、アイテムだけでなく他の数値が関わるシステムにも盛り込んでいきたいと思っています。

――既に数ある横スクロールアクションの中で、「ブルーティアーズ」が特にアピールしたい点はどこですか?

Lim氏: 誰でも簡単に、シューティングゲームをプレイしているような直感的な戦闘を楽しめるゲームであることです。ライトユーザーもヘビーユーザーも楽しめるということです。だからといって、とにかく簡単というわけでもありません。ヘビーユーザー向けには、ダンジョンをより難しい難易度で挑戦できたり、ダンジョンに制限時間を設けて攻略時間を競うタイムアタックがあったりと、挑戦的な要素をたくさん用意しています。

――韓国ユーザーからの要望にはどんなものがありますか?

Lim氏: 韓国では2次転職や覚醒(3次転職にあたるもの)への要望や、ダンジョンを増やして欲しいといった声が多くありました。それらの対応の他に我々が力を入れているものとして、セキュリティの強化があります。現在、日本のほかに中国でもサービスを準備しており、チートやハッキングといった不正行為によって平等性が崩れることがないよう気を使っています。もちろんMMORPGがそろえるべきアップデートにも頑張って取り組んでいて、これまでにも半年ごとの大規模アップデートと、2~3カ月ごとの中規模アップデートをしてきています。

――PvPはありますか?

Lim氏: 練習用の1対1と、決闘場での4対4のPvPがあります。決闘場でのPvPに勝つと、経験値のほか、ここでしか手に入れられないコインが入手できます。また今後のアップデートで「ギルドポイント」が入手できるようになり、ギルドのアジトを手に入れられるようになります。

――もっと大規模なPvPの実装は予定されていますか?

Lim氏: もちろん4対4以上の対応も課題として持っています。ただ決闘場は現在、マップが1つしかないので、今後さまざまなマップを追加したいと思っています。マップはただ新しいものを追加するのではなく、実力が足りない人は大砲を放つとか、何かを投げて攻撃するといった、マップ上の仕掛けを追加することを考えています。

――ゲームパッドには対応するのでしょうか?

Lim氏: 韓国ではゲームパッドはほとんど使われていないのですが、日本向けに改良を加えています。韓国では操作に使うキーが固定になっているのですが、新たにキーコンフィグ機能を搭載しました。ゲームパッドのユーティリティで各ボタンにキーを割り当てていただければ、ゲームパッドでも操作できます。ゲームのシステム側でゲームパッドを対応させるのは、UIの修正も必要なので時間がかかりますが、日本の運営元であるエヌ・シー・ジャパンと協議はしています。答えが出れば開発にかかりたいと思っています。

――最後に、日本のゲームユーザーに向けてメッセージをお願いします。

Lim氏: 日本のユーザーの趣向に合ったオンラインゲームだと思います。CBTにはかなりの方が応募していただいているようで、強い関心を持っていただいたことに感謝しています。CBTや正式サービス後も、最高とは断言できないまでも最善を尽くし、楽しいゲームを作っていくとお約束します。

――ありがとうございました。


Blue Tears TM is a trademark of Nextplay Co. Ltd.
Copyright(C) 2011 Nextplay Co. Ltd.
NC Japan K.K. was granted by Nextplay Co. Ltd. the right to publish, distribute, and transmit Blue Tears in Japan. All Rights Reserved.
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(2011年 11月 11日)

[Reported by 石田賀津男]