グラスホッパー、「BLACK KNIGHT SWORD」と「SINE MORA」をプレゼン

古き良きゲーマーにプレイして欲しい、スタイリッシュなアクション&シューティング


【BLACK KNIGHT SWORD】
発売未定

価格:未定

【SINE MORA】
今冬発売予定

価格:未定



「BLACK KNIGHT SWORD」のプレゼンテーションを行なっているグラスホッパーの石川周志氏

 株式会社グラスホッパー・マニファクチュアは、現在開発中のタイトル「BLACK KNIGHT SWORD」と「SINE MORA」のマスコミ向け試遊体験会を開催した。東京ゲームショウ 2011には海外からも多くのメディアが集まることから会場近くのホテルにおいて、同タイトルのプレゼンテーションを行なった。

 グラスホッパーはハンガリーのデベロッパー“DIGITAL REALITY”と開発業務提携を結び開発を開始したのが今回の2タイトルとなる。「BLACK KNIGHT SWORD」はグラスホッパーが開発のほとんどを手がけており、DIGITAL REALITYは技術協力程度にとどまっている。逆に「SINE MORA」はサウンドをグラスホッパーが手がけているほかは、そのほとんどをDIGITAL REALITYが手がけている。

 いずれも20歳代から40歳代をターゲットに、古き良きゲームを最先端の技術とグラフィックスで仕上げているが、自分たちのプレイしたいゲームの好みが出ているようで、片や「BLACK KNIGHT SWORD」は横スクロールの王道アクション、片や「SINE MORA」は弾幕シューティングとなっている。

■ BLACK KNIGHT SWORD

 グラスホッパーがそのほとんどを手がけている「BLACK KNIGHT SWORD」は、正統派の横スクロールアクション。ステージを進んでいき、基本的に1本道に見えるが、あちこちに寄り道や違ったルートなども隠されており、そこにはボーナス要素なども配置。誰もが楽しめるゲームでありながら、ハードコアゲーマーであればスキルを駆使して様々な発見や探索が楽しめる昔ながらのアクションゲームの楽しさが詰まった正統派のアクションゲームとなっている。

 発売、価格とも未定で、プラットフォームはプレイステーション 3とXbox 360が予定されている。

 しかし、世界観やグラフィックス、サウンドはグラスホッパーらしいエッジの効いたものとなっている。シアター(劇場)を強く意識したデザインとなっており、ステージを進むことで背景が描かれていくのだが、いわゆる舞台で言う暗転のように背景が切り替わってゆく。背景などのグラフィックスだけでなく、ステージ内のギミックなども舞台装置をヒントにしたような仕掛けが多く、こだわった作りとなっている。

 キャラクターのデザインも独特で、ダークファンタジーっぽい作りになっている。これは、ディレクターの山崎氏がチェコのアニメーション作品などに影響を受けており、そういったところからも独特な世界観を生み出す原動力となったようだ。なお、シアターの雰囲気を出すために、他のアクションゲームに比べナレーションを多用しているという。日本版のナレーションは、演技派俳優の本田博太郎氏が担当している。

 ステージは5つで、1面から先に進んでいくごとにだんだん1面の長さが長くなっていく構成になっている。モードはストーリーモードとアーケードモード、チャレンジモードなどがあり、ストーリーモードはストーリーがわかるようカットシーンなどが挿入され、難易度もEASY、NORMAL、HARDから選択可能。セーブも可能となっている。一方アーケードモードはセーブもなく自らのテクニックでどこまで進んでいけるかが勝負となるモード。ランキングにも対応しており、他のプレーヤーと競い合うことができる。なお、ステージをクリアすると新たなスペシャルアタックを手に入れることができる。ステージをクリアすることで進めば進むほど強いキャラクターになると思われる。

【ストーリー】

 今は昔。

 いや、今となってはいつの事やらはっきりはしませんがいつの頃よりか聞き伝えられる摩訶不思議な物語。

 とある国にある姫がおりました。この姫なる容姿は可憐な花のようであるが、行ないは残虐無比、暴虐の限りを尽くしておりました。

 さて、ここに剣の精というものがおりまして、この姫を討たんと思いを巡らせ、黒の騎士を呼び寄せたのでした。

 黒の騎士と剣の精。はたまた暴虐の姫の運命やいかに。

 それでは、この物語の結末をこれからご覧に入れましょう……。


【キャラクター】
ブラックナイト。本作の主人公で剣の精と共に姫を倒しにいくブラック・ヘレボルス。剣の精。姫を倒すためにナイトと共に姫の住む城を目指す
ショップの神様。バトルにより入手した「心臓」を差し出すと体力を回復してくれたりするウォーキングヘッド。敵はファンタジーだがちょっと怖い雰囲気の個性的なキャラクター


 プレーヤーは、死にきれなかった黒の騎士“ブラックナイト”となり、剣の精“ブラック・ヘレボルス”とともに不思議な世界に踏み込んでゆく。趣味で人間を改造する悪の姫君により本来の姿を変えられてしまった風変わりな敵の数々を倒していかなければならない。

 アクションの基本は剣を振るって敵を切り倒してゆく。ワンボタンだが、たとえばジャンプして敵の上で方向キーを下にしてこのボタンを押せば真下の敵に切りつけることが可能となっている。上突き、斜め斬り、ため攻撃など、ワンボタンながら方向キーとの組み合わせやタイミングなどで多彩な攻撃や守りが可能となっている。

 さらに、剣の精“ブラック・ヘレボルス”を実体化させ攻撃できる(B.Hフォース)のほか、ステージ上にあるギミックにこの実体化させた剣の精をぶつけることで、先に進めるようになるギミックなども用意されている。このほかにも“ブラック・ヘレボルス”の魔法で、より広い範囲の敵に攻撃を加えることができる。ゲームのポイントとしては、「B.Hフォース」は剣の精を出して飛ばすことで敵に攻撃を仕掛けることなので、この技を繰り出している間は剣を使った通常攻撃を出すことはできない。このときは丸腰になってしまうので、攻撃の緩急をコントロールしていく必要がある。

 チェコのアニメーション作品などに影響を受けたという独特な雰囲気を持つグラフィックスや音楽だけでなく、コントローラーを握り画面を見ると、「こちらに行けば何か道が開けるかもしれない……」、「この敵はこうやったら倒せるかも……」など、アクションゲームをプレイしてきた人なら感じる、ステージや敵キャラクターの不思議な魅力がそこかしこに秘められている。プロデューサーの石川周志氏も「アクションゲーム好きなプレーヤーにぜひともプレイしていただきたい」とコメントしていた。


【スクリーンショット】

【「BLACK KNIGHT SWORD」プロモーションムービー】

■ 「SINE MORA」

 「SINE MORA」は、アートコンセプトから基本的なゲームプログラムまで、“DIGITAL REALITY”が開発を手がけている弾幕シューティング。収録ステージ数は7.5ステージで、“.5”についてはチュートリアルとムービーによる導入で、実質的には7面となる。

 発売は今冬を予定しており、価格は未定。プラットフォームはプレイステーション 3とXbox 360を予定している。

 自機は7種類から選択でき、攻撃については、60種類以上にも及ぶ武器などが用意されており、様々な武器の組み合わせを試して自分だけのスタイルを追求できる。ストーリーモードでは、最先端グラフィックスで再現された地上から海底まで様々な特徴的なステージを舞台に、物語を楽しむことができる。一方アーケードモードでは、制限時間内に敵を倒すなどハードなものとなっている。

 会場でも同作のディレクターを務めるTheo Reiker氏がアーケードモードをプレイしたが、ほんの数秒で制限時間に到達してしまい2度ほどチャレンジして見せたが、全くクリアできず早々に諦めてしまったほど。スピード重視のゲーム性に仕上がっており、歯ごたえのあるゲームを楽しみたい人には特に注目だろう。

 そうでない人にとっても美しく変化に富んだステージが描かれたこの横スクロールシューティングは巨大な敵が闊歩し、迫力の攻撃を放ってくるので、個人的にはぜひとも注目していただきたい1作だ。


会場では「SINE MORA」もプレイすることができた

【スクリーンショット】

【「SINE MORA」プロモーションムービー】

【BLACK KNIGHT SWORD】
(C) 2011 GRASSHOPPER MANUFACTURE INC.
【SINE MORA】
CO-DEVELOPED BY DIGITAL REALITY AND GRASSHOPPER MANUFACTURE INC.
SINE MORA (C)2010 DIGITAL REALITY. ALL RIGHTS RESERVED.

(2011年 9月 17日)

[Reported by 船津稔]