KDDI、au2011年夏モデル新機種を発表
Androidが6機種。公衆無線LANサービスも発表


5月17日 開催

会場:ザ・プリンス パークタワー東京 コンベンションホール


代表取締役社長の田中孝司氏
「au Wi-Fi SPOT」専用のツール。ワンタッチでWi-Fiの設定が完了する

 KDDI株式会社は5月17日、au携帯電話の2011年夏モデルを発表した。

 今回発表されたのは、スマートフォン6種、フィーチャーフォン6種、フォトフレームを含むデータ通信端末3種の合計15種類。発表会では、同社取締役社長の田中孝司氏が、スマートフォンを中心とした新機種のラインナップや、今後のサービス展開などを紹介した。

 ラインナップとしてあがったスマートフォン6種は、すべての機種のOSにAndroid 2.3、CPUにQualcommのSnapDragon「MSM8655」を搭載し、高速通信サービスの「WIN HIGH SPEED」にも対応している。また、ワンセグ(「G'zOne IS11CA」を除く)や赤外線通信、「おサイフケータイ」といった機能も標準搭載されている。さらに、この内、「Xperia acro IS11S」を除く5種は、auのサービスである「Eメール」、「au かんたん決済」、「au one Market」が標準搭載されており、選択肢としてのスマートフォンの裾野を広げているだろう。これらのサービスについては、「Xperia acro IS11S」でも9月下旬以降のアップデート時に利用可能となる予定。

 サービスとして注目したいのは、スマートフォン向けの公衆無線LANサービス「au Wi-Fi SPOT」だ。これはauのスマートフォンで、パケット定額サービスの「ISフラット」、「プランF(IS)シンプル」、「プランF(IS)」のいずれかに加入していれば、「au Wi-Fi SPOT」の利用料が無料になるというもの。スマートフォン側にはWi-Fiを自動設定する専用のツールが用意されており、「au Wi-Fi」と書かれたツールをタップするだけで接続が完了し、IDやパスワードなどの入力は不要となっている。さらに、電波の強さに応じてWi-Fiと3G回線を自動切替する設定もできる。6月末にサービス開始予定となっており、2012年3月末には国内最大級の10万スポットを目指すという。10万スポットという数字が実現されれば、auスマートフォンの通信は大幅に快適さを増すだろう。

 以下では、今回発表されたスマートフォン端末を紹介する。発表されたモデルは、裸眼立体視対応の「AQUOS PHONE IS12SH」、テンキーを搭載した「AQUOS PHONE IS11SH」、モバイルプロダクト・ブランド「iida」初のスマートフォンとなる「INFOBAR A01」、耐衝撃性能を備えた「G'zOne」シリーズ初のスマートフォン「G'zOne IS11CA」など、バラエティに富んだラインナップになった。




■ AQUOS PHONE IS12SH

 「AQUOS PHONE IS12SH」は、auでは初の裸眼立体視対応の端末となる。3D対応の画面は「New モバイルASV液晶」を採用し、シャープ製端末ならではの液晶の美しさのまま、3Dを楽しめる。2D表示から3D表示へもタッチひとつで変換可能。画面の大きさも、4.2インチのQHD(960×540ドット)と大きくて見やすい。CPUは1.4GHzと高性能なので、3Dゲームを楽しみたいというユーザーには、こちらがおすすめである。

 サイズは約130×64×12.5mm、重量は約145g。発売予定は6月下旬以降。

画面も大きく、3D表示での操作も問題ない。3D撮影も可能など、兄弟機となる「AQUOS PHONE IS11SH」と比べて3D機能に特化している



■ AQUOS PHONE IS11SH

 「AQUOS PHONE IS12SH」の兄弟機。1番の特徴はテンキーが搭載されていることで、タッチパネルと合わせて両方の入力操作が可能になっている。テンキーは端末を縦にスライドさせると出せる。タッチパネル操作に慣れていない人に向けて、その導入としての使用を狙ったモデルだ。裸眼立体視にも対応しており、画面は「New モバイルASV液晶」を採用した3.7インチのQHD(960×540ドット)。CPUも1.4GHzと高速。

 サイズは約117×56×15.5mm、重量は約148g。発売予定は6月下旬以降。

テンキー、タッチパネルと慣れた方の入力を選べるモデル。テンキースライド時に、指定したアプリケーションを起動できる連携機能も搭載



■ INFOBAR A01

 モバイルプロダクト・ブランド「iida」が初のスマートフォンとして発売する「INFOBAR A01」。「INFOBAR」のデザインを継承したこのモデルは、UIも独自のものを搭載しており、スマートフォンでは珍しくダッシュボードを縦へと移動させる。サイズは約118×63×11.8mm。重量は113gと軽く、CPUは1.4GHz。デザイン性を重視したモデルとなっており、専用アクセサリーの種類が多いのも特徴だ。

 画面は約3.7インチのQHD(960×540ドット)。発売予定は7月下旬以降。

手にすっぽり収まる大きさながら、持ってみると思った以上に軽い。デザイン性も高いが、機能も十分優れている



■ REGZA Phone IS11T

 フルキーボードを搭載した富士通東芝モバイルコミュニケーションズ製のモデル。タッチパネルも搭載しているので、操作によって使い分けられる。重量が約190gと重いのが気になるが、約4インチのフルワイドVGA(854×480ドット)は存在感がある。ワンセグやYouTubeなどと連携した高画質の映像サービスが特徴。

 サイズは約128×63×15.3mm。CPUは1GHz。発売予定は9月以降。

今回はまだホットモックが用意されておらず、気になる液晶の仕上がりは確認できなかった。REGZAならではの品質に期待したい



■ Xperia acro IS11S

 auでは初となるソニー・エリクソン製Android端末「Xperia acro IS11S」。約4.2インチのフルワイドVGA(854×480ドット)液晶の大きな画面が綺麗で見やすい。現在ではauのサービスである「au one Market」などは未対応だが、9月下旬以降のアップデート時に対応予定だという。

 サイズは約127×63×11.8mm。発売予定は6月下旬以降。

「Xperia」シリーズが、日本でもおなじみとなっているワンセグや、赤外線通信などの機能に対応したことにより、より親しみやすくなった



■ G'zOne IS11CA

 カシオ計算機製の「G'zOne IS11CA」は、防水、防塵、さらに耐衝撃性も優れている頑丈さが売りのモデル。サイズは約129×66×14.5mmで、重さは155gとやや重めだが、約3.6インチのワイドVGA(480×800ドット)という画面は、その頑丈さを考えれば決して小さくはない。ゴツゴツとしたいかにも強そうなデザインにも注目したい。CPUは1GHzで、ワンセグには対応していない。

 発売予定は6月下旬以降。

スマートフォンにはなかった「頑丈さ」がデザインと合わせて特徴的。高輝度バックライトやコンパスなど、アウトドアでの使用が意識されている


(2011年 5月 17日)

[Reported by 安田俊亮]