KDDI、2010年秋以降のau新機種を発表

Androidは4機種。3倍速の通信規格「WIN HIGH SPEED」も


10月18日 発表



出遅れていたスマートフォン市場に、「Android au」と銘打って切り込んでいく
従来の約3倍高速な通信規格「WIN HIGH SPEED」を発表
Android向けゲームアプリの紹介コーナーも設けられた

 KDDI株式会社は10月18日、au携帯電話の2010年秋冬および2011年春モデルを発表した。今回発表されたのは、スマートフォンやブックリーダー、モバイルルーターなどを含む計23商品。10月下旬より順次発売される。

 発表会では、先日発表された「IS03」を含む4機種のAndroid OSを搭載したスマートフォンについて力を入れて紹介され、Skypeアプリなどが大々的に発表された。BREWプラットフォームのフィーチャーフォン(従来型携帯電話)は、その陰に隠れて詳しく取り上げられなかったものの、2011年春までに16機種が発売予定で、まだまだ数の上では優勢となっている。

 ゲームユーザーに関連しそうな新機能としては、高速通信機能「WIN HIGH SPEED」がある。従来のau携帯電話で使われている「EV-DO Rev.A」という通信規格は、受信最大3.1Mbps、送信最大1.8Mbpsという通信速度になっている。「WIN HIGH SPEED」は、この「EV-DO Rev.A」の搬送波を2本ないし3本を同時に使って通信する「EVDOマルチキャリア」技術を導入したもので、受信最大9.2Mbps、送信最大5.5Mbpsと、約3倍に高速化される。

 「WIN HIGH SPEED」に対応する機種は、フィーチャーフォンでは「BRAVIA Phone S005」、「Cyber-shot ケータイ S006」、「T006」と、iidaブランドの「X-RAY」と「G11」を加えた5機種。スマートフォンでは「REGZA Phone IS04」、「SIRIUSα IS06」の2機種が対応する。「WIN HIGH SPEED」の対応エリアは、大都市圏およびその周辺、県庁所在地の基地局から優先的に広げていくとしている。詳細はWEBサイトで告知される。

 CPUにQualcommのSnapDragonを搭載したプラットフォーム「KCP 3.0」については、今回は特に言及されなかった。ただ先述の「WIN HIGH SPEED」対応機種は、いずれもSnapDragonを搭載している。ゲーム用として極力快適な動作を求めたいのであれば、これらの機種を選んでおけば間違いないだろう。

 このほか、新端末のタッチ&トライコーナーには、Android向けゲームアプリを紹介するコーナーも設けられた。Androidのアプリは、Googleが運営する「Android Market」のほか、KDDIも独自にアプリケーション配信マーケット「au one Market」を提供しており、そのアピールも兼ねて出展したようだ。「au one Market」では年末までに1,800タイトルを揃えたいとしており、端末の普及に合わせてマーケットの拡大も図っていく構えだ。


【Androidゲームアプリ紹介コーナー】
株式会社ゲームロフトが配信しているフライトシューティング「Tom Clancy's H.A.W.X」。3Dグラフィックスで描かれた戦闘機を操り、ミッションをクリアする
頓智ドット株式会社のARカメラアプリ「セカイカメラ」の上で動作する、株式会社アンビション提供のAR・RPG「セカイユウシャ」。周囲にカメラを向けてモンスターを探し、コマンドを選んで戦う
株式会社ユードーの音楽ゲームアプリ「PianoMan」。曲を選び、画面上から落ちてくるマークに合わせて鍵盤をタッチすることで音楽を奏でる
NHN Japan株式会社が提供するアプリ「ハンゲーム」。これ自体はプラットフォームに相当するもので、ゲームを選ぶとそのアプリが起動する。端末にインストールしていないゲームを選ぶと、アプリのインストールが促される



■ 新端末紹介

【Android端末】
先日発表され、既にTVCMも流れているシャープ製端末「IS03」。同社のスマートフォン「IS」シリーズにおいては初となる、QWERTYキーを搭載しない、純粋なタッチパネル操作による端末となる。Android OS 2.1搭載で、11月下旬以降発売予定
「REGZA」ブランドの名前を冠した富士通東芝モバイルコミュニケーションズ製端末「REGZA Phone IS04」。会場ではワンセグ再生デモのみ行なった。「WIN HIGH SPEED」に対応する。Android OS 2.1搭載で、2011年春発売予定カジュアルなデザインを採用したシャープ製端末。今回はモックアップのみの出展。Android OS 2.2搭載で、2011年春発売予定
厚さ約11.2mm、重さ約109gという薄型軽量が魅力のPantech製端末「SIRIUSα IS06」。Android OS 2.2搭載、「WIN HIGH SPEED」対応など、スペックも先進的。12月下旬以降発売予定

【フィーチャーフォン】
ソニー製テレビ「BRAVIA」ブランドを冠したソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製端末「BRAVIA Phone S005」。SnapDragon搭載、「WIN HIGH SPEED」対応とハイスペックな上、液晶が縦横両方に開く仕様でゲームにも向いている。10月下旬以降発売予定
ソニー製カメラ「Cyber-shot」ブランドを冠したソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製端末「Cyber-shot ケータイ S006」。16.2メガと最高の画素数を誇るカメラを搭載。「WIN HIGH SPEED」にも対応し機能も充実している。2011年春発売予定

富士通東芝モバイルコミュニケーションズ製の防水・スライド型端末「T006」。今回はモックアップのみの出展だが、「WIN HIGH SPEED」に対応する。2011年春発売予定

(2010年 10月 18日)

[Reported by 石田賀津男]