BFG 2011レポート
米Bethesda/id Software、「Rage」最新プレビュー
いよいよ完成間近! 新たな街やマルチプレイモードを公開
BFG 2011レポート2本目は、昨年のBFG 2010で初公開されたid Softwareの「Rage」の最新情報をお届けしたい。「Rage」は、プレイステーション 3/Xbox 360/Windows PCの3プラットフォームでの展開を予定し、北米での発売日は9月13日を予定。日本語版はそれから1カ月以内としており、10月頃の発売となる見込み。
「Rage」の基本的な情報については「BFG 2010」レポートと「E3 2010」レポートで取り上げているので、あえてここでは繰り返さない。本稿では最新情報を中心にお届けしていきたい。
【「Rage」“Dead City”トレーラー】 |
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今回ハンズオンで実際にプレイできたDead Cityを描いた最新トレーラー。「Rage」の魅力をよく伝えているので是非1度ごらん頂きたい |
■ 「Rage」のマルチは「ビークルラリーモード」と「CO-OPモード」のみのシンプル構成
「Rage」のデモを行なうid SoftwareのTim Willits氏 |
ゲームの舞台は隕石の衝突により壊滅状態に陥った未来の地球 |
「BFG 2011」での「Rage」の目玉は、マルチプレイモードに関する情報が公開されたことと、初のハンズオンが実施されたことだ。特にマルチプレイに関しては、タイトル画面からその存在は確認されていたが、内容については一切明らかにされていなかった。そのほか初公開となる街「サブウェイタウン」も披露され、ゲームの奥行きも徐々に明らかにされつつある。それでは順番に紹介していきたい。
idといえば「Doom」、「Quake」。「Doom」、「Quake」といえばマルチプレイというぐらいidはマルチプレイ巧者のメーカーという印象が強いが、「Rage」についてはあくまでシングルプレイが主体のゲームということで、同社のタイトルにはお馴染みのデスマッチやCTFといったマルチプレイモードは一切搭載せず、シングルプレイの一部要素を切り取ってマルチプレイに対応させた「ビークルラリーモード」と「CO-OPモード」の2つのモードのみ搭載することが明らかにされた。
「ビークルラリーモード」は、シングルプレイキャンペーンで、長距離移動に活用するバギーを駆使したレーススタイルのゲーム。といってもidが作ったレースゲームだけに単純に着順を競うレーシング要素だけでなく、かなり広いレーシングフィールドを舞台に、機銃やホーミングミサイルによるライバルカーへの直接的な攻撃や、地表にあるシンボルを踏むことで特殊機能が得られ、連続して踏むことで、その効果が倍加されていくという一風変わった内容となっている。
最大6人でプレイでき、途中参加、退席が可能と、idのゲームらしく気軽に参加できるのも良い。全部で5つのレースモードを用意しているということで、通常のレースゲームのように根詰めてやるようなスタイルではなく、シングルプレイの息抜きに遊ぶようなモードとなりそうだ。
「CO-OPモード」は、シングルプレイキャンペーンをCO-OPで遊ぶモードではなく、キャンペーンに登場するフィールドの一部を使って、2人で様々なミッションに挑むというもの。デモではWellspringsの給水設備を敵の侵攻から守るというCO-OPミッションが紹介された。シングルプレイキャンペーンではプレーヤーのホームタウンのひとつとして描かれるWellspringsだが、ここに多くの敵が攻め込んでくる。プレーヤーは仲間と協力して敵を待ち構え、敵を補足しやすい2階の窓などに陣取って敵を撃退していく。
シングルプレイキャンペーンではプレーヤーは攻め手だが、今回のCO-OPミッションは守り手に回るということでかなり新鮮に映る。敵の攻撃はかなり熾烈で、油断するとやれてしまう。CO-OPミッションでは敵に倒されてしまっても味方に蘇生してもらうことができる。ここがシングルプレイとの大きな違いとなる。
【ミュータント】 | |
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「Rage」の世界の至る所に出現するミュータント。彼らは何者なのかはまだ謎に包まれている |
■ 新フィールド「SubwayTown」と「Prison」を公開
強力な敵として立ちふさがるオーソリティの部隊 |
デモの後半では、いくつかの新しいフィールドを見ることができた。ひとつはWellspringsとはまた異なる新たな拠点となる街「SubwayTown」。地下鉄の構内と電車を改造して街として活用している不思議な生活感を感じさせるフィールドだ。「Rage」ではこれら以外にもまだ街が用意されているという。
ここではメインストーリーに関連したキャラクター“キャプテンマーシャル”との出会いが待ち構えている。施設の中はかなり近代的で、地下にはバギーの修理施設なども確認することができ、レジスタンスの本拠といった趣がある。地下道に出ると様々な人々がたむろし、思い思いの行動を取っている。NPCの表情は非常に豊かで、猥雑さと生活感を感じさせてくれる。ギターの演奏を真似るミニゲームなども行なわれていた。奥には電車を改造したバーがあり、ここではサブクエストを受けたり、占いをしたりできる。
続いてローディングを挟んで「Prison」へ。ここに先ほど出会ったキャプテンマーシャルが収監されており、彼の救出に乗りだしていく。Prisonは小さなコンパートメントに区切られ、レーザー状のエネルギーフィールドで行く手をふさいでいる。コンパートメントの見えにくい場所に、エネルギーを送出しているポッドがあり、これを何らかの方法で破壊することで先に進めるようになる。
Prisonには至るところにタレットが設置され、激しい銃撃で主人公の行く手を阻む。「Rage」オリジナルのガジェットであるRCカーを繰り出し、そちらにターゲットを向けさせて主人公が回り込むなど、頭を使ったプレイが求められる。シューティングのうまさより、スキルやガジェットを使った機転や工夫が重視されるという点では、「Bioshock」シリーズのバトルに近いといっていいかもしれない。
キャプテンマーシャル救出後は、2人1組での脱出劇となるが、Prisonの外に敵が包囲していただけでなく、輸送機で増援部隊を送り込むなど敵の攻撃はかなり熾烈だった。彼らが“オーソリティ”と呼ばれる組織のメンバーなのかはよくわからなかったが、大いなる敵との戦いを予感させる内容だった。
■ 多彩なゲームプレイを実現したシングルプレイキャンペーン
今回の「BFG 2011」では「Rage」初のハンズオンが行なわれた |
「Rage」のイメージを象徴する乗り物「バギー」。シングルプレイでも移動手段や戦闘車両として活躍するほか、マルチプレイではゲームモードのひとつに昇格している |
「Rage」初のハンズオンでは、今回専用に用意されたビルドを用いて5つのステージがプレイできた。それぞれ個性的で、「Rage」のシングルプレイ重視の姿勢が伝わってくる内容だった。ひとつずつ見ていこう。
「Retrieve Buggy Parts」は、適性クランが占拠する居住地を探索して、バギーの製作に必要となるパーツを集めるというミッション。荒廃した一見無人の廃墟を進んでいくと、至る所から敵が出現して応戦してくるため、これを適宜撃破しながら奥へ奥へ進んでいくというオーソドックスなシューティングミッション。
高解像度テクスチャを駆使したメガテクスチャの効果で、遠景を含めたフィールド全体の描写が素晴らしい。加えて、屋内で空気中のチリに光が乱反射する光景や、ぼろ布をはためかせて風の流れを表現するなど、実にディテールが細かい。ディテールの細かさは、「BFG 2011」で発表された5タイトル中随一だ。
まずはバギーを駆って指定されたスポットまで進むと、そこからは徒歩で進み、途中から屋内に入る。屋内の机や棚には各種パーツが落ちており、これらを丁寧に拾い集め、「Rock Grinder」と呼ばれるカギ開け機を作成して、各扉を開き、さらにパーツを集めていく。廃墟でのシューティング+アイテム探索ということで、思わず「Fallout 3」の敵がひしめく廃ビルの探索を思い出してしまった。
「Sponsorship Needed」は、スポンサーを満足させるために、殺し合いのTVショウに参加し、ミュータントで一杯のコロシアムで生き残りを図る。スポンサーの男性の要請を受託すると、専用のエリアに移動し、四方が壁に閉ざされた空間で、次々にはき出されてくるミュータントを倒し続ける。節目ごとに、倒し方によるスコアが計測され、スコアによって報酬が与えられる。敵はどんどん強くなり、攻略そのものが難しくなっていく。やり込み要素になりそうなミニゲームだ。
「Destroy the Bomb Caches」は、爆弾の貯蔵庫を破壊するというミッション。ここで大活躍するのがラジコンカー。まずは先ほどの「Rock Grinder」と同じ要領で自爆機能を持つ「RC Bomb Car」を自作する。これを操作して主人公では入れない小さな道を進み、爆発物が充満した場所で自爆すると、爆発の影響で壁が破壊されて主人公が奥に進めるようになる。RCカーは、アイテムとして使用すると、視点がRCカーに変わり、レースゲーム感覚で自由に移動が可能で、自爆するか破壊されるかすると、視点が主人公に戻る。RCカーの楽しさが実感できたステージだった。
「Locate Research Data」は、「Rage」の世界を支配するオーソリティがミュータントに関する実験を行なっていると噂されているDead Cityに踏み込み、その証拠を探すというミッション。Dead Cityは文字通り、高層ビルが丸ごと廃墟と化した死の街で、いくつかのビルは隣にもたれかかるようにして崩れ、全体的に淡いブラーをかけることで、白昼夢のような雰囲気を出している。
ここでは、鈍器を手に突進してくる従来型のミュータントに加え、巨大なボスミュータントも出現するなど、ゲーム後半戦といった雰囲気。ロケットランチャーやスナイパーライフルを駆使して、効果的にミュータントを撃破していかないと、かなり苦労させられる戦いとなる。廃墟化した店では、多くのパーツを入手できるため、戦いを有利にするガジェットをたっぷり自作することで楽に進められそうだ。
【スクリーンショット】 | |
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□Bethesda Softworksのホームページ(英語)
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□id Softwareのホームページ(英語)
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□ゼニマックス・アジアのホームページ
http://www.bethsoft.com/jpn/
□「Rage」のホームページ
http://www.bethsoft.com/jpn/game/rage.html
(2011年 4月 18日)