「ケイブからの大切なお知らせ2011」開催
同社初のADV「INSTANT BRAIN」など新作タイトルを発表
会場のベルサール秋葉原。当初300人程度の来場者を想定していたそうだが、「しろつく」の来場特典などが人気で、一時は会場の外にまで行列ができた |
株式会社ケイブは、同社の2011年の取り組みを披露する発表会「ケイブからの大切なお知らせ2011」を、2月19日にベルサール秋葉原にて開催した。一般の来場も可能で、入場料は無料。
この発表会では、同社が手がけているコンシューマーゲーム、オンラインゲーム、モバイルゲームについての動向と、今後の最新情報が発表された。また会場には、自由にゲームを体験できる試遊台コーナーも設けられた。
発表会では最初に同社取締役COOの渡邉幹雄氏が登壇し、手書きプレゼンテーションで同社に関係するさまざまな数字を挙げていった。創業16年目を迎える同社の最近の取り組みが好調であることを示す数字が次々とあげられる中、「弾幕シューティングを世界一多く商用化した企業」としてギネス世界記録を取得したという話題も。渡邉氏は「ニッチながら世界一を取れた」と笑っていた。
取締役COOの渡邉幹雄氏が、好調さを示す最近の数字を手書きの資料で紹介。最後は弾幕シューティングでギネス世界記録を取得したというオチまで |
■ 初のアドベンチャーゲーム「INSTANT BRAIN」などコンシューマータイトル3作品を発表
ゲーム開発部 執行役員の浅田誠氏 |
コンシューマー向けタイトルについては、ゲーム開発部 執行役員の浅田誠氏が発表。3本の新作タイトルが紹介された。
最大の注目作となるのが、2011年発売予定の「INSTANT BRAIN(インスタントブレイン)」。同社としては初となるアドベンチャーゲームで、近未来の芸能界を舞台にした物語が展開される。
主人公「原滝ゼンヤ(ばらたきぜんや)」は6年以上前の記憶を失っているが、拳銃型のインスタントカメラ「エクスポージャー」を使うことで、人や物が持つ過去の記憶を撮影できる能力を持っている。彼がとあるトップアイドルのうわさを調べるうちに、芸能界の闇に葬られた過去の事件に関わる陰謀とともに、失った自分の記憶の手がかりを掴んでいく。
メインキャストとして、能登麻美子さん、釘宮理恵さん、井上麻里奈さん、沢城みゆきさん、たかはし智秋さん、花澤香菜さん、堀内賢雄さん、大塚明夫さんといった豪華声優陣を起用する。合わせて、登場キャラクターも一部が公開されている。
プラットフォームについては、コンシューマーゲーム機向けであることのみ発表されている。
【ビジュアル】 | |
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作品の舞台となるテレビ局「チャンネルメビウス」 |
【ムービー】 |
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続いては、Xbox 360用シューティング「赤い刀 真」。こちらはアーケード用「赤い刀」からの移植作で、16:9のワイド画面対応(アーケード版と同じ4:3も搭載)や、背景を含めたグラフィックスの高画質化、新エンジン搭載によるユーザーインターフェイスの一新など、総合的なグレードアップが図られている。
また新ステージと新キャラクターも追加される。AC版のステージ4と5の間に相当する部分に追加され、独立空挺部隊「綾瀬薺(あやせなずな)」がボスとして登場する。
5月26日発売予定で、価格は通常版が7,140円、限定版が9,240円。さらに初回限定特典として、新規録音した追加ボイスのシリアルコードが付属する。
【スクリーンショット】 | ||
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基本的にはAC版からの移植だが、ワイド画面対応と高画質化、新ステージとボスキャラクター追加で、プレイ感覚はかなり変化している |
柊を演じる堀内賢雄さんがビデオメッセージで登場。新たに吹き込んだボイスとして「退陣!」を紹介した |
【新ボスキャラクター】 |
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独立空挺部隊/綾瀬薺(あやせなずな)18歳・干支(乙)きのと 柊を慕う女性隊員。訓練生時代、椿、菫と同じく柊に指導されたが力が不安定だった為、候補に入れなかった過去を持つ。自分と同じ乙の印を持ち、十干に選ばれた菫を羨ましく感じ、そして憎んでいた。晴れて十干となった今、血晶刀を手に菫に迫る。復讐の念と共に…… 「何があったかなんて知ったことか! 師範の仇は私がとるっ!」 |
【ムービー】 |
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またXbox LIVE アーケードでは、「NIN2-JUMP(ニンニンジャンプ)」が発売される。影絵の世界に現われた忍者が、シンプルな操作で飛び回るアクションゲーム。50ステージをクリアしていくアドベンチャーモードと、どれだけ長く生き残れるかというスコアアタックモードが用意されている。オンラインランキング対応し、他のプレーヤーとスコアを競える。配信は2011年の予定。
【スクリーンショット】 | ||
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影絵を題材にしたアクションゲーム。プレーヤーキャラクターの忍者は黒いが、エフェクトは派手に光る。手前で子供たちが見ているという演出も面白い |
【ムービー】 |
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■ スマートフォンでは「デススマイルズ」の移植と、新作の「紙芝居部」が登場
モバイルコンテンツ部マネージャーの真崎之宏氏 |
モバイルコンテンツの発表では、同社モバイルコンテンツ部マネージャーの真崎之宏氏が登壇し、2本のiPhone向けシューティングゲームを紹介した。
まず新作として、「デススマイルズ」を2011年春に配信する。AC版がXbox 360に移植され、さらにiPhoneへと移植されることになる。横スクロールシューティングで、左右どちらにも弾が撃てるのが特徴のゲームで、iPhoneではバーチャルパッドで左右それぞれに撃つボタンが用意されている。
【スクリーンショット】 | ||
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左右の撃ち分けは、右下のショットボタンで行なう。自機の操作は画面のどこかを触ってスライドすれば、その方向に動く仕組み。基本的には親指操作を想定している |
【ムービー】 |
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もう1つは、配信中の「虫姫さま BUG PANIC」において、3月にバージョンアップを行なうという話題。通信対戦で相手に弾幕(バグ)を送り込む「バグバトル」が追加される。Bluetoothによる近距離対戦はもちろん、Game centerに対応し、世界のプレーヤーとオンラインでマッチングできるという。また、オートボムのon/offやロックとダイレクトの選択といった操作方法のカスタマイズにも対応する。
さらに無料で提供されているLite版もグレードアップされ、「バグバトル」が追加されるほか、アドベンチャーモード、スコアモードでワールド1を全てプレイ可能になる。
【スクリーンショット】 | ||
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バージョンアップで対戦モード「バグバトル」が追加される。Lite版でも体験できるという |
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モバイルコンテンツ部マネージャーの坪井博史氏(上)と、ディレクターの安生真氏(下) |
またスマートフォン向けのコンテンツとして、iPhoneとAndroid向けに「紙芝居部」を2011年春より提供する。本作を紹介したモバイルコンテンツ部マネージャーの坪井博史氏は、「ゲームでマウスクリックやボタンを押すのは疲れる。アニメやライトノベルはプレーヤーとしてその世界に参加できないのが物足りない。新しいキャラクターエンターテイメントが必要だ」として、紙芝居をテーマにしたコンテンツを開発することになったという。
詳しい内容については、ディレクターの安生真氏が説明。紙芝居は1人が全ての役を演じて読み上げるという独特な性質があり、「紙芝居部」では声優がこの読み手を担当する。「話の中に何キャラクター出てこようと、効果音も含めて1人で演じてもらう。声優ファンの方は楽しめるのではないか」という。
声優は読み手となるキャラクターとしてアプリに登場する。いろいろな物語が追加されるのはもちろん、同じ話でも、読み手となるキャラクター(声優)を変えれば違った気分で楽しめるのがポイントとなる。会場では、後藤邑子さん演じる「ことり」という少女のキャラクターが「マッチ売りの少女」を読む場面が紹介された。他にも豪華声優が参加予定としている。
声優が読み上げる紙芝居を眺めるアプリだが、タッチパネルを使って若干のインタラクティブ性を持たせることも考えているという |
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■ スマートフォンの普及に乗って、全世界対応の位置情報アプリを展開
モバイルコンテンツ部マネージャーの浅見準一氏 |
続いてソーシャルゲームについて、モバイルコンテンツ部マネージャーの浅見準一氏が紹介を行なった。まずフィーチャーフォン向けに提供している位置情報ゲーム「しろつく」において、2011年春からスマートフォン版の提供を開始する。まずGREEのWEB版での提供を予定しており、タッチして簡単に城が建てられるというスマートフォンならではのインターフェイスを採用しているという。
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スマートフォン向け「しろつく」。タッチパネルに対応し、より直感的にプレイできる |
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また「しろつく」で得たノウハウをもとに、位置情報ゲームにも取り組んでいくという。「位置情報ゲームは話題にはなっているが、エンターテイメントとしてはやや物足りないと感じている」とした上で、全世界対応の本格位置情報アプリをスマートフォンで提供することを明らかにした。浅見氏は「インフラなどでなかなか難しかったが、スマートフォンのインフラが整って技術的に可能になった」と述べている。こちらは2011年夏にリリースされる予定。
このほか発表済みのタイトルとなるが、3月にはカードバトルを使ったソーシャルゲーム「北斗の拳 百万の救世主伝説」が提供される。さらに、3月には別のビッグタイトルが1本控えているという。
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北斗や南斗の武術家となって勢力を広げていく「北斗の拳 百万の救世主伝説」 |
■ 「真・女神転生IMAGINE」は4周年でメインストーリーが完結へ
オンラインサービス部ディレクターの岸知秀氏 |
同社が運営・開発を行なっているWindows用MMORPG「真・女神転生IMAGINE」については、オンラインサービス部で本作のディレクターを務める岸知秀氏が今後の展開について語った。
まもなくサービス開始から4周年を迎える本作では、「完結そして転生」というキーワードを掲げる。サービス開始当初から続いてきたメインストーリーが、ようやく完結を迎えることになるという。本作はコンシューマー向けに発売された「真・女神転生」と「真・女神転生II」の間にある空白の時間を描いたタイトルで、メインストーリーでは天使と悪魔の大協定が破られ、「真・女神転生II」の世界へと近づいていくという。物語の鍵を握るのは5体の悪魔で、彼らとの関わり方はプレーヤーのこれまでの行動によって変わるという。
また3月には、これまで戦いづらかった6体の悪魔が登場する。ここでこの6対の悪魔と戦った人には、4月のエピソードでスペシャルなものを用意するという。
なおメインストーリーの完結に合わせて、「鈴木大司教」こと鈴木一也氏が手がけるストーリー「Chain of Curse」の本格展開を始めるとしている。
3月から4月にかけて、メインストーリーの完結から「Chain of Curse」の展開へと、大きくゲーム内が動く「真・女神転生IMAGINE」 |
【ムービー】 |
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【イベント会場】 | |
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「赤い刀 真」や「デススマイルズ」の体験コーナーや、「しろつく」の限定アイテムがもらえるQRコードの貼り出しなど、さまざまな出し物を用意。各ゲームをイメージしたコスプレーヤー(全員ケイブの社員だそうだ)も登場し、来場者との記念撮影に応じていた |
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(2011年 2月 19日)