NEXONブースは、3DMMORPG「三国志を抱く」、そしてシミュレーションゲーム「2012:SOUL」といった新作タイトルの他、「マビノギ英雄伝」、「メイプルストーリー」、「アラド戦記(韓国名Dungeon Fighter)」、他にもモバイルタイトルを出展していた。

　NC Softの「Blade & Soul」やNHNの「TERA」、Blizzard「Diablo III」など大作が目白押しのG-Star 2010のラインナップの中で、今回のNEXONは韓国の代表的なオンラインゲームメーカーとしては地味に見える。しかしどのタイトルもユーザーの注目度は高く、ブースには熱気があった。

■　韓国未発売のiPad試遊台を多数設置。ボブ・サップ登場に会場は大にぎわい

ボブ・サップ登場。一目見ようと多くの人が詰めかけた

「マビノギ英雄伝」の新キャラクターを見ようと、長い列ができた

　NEXONブースで最も人気を集めていたのが、「マビノギ英雄伝」だ。今回、格闘家ボブ・サップをイメージキャラクターとした、筋骨隆々のパワフルな新キャラクター「カロック」の追加が発表された。会場では実装に先駆けてこのカロックでプレイできた。巨大な「石柱」を武器にして、ボスの攻撃さえ受け止めるというこれまでにない力を持ったキャラクターに期待しているファンは多いようで、プレイ待ちの長い行列ができていた。

　ブラウザ3DMMORPG「三国志を抱く」は開発中のバージョンで、最初にクエストを受けて戦闘するという場面がプレイできた。ブラウザゲームでありながら、3Dグラフィックスでキャラクターや背景が描かれ、書き込みも力が入っている。戦闘は投石機を含む個性豊かなユニットでシミュレーションRPGのように1つ1つ指示を出して戦っていく。MMORPGとシミュレーション、そしてブラウザゲーム要素をどう融合させていくかが楽しみだ。

　NEXONで目立ったのが“iPad”である。「三国志を抱く」はiPadに対応予定で、画面に触れてユニットを動かせる。これだけでなく「2012:SOUL」や、北米・香港で発売されている「メイプルストーリー 盗賊編」もiPhoneやiPadでプレイできた。この他、iPhone/iPad向けドライブゲーム「カートライダーダッシュ」も映像出展していた。ハンドルのように本体を傾けることで操作できるという。NEXONはiPhone/iPadに力を入れている、というのがよくわかるブースだった。

　会場イベントでボブ・サップが登場した際には、黒山の人だかりとなった。イベントはクイズ大会なども行なわれた。「メイプルストーリー」、「アラド戦記」は新コンテンツはなく、既存のコンテンツなのだが、プレイするとプレゼントがもらえる、というのも人気の一因だったと思う。また、今年のG-Star 2010では「ジュースを配る」というメーカーが多いようで、NEXONでも定期的にジュースを配り、そのたびに長い列ができていた。

新規タイトルのブラウザ3DMMORPG「三国志を抱く」も人気だ。韓国未発売にもかかわらず、iPadの試遊台も多数設置されていた
「アラド戦記」も新しいコンテンツの発表はなかったが、人気を集めていた。対戦大会も常時行われていた
映像出展のみだった「カートライダーダッシュ」。iPhoneやiPadを傾けてハンドル操作する

■　宇宙人への対抗策を練りながら、ソウルNタワーなど名所復活を目指す「2012:SOUL」

iPhoneやiPad、マウスでプレイ可能な「2012:SOUL」

　「三国志を抱く」と共にNEXONの完全新作タイトルとなるのが「2012:SOUL」だ。PCブラウザだけでなく、iPhone/iPadでもプレイできる。「ソウルが宇宙人に襲われ、壊滅してしまった」というなかなかショッキングな設定のシミュレーションゲームである。2010年12月よりアイテム課金によるサービスを開始する予定だ。現在はハングル版のみリリース予定だという。

　プレーヤーは資金を基にソウルを復興していく。UFOに対抗するためのミサイル基地、電力を供給するための施設、プラズマを打ち出す砲台などで来るべきUFO襲来に備える。ゲーム性としては「タワー ディフェンス」と呼ばれるゲームに近く、設備を整えたところで「UFO襲来ボタン」を押すことで、画面外からUFOが飛来してくる。整えた設備でこれを迎撃し、得た資金で街を復興していく、という流れになる。

　また、一定時間で巨大UFOが襲来してくる。敵を迎撃し続けると管理できる街が増えていく。ソウルの施設を「復興」するのも大きな目的で、「ソウルNタワー」や「63ビル」などソウル市民にとって親しみのある建物を復旧させていく。このための資金もUFOを撃墜して調達していくのだ。

　ソーシャル要素もあり、友人の街を訪れたり、支援することもできるという。破壊されたソウルというかなり重いテーマの割に、グラフィックスは丸っこく、使節の歓声や、敵の来襲などを告げるNPCのデザインもかわいらしく、ライトな雰囲気だ。女性にも人気が出そうなタイトルだ。またアンドロイドにも対応予定ということだ。

宇宙人に破壊されたソウルの防備を固めつつ、有名な観光名所やシンボルを復興させていく。テーマの割に明るいグラフィックスや、かわいらしいキャラクターが面白い

■　最新職業で最強ボスにソロで挑めた「メイプルストーリー」。iPad版はハングル版を出展

最新コンテンツでのソロプレイが楽しめた「メイプルストーリー」コーナー

　「メイプルストーリー」は韓国で今年の7月と9月にアップデートされたコンテンツを体験できることができた。7月に韓国で実装されたのが、「レジスタンス」と呼ばれるアップデートで、レジスタンスの3人の新キャラクターが導入された。

　1人目は、「メカニック」と呼ばれるキャラクターで、戦車に乗り込み敵を攻撃する。小さな戦車から、軍隊風のヘルメットをかぶって首を出している姿がかわいらしい。2人目が「ワイルドハント」鳥とヒョウのようなモンスターを使役するキャラクターだ。そして3人目が強力なスタッフ(杖)によって魔法を使いこなす「バトルメイジ」。「レジスタンス」では3人の新キャラクターが一気に追加されるという。

　9月に韓国で実装されたのは「ライオンの王・ファンレオン」という巨大なライオンの形をしたボスと戦うダンジョンだ。レベル120のキャラクターを対象にしたかなりハードなダンジョンだ。ボスは目から光線を放ったり、非常に強そうだ。

　本来この敵と戦うにはパーティーでなくては立ち向かえないが、会場では1人で戦うことができ、新キャラクターのスキルもタップリ使うことができる、というのも人気の秘密のようだ。また、コンテンツを遊ぶことでゲームのグッズをもらうこともできるという。

　この他、「メイプルストーリー」ではiPhone/iPad向けの「メイプルストーリー 盗賊編」を展示していた。「メイプルストーリー 盗賊編」は8月にアップルゲームストアで発売されたコンテンツで、北米では4.99ドルで発売された。シングルプレイ専用で、300ものクエストに挑戦できるという。

　触ってみたのだが、iPhoneよりもiPadで快適にプレイできた。画面の左側が十字キーのようになり、右側を押してジャンプや攻撃を行う。iPhoneでは画面が小さく感じたのだが、iPadは画面の中にそのままの「メイプルストーリー」が再現されているように感じ、迫力があった。現在リリースされているのは英語版だが、会場では一部のメッセージがハングルになっていた。ハングル版の発売時期は未定だという。

新職業で「ライオンの王」に挑む。ボスの多彩な攻撃と、圧倒的な大きさをタップリ見ることができた
英語版が発売されている「メイプルストーリー 盗賊編」。日本語版の登場も期待したいところだ