G-Star 2010レポート

【G-Star 2010】Nexon、ブラウザゲーム「三国志を抱く」を発表
ボブ・サップが「マビノギ英雄伝」を新キャラクターに!?


11月18日~21日開催

会場:釜山国際展示場(BEXCO)

入場料:大人4,000ウォン(前売り2,000ウォン)
学生2,000ウォン(前売り1,000ウォン)


 韓国NexonはG-Star初日の11月18日にプレスカンファレンスを開催した。今回は新規タイトルのアピールだけでなく、今回行なったNEXONの開発体制の効率化、や社会貢献など様々な活動を紹介した。

 Nexonは「アラド戦記」を開発するNeopleをはじめ、幾つものメーカーを買収し傘下に置いている。開発体制も変え、業績を伸ばしているという。また、NEXONは社会貢献を積極的に行なう「NEXON HANDS」ブランドを設立し活動を行なっているという。カンファレンスではさらに新タイトル「三国志を抱く」、そして「マビノギ英雄伝」のアップデートが明らかになった。



■ 開発体制を一新、12もの子会社を傘下に業績を伸ばすNEXON

NEXON代表取締役社長ソ・ミン氏
NEXON戦略企画総括イム・チョンギュン氏

 プレスカンファレンスで最初に登壇したのはNEXON戦略企画総括イム・チョンギュン氏。イム氏は最初にNEXONの開発体制とサービスを行なう「ライブ」体制の改革を語った。NEXONはこれまで、各開発チームにコンテンツ開発と、アップデートやシステムの改善などのサービスの部署があった。このため、各開発会社で力のかけ方がまちまちで、効率などで問題があった。

 この体制を改め、開発は開発部門、アップデートやサポートは別部門に統括することで効率を上げた。これによりコンテンツの開発と実装がスムーズに行くようになり、「メイプルストーリー」、「マビノギ」でも売り上げが上がり、その他のタイトルも昨年に比べ業績を伸ばした。「マビノギ英雄伝」も今までより高い評価を獲得した。

 もう1つ行なったのは、開発会社の買収だ。「アラド戦記」のNeople、「アトランティカ」のNdoors、「サドンアタック」のGameHiなど開発会社を次々と買収し、NextricやNexonovaなど内部の開発チームを子会社化して、買収したメーカーと同列で子会社として扱うことにした。子会社にすることで効率的な開発が行なえるようになり韓国での「アラド戦記」の売り上げも大きく増加したという。

 開発側の変化に合わせ、日本、北米、ヨーロッパでも子会社となったメーカーコンテンツをNEXONで運営するようになった。韓国NEXONから各国のNEXONに向けてアップデートが行なえることでより運営と開発が連携をとれるようになったという、現在NEXONは12のデベロッパーを抱えるオンラインゲームメーカーとなった。

 開発、運営体制の紹介を終えたところで登壇したNEXON代表取締役社長ソ・ミン氏は、「グループとして多くのメーカーを傘下にでき、心強い反面、責任も強く感じています。今後ももっとがんばっていきます」と語った。続いてNeople代表取締役カン・シンチョル氏、GameHi代表取締役ジュ・ミンヨン氏、NDOORS代表取締役ジョ・ソンウォンが挨拶した。

 各社の挨拶の後、NEXONが社会貢献を積極的に行なう「NEXON HANDS」ブランドの説明が行なわれた。NEXON HANDSは関連会社、開発子会社と共に社会貢献を行なうことを目的として開始されたブランドで、2004年に始められた低所得層児童対象図書支援事業 「ネクソン小さな本屋」などを継続しつつ、より多くの活動を行なっていく。

 「ネクソン小さな本屋」は現在は小学校や保育園などに本の寄贈を行なっている。また、「快適ネチケット授業」としてネチケットの基礎を2007年から韓国の小・中学校を対象に行なっている。加えて、カートライダーのキャラクター達が病院を訪れる「子供小児病棟訪問」。この他にも「子供小児病棟訪問」、寄付や、補修作業など様々な活動を行なっている。ネチケットに関しては、iPhoneでネチケットを学べるアプリなども開発しているという。


左から、Neople代表取締役カン・シンチョル氏、GameHi代表取締役ジュ・ミンヨン氏、NDOORS代表取締役ジョ・ソンウォン
開発体制を、コンテンツ開発と、サポート・アップデートにわける。12の開発子会社を持ち、海外の運営体制も整える
NEXONが社会貢献を積極的に行なう「NEXON HANDS」ブランドによる活動。献血など社員も積極的に社会貢献をしていく



■ ブラウザ3DMMORPG「三国志を抱く」。シミュレーション要素を融合

本作のプロデューサーを務めるNDOORSキム・テゴン氏

 ネクソンの様々な活動を紹介した後、「三国志を抱く」の発表が行なわれた。開発はNDOORS。登壇したのは、本作のプロデューサーを務めるキム・テゴン氏だ。「三国志を抱く」は「三国志演義」ではなく、正史の「三国志」を再現していこうとするMMORPGだ。2011年サービス予定である。

 Webブラウザでプレイできるゲームで、iPadでもプレイできる。地形やキャラクターも3Dグラフィックスで描かれており、美しいグラフィックスが特徴だ。ストーリーは映画的な演出を盛り込み、ドラマチックな雰囲気を持たせていくという。プレーヤーは武将を配下にし、他勢力と戦っていく。

 敵との戦闘はターン制となる。いくつかのユニットを操り、敵軍を攻めていくシミュレーション的な要素を盛り込む。画面の構成の感じからは、「アトランティカ」的なアプローチも感じられた。投石機などのユニットもあって、部隊の構成を楽しめるようだ。そして自分の城は「トラビアン」や「ドラゴンクルセイド」のような“村ゲー”的な感じだ。プレーヤーは自分の城をパワーアップしていくことととなる。キム氏は「MMORPGとブラウザーゲームのいいところを取り入れた」と語る。

 戦闘では戦場には50以上の城が設定されており、攻城戦を通じてギルドで奪いあうという。ただし、ギルドが拠点を寡占してしまうような状況は作らないという。大規模戦闘の要素も盛り込み、何人もの武将が一堂に会するような、派手な状況も作り出す事ができるという。会場でデモプレイを行なったが、目をひくのはやはりグラフィックスだ。キャラクターやオブジェクトはブラウザゲームと思えないほど細かく描き込まれており、武将や兵士が入り交じる戦場は迫力を感じさせた。クオリティーの高いブラウザゲームとなりそうだ。


ブラウザゲームとは思えない細かいグラフィックス。戦闘はターン制で行なわれる。三国志世界をどのように再現していくかに注目したい



■ 巨大な柱を武器に敵の攻撃を受け止める。ボブ・サップがイメージの新キャラクター登場

Nexon Devcat Studio室長兼「マビノギ英雄伝」ディレクター イ・ウンソック氏
カロックのイメージキャラクターとなったボブ・サップさん

 「マビノギ英雄伝」ではNexon Devcat Studio室長兼「マビノギ英雄伝」ディレクター イ・ウンソック氏によって新キャラクター「カロック」の情報が明らかになった。韓国で「マビノギ英雄伝」は今年の1月からサービスを行なっており、北米でもサービスが開始された。アクション性の高いMMO+MOのオンラインゲームだ。カロックは4人目の主人公キャラクターとなり、韓国では12月14日に実装予定だ。

 カロックは筋肉質の、パワフルなキャラクターだ。武器は常人では持ち上げられないような巨大な「柱」だ。太く大きな柱を軽々振り回し敵にたたきつける。また素手の攻撃も得意で、重く力のこもったパンチで敵を吹っ飛ばす。カロックの力はボスキャラクターの攻撃すら受け止める。敵の攻撃を受け止めカウンターで返す事ができる。ラリアートや、投げ技、ドロップキックなどプロレス技も得意だ。

 カロックはムービーで紹介された。筋骨隆々としたカロックは、基本モデルは決まっているが、髪型や髭、顔などを自由にカスタマイズできる。また、皮鎧や、熊の毛皮、重そうな鎧などの装備がある。柱は両端に刃がついたものから、とげのついたものなど様々だ。パーティープレイではカロックが敵の攻撃を受け止め動きを封じている間に、他の人が攻撃をするといった連携も見られた。  カロックの紹介の後、イメージキャラクターとして格闘家のボブ・サップが登場。毛皮を着て、石柱を手に、ゲームそのままのポーズをメディアに披露した。サップさんは「マビノギ英雄伝」のグラフィックスとゲーム性に魅了され、特にカロックのパワフルさが気に入ったという。サップさんはカロックの前に実装された、魔法を使う女の子キャラクター「イビー」役のモデルと共に、ポーズをとったりとサービスたっぷりだった。
パワフルきわまりないカロックのアクション。パーティープレイでは、敵を受け止め仲間の盾になる
コミカルな表情も見せるボブ・サップさん。カロックの衣装がとても似合う

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(2010年 11月 19日)

[Reported by 勝田哲也]