ゲームオン、WIN「Alliance of Valiant Arms」オフラインイベント開催

韓国REDDUCKの開発者が今後のアップデート計画を説明


8月22日 開催

会場:アイ・カフェ AKIBAPLACE店



「AVA」開発本部企画チーム チーム長のKook Jeongjin氏(左)と、「AVA」運営プロデューサーの井上洋一郎氏

 株式会社ゲームオンは8月22日、Windows用オンラインFPS「Alliance of Valiant Arms(AVA)」のオフラインイベント「見たい!聞きたい!AVAれ隊!」を、秋葉原のネットカフェ「アイ・カフェ AKIBAPLACE店」にて開催した。

 このイベントには、「AVA」の開発元である韓国REDDUCKより、「AVA」開発本部企画チーム チーム長のKook Jeongjin氏が来場。ゲームオンの「AVA」運営プロデューサーを務める井上洋一郎氏とともにトークショーを行なった。会場には、事前応募の中から抽選で選ばれた約50名のユーザーが来場した。

 なお本イベントは、8月29日に大阪、9月5日に札幌、9月12日に福岡、10月3日に愛知でも開催される予定。いずれも事前応募を受け付けての開催となるが、既に受付は終了している。東京会場では数時間で定員の2倍を超える100名以上の応募があったそうで、ユーザーの熱意を感じられるイベントとなった。




■ Kook氏、井上氏が今後のアップデート方針を語る

 Kook氏と井上氏のトークショーでは、今後のアップデートに関する情報を中心に、さまざまな話題が展開された。トークの始めにKook氏が前置きとして、「『AVA』が世界一のタイトルではないことは理解しており、よりよいゲームを開発するため努力している。根本的な変更はせず、改善・発展していくため、その点についてユーザーに説明することが必要だと考えている」と、来日の目的を説明した。

 トークではまず、アップデートで初心者へのケアを重視しているという方針について改めて問われた。Kook氏は「ヘッドショットのダメージを増やしたが、これだけでは初心者救済にならないと考えている。『AVA』は他のFPSに比べて、敵を倒すために多くの弾を当てる必要がある。これは他のFPSとの違いであるとともに、初心者が難しく感じる部分でもある。そのため初心者向けの『FN2000』という銃器を開発している。正確性は低いが反動が少ない銃器なので、使いやすいと思う。1つの調整だけで初心者ケアはできないと思うが、これからも色々な仕様変更を加えることで対策する」とした。

 続いて、AIミッションが連続で実装される意図について尋ねられた。Kook氏は「韓国でも夏休みは新規ユーザーが増える時期なので、この時期にAIミッションを実装した。現在日本で実施されている『アップデートトリロジー』については、韓国では『Lock Down』のほうを先に出しているが、日本では井上さんの強力な要請があり、インパクトのある『Death Valley』を先に出した」という。

 「Lock Down」は、日本では「アップデートトリロジー」の第2弾として、9月1日に実装が予定されている。「Lock Down」の内容については、「狭い空間での戦いで、プレーヤー同士の協力が必要になる。難易度はイージー、ノーマル、ハードの3つで、イージーは5、ノーマルは6、ハードは26ラウンドある。ハードはノーマルに比べてラウンドが多いが、ハードをクリアすると、ここでしかもらえない特殊なアイテムを獲得できる」という。既に内容を体験している井上氏によると、「ノーマルまでは簡単。ハードはラウンドが多いこともあって、時間的にもなかなかクリアできない。手榴弾を豆まきのように投げてくるキャラクターがいて難しい」という感想を聞けた。合わせてスクリーンショットも公開され、狭い屋内に大量の敵がどんどんなだれ込んでくる様子が見られた。


【Lock Down】
何かの倉庫のような室内で、敵が続々となだれ込んでくる。ナイフのような短い武器を持ったものが多いが、中には手榴弾を投げてくる敵もいるそうで、一筋縄ではいかなさそうだ

 今後のアップデートについては、爆破ミッションの開発を進めているという。Kook氏は「以前から爆破ミッションは人気があるが、初心者には難しくて近づきにくいところもあった。そこで簡単に遊べる爆破ミッションを開発した」とこれまでの経緯を説明。さらに「今はその目的は十分に満たされていると感じているので、新しい爆破ミッションを開発している。日本では冬辺りに公開できると思う」とアップデートの一端を明かした。また爆破ミッションについては、「クランに属するユーザーに楽しんでもらっているので、クランをサポートできるようなシステムの実装を考えている」とも述べた。

 続いてユーザーから寄せられた質問にも回答した。「AIミッションや『Prison Break』などの協力・ソロプレイできるものを増やして欲しい」という意見に対し、Kook氏は「それらはFPSを初めて楽しむユーザーにも遊びやすいミッションなので、今も優先順位が高い。引き続く開発していく」と答えた。

 「スナイパーが弱体化したが今後どう調整するのか?」という質問には、「スナイパーは1発で敵を倒せるので、他の兵種とのバランスが難しい。今後は、今ある銃器よりいいものが投入されれば十分カバーはできると思う」と、新たな武器の投入によってバランスを整えたいという方針を示した。

 スナイパーの武器に関しては、「FR-F2」という強力な武器がガチャで投入されたことに対する質問が寄せられた。これについて井上氏は、「韓国では不人気だったのでガチャにしたのだが、実装してみたところとても強かった。既にお金を払って手に入れた方もいるので、このまま行くしかない。ただしそれが今後も最強かどうかは、アップデートによって変わると思う」と、こちらも他の武器の追加によってバランスを整えたい考えを示した。

 トークショーの最後に、2人からユーザーに向けてのメッセージが送られた。井上氏は「アーケードゲームのような一見さんお断りの雰囲気をなくすことが重要だと思っている。FPSは対戦が面白い要素だと思っているので、爆破マップの追加なども開発に働きかける。運営としてもコンテンツの充実と合わせて、サーバー増強などもやっていきたい」と述べた。Kook氏は「『AVA』に対して深い愛情をもらってありがとうございます。この機会をいただいたゲームオンにも感謝します」と日本語で述べた。




■ Kook氏に追加インタビュー。「アップデートトリロジー」の見所は?

実は日本語も達者なKook氏。「2ちゃんねる」など日本のユーザーコミュニティーにも目を通しているそうだ

 トークイベントの後、Kook氏に追加取材をお願いできたので、さらにいくつか質問にお答えいただいた。まず韓国での「AVA」の今後のアップデート計画として、年末までに爆破ミッションと殲滅ミッションを1つずつ開発する予定だという。爆破ミッションは「クラン戦を中心としたハードなミッション」、殲滅ミッションは「既存の『COLD CASE』よりも面白いミッションになることを目指して開発中」としている。

 さらに、女性のプレーヤーキャラクターの実装を検討しているという。ただし3つの兵種があり、さらにNRF側にも必要になるので、全部で6つ開発が必要になり、開発量が多いことが検討課題だという。また「AVA」は男性向けのイメージが強いので、そもそも女性キャラクターが必要なのかという点でも検討が必要だとしている。このほか、「戦闘中に銃器の切り替えができると面白いのではないかというアイデアがでている」という話も聞けた。

 日本向けのアップデートとしては、「Type89」という銃器を開発中だという。日本では「89式小銃」と呼ばれる国産の自動小銃で、それゆえに日本向けの特別製として作られているようだ。こちらは日本の運営によると、2周年記念に合わせて実装予定としている。

 最後に直近のアップデートとなる「アップデートトリロジー」の第2弾、第3弾についての見所を尋ねた。第2弾の「Lock Down」はユーザーの挑戦心を刺激できる、チームプレイを必要とするミッションなので、クランでも楽しんで欲しいという。

 続く第3弾は、対戦型のミッションでありながら、AIが混じるものになるという。8人が参加できるミッションで、1人で参加すると、残り7人がAIで補われる。新たなプレーヤーが参加すると、AIが1人抜けてプレーヤーと交代する。「AIは人より実力は落ちるが、1人でもチームプレイができる」というのが狙いだという。他にもこのミッションにはとてもユニークな要素があるそうなので、近日の実装を楽しみにしていただきたい。


【スクリーンショット】
来場者によるチーム戦も行なわれた。いずれも即席チームながら、圧倒的な強さで連勝を続けたチームがあり会場を沸かせた優勝チームの中で、Kook氏が選んだ注目のプレーヤーには、世界に15個しかないという「AVA」のフィギュアがプレゼントされたイベントの最後には抽選会も実施。10万ユーロやゲーミンググッズがプレゼントされた

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(2010年 8月 23日)

[Reported by 石田賀津男]