スクエニ、初の戦国シム「戦国IXA(イクサ)」CBT2レポート
人気絵師が描く武将カードを育てて仲間と共に天下一を目指す!


近日オープンβテスト開始予定

利用料金:無料(アイテム課金)


OBT以降は大幅にUIが見直される予定だ(※画面は開発中のものです)

 株式会社スクウェア・エニックスとヤフー株式会社が共同で展開していくブラウザシミュレーションゲーム「戦国IXA(イクサ)」。7月6日から15日まで、その第2次クローズドβテスト(CBT)が行なわれた。

 「戦国IXA」は、「ブラウザ三国志」を手がけたONE-UPがスクエニと共同開発しているブラウザゲーム。カード化された戦国武将を率いて天下統一を目指す、戦国体感ゲームだ。「ブラウザ三国志」に、日本の戦国時代を舞台とした本作独自の合戦システムや、RPG要素を取り入れるなどして、より遊びやすいゲームを目指している。

 「ファイナルファンタジー アギト XIII」などにも参加しているスクエニのアートディレクター直良有祐氏ほか、多くの人気イラストレーターが武将のイラストを手掛け、スクエニらしい味わいの戦国時代を作り出している。このレポートでは、「戦国IXA」のゲーム内容を紹介するとともに、クローズドβテストの雰囲気も紹介したい。




■ 既存のブラウザゲームを大幅にブラッシュアップした、カードバトルシステム

正式サービス後に選べる国は12カ国

 「戦国IXA」は戦国時代を舞台にしたオンライン戦国体感ゲーム。プレーヤーは、戦国時代の国に分かれて天下統一の覇を競う。インストールなしで遊べるFlashベースのブラウザゲームなのでパソコンがあればどこでも気軽に遊ぶことができる。

 今回のCBT2では織田家と足利家の2勢力だけが実装されて、プレーヤーはそのどちらかに所属してプレイを行なった。正式サービス後は、全国にある12の有名な戦国大名家から所属国を選ぶことができるようになる予定だ。

 「戦国IXA」のゲームの流れには大きく2つの区切りがある。1つは合戦がない間に所領を育てる内政期間、もうひとつが合戦期間で、この2つは完全に分けられている。また、スタート地点では周りはすべて味方なので、いきなり攻め込まれる心配もないというのが特徴だ。

 CBT2では足利家が攻撃側、織田家が防衛側となって合戦のテストも行なわれた。このレポートでは内政パート、合戦パートの2つの期間に分けて、なるべく臨場感のある形でCBT2の様子を報告したい。



■ 所領の中に施設を作り、自国を発展させる内政パート

スタート直後の内政画面。手前左が「綿花」、中央が「森林」、右が「鉱山」の資源地になっている

 ゲームを開始すると、プレーヤーは所属国のどこかに自分の所領を1つ持つことができる。ここがすべてのスタート地点だ。合戦が始まるまでの期間は、この所領で行なう内政がプレイの中心になる。内政でできる事は大きく下の3つに分けられる。

(1)施設の建設
(2)資源の増産
(3)兵士の訓練

 これらの要素はクエスト形式のチュートリアルにまとめられていて、スタートしてからしばらくはチュートリアルに添ってゲームを進めていけば、基本的な部分を一通り体験できるようになっている。織田家のチュートリアルには織田信長から命じられたという小姓が登場して、いろいろな説明をしてくれた。

 最初に行なうのは、資源を増産するための施設の建築だ。所領には「森林」、「綿花」、「鉱山」という3種類の資源地があり、それぞれ隣接する形で対応する施設を作ることで、資源が取れるようになる。「森林」の横に「木工所」を作る事で「木」が、「綿花」の横に「機織り場」を作る事で「綿」が、「鉱山」の横に「たたら場」を作る事で「鉄」が取れる。また、平地に「水田」を作る事で、「糧」が取れるようになる。

 この「木」、「綿」、「鉄」、「糧」の4つは、その他の施設を作ったり兵士を訓練したりするために必要になるので、その後のプレイでは常に不足気味になる。施設のレベルを上げれば取れる量が増えるので、まず最初に行なうのはこれらの施設のレベル上げだ。

「蔵」や「軍舎」など一通りの施設を作り終わった状態。マスの数は限られるので、どこに何を作るのかも重要になる

 資源がたくさん取れるようになってくると、資源を保管するための「蔵」が必要になる。「蔵」のレベルを上げると、よりたくさんの資源をストックしておけるようになる。また「蔵」がある程度のレベルになると、余ったカードをプレーヤー間で売買するための「市場」を建設することができるようになる。施設にはこの「市場」のように建設に前提条件があるものがたくさんある。あの施設を作るためには、レベルいくつの別の施設が必要と複雑に絡み合っている。

 資源を貯めるための施設を一通り建設し終えたら、今度は兵士を訓練するための施設を作る。兵士には「足軽」や「騎馬兵」など9つの種類があり、訓練できる施設の種類によって、槍を使う足軽、弓を使う足軽、騎馬兵、工兵の4種類に大別できる。

 施設の建設に必要な時間は、最初は1分程度だがレベルが上がるにつれて長くなっていき、数時間必要になる。施設を作れるマスの数は有限だし、1度にできる作業は2つだけなので、どの施設を作るか、どの施設のレベルを上げていくかを考えるのが中々難しい。おそらく最初は、チュートリアルを追いかけるだけで精いっぱいだろう。実際筆者もそうだった。

 なにを優先して育てていくかで、後々大きな差がついてくる。「ブラウザ三国志」などの、先行しているゲームでは先人たちの経験則による効率的な国の作り方がパターン化されているが、そういったゲームであっても、必ずしも定石どおりに育てるのが最良というわけではない。並みいるライバルの中で頭角を現すには、こまめな世話と自分なりの工夫が欠かせない。例えばまずは水田のレベルだけを上げまくってみるとか、とにかく全部の施設を一通り建てるとか、スタート時点では同じでもその後のバリエーションは無限大だ。

 OBTでは、チュートリアル部分が大幅に改善され、1時間程度ですべてをこなすことができるようになるらしい。


チュートリアルの最初には、織田信長も登場する美系の小姓が時に厳しく時に優しく、親切にゲームの仕組みを教えてくれる施設ごとに建設のための前提条件が違っている




■ 戦いに備えて武将をがっつり強化しよう

「戦国くじ」でひいた武将カードを育てていく。自分の所属国に関係なく、全国の有名武将を配下に加えることができる

 合戦までの期間に、内政と同時に行なわなければならないのが武将の育成だ。「戦国IXA」では武将をくじで当たるカードとして管理している。くじには、ゲーム内で貯まる通貨で購入する「戦国くじ白」と、課金が必要な「スペシャル戦国くじ」がある。カードには等級があって、レア度が高いほど武将の性能が高い。「天」という最もレアなカードは、全国に12種類の大名カードだ。

 戦国くじを引いて集めた武将は、兵隊を編成したうえで部隊に配属する。武将にはそれぞれ配下となる兵士に適性があり、弓が得意な武将には弓足軽をつけてやるといったふうに、適性に合わせた兵士のほうがより強さを発揮できる。適性のあう兵士を編成した後、隊長1人と部隊員3人で1つの部隊が完成する。

 武将は最初レベル0で、部隊を作って進軍させることで経験値を稼いで成長させる。内政期間中は城の周囲にある空き地に出兵して、そこにいるNPCの敵と戦うことで経験値を稼ぐ。合戦期間には敵の陣地を攻撃したり味方の援軍に出すことで成長する。

 部隊を出陣させると、移動→戦闘→帰還という経過で待ち時間が必要になる。結果は帰還後に「報告書」で見ることができる。城から離れるほど移動にかかる時間が長くなる。隣なら数分で戻ってくるが、援軍ではるかに遠い場所に送り出すと、移動だけで片道何時間という時間がかかる。1人で出陣させるにはどれくらい時間がかかっても構わないが、援軍要請を受けて出陣する時には移動時間はポイントとなる。

★4つの空き地。資源がたくさんあって、報酬も期待できるが、敵NPCも強いのである程度武将が育ってからでなければ取れない

 筆者も早速部隊を編成して進軍させてみた。最初は兵士の種類も数も少ないので適性とは違う種類の兵士を編成しての出兵となった。編成できる兵士の人数も各10数人と少ないので、出兵できるのはせいぜいランクが★1の空き地程度。しかし★1つでも、武将のレベルが低いとかなり兵士を減らして戻ってくるので、次に出陣させる前にしっかり兵士を補充しておかなければならない。大敗すると武将のHPががくんと減って、回復するまでは部隊を再編成できなくなるのだ。

 ★の数が多いほど獲得経験値も多くなるので、効率的に育てるなら★3つくらいの場所に出陣したいところだが、CBT版では★3つの空き地にはかなり強いNPCが配置されていた。1度、試しに星4の空き地にも総勢200名程度の兵士をつれて出陣させてみたが、あっさり負けてしまった。周囲にはさらに★の多い空き地もあった。正式サービス後は、プレーヤーの領主レベルが上がるとこれらの空き地に自分の所領を拡大できるようになる。


CBTの「戦国くじ」で引くことができた武将カード。正式サービス後はさらに武将の数が増える
戦国くじはゲーム内通貨「銅貨」でいつでも引くことができる部隊の編成画面。武将を動かす時には、部隊が1つの単位となる空き地へ出陣した戦いの結果は「報告書」で確認できる




■ 最前線で生き残るには「同盟」の力が欠かせない

CBTでは、足利家が攻撃側、織田家が防衛側で合戦が行なわれた

 内政で兵士を訓練し、武将の経験値を上げたらいよいよ合戦だ。「戦国IXA」の合戦は準備期間が3日間、合戦期間が3日間と決まっている。勝敗はお互いに一定のルールの中で戦功を稼ぎ合うというもの。戦功は例えば領地を増やしたり、陣を張ったり、陥落させたりと言った合戦中の動きに応じて加算される。

 CBT2ではあらかじめ攻撃側、防御側が決まっていたが、本来はプレーヤーの投票で決まる。合戦が始まると、防御側の陣地の周りに、合戦専用のエリアが生成され、攻撃側のプレーヤーはそこに砦を築く。防衛側のプレーヤーは自分の城の周りに「陣張り出陣」をして陣を張る。これが敵が来たときの最終防衛線になる。

 攻撃側は砦を拠点に防衛側の陣地に攻撃を仕掛ける。防衛側は援軍を送って攻撃に対抗する。そこで重要になるのが、連携をとるための「同盟」だ。「同盟」は、所属国の中でプレーヤー同士が作るギルド。合戦の敵陣へ1人で突っ込んでも勝ち目はほとんどない。相手が複数で襲ってきた時の防衛も同様だ。厳しい戦国時代を生き残るには仲間が欠かせない。そして仲間がいるからこその楽しさもある。

 同盟に入ると、「同盟掲示板」、「同盟チャット」が使えるようになる。ちょっとした質問にも誰かが答えてくれる便利な場所だ。同盟掲示板は、合戦中には場所ごとの作戦を話し合うトピックスが立って、様々な情報が飛び交う場所になる。

相手の砦に面した最前線。もし自分の所領がこの辺りにあるなら、同盟の助けなしに戦うのは難しい

 合戦に参加してみての感想だが、懇切丁寧に手順を教えてくれるチュートリアルに比べるとCBTの合戦はいささか唐突な印象があった。もちろんテスト用にいろいろと簡略化した形で発生しているので、唐突なのはある意味当然ではあるのだが、初心者だといきなり放り出された感がある。

 情報量の多いゲームなので、すべてをチュートリアルから学ぶ事は難しい。そのため、ヘルプはとても丁寧にわかりやすく作られている。それはありがたいのだが、こと合戦に関してはもう少しチュートリアルで引っ張ってもらえると、より積極的な参加を促せるのではないかと思う。

 内政チュートリアルの改変と共に、合戦のチュートリアルも大幅に手を加えているらしい。さらに、合戦自体も、合戦時間、合戦目的、合戦ルールなどをすべて見なおして修正しているとのことだ。これは大いに期待することができそうだ。

 ともかく最初はわからないことだらけだが、重要なのは1人で行動せずに、まずは同盟に入りそこで他の人とコミュニケーションを取る事だろう。基本的な部分のコツをつかんでいるプレーヤーたちに色々と教えてもらいながら、援軍を送ったり防衛に参加したりしているうちに、自分も合戦に貢献することができた。


合戦準備期間が始まると、周囲の城が一斉に「陣張り出陣」を始める微力ながら援軍を派遣する同盟に資源を寄進することで、同盟レベルを上げることができる




■ 美しいグラフィックスと丁寧な作りが好印象。OBTでは新機能も追加

開発中の画面。OBTでは拠点の地図も雰囲気が一新される

 本作にはクエスト形式のチュートリアルがあり、クエストを進めていくだけでゲーム序盤を乗り切る事ができる。オープンβテストから始めるプレーヤーは、まずはこのチュートリアルを最後まで進めてみて欲しい。まだまだ突端にすぎないが、それでもある程度はゲームが目指す方向や、面白さを感じた。

 そしてやはり、なじみの深い戦国時代が背景になっているという部分が大きい。少し古風で和の雰囲気があるゲーム画面や、個性豊かな武将カードのイラストなどグラフィックス面の美しさやこだわりはさすがスクエニと言ったことろだ。

 サーバーの軽さも好印象だった。かなりの大人数が接続しているであろう合戦の最中ですら、ほとんどストレスを感じることなくゲームをプレイできるのはブラウザゲームとしては大きなポイントだろう。

 オープンβテストでは「お宝探しクエスト」や「みんなで敵拠点を攻撃できる機能」などのほか、RPGの要素を組み込んだりと、さまざまな新機能が搭載される予定だ。世界中に多くのファンを持つゲームシステムをベースにしたスクエニ版の合戦絵巻を1度体験してみてはいかがだろう。


(C) 2010 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. ※画面はすべて開発中のものです

(2010年 7月 26日)

[Reported by 石井聡]