ディズニー・インタラクティブ、ディズニーキャラクタの墓場が描かれた「EPIC MICKEY」

新作リメイク映画「トロン」のゲーム化作品を完全プレイアブル展示!



■ 「EPIC MICKEY」~ミッキーマウス、生まれて初めてマイナーキャラクタの苦悩を知る?

 「Deus Ex」シリーズなどの開発で知られるウォレン・スペクターは、現在、ディズニー・インタラクティブ・スタジオのJUNCTION POINTと組んで、完全新作のアクションアドベンチャー「EPIC MICKEY」の開発に取り組んでいる。

ブース内風景


General Manager & Creative Director,Warren Spector氏

 EPIC MICKEYは、これまでのディズニーのキャラクターゲームと異なっているのは、原作のあるディズニーアニメーションをゲーム化したものではなく、完全オリジナルゲーム作品だという点。なので、EPIC MICKEYという映像作品はない。

 ゲームの舞台は「忘却の地」(WASTE LAND)と呼ばれる、ディズニーキャラクターの墓場とも言える場所。ここには、過去のディズニー映像作品の忘れられた場所、忘れられてしまったキャラクターがそれぞれ苦悩を抱えて生活している。

 ディズニー作品なのに、なんだか、とても暗い世界なのだ。

 この世界に紛れ込んだ我らがミッキーマウスは、元の世界に戻るためにこの忘却の地を冒険していくことになる。ゲームの鍵となるのは、ミッキーマウスが持っている魔法の筆。これは、この忘却の地においては、新しいアニメ・オブジェクトを描いたり、あるいはすでに描かれているアニメオブジェクトを消し去ることもできる、まさに紙の杖とも言うべき存在だ。

ブース内はミッキーマウスをフィーチャーした作り。イラストレーターが直筆イラストをプレゼントする粋なサービスも!!

 忘却の地にいる、半ば腐って不機嫌な不人気キャラクター達の要望をこの魔法の筆を使ってかなえていくことになる。

 最も基本的な使い方は、たとえば、高い場所に行くために、足場を作り出すこと。逆に、行く先を阻むオブジェクトがある場合は、障害物を消すのもいい。襲い来る敵キャラクタの接近を、彼の足を消し去って止めてしまうことだってできる。

 ブースでのデモンストレーションでは、懐かしのミッキーマウスのデビュー作「蒸気船ウィリー」の世界が横スクロールアクションゲームとなってしまった世界などが紹介されていた。

 発売は2010年末。日本での発売予定は未定。魔法の筆をポインティングデバイス風に活用する操作性を採用することからWii専用タイトルとなっている。PS MoveやKINECTに対応すればPS3やXbox 360への対応も可能な感じもするが、JUNCTION POINTスタッフによれば他プラットフォームへの展開は「今は秘密!」だそうだ。

 ディズニーのハードコアファンであればあるほど、うんちくが語れそうな作品になっていそう。日本での発売にも期待。

任天堂のプレスカンファレンスでもイチオシタイトルとして公開された「EPIC MICKEY」

【スクリーンショット】




 

■ 「TRON:EVOLUTION THE VIDEO GAME」~リメイク新作映画「トロン」の公開に合わせてリリース!

 1982年に公開されたコンピュータ内部の世界を擬人化したユニークな映画「トロン」が、今年、リメイクされて「TRON:LEGACY」として公開される。この映画のゲームか作品が「TRON:EVOLUTION THE VIDEO GAME」になる。

ブース内風景

 ゲーム作品は映画「TRON:LEGACY」の序章に相当する作品で、「映画を見る前に楽しむとより映画への理解が深まる」(Propaganda Gamesスタッフ)とのこと。ゲーム制作は、映画製作とほぼ同時進行で進められたとのことで、ストーリーも映画側のシナリオ制作スタッフとの調整が行なわれたという。

 トロンのゲームと言えば、昔のアーケード作品を連想する人も多いだろうが、さすがは21世紀のトロン。ゲームそのものは、最近のアクションゲームのトレンドをふんだんに取り入れた意欲的な作品に変身している。

 プレーヤーは光り輝くスーツに身を包んだスーパーヒーローのようなキャラクターになっており、電子世界を縦横無尽に駆け巡ることができる。2段ジャンプはもちろんのこと、短時間であれば壁走りも可能で、まさに忍者といった風情。

 敵は電子世界を巣くうウイルス軍団や、コンピュータのメモリを浸食する敵対プログラム達。いずれも擬人化されているのはトロン世界のお約束。

あのトロンが、リメイクされて映画化される。今作のそのゲーム化作品

 メインの攻撃手段は、円盤形状のブーメラン的な投擲武器を投げることによって行なえるが、それだけでなく、マーシャルアーツ的な格闘術を組み合わせたコンボ攻撃を組み合わせることも可能。画調は明らかに「トロン」的な電子世界的描写だが、バトルスタイルは、なんというか、「ゴッド・オブ・ウォー」的なダイナミズムに満ちあふれていた。

 トロン世界ではお馴染みの電子障壁を生成しながら疾走するバイク「ライトサイクル」も登場する。電子世界の街並みを強烈なスピードで疾走する爽快な表現も21世紀スタイルだ。ライトサイクルはゲームを進行させていくことでアップグレードも可能。

 ゲームはマルチプレイモードも搭載で、最大5対5のチームバトルが楽しめる。

 発売は2010年末で、映画の公開に合わせてリリースされる予定。プラットフォームはXbox 360およびPS3、そしてWindows PC。関連作品にiPhoneアプリもリリース予定だがゲーム性は異なる。

【スクリーンショット】

(2010年 6月 18日)

[Reported by トライゼット西川善司]