Xbox 360「Halo: Reach」マルチプレーヤーβ先行体験レポート
状況が変化する「Invasion」、頭蓋骨を奪い合う「Headhunter」など、新ルール続々


4月15日収録


 マイクロソフト株式会社は4月15日、東京・代田橋オフィスにてXbox 360「Halo: Reach」マルチプレーヤーβの先行体験会を開催した。「Halo: Reach」はFPSの「Halo」シリーズの最新作で、発売は2010年秋を予定している。「Halo: Reach」は発売に先がけ、マルチプレーヤーベータを5月3日より「Halo 3: ODST」購入者を対象に行なう。

 今回行なわれた体験会は、5月3日のテストに先行し、世界規模でメディア向けに開催されており、同席した日本のゲームメディアだけでなく、他国のメディア関係者とも対戦をすることができた。今回は「Halo: Reach」で実装される新しいゲームモードを中心に、マルチプレイの感触をレポートしたい。




■ 能力と武器を選び戦場に飛びこめ! マルチプレイベータは新要素盛りだくさん

体験会は代田橋オフィスで行なわれた。オンライン上で他国のテスターと対戦することができた
ジェットパックで空から攻撃。目的地にいち早く移動するときに便利だ
後ろから敵を仕留めることができるアサシネーション

 「Halo: Reach」は宇宙に進出した地球人類と、地球外種族の軍事同盟「コヴナント」との戦いを描く「Halo」シリーズの最新作だ。キャンペーンモードでは1作目である「Halo」より前の時代を扱う。

 この時代は遺伝子工学と技術改良、そして厳しい訓練によって生み出された超兵士「スパルタン」が数多く存在しており、コヴナントの兵士達と激しい戦いを繰り広げている。「Halo」から「Halo 3」の主役を務める“マスターチーフ”はSPARTAN-IIと呼ばれるプロジェクトの生き残りだが、彼と同じような超兵士が多数存在し、人類の植民星「惑星Reach」での異星人達との激しい戦いが描かれるという。

 5月3日から行なわれるマルチプレイヤーβは、2010年秋に予定されている「Halo: Reach」初のβテストとなる。テストデータは開発会社の米Bungieが集め、開発に役立てていくという。製品版はキャンペーンモードも搭載され、様々な機能やゲーム要素も追加されていく予定だ。

 「Halo: Reach」ではゲームエンジンが新しくなり、より美しく、リアルなフィールドでの戦いが楽しめる。5月3日から行なわれるマルチプレーヤーベータテストでは様々な対戦ルールが体験できる。チームプレイ、バトルロイヤルはもちろん、決められたコースを走破する「Race」など多彩なゲームモードが揃っている。「Halo: Reach」ではさらに新しくゲームモードが追加されており、今回は、「Invasion」、「Stockpile」、「Headhunter」の3つのゲームモードを体験できた。

 新ゲームモードの感触の前に、基本的な仕様を説明したい。「Halo: Reach」のマルチプレーヤーでは、製品版は最大16人対戦が可能になる。今回は、8~12人対戦でのテストとなった。プレーヤーは主にスパルタンとなって他プレーヤー、他チームと戦うこととなる。マルチプレイを続けていくことでプレーヤーは「クレジット」を手にし、このクレジットを消費することでアーマーの外見を変えることができる。またプレイを重ね戦績を向上させることで階級が上がる。「Halo: Reach」のマッチングシステムはプレーヤーの実力、戦績でソートされ、実力の近いプレーヤーと戦える様にマッチメイキングされるという。

 今作の大きな特徴が「アーマービリティ」という特殊能力だ。一定時間速く走ることができたり、ジェットパックを使って空を飛んだり、一定時間動けなくなる代わりにシールドを張ることができたり、姿を消すなどの能力が用意されている。「Halo 3」でのマルチプレイでは使い捨ての装備があったが、今作ではクールタイムが過ぎれば何度でも使用できる。

 このアーマビリティーと武装はセットになっており、プレーヤーはマッチ開始時と、再出現時に武器とアーマビリティーのセットから1つを選んで出撃する。どのシチュエーションでどんな武器を使うのか、自分が得意なスタイルに最適なセットは何かを学んでいくのだ。戦う状況は刻々と変化するし、相手に合わせる必要もある。ゲームタイプごとにセットは変化するので臨機応変が求められる。

 「Halo: Reach」のマルチプレーヤーでは基本的にスパルタン対スパルタンでの戦いが行なわれるが、いくつかのゲームモードではコヴナント軍の“エリート”となってスパルタンチームと戦う。エリートは自分のキャラクターとしての外見のカスタマイズはできないが、専用の武器とアーマビリティーのセットも用意されている。

 今作では、榴弾を発射するグレネードランチャーや粘着性のあるプラズマグレネードを発射するプラズマランチャー、長距離ビームを発射するフォーカスライフルなど新しい武器が多数登場する。スパルタン同士の対決でもフィールドにはコヴナントの武器が配置してあり、これらを使うことで有効に戦うことができる。

 また、相手の後ろをとった時接近戦ボタンを押すことで一撃で倒せる「アサシネーション」を使うことができる。1つ注意したいのが、「Halo: Reach」では「Halo 3」や「Halo 3: ODST」とボタン配置が異なっているところだ。オプションで配置を変えることもできるが、ゲームの感触も含めて使い勝手を考えていきたいところだ。これまでのように両手に1つずつ武器を持つことができなかった点も違いを感じた部分だ。

 マッチメイク時にはダッシュボードを経由せずにフレンドとパーティーが組めたり、マッチメイクの検索オプションなども充実している。また、プレイはシアターで再生することができるほか、開発のBungieからは様々なテーマのムービーが提示され、プレイに役立てたり、ユニークなシーンを見ることもできる。こちらの要素も注目である。

 「Halo: Reach」マルチプレーヤーベータでは、「Standard」と「Arena」という2つの“プレイリスト”が用意される。よりハードコアなユーザーが集う場所となる。このプレイリストに参加したユーザーは1日に一定時間プレイすることで“レーティング”を取得し、優秀な成績をおさめたプレーヤーはリーグに参加できる。Arenaは優秀なプレーヤーはそこからさらにより強いプレーヤーが集う場所に行くことができ、そこでさらに実力を試されることとなるのだ。

 記録は1日に1度集計され、日々競争は続けられる。プレーヤーのデイリーレーティングがベストゲームの平均値となる。Arenaはシーズンによってわけられシーズン終了時にはランキングが発表される。マルチプレーヤーベータではテスト時が1シーズンとなる。世界の数百万人のユーザーとランクを競うことができるのだ。


キャラクターのカスタマイズ要素。ゲーム内のクレジットを使ってスパルタンのアーマーを変えることができる
新マップ。左がBONEYARD、中央と右がOVERLOOK。BONEYARDには外に乗り物があるが、内側で籠城されると攻撃しにくい
左がPOWERHOUSE、中央と右がSWORDBASE。SWORDBASEは中央が吹き抜けになっており、高さを活かした戦いが有効だ



■ 「Invasion」、「Headhunter」、「Stockpile」の3つ新対戦ルールを体験

倒されると持っているスカルをばらまいてしまう「Headhunter」
今回は体験できなかった「Generator Defence」。5月3日からのテストではいる要素で、ジェネレーターを攻撃するエリートトと、守るスパルタンで戦う

 今回体験できた新ルールの紹介をしていこう。新しく追加されたゲームモードは「Invasion」、「Headhunter」、「Stockpile」の3つだ。「Invasion」ではプレーヤーはスパルタンとエリートにわかれ、“データーコア”を奪い合う。「Headhunter」はプレーヤーが倒されるとスカル(頭蓋骨)が飛び出し、それを集めて集積ポイントに持って行くルール。「Stockpile」は中立の旗を奪い合うチーム戦だ。どのルールもエキサイティングな対戦が楽しめた。

 「Invasion」ではエリートが攻撃側、スパルタンが防御側となる。スパルタンの基地内にエリートが侵入していくという展開だ。基地内にはいくつかのポイントがあり、エリートはこのポイントで一定時間とどまることで占領することができる。第1エリアでは2つのジェネレーターを制圧し、シールドを解除する。第2エリアでは、3つのエリアを確保する必要がある。

 どう攻め、どう守るか。激戦の戦場をあえて避け、もう1つのポイントを奪取するのも有効だ。また敵の武器を奪ったり、倒れた味方の武器で弾を補給するなど長く生き残るための努力も必要だ。基地には武器庫だけでなく、戦車なども用意されている。また、ゲームが進むとロケットランチャーなど強力な武器が使えるセットが選べるようになり、より戦いが激しくなる。

 第2エリアを突破するといよいよデータコアを巡る攻防戦となる。エリートはなんとしてもスパルタンチームの防御を突破し、データコアを奪って基地の外にあるドロップシップにたどり着かねばならない。データコアはエリートを倒すことでその場に落ちるが、スパルタン側は運ぶことができない。じりじりとドロップシップに運ばれていくデータコアをどう守るかが重要となる。

 今回1番多く体験できたのがこの「Invasion」というルールだ。エリート側では強力な接近武器のエナジーソードを使うのも楽しかった。戦車などは基地の外にあるため、エリアを突破しなくてはいけない場合マップをかなり熟知していないとうまく使えないと感じた。敵の戦車に肉迫しグレネードで破壊するおなじみの戦法も有効で、決まると爽快だった。ゲームが進んでいくことでより多くの武器とアーマビリティーが出現するのが楽しい。どんどん戦いが派手になっていく面白さを体験できた。

 「Headhunter」はバトルロイヤル形式の対戦ルール。他プレーヤーを倒すとスカルが出現し、これらを集めてマークゾーンに持って行くとポイントが得られる。一定時間でどこまでポイントを集められるかを競う。

 このルールの面白いところは、スカルを所持しているプレーヤーは所持数と所在が表示されるところだ。どこにいるか常に表示されてしまっているので、他プレーヤーから恰好の標的となる。また、マークゾーンは頻繁にポイントを変えるため、スカルを持っていてもたどり着く寸前でポイントが変わってしまったりする。マークゾーン周辺は待ち伏せが有効なため、たどり着く寸前で倒されてしまうこともある。

 このルールでは特にジェットパックのアーマビリティーが有効だと感じた。スカルを奪ったらマークゾーンまで一気にジャンプすることで歩くより安全にスカルが運べた。マップにはコヴナントの武器が落ちているので、これらを使うことで有効に戦えた。多数のスカルを持っている人を何人かで狙ったり、他の人を追うのを夢中になっている人を後ろからアサシネイトしたり、バトルロイヤルならではの戦いが楽しかった。

 「Stockpile」はチームにわかれて旗を奪い合うルール。旗は自軍に運び「集計時間」を経過することでポイントとなる。この集計時間に自軍に旗をとどめておくというのがポイントで、旗のしっかりした防御も求められるのだ。プレーヤー間の連携が重要になるルールである。

 今回のテストでは他国のメディアも参加している。筆者達が「Stockpile」を体験したときはかなりうまい人が敵チームに参加していたようで、彼はこちらの軍の陣地に居座り旗を持ってきたプレーヤーを待ちかまえて倒していた。たくみに死角となる場所に隠れ、こちらを巧妙に妨害、他のメンバーは旗を持ち帰り防衛するという手順で、不慣れなこちら側は惨敗してしまった。

 全体的にアーマビリティー、武器の配置、セットの選び方など、習熟していけば更に楽しめると感じた。感触はカジュアルで、気軽に、そして深く楽しめる。面白いのが、プレーヤーカスタマイズだ。マルチプレイに成長要素のあるゲームは多いが、本作はそういった武器の追加やアビリティーのカスタマイズがなく、あくまで外見のカスタマイズのみで、キャラクターの性能が向上しないのだ。このため、上級者との装備の面での決定的な差は存在しない感じだ。

 上級者やゲームのうまいプレーヤーはマッチングで同じようにうまい人達と戦うことになるためより激しい戦いが繰り広げられそうである。「Halo: Reach」マルチプレーヤーベータは全世界で行なわれる非常に大規模なテストである。筆者も参加し、より楽しい対戦を体験してみたい。


走り、跳び、特殊能力を有効に使って敵を倒す。感触はカジュアルで気軽に参加できると感じた。上級者達の戦いも是非見てみたい
アーマーの色を変える場合は全員が敵のルールで有効になる。チーム戦の場合は決められた色に塗り分けられる

2010 Microsoft Corporation. All Rights Reserved.

(2010年 4月 22日)

[Reported by 勝田哲也]