ケイブ、「ミニ四駆ワールド サービス開始記念カウントダウン祭り」開催
河森正治氏らが担当したオリジナルマシンなど今後の計画を発表


3月24日 開催

会場:タミヤ プラモデルファクトリー新橋店


 株式会社ケイブは3月24日、タミヤ プラモデルファクトリー新橋店にて、Windows用オンラインレースゲーム「ワクワク無限大 ミニ四駆ワールド」のオフラインイベント「ミニ四駆ワールド サービス開始記念カウントダウン祭り」を開催した。

 本イベントは、「ワクワク無限大 ミニ四駆ワールド」のサービスが開始される3月24日20時に、来場者とともにカウントダウンをするというもの。一般ユーザーも参加でき、入場料は無料。当日は雨が降る悪天候のなか、約40名が来場した。

 イベントでは、本作のゲーム内容やサービスコンセプト、今後のサービススケジュールなどが発表された。また会場には、オフライン状態の試遊台が設置されており、子供連れの親子がプレイしている姿もあった。

 本作のゲーム内容については先行体験レポートで詳しく紹介している。本稿では、イベントにおいて新たに発表された情報を中心にお伝えする。




■ サービスコンセプトは「仲間との繋がり」

プロデューサーの雲野雅広氏
ディレクターの松島智之氏

 イベントの初めに、本作のプロデューサーの雲野雅広氏が挨拶した。「3月24日はミニ四駆の日です。こういった記念日にサービスが開始できることを嬉しく思っています」と述べ、続けて「ただ内心は、20時にサービスを開始できるかドキドキしています」と現在の心境を打ち明けた。

 本作のサービスコンセプトについて雲野氏は、「自分だけのミニ四駆を作り、全国のライバルとの対戦や、コミュニケーションを楽しんでいただこうと考えています。またゲームなので、現実にはありえない湖底や火山など、バラエティに富んだコースを楽しんでもらいたいです」と語った。

 雲野氏は続けて、「ただのレースゲームではどうしても上手な人が勝ってしまい、それ以外の方々が楽しめない」という問題を挙げた。そのフォローとして、「今回のサービスでは、仲間内で協力しながら楽しめる世界、つまり自分を中心とした世界で友達と遊べるような展開にしていきたいと思っています」と、従来のレースを中心とした内容から方向転換した理由を述べた。

 またオンラインゲーム全般の問題として、「レベル上げなどの時間がかかる」、「時間帯を合わせなければ友達と遊べない」という2つのポイントを挙げ、「これに関しては、『ワクワク無限大 ミニ四駆ワールド』では、楽しみながら短時間でも遊べるようにしています。また本格的な非同期通信を実装したことで、遊ぶ時間帯が友達と異なっていても対戦可能です。また自分だけの街の「マイタウン」では、いつでも友達と交流できるようになっています。自分の周りにはいつでも仲間がいる、繋がっている、ということをイメージしています」と本作の特徴を説明した。

 続いてディレクターの松島智之氏により、ゲーム内容が説明された。その中で松島氏は、「今回は新たに湖底と火山のコースを実装しています。今後はミニ四駆の漫画などで登場したようなコースを増やし、『こういうコースが走りたい!』といったお客様の要望を叶えていきたいと思っています」と今後の展望について語った。


【サービスコンセプト】
ミニ四駆によるレースゲームに、コミュニティ要素「マイタウン」を追加し、仲間との繋がりを強調している
【スクリーンショット】
現実にはありえない湖底や火山といったコースをゲームの中で楽しんでもらいたいという



■ 非同期空間・同期空間の連動を意識したアップデート計画

非同期空間・同期空間の特徴に合わせたアップデートを展開し、相互循環も意識する

 続いて今後のアップデート方針とサービススケジュールが発表された。アップデートのコンセプトは、リアルタイムにユーザーと交流する“同期空間”と、それ以外にプレーヤーが1人で遊ぶマイタウンなどの“非同期空間”が相互に循環することだという。

 同期空間としては、その場に居合わせたプレーヤー同士でのレースや大会、ランキングといった、他のプレーヤーとリアルタイムに対戦する要素が用意される。非同期空間においては、他のプレーヤーのデータを利用して対戦する非同期レースや、ミニ四駆の改造、マイタウンの拡張といったプレーヤー1人でも楽しめるアップデートが考えられている。その上で同期空間と非同期空間におけるそれぞれのアップデートが互いに作用しあう形で拡張していくという。

 これに関し、現在開発中のアップデートとして、「マイタウンの拡張」、「ミニ四駆の拡張」、「レースバトルの拡張」の3つについて発表された。

 「マイタウンの拡張」は、マイタウン内に施設を建設するだけではなく、神社などの大きな施設を、マイタウンの外側にくっつけていく形で拡張できるようにするというもの。コンセプトは、個性的な「マイタウン」を作れるようにするというものだ。

 プレーヤーが新たな施設を追加することで、様々なメリットがあるという。80年代をイメージした「レトロタウン80」では、1980年代後半から1990年前半にかけて販売されたミニ四駆ブームの火付け役である「レーサーミニ四駆」のパーツが入手可能になる。また「ミニ四駆工場」を追加した場合は、ミニ四駆のステータスが上昇する。また派手な飾り付けがされた「デコデコタウン」を追加すると、ミニ四駆のデコレーションパーツが入手可能になるという。

 マイタウンに関しては、今後は他のプレーヤーのマイタウンに訪問できるシステムが実装される。「この友達のところに行けばミニ四駆のレアなパーツが手に入り、別の友達のところではデコレーションパーツが手に入る」といった形で、マイタウンがユーザーの個性になるようにしていきたいそうだ。

 2つ目の「ミニ四駆の拡張」に関しては、「マイタウンの拡張」で紹介されたレーサーミニ四駆のパーツの実装、そして拡張パーツの追加、本作オリジナルパーツの追加、コースの拡張が予定されている。

 3つ目の「レースバトルの拡張」は、現実のミニ四駆のレースと同じように大会のシステム充実させていくというもの。今後は幅広い人が楽しめるゲーム内でのレース大会を開催していきたいという。


【マイタウンの拡張】
マイタウンの拡張のコンセプトは、プレーヤーの個性を引き出すことだという
【ミニ四駆の拡張】【レースバトルの拡張】
様々なパーツが追加され、新たなコースで走行可能になる今後は幅広い人が楽しめるレース大会を実施予定


ストーリー要素は2010年夏頃に展開される予定
河森正治氏とサテライトにより制作された新しいミニ四駆のデザイン

 また本作のストーリーを担当するクリエイター陣が発表された。脚本、原案、ストーリー構成を担当するのは、アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」などを手がける脚本家の山口宏氏。またアニメ「創聖のアクエリオン」などを手がける、監督・メカニックデザイナーの河森正治氏がストーリーに関するアイデアを出し、同じく「創世のアクエリオン」などを企画・制作する株式会社サテライトがプロジェクトに協力する。

 ストーリーは今年の夏頃に開始される予定で、これまでのミニ四駆のイメージとはひと味違う世界観を表現したものになるという。参加するスタッフから察するに、小学生をターゲットにした従来のミニ四駆の展開とは異なり、さらに上の年齢のユーザーにも楽しめるストーリーが描かれそうだ。

 またストーリーに登場するミニ四駆として、河森氏が監修し、サテライト デジタル部の協力により制作された、新たなミニ四駆のデザインが公開された。黒いシルエットをした流線型のフォルムで、開発時のイメージは超高速で地上を走る戦闘機だという。空力を意識して設計されたそうだ。今回は画像のみの公開に留められており、詳細は今後発表される予定だ。


【ストーリー要素】
脚本家の山口宏氏がストーリーを担当。監督・メカニックデザイナーの河森正治氏がアイデアを出し、サテライトが協力する
【ストーリーに登場する新たなミニ四駆】
今回は画像のみの公開となっており、モデル名や走行映像などは今後紹介する予定だという


「モバゲータウン」で展開中のレースゲーム「ミニ四駆チャンピオンシップ」との連携も予定
7月までのアップデート計画も公開された

 そのほか、株式会社ディー・エヌ・エーが運営する携帯電話向け総合サイト「モバゲータウン」にて展開中のレースゲーム「ミニ四駆チャンピオンシップ」との連携が発表された。「ミニ四駆チャンピオンシップ」のゲーム内で募集した友達を「ワクワク無限大 ミニ四駆ワールド」に呼び込んだり、またその逆の流れも考えているそうで、例えばアイテムをプレゼントするなどしてコミュニティを活性化するという。

 イベントの終盤には、7月までのアップデート計画が発表された。5月にはマイタウンの施設の拡張、6月にはプレーヤースキルの追加、そして7月にはユーザーの訪問システムと大会システム、およびNPCとレースできるNPCバトルというシステムが実装される予定。また4月から6月にかけて、随時ユーザーからの要望を取り入れたゲームバランスの調整を行なうとしている。

 このうち大会システムは、ゲーム内のオンラインイベントとしてミニ四駆のレースを行なうもの。大会の開催期間としては、第1シーズン、第2シーズンという形で約3カ月間隔で実施する予定だという。またストーリー要素を7月に導入するとともに、大規模なアップデートを実施する計画だという。

 最後に、イベントの締めくくりとして予定されていたカウントダウンは、公式サイトへのアクセス過多によりサーバーがダウンしてしまったため、あえなく中止となってしまった。サーバーは約2時間後に復旧し、現在は無事サービスが開始されている。


比較的動作環境が低いためか、試遊台はノートPCとなっていた会場には、漫画家のこしたてつひろ氏によるミニ四駆の新作漫画が公開されていた実物のミニ四駆や、初公開となるシャーシなどのパーツも展示されていた


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・ミニ四駆は株式会社タミヤの登録商標です

(2010年 3月 25日)

[Reported by 日高文典]