Game Developers Conference(GDC) 2010現地レポート

EA、LucasArts本社にて「Star Wars: The Old Republic」体験会を開催
LucasArtsとBiowareがタッグを組んだ新世代の「Star Wars」MMORPG


3月12日 開催(現地時間)

会場:LucasArts本社


 Electronic ArtsはGDC会期中の3月12日、サンフランシスコにあるLucasArts本社内で、PC向けMMORPG「Star Wars: The Old Republic」のプレス向け体験会を開催した。

 「Star Wars: The Old Republic」は2011年リリース予定のPC向けMMORPG。開発はLucasArtsと、「Mass Effect」シリーズ、「Dragon Age Origins」などRPGを多く手掛けるBiowareが共同で行なっている。ゲームの舞台は、映画「Star Wars」シリーズの300年前の世界となっており、映画シリーズとは似て非なる「Star Wars」世界の描写が魅力となる作品だ。

 体験会ではごくシンプルな要素のゲームプレイのみが披露され、本格的な開発はまだこれからといった印象だったが、今回のゲームプレイ、そして最新ムービーやスクリーンショットから新世代の「Star Wars」MMOの片鱗を覗くことができた。さっそく「Star Wars: The Old Republic」の魅力を紹介していきたい。


【LucasArts本社】
LucasArtsは2005年にサンフランシスコにLucasfilmなど関連企業と共に移動してきた。場所はゴールデンゲートブリッジの近くで、かつては陸軍の施設だったという。今回見ることができたのは一部だけだが、緑豊かな環境に、大学のキャンパスのような建物が建っており、その中にゲームスタジオがあるという印象的な環境だった。スタジオの通路には映画「Star Wars」のイラストがあり、いかにもという雰囲気だ。撮影できなかったが、開発スタジオの入り口にはキャラクターのイラストが貼り付けられていたり、スタッフが積極的に様々なアイデアを出しているのを感じた



■ Troopersによる敵基地侵入ミッションを体験。ゲームの雰囲気が伝わるフッテージも公開

Troopersのイメージイラスト。クローン兵を思わせるボディーアーマーに身を包んでいる

 今回体験できた「Star Wars: The Old Republic」のバージョンはソロプレイのみで、待ち受けている敵を1つ1つ撃退しながら進むというシンプルなものだった。スキルやパーティープレイなど基本的なゲーム要素もまだまだこれから、という印象だったが、ゲームの雰囲気をつかむことができた。体験版での撮影は不可だったが、現在の開発バージョンの様子と、スタッフが本作で提示したい方向性が伝わるムービーを入手できたので、最新スクリーンショットと共に、ゲームの感触を紹介したい。

 映画より300年前の世界を描く、「Star Wars: The Old Republic」はライトサイドのフォースの使い手、「Jedi」とダークサイドのフォースの使い手「Sith」の戦いが描かれる。プレーヤーキャラクターはライトサイドと、ダークサイドというどちらかへの選択をしていくことになるという。もちろん本作に登場するのはフォースの使い手だけではない。ターゲットを倒し賞金を稼ぐ「Bounty Hunters」、敵の意表をつくようなトリッキーな戦い方ができる「Smugglers(密輸業者)」、正面から重火器で敵を圧倒していく「Troopers」という職業も公開されている。

 今回体験できたのはTroopersのキャラクター。暗い色のボディーアーマーに身を包み、レーザーライフルを持っている。メニューにスキルツリーという項目があったが、スキルの詳細や、キャラクターの姿が映し出される装備画面などはなかった。インターフェイスはマウスとキーボードを使うMMORPGのオーソドックスなシステムを踏襲している。

 今回のバージョンでは目の前に敵の秘密基地があり、多数の敵が待ち受けている中、正面から突破していく、という展開だった。目標地点はマップ上にマーカーで描かれ、そこを目指して進んでいく。進路には敵が待ち受けていて、一定の距離に近づいたり、こちらが攻撃すると周囲の敵もまとめて反応する。敵はブラスターを撃つ敵と接近して剣で切ってくる敵の2種類がいた。この他にも、基地の奥には大きめのドロイドや、通常の敵よりも強い司令官といった敵キャラクターもいた。

 スキルの使用にはアクションポイント(AP)が必要となる。基本的な攻撃をするとAPが貯まり、ポイントを消費することで強力な「Grenade」、敵に付着し、周囲の敵にダメージを与える「Sticky Grenade」が使える。APは戦闘が終了すると減ってしまう。このため前の敵をAPを温存して倒し敵の塊に向かってSticky Grenadeを投げる、といった戦法も有効だった。敵に近づかれたときは、近接用のスキルとして銃床で殴るスキルが使える。当たった敵はノックダウンししばらく行動が不能になる1vs1の時は有利だが、今回は囲まれる場合が多く、あまりうまく使えなかった。

 敵を倒して進むと、イベントシーンがカットインされる。ここではこの基地に潜入していたキャラクターと出会い、会話シーンとなる。プレーヤーキャラクター、NPC共に会話はフルボイスで、質問にどう答えるかでゲームの展開が変わるという。今回は短いゲームプレイのためどう変わるか確認できなかった。会話シーン、イベントシステムのシステムは「Mass Effect」に近いインターフェイスとなっていた。会話シーンは独特の緊張感があって面白い。フォースの選択にも関わってくるのだろうか。


【Troopers】
Troopersは重火器を扱う、攻撃のスペシャリストといった感じだ。パーティープレイではアタッカーとして活躍できそうだ

【建物を眺めるシーン】
Bounty Huntersが街の外で景色を眺める。眺める風景や攻撃のやりとりなど、今回の体験版の雰囲気がよく出ているムービーだ

【会話シーン】
会話シーンでは「Mass Effect」を思わせるインターフェイスが使われていた。ストーリー要素も大きく期待したい

【Smugglersのゲームプレイ】
トリッキーな戦いをするSmugglersのゲームプレイ。今回の体験会でプレイできたのはTroopersだが、Smugglersは敵に自分の位置を誤認させるスキルなども用意されているようで、面白そうなキャラクターだと感じた。

 他のムービー、スクリーンショットも紹介したい。「ゲームプレイその1」ではライトセーバーを使うSithとTroopersのコンビが多数の敵と渡り合う映像が見ることができる。Sithのプレーヤーが大きなジャンプで敵のど真ん中に飛び込み攻撃をひきつけ、Troopersのプレーヤーが敵を殲滅していくコンビネーションが面白い。Troopersのスキルなのか、火炎放射器の攻撃も派手だ。

 「ゲームプレイその2」ではライトセーバーを持ったJediの騎士のボス敵が登場する。攻撃は派手で、激しい。同じライトセーバーの使い手でなくては、近づかれてしまったら対応できないのではないか、と感じさせられる。この2つのムービーでは、音楽や宇宙船の構造などさまざまなゲーム要素にも注目したい。いかにも「Star Wars」っぽい雰囲気とスピード感、そしてストーリー性をもったクエストが展開しそうで期待が高まる。

 「Sithのゲームプレイ」では謎めいた遺跡と、異形のモンスターが登場する。世界観がどう広がっていくか楽しみだ。スクリーンショットは主にフォースの使い手の映像が中心だ。現在公開されている情報では、MMOとして、ダークサイドとライトサイドのRvRを目指すゲームになるのか、それとも「Star Wars」世界の住人となるのか、まだ方向性がわかりにくい。システムやグラフィックスもこれからアップデートされるだろうという印象だ。

 「Star Wars」世界を扱ったMMORPGとしては「Star Wars Galaxies」があるが「Star Wars: The Old Republic」はどう差別化を図っていくかに注目したい。SithとJediが数多くいて激しく戦いを繰り広げていた時代という世界観は興味を惹かれる。気になる日本展開については未定となっているが、「Star Wars: The Old Republic」の日本展開を強く希望したいところだ。


【ゲームプレイその1】
ライトセーバーを使うSithとTroopersのコンビが多数の敵と渡り合う

【ゲームプレイその2】
Jediの騎士のボス的が登場する。かなり強力なボスだ

【Sithのゲームプレイ】
遺跡のような場所を探索するSithの戦士

【スクリーンショット】
これまで公開されていたSith/Jediのスクリーンショット。両者のスキルがどう違ってくるかも注目したい
スキルを見ていると、彼らが特別な存在であることがわかる。他の職業のキャラクターとどう差別化を図るかも期待したい

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(2010年 3月 15日)

[Reported by 勝田哲也]