セガ、PSP「ファンタシースターポータブル2」
「全国ファン感謝祭2010 ~リトルウィンググランプリ~」決勝大会を開催
 グラール最速タッグチームが決定!


3月13日 開催

会場:アキバ・スクエア


会場のアキバ・スクエア内はファンで満杯。この写真の後ろにもお客さんがズラリと詰めていた

 株式会社セガは、PSP用RPG「ファンタシースターポータブル2」のイベント「ファンタシースターポータブル2 全国ファン感謝祭2010 ~リトルウィンググランプリ~」(リトルウィンググランプリ)の決勝大会を開催した。会場は秋葉原のアキバ・スクエア。

 「リトルウィンググランプリ」は“グラール最速の称号を手に入れろ!”をキャッチフレーズにした全国大会。2人1組のタッグチームで、大会用に用意されたオリジナルミッションのクリアタイムを競う大会だ。2010年1月16日より、東京、大阪、名古屋、福岡、札幌の5都市で予選大会が順次実施されてきたが、その集大成がこの決勝大会となる。

 会場には約700名の「ファンタシースターポータブル2」ファンが来場。決勝大会の行方を見守った。会場にPSPを持参してきた方も多く、大会の合間に来場者同士でプレイを楽しんでいる姿もたくさん見かけた。大会自体も盛り上がりを見せ、各チームのプレイに自然と声が挙がるシーンも多くあった。

 決勝大会では「ファンタシースターポータブル2」の開発陣が実況と解説を担当。メインプランナーのライトニング菅沼氏、ディレクターのラッピー木村氏、シニアディレクターのT隊長、プロデューサーの酒井 智史氏の4人が参加した。

 また、ゲスト出演として、公式サイトで配信されてきたスペシャルWeb番組“グラールチャンネル5 presents”「Fun!Fan! ファンタシースターポータブル2」でお馴染みの能登 有沙さん、小倉 唯さんも登場して大会を盛り上げた。

 全国の予選から決勝大会へと勝ち進んできたチームは17チーム。決勝大会は3ラウンドにわけて行なわれ、第1ラウンドでは3チームごとの6ブロック(1ブロックのみ2チーム)ごとで競い、最速だったチームが第2ラウンドへ。第2ラウンドでは2チームごとに3ブロックで競い、最後に勝ち上がった3チームでファイナルラウンドを戦うという流れだ。

 ラウンドの模様はステージ中央の巨大スクリーンに分割で同時に映し出され、ミッションの進行がひと目で比べられるようになっていた。最速タイムを競うという形式ということもあって、僅差のブロックは見ているほうも手に汗を握る。クリアチームが出た瞬間には会場から大きな歓声が挙がっていた。


解説を行なったメインプランナーのライトニング菅沼氏、ディレクターのラッピー木村氏、シニアディレクターのT隊長、プロデューサーの酒井 智史氏。さらに、ゲスト出演に、「Fun!Fan! ファンタシースターポータブル2」の出演者、能登 有沙さん、小倉 唯さんも参加



■ 徹底的に練られた作戦が火花を散らせた、第1ラウンド、第2ラウンド

戦いは種族選び、戦闘タイプ選びから。キャストとビースト、ハンターとレンジャーに集中していた

 今大会のルールでは使用キャラクターがあらかじめ用意されていて、4種族の男女と戦闘タイプから選択できる。そのキャラクター選びも重要で、さらにそのキャラクターが持っているどの装備を使うかといったところもポイントになっていた。

 種族選びの傾向としてはキャストかビーストを選ぶチームが多く、戦闘タイプではハンターとレンジャーを選ぶチームが多く見られた。2人ともハンターを選ぶ組み合わせも目立っていた。

 ミッション開始前には毎回60秒の準備時間が与えられる。装備のカスタマイズや操作オプションの変更等に与えられる時間だ。この時間の使い方も各チームは事前に考えてきたようで、手早い操作で次々に装備を変更していく。その操作の手早さだけでも、解説席や会場からはどよめきが起きていた。

 また、入念に練習を重ねてきただけに準備時間に余裕ができるチームも多く、テキストチャットを入力してみたりオートワードを設定したりするチームも。そのときにはすかさず酒井氏を初めとした解説席からのツッコミが入り、会場に笑いが起こっていた。


第1ラウンドのミッション「廃墟ステージ」。ボスモンスターの「ファズンタル・セグンタル」を素早く倒せるかが鍵
1回勝負、最速チームのみが勝利というプレッシャーの強い形式だけに、観戦する側も手に汗握る

 第1ラウンドで使われたステージは予選大会でも使われた「廃墟ステージ」。モンスターとして「アスターク」が2体、「ゴ・ヴァーラ」4体が登場し、その先にボスモンスターの「ファズンタル・セグンタル」が待ち受けるという専用ミッションだ。通常モンスターも当然ながら、ボスモンスターの「ファズンタル・セグンタル」とどう戦うかがポイントになっている。

 第1ラウンドと第2ラウンドのミッションはすでに配信されていることもあって、各チームともに相当に練習を重ねてきていた。その結果、各チームの戦術には共通点が出てきていた。

 まず、ハンターのプレーヤーは、ダブルセイバーを装備してモンスターの集まっているところに飛び込み、できる限り多くのモンスターを巻き込みながらダメージを与える。キャストを選んでいるプレーヤーは、開始直後に主観視点に切替え、モンスターを殲滅するまでひたすらに撃ちまくるというスタイルだった。

 戦闘スタイルは練習を重ねて突き詰めてきた結果として、近いものが多かったが、その中で細かな差が生まれていたのは立ち回り。敵モンスターをボスのいるエリアへ行く転送装置近くへと引き寄せたり、その引き寄せているところにトラップを加えたりと、少しでもタイムを縮めようという工夫があった。特にモンスターを倒したあとのわずかな移動時間を短縮できるかが分かれ目になっていたようだ。

 ボスモンスターの「ファズンタル・セグンタル」は2体いる上に、頻繁にジャンプ移動するので、ここで手間取ると大きくタイムに影響してくる。ボスモンスターまでのタイム差をひっくり返す場面も多く見られた。ジャンプ移動する「ファズンタル・セグンタル」の着地地点を先読みして移動し、攻撃を絶え間なく与えるのがポイントになっていた。だが、焦りからか攻撃を喰らってしまって凍らせられてしまう場面も。このあたりのロスタイムが大きく影響していたようだ。

 第2ラウンドへ勝ち抜けたチーム同士のタイム差もわずかな差。Aブロック勝者の「屑鉄」チームのタイムが2分17秒、Bブロック勝者の「ラッピーノテバサキー」が2分16秒、Cブロック勝者の「チーム生主」が2分19秒、Dブロック勝者の「ヒューガ覚えていますか」が2分48秒、Eブロック勝者の「クロノ・クライシス」が2分14秒、Fブロック勝者の「ちーむもふもふ」が2分23秒と、上位チームの差は1秒単位と接戦だった。


各代表チームの実力はそれほどの差はなく、ちょっとのミスが結果に大きく響いていた。作戦も近いため、もう一歩タイムを縮めるための細かな工夫が勝負をわけた

第2ラウンドの舞台は「洞窟ステージ」。やはりボスのドラゴンが鍵
第1ラウンドを勝ち進んだ2チームの戦い。勝利チームのタイムにはどよめきが起こった

 続く第2ラウンドの舞台は「洞窟ステージ」。登場モンスターは「パルシャーク」2体、「ポイゾナス・リリー」4体、「ナノノドラゴ」が1体、最後にボスモンスターとして「ドラゴン」が登場する。「ファンタシースターオンライン」からお馴染みの構成だ。

 このステージのポイントは、強力なモンスターの「ナノノドラゴ」、そしてボスモンスターの「ドラゴン」を、いかに素早く倒せるかがポイントになる。近距離で戦う「パルシャーク」と遠距離から攻撃してくる「ポイゾナス・リリー」という、ファンにはお馴染みの組み合わせで、このラウンドに対して酒井氏は「雑魚では差がでないのでは」と予想。ボスのドラゴン次第で命運がわかれるというわけだ。

 出場チームは第1ラウンド同様にこの「洞窟チーム」もやりこんできていて、熟練度は相当なもの。戦い方やチーム編成は第1ラウンドとほぼ同様の傾向だったが、勝ち上がってきたチーム同士が競い合っているため、第1ラウンド以上の接戦となっていた。

 酒井氏の予想通り、雑魚モンスターではほとんど差が出ず、ポイントのひとつである「ナノノドラゴ」も華麗に倒していく。ドラゴンをいかに速く倒せるかが分かれ目となったが、ここでは「戦闘タイプの組み合わせ」と「ガード」がタイム差をわけていた。

 結果は、まずAブロック勝者の「クロノ・クライシス」が安定した戦い方で3分24秒を記録。続くBブロック勝者の「ちーむもふもふ」はハンター2人の組み合わせでソードに武器を持ち替えてからのフォトンアーツ「グランドクラッシャー」を2人がかりで叩き込み、2分37秒という好タイムを記録。このタイムには会場から驚きの声が挙がった。見た目にも息の合ったプレイで会場を沸かせていた。

 だがその次のブロックに登場した「チーム生主」は「ちーむもふもふ」をさらに上回る2分28秒というタイムを記録! 解説席からはクリアした瞬間に「おおっ!」という声が挙がり、続いてその速さに「えっ?」と呆気にとられた会場から、遅れて拍手が起こるという現象まで起きていた。


攻撃が激しくなってくるだけに、1度のダウンも命取り。基本的な動きや作戦では差は出なかったが、ガードをうまく駆使して攻撃の手を止めないことが勝敗をわけるポイントになっていた



■ 当日発表されたファイナルラウンドのミッションも超白熱!優勝は「チーム生主」

ファイナルラウンドのミッションに能登さん、小倉さんが挑戦! 難易度の高さとステージのギミックに翻弄されることに
ライトニング菅沼氏とラッピー木村氏が挑戦。タイムアタックのポイントを見せた

 決勝ラウンドは第1ラウンド、第2ラウンドと違い、まだ未配信のスペシャルミッションが舞台。誰も遊んだことがないミッションでいきなり最終勝負、というわけにはいかないということで、そのスペシャルミッションに能登 有沙さん、小倉 唯さんが挑むこととなった。だが、ファイナルラウンド進出チームにミッション内容を見せるという重大な役目にプレッシャーを感じる2人の前に、銀色スーツのあの人が現われた。ドラゴンサカーイだ。ちなみにネクタイは新調したそうだ。

 というわけでT隊長とドラゴンサカーイの2人が見守るなか、能登 有沙さん、小倉 唯さんのプレイがスタート。ファイナルラウンドのミッションは、ストーリーミッションのラスト「城郭ステージ」が舞台で、スイッチ式のライトを点けない限り真っ暗のなかで、ベル・バノン5体、さらに厄介な状態異常を与えてくるイルギル2体が登場する。

 2人の悲鳴が響き続けたプレイは、ボス前に登場したダークベルラによって全滅という結末に。会場はファイナルラウンドの難易度にどよめきつつ、2人の楽しそうなプレイ模様に笑いも混じるという、独特な空気感で盛り上がっていた。

 できればボスモンスターを進出チームに見せたいということで、続いてライトニング菅沼氏とラッピー木村氏が挑戦。明かりのスイッチはスルーして突破するなど、タイムを縮めるポイントを披露しつつ先へと進み、いよいよボスモンスターが登場! というところでドラゴンサカーイのストップの声がかかり、ボスとの戦いはファイナル進出者の手に委ねられた。

 ステージではこの後、この模様を控え室で見ていたファイナル進出者に、フジテレビアナウンサーの長谷川 豊氏がインタビューしたり、アイドルグループ「アイドリング!!!」のメンバーから「ぷよぷよアイドリング」の3人が応援に駆けつけるなど、サプライズが用意されていた。今回の大会の模様は、フジテレビCS2の特別番組にて放送予定とのことだ。気になる方はぜひチェックして欲しい。また、アフレコ台本等オリジナルグッズ詰め合わせの来場者プレゼントも行なわれ、大いに盛り上がった。


ファイナルラウンドのミッションは、ストーリーミッションのラスト「城郭ステージ」が舞台。後日このミッションも配信される予定だ
クリアの瞬間、大きな歓声が沸き上がった

 スペシャルステージも終わり、いよいよファイナルラウンド。勝ち進んできた「クロノ・クライシス」、「ちーむもふもふ」、「チーム生主」の3チームが同時に挑む、1回勝負だ。「ベル・バノン」5体、「イルギル」2体、「ダークベルラ」1体、ボスモンスターはグランプリの最後にふさわしいボスとして「オルガ・アンゲルス」が登場するミッションとなっている。

 3チームともスペシャルステージで確認した通り、部屋のライトには触れずにモンスターをなぎ倒していく。ここまで勝ち進んできた3チームだけに動きに無駄が無く、そのため巨大スクリーンではシンクロしているかのような画面が展開されていた。その異様な光景に会場からはどよめきが止まらない。3チームともに初めてプレイするミッションなのにも関わらず、ボスモンスターにたどり着いたタイミングは、なんとほぼ同時だった。

 ボスモンスターの「オルガ・アンゲルス」との戦いでは、「オルガ・アンゲルス」のパターンを見切っているか、激しい攻撃をしっかりとガードしてタイムロスを無くしつつ攻撃も与えるというのがポイントになっていたようだ。各チームとも「オルガ・アンゲルス」の対策は完璧。あまりの接戦に誰も勝負の行方が予想できなくなっていた。

 会場中が見守るなか、弾けたように大きな歓声が挙がった。最も速く「オルガ・アンゲルス」を撃破したのは「チーム生主」! 歓声と拍手が会場中に溢れかえった。最後は表彰式。上位3チームにはトロフィーや記念の盾、副賞のサイン色紙が贈られた。また、優勝した「チーム生主」にはリトルウィング特製クリスタルトロフィーと、武器アイテムをオリジナルで作成できる「オリジナルアイテムを作れる権」も贈られた。このオリジナル武器は、後日PlayStation Storeにて無料で配信される。また、ファイナルラウンドのミッションも、同様にダウンロードコンテンツとして配信予定だ。

 最後に大会の解説を行なった開発陣と、能登さん、小倉さんから、コメントが贈られた。プロデューサー酒井氏は、「2カ月という長い間やってきた大会でしたが、全国大会というのはひとつの夢だったので、すごく嬉しく思っています。『ファンタシースター』シリーズは人と人を繋げてくれるゲームだと思います。こうしてオフラインのイベントを開くことで、我々と皆さん、そしてユーザーの人同士も繋がったんじゃないかなと思います。また、第2回、第3回と開催できるようにがんばっていきたいと思います」と、締めくくった。


ライトのギミックに加え、厄介な敵モンスターが襲い掛かってくる「城郭ステージ」。ファイナルに進んだ3チームの戦いはボスの「オルガ・アンゲルス」まではほぼ差のない、白熱したものになった

優勝した「チーム生主」には、武器アイテムをオリジナルで作成できる「オリジナルアイテムを作れる権」が贈られた。試合の合間には開発陣がサインしてまわるサービスも。ファンには嬉しい、サービス満点、見応えありのイベントだった




(C) SEGA

(2010年 3月 14日)

[Reported by 山村智美]