コーエー、PS3「真・三國無双 Online」先行試遊会を実施

PS3向けにインターフェイス等を最適化。新武器「双刃剣」も公開


2月18日 発売予定

価格:6,090円(通常版)
   8,190円(プレミアムBOX)

CEROレーティング:B(12歳以上対象)



開発プロデューサーの藤重和博氏
開発ディレクターの越後谷和広氏

 株式会社コーエーは、2月18日発売予定のプレイステーション 3用MMOアクション「真・三國無双 Online ~神将乱舞~」のプレス向け先行試遊会を2月9日に実施した。試遊会では、実際にPS3版を操作し、チュートリアルや一部のゲームモードなどを試遊できた。

 試遊に先駆け、開発プロデューサーの藤重和博氏が挨拶。「『真・三國無双』はコンシューマーで発売され、その一騎当千の爽快感をPCのオンラインゲームへということから『真・三國無双 Online』の開発が始まった。そこで色々なノウハウや技術を吸収した上で、またコンシューマーの舞台に展開することになった。PS3でサービスするに当たり、シリーズの爽快感と、PCオンラインゲームで培ったサービスのノウハウをお客様に存分に味わっていただけるコンテンツになった」と述べた。

 続いて開発ディレクターを務める越後谷和広氏が、ゲームの紹介を行なった。ゲーム内容は現在サービス中のWindows版と同様で、4対4の「激突」、最大24人参加の「乱戦」、数千人が協力して争う「争奪」といった対戦モードを搭載。顔の表情や肌の色、声などを自由に選んで作るキャラクターメイキングや、実際にプレイしながらゲームの流れを学べるチュートリアルモードなども、Windows版から継承している。

 PS3版の独自仕様としては、コントローラー操作に合わせた機能追加や、テレビでの表示に最適化したユーザーインターフェイスなどがある。このほかPS3での展開として、PlayStation Homeで2月11日にラウンジ「回廊」を公開。さらに2月25日と3月4日には、PlayStation Homeで着られる衣装アイテムとして、「真・三國無双 Online」の衣装をデザインしたものをPlayStation Storeで販売する。

 さらに次回の大型アップデート「Revolution」最新版を、3月18日に実装する。このアップデートでは、武器「双刃剣」や、勢力で達成を目指す「君命」、新システム「ギルド勧誘設定」などが追加される。このアップデートはPS3版とWindows版でともに無料で提供される。試遊会では、新武器の「双刃剣」も体験できたので、合わせてレポートする。


ゲーム内容はWindows版と同じ。前身である「真・三國無双BB」から数えると、約5年のキャリアを持つ長寿タイトルである
PS3版向けの調整が加えられ、キーボードがなくても快適に遊べる環境が整えられているPlayStation Homeでも展開される3月18日にはアップデートを実施。PS3版も無料でアップデートされる



■ Windows版を忠実に再現しつつ、コントローラー操作やテレビでの表示に最適化

 ここからはPS3版の試遊レポートをお伝えしていく。プレイの前にゲームを始めるまでの流れとして、PlayStation Networkアカウントと、GAMECITY市民ID(コーエーのポータルサイト)の2つのアカウントが必要になる。既にGAMECITY市民IDを所持している場合は、PS3版でも使用できるが、Windows版のキャラクターは流用できず、改めて新規作成する必要がある。PS3版で作成したキャラクターは、Windows版と同じサーバーに接続されるので、一緒にプレイすることは可能。

※ 当初「PS3版をプレイするには新規にGAMECITY市民IDを取得する必要がある」としておりましたが、誤りでしたので訂正いたします。

 ゲームをスタートすると、まずキャラクターメイキングを行なうことになる。ここはWindows版と同様で、好きなパーツを選んで名前を決めれば完成する。

 キャラクターが作成できたら、ゲームをスタートし、チュートリアルに向かう。このチュートリアルもWindows版と同じ内容で、移動や攻撃の方法からゲームの目的まで、マニュアルを読まずにいきなりゲームを始めても問題なく遊べる作りになっている。PCオンラインゲームではしっかりしたマニュアルがついてくることが少ないので、充実したチュートリアルは必須なのだが、マニュアルがついてくるコンシューマーゲームにおいては、丁寧なチュートリアルが逆に新鮮に感じられた。


【スクリーンショット】
チュートリアルはとにかく丁寧に作られている。PS3版に合わせて、コントローラーでの操作方法をきちんと説明してくれるので、いきなりプレイしても戸惑うことがない

 PS3版のチューニングは、目立たない部分であちこちに施されている。最も手が入れられている部分は、テレビでの表示に合わせた改良だ。まずWindows版に比べて、キャラクター情報やチャットウインドウなどが、画面の内側に寄せられている。Windowsでは、画面端までドット単位できっちり表示されるが、テレビ表示では、画面の端が切れて表示されていることがある。特にSD解像度のテレビではこれが多いため、各種インターフェイスが切れないように画面端に余裕を持たせてある。これと同時に、チャットウインドウのフォントサイズが、Windows版より大きめになっており、環境によらず読みやすくなっている。この辺りの配慮は、「信長の野望 Online」などでWindowsとコンシューマーの両対応をしてきたコーエーならではだ。

 もう1つ重要なのが、コントローラーへのチューニングだ。チュートリアルでは「△ボタンを押して」といったようにPS3用コントローラーに合わせた説明になっている。他にはメインメニューのウインドウに、新たに「ログアウト」が加わっている。これはキーボードがない環境でも、素早くログアウトを選択できるようにするための追加で、選択するとタイトル画面まで戻る。このほか、コントローラーの振動機能のON/OFF設定がWindows版に先駆けて実装されるなど、細かな調整が加えられている。

 Windows版と同様の機能はPS3版にも実装されている。例えばメニューからプレイマニュアルを選ぶと、公式サイトに転送され、ゲームのマニュアルをオンラインで確認できる。PS3版であればおそらくパッケージに同梱されるマニュアルもあるだろうが、オンラインですぐに確認できるほうが利便性が高く、またアップデートの内容にも追従するので信頼できる。他にもマニュアルやヘルプ、最新情報を参照できるコマンドを選ぶと、自動的にブラウザが開いて公式サイトを確認できる。確認が済んだら、×ボタンを押せばゲームに戻れる。


【スクリーンショット】
各種インターフェイスが画面の内側に寄り、上下左右に余裕のある配置になっているのは、テレビでの表示を考慮したもの。他にもメニューからログアウトできたり、L1/R1ボタンでエモーションコマンドなどを呼び出せたりといった新機能が追加されている
オンラインでヘルプやマニュアルを確認できる機能はWindows版にもあったものだが、PS3版でもちゃんと搭載されている。わからないことがあれば、すぐにゲーム内で確認できるのが嬉しい

 試遊会では、12人同時プレイでの「乱戦」も体験できた。Windows版の最高設定と変わらない高画質でプレイしながらも、表示でもたつくような場面は一切なかった。PS3版だから特別に綺麗ということはないが、ハイスペックなPCでなくともこの品質で遊べるのは歓迎できる。なおPS3版では、ハードウェアのスペックが一律となるので、Windows版にあったグラフィックス関連の設定項目は省かれており、常に最高画質の状態でプレイできる。

 一通りプレイしてみて感じたのは、「コンシューマーゲームの手触りと、オンラインゲームの気配りが融合している」ということだ。操作感やグラフィックスはコンシューマー版の「真・三國無双」シリーズと何ら変わりなく、シリーズの経験者であれば違和感なく本作をプレイできるだろう。オンラインゲームの気配りについては、既にいくつも挙げたとおり。コンシューマーゲームとしては考えられないほど行き届いた説明やサポートがあり、遊んでいて悩みどころがなかった。冒頭で藤重氏が述べた「PCオンラインゲームで培ったサービスのノウハウをお客様に存分に味わっていただける」という意味を、遊べばすぐに理解できるだろう。


【スクリーンショット】
グラフィックスはWindows版から急激に進化したわけではないが、コンシューマーにおいても十分美しいと感じられるレベルで描かれている。処理落ちもなく快適に遊べたのも好印象だ



■ 次回アップデートの新武器「双刃剣」を体験

 今回の試遊会でのもう1つの話題として、次回アップデートの新武器「双刃剣」の感触をお伝えしておこう。「双刃剣」とは、2本の短剣の柄の部分が繋がったような外見で、実際に2つに分離させて2本の短剣としても扱える武器。棍に似た比較的長いリーチと、短剣のような素早さという2つの特性を併せ持っている。

 弱攻撃を連打すると、棍を振り回すような動きで広い範囲の敵をなぎ払う。前方から横まで広くカバーする攻撃範囲と、短い攻撃間隔が特徴。「連打しておけば何とかなる」という感覚で、初心者にも薦められる武器と言えるだろう。

 チャージ攻撃にはユニークなものがある。まずチャージ2(□△)では、前方に軽めの攻撃を仕掛けた後、丸い球のようなものを発する。この球はしばらく空中に留まり、発生から2秒ほどで爆発して周囲にダメージを与える。タイムラグがあるので使いどころが難しいが、爆発の範囲が広く、上手く使うと一気に敵を吹き飛ばせる。見た目にも面白いので、思わず使いたくなる攻撃だ。

 最も多用される攻撃は、おそらくチャージ5(□□□□△)だろう。足元に剣を突き立てるようなモーションから、周囲の敵を吹き飛ばす衝撃波のようなものを発生させる。この攻撃範囲が広く、発動も早いので、多数の敵がいる場面では非常に有効だ。「双刃剣」の攻撃の中では最も一騎当千の爽快感が感じられた。

 敵陣に素早く潜りこみ、多数の敵を蹴散らしながら敵をかく乱するといった戦法に向いていると感じた。単発の攻撃力が高いわけではないので、1撃のダメージより攻撃のスピードで圧倒したい人にオススメの武器だ。


【スクリーンショット】
「双刃剣」は1本に繋がった状態で振り回せば範囲が広く、分離して両手で持てば素早い連続攻撃が出せるという、2つの長所を兼ね備えた武器。付け外しをプレーヤーが意識することはなく、攻撃に応じて自動的に変化する
広範囲の敵を吹き飛ばすチャージ5(左)と、爆発する球のようなものを発するチャージ2(中央、右)。全体的には癖がなく、スピーディーで扱いやすい武器だ

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(2010年 2月 9日)

[Reported by 石田賀津男]