バンダイナムコ、AC「機動戦士ガンダム 戦場の絆」REV.2.10インプレッション
遠距離砲撃型2機体と新ステージ2つを試す


稼動中(12月9日 バージョンアップ)

価格:2プレイ500円


 株式会社バンダイナムコゲームスは、AC「機動戦士ガンダム 戦場の絆」において、12月9日よりREV.2.10へのバージョンアップを実装した。

 今回のバージョンアップで、遠距離砲撃型機体として「量産型ガンキャノン」(地球連邦軍)、「ザクI 後期型」(ジオン公国軍)が先行支給され、射撃型モビルスーツを中心に調整が施された。また、「リボー・コロニー_エリアB」、そして「オデッサ」の2つに加え、「ア・バオア・クー(R)」と新ステージが実装される。公式サイトのバージョンアップ情報はこちら。なお、新ステージは12月中旬から順次登場する予定だ。



■ 高コストの地球連邦軍、低コストのジオン公国軍とタイプの異なる遠距離砲撃型機体

 REV.2.10で先行支給される遠距離砲撃型機体は、地球連邦軍が高コストの「量産型ガンキャノン」、ジオン公国軍が低コストの「ザクI後期型」とキャラクターがはっきり分かれている。先行支給は、階級が「曹長」以上で、1人以上の対人戦にて1回以上勝利し(CPU戦不可)、パイロットカードをターミナルに挿入すると現われるくじびき画面(最大5択、最小2択)で当たりを引けば支給される(通常支給時のようにバトルポイントを貯める必要はない)。1クレジットでのプレイで1回くじを引くことができる(2勝してもくじは1回)。なお、停戦時間中(午前2時~7時)の勝利は条件外となる。

● 多彩な装備で自衛力もアップ! 「量産型ガンキャノン」

【RX-77D 量産型ガンキャノン】
カテゴリ:遠距離砲撃型/地上・宇宙
基本スペック:HP310 コスト200
メイン「240mmキャノンA」
格闘「パンチ」
サブ「頭部バルカン砲」

 ガンキャノンの量産検討タイプで、後方からの対拠点攻撃に特化した、砲撃戦仕様になっている「量産型ガンキャノン」。地上、宇宙ともに出撃可能な地球連邦軍陣営期待の新モビルスーツだ。

 セッティングは機動、装甲4とも4つが揃えられており、「ジム・キャノン」や「ジム・キャノン(WD隊)」のキャノンタイプ2機種と似た標準的なセッティング幅を持っている。足回りは軽快で、HPも前述のキャノンタイプ2機種より高く、キャノンタイプの遠距離砲撃型機体としてはコスト200なりの体力値になっているが、「量産型ガンタンク」や「ガンタンク」のタンクタイプ2機種よりは低め。

 メイン射撃兵器となる「240mmキャノン」は「A」と「B」の2タイプが装備可能。どちらも射程およびFCS距離は他の遠距離砲撃型とほぼ同等で、「A」は「ジム・キャノン」や「ジム・キャノン(WD隊)」と同等の弾速とやや高めの拠点攻撃力を持つ。モビルスーツにヒットした際の威力は「ジム・キャノン」や「ジム・キャノン(WD隊)」よりも高め。コストアップする「B」は、「A」よりも射角調整バーの移動速度が早く、射撃後の硬直も短い。拠点攻撃力、モビルスーツにヒットしたときの威力も「A」より高くなっている。

 本機は、すべてのトリガーに射撃武器をアサインできる「トリプル・アームド」と呼べる機体になっている。サブには3種類の追加射撃兵装、格闘には2つの追加射撃兵装が用意されており、武装の組み合わせも多彩。

 サブ射撃における初期兵装の「頭部バルカン砲」は、1トリガー4連射のバルカン砲で、よろけが取りやすい。ほかには、久々の復活となる上投げ投擲爆弾「ファイア・ナッツ」、リロード時間、武装切り替えの時間がかかるが1発のダメージと弾速に優れる「硬芯徹甲弾」、そして6連射の集弾率の高いマシンガン「ブルパップ・マシンガン」が装備可能だ。コストアップするが、ブルパップ・マシンガンで自衛能力を高めつつ僚機との連係を取る立ち回りをするか、頭部バルカンで僚機と連携しつつ敵アンチ機体を撃破するか、といった運用が想定できる。

 最後に格闘トリガーにアサインできる武装は、2連撃まで可能なパンチ(遠距離砲撃型の中では高威力)、4連射の「追加弾(MS弾) 」、そして射角は高いものの爆風によるヒット判定の広さが魅力の「追加弾(爆散榴弾)」が装備可能となっている。

 足回りとHPのバランスが取れたキャノン系遠距離砲撃型機体として、十分なポテンシャルを秘めている本機。ただし、追加武装によってコストアップした場合、戦局的にジオン公国軍側と対拠点機体のコストを交換するような事態になると、その時点でコスト負けになってしまうことが多くなることを考え、拠点攻撃のみならず、常に僚機との連係を意識して戦うことで戦果を挙げて行くべき機体といえそうだ。


● 「マゼラ・トップ砲」を軸に120のコストをどう活用する? 「ザクI後期型」

【MS-05B ザクI後期型】
カテゴリ:遠距離砲撃型/地上・宇宙
基本スペック:HP244 コスト120
メイン「マゼラ・トップ砲A」
格闘「ヒート・ホーク」
サブ「105mmマシンガン」

 スパイク装着用マウント付の肩アーマーを持つザクIに、「マゼラ・トップ砲」を搭載した遠距離砲撃型モビルスーツ。地上、宇宙で出撃できる。

 本機は、素体でコストが120という低コストで、HPに関しては、「ザク・キャノン」よりも全体的に低めの設定になっている。セッティングは機動、装甲ともに4ずつ。足回りはザク・キャノンと似て軽快なので、HPの少なさから、スピードを活かして敵防衛ラインの穴を突き、移動しながら拠点を攻撃するような運用が基本となるだろう。また、強力もしくは使いやすい武装を選択するとコストは最大190まで上昇する。

 メイン射撃の初期武装は「マゼラ・トップ砲A」。コストが追加される代わりに、遠距離砲撃型としては十分なFCS距離、射程を持っている。もう1つのメイン射撃用武装は「マゼラ・トップ砲B」で、こちらはコストは上がらないうえ、射角調整スピードが早く、発射硬直が少ないが、FCS距離が短いため、ブラインドショット(いわゆるノーロック射撃)に向いた武装となっている。ロックオン時の拠点攻撃力は「A」も「B」もほぼ同じになっており、「ザク・キャノン」や「ザクタンク」とほぼ変わらないタイムで拠点を撃破可能だ。

 サブ射撃は初期武装が「105mmマシンガン」で、1トリガー3発のよろけを狙えるマシンガン。追加支給される武装には、2種類のクラッカーが用意されているが、いずれもコストアップする。「クラッカーA」は1発ダウンの「ザクI」や「ザクII」などでおなじみのもの(威力は低め)だが、「B」は、投擲するとほぼ水平に飛んでいく独特の軌道を描くうえ、直撃すると敵機をよろけさせる新しさが感じられる武装になっている。

 格闘武装は2連撃まで可能な「ヒート・ホーク」に加え、1トリガーで2連射する「追加弾(MS弾)」が装備可能。1発リロードごとに発射できる特性を持ち、これを装備することで「量産型ガンキャノン」同様、3つのトリガーに射撃武装をセットできる「トリプル・アームド」機体となる。また、「ヒート・ホーク」は、「105mmマシンガン」を装備時、格闘1撃から「105mmマシンガン」へのクイック・ドローが可能となっている。

 本機は、足まわりと自衛力を生かして前衛に敵タンクと護衛を撃破することを重視してもらう4vs4時の対拠点兵器の選択肢のうちの1つになりうる。「マゼラ・トップ砲A」のみコストアップに割いて、自衛力で定評のある「ビックガン」を装備する「ザク・キャノン」よりもコスト面で優位に立つか、「ザク・キャノン」で攻めるか、HP量で勝る「ギガン」にするか、かなり悩ましいところだろう。



■ 間合いは近くなったが、射撃兵器の回転率は上昇! 射撃型モビルスーツ中心の調整

 射撃型機体に大幅な調整が加えられた「REV.2.10」。すべての機体を検証はできなかったが、いくつか気がついたことをまとめていきたい。詳細は公式サイトを確認し、実際にトレーニングモードなどでチェックしてみてもらいたい。

● バズーカ系/ビーム系武装

 まず、ビーム・ライフル、バズーカ系武装は、まずエフェクトが派手なものに変更されたのが目立つところ。どちらも射程距離などが短縮され、弾数、弾速が向上、命中率もアップという方向の調整になっており、以前よりは50mほど前の位置取りが必要になってくる。射出後の硬直や連射間隔の調整に関しては、相手との間合いの取り方にはよりシビアな調整が必要とされるといった感覚だった。

 バズーカ系武装はロックオン時は横歩きする相手にヒットする点を活かしながらも、弾数が増えた機体では、着地硬直などをきちんと狙い、立ち位置が前衛よりになったことも踏まえ、サブ射撃を的確に使って味方の支援を行なう必要性はより増したといえるだろう。なお、「ガンダム(G-3)」の「ハイパー・バズーカ」は、機動低下が削除されたほか、高バランサー機体を1発でよろけさせるように変更されている。

 「ドム/リック・ドム」の「ジャイアント・バズ」は、「A」も「B」も対拠点能力が下げられ、FCS距離も短くなったため、少人数戦において、高速移動から拠点をエサに護衛機体を削りつつ、拠点も撃破するといった作戦が取りにくくなっている。新設された「ザクII(FS)」のザク・バズーカBは、コストアップするものの、素体コストを考えると破格の威力を持つ。「ザクI(S)」の「ザク・バズーカ最初期型」は、発射後に拡散するようになり、弾数は2発。リロードは長いものの判定は広くなり、よろけがとりやすい武装となった。「ドム/リック・ドム」といえば、サブ射撃の「拡散ビーム砲」は弾数が2に増え、威力も増したが、カメラ破壊時間が短縮され(ヒットした場合、ダウンから起き上がったころに回復する)、攻撃遅延や発射間隔が長く調整された。

 ビーム・ライフル系武装も基本的にはバズーカ系と調整の方向性は同じで、命中率や弾速が上がっているため、斬られている味方のカット、敵機の硬直に的確に射撃をヒットさせるといった射撃機体の基本をきちんとこなしやすくなった。深手を負って撤退する敵にトドメをさすのも射撃型の役目だと思われるので、立ち位置と周囲の状況に気を配れる視野の広さが要求されるのはあいかわらずだ。発射遅延に関しては、全般的にそれほどのものは感じなかったが、発射後の硬直もあるので、乱射して手数でどうにかするというよりは、1発1発を的確に敵にヒットさせるほうが大切になってくる。また、「ガンダム(G-3)」や「ゲルググキャノン」など、ビーム・ライフルに調整が入っていない機体もあるので、役割に応じて機体のチョイスも必要となってくるだろう。

● そのほか

 素体性能にひととおり手が入った「ジム・ガードカスタム」は、確かに速度が向上した感覚は感じられたが、コスト240ということも踏まえると、突飛なほどではない絶妙の調整となっている。


■ パワーとパワーのぶつかり合い? 「オデッサ」と「リボー・コロニー_エリアB」の2つの新ステージ

 今回のバージョンアップで配信される新ステージ「オデッサ」と「リボー・コロニー_エリアB」、さらに「ア・バオア・クー(R)」の3つのうち、「オデッサ」と「リボー・コロニー_エリアB」に関してのインプレッションをお届けしよう。どちらのステージにもいえるのだが、「見た目より意外と狭い」という感想。バージョンアップ前の「タクラマカン」や、「グレートキャニオン」を思い起こさせる、力と力のぶつかり合いが見られそうなステージだ。

・リボー・コロニー_エリアB

 「リボー・コロニー」と一部を共用しながら、別方向へとマップを広げたステージ。このステージでは、地球連邦軍側は「グレイファントム」のカタパルトがスタート地点となる。「ジャブロー地上」のように、ここから降りる、降りないは任意のタイミングで可能だ。ちなみにカタパルトデッキの上にも登れはするが、奥にはほとんどいけない。

 さて、地球連邦軍側は降下しながら前にブースト移動する形になるのだが、そのまま両軍とも前ブーストで移動すると、地球連邦軍が着地するのは「ガラス面」の手前。と同時にジオン公国軍と橋をはさんでのにらみ合いの構図となる。地球連邦軍が着地する前に、両軍の編成も一通りわかるだろう。このステージの特徴は、お互いの拠点への縦の移動距離はそれなりにあるが、横の移動距離はあまりない、ということ。そして、敵拠点を砲撃する場合、ガラス面からはロックオンを維持したままの砲撃がぎりぎり不可能になっている。ロックオンによる砲撃は対岸へと登らないと不可能なので、ロックオンを取りにいくところを狙われる上、単独行動ではビル群からの射撃にさらされることは間違いない。ちなみにガラス面は1ブーストで乗り越えるのは難しいので、ポンピングジャンプを併用する、もしくは1度ガラス面に降りての移動になる。

 相手陣地へ踏み込むと実感できるのが、護りやすくて攻めにくい地形だということ。待ち構えるほうはビルの陰に退避しながらちょっかいを出すことができるが、攻める側も硬直をうまく陰に隠れて消しつつ、間合いを詰めていくという流れになるためだ。少しでも対岸に行きロックを取りたいところだが、拠点は敵陣奥深くにあり、さらに高さもないため、うまくビルの間を抜けつつ、できればブラインドショットを駆使して先制しつつ、隙を見てロックオンをとっていきたいところ。地球連邦軍拠点となる「モビルスーツ整備工場」、ジオン公国軍拠点となる「偽装工場」は、「リボー・コロニー」ほどは大きさに差がない。

  各個進軍となると護衛もアンチタンクも横一線となり、拠点攻撃に取り掛かるには時間がかかる。できれば、防衛ラインの左右に穴を開けるか、ガラス面中央の通路を使うなどして拠点攻撃機体を通し、敵アンチタンク機体を釣りながら護衛がそれを邪魔する展開にもっていきたいところだ。また、地球連邦軍側は、「ガンダムGP02A(ビームバズ仕様)」の「ビーム・バズーカB」装備の待ち伏せには気をつけたい。リスタート地点は左右の橋から伸びる道路上あたりになっており、左右への配置転換が高速に行なえる。ただし、ステージの左右幅がそれほどないので、右で激戦→すぐ左でも激戦と、戦局が膠着しやすいように感じられた。


【リボー・コロニー_エリアB】
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「ガラス面」をはさんだ攻防から、どう攻め込むかが最初の駆け引きとなる

・オデッサ

 中央の巨大削岩機が目立つステージ。両軍スタート地点からまっすぐ行くと、お互いに巨大削岩機の右側をすれ違う流れになる。3ブーストほどで拠点砲撃可能地点へと到達するほどの距離なので、できれば早めに防衛ラインもしくはアンチタンクラインを作っていきたい。巨大削岩機周辺は岩場になっており、高低差を活かして拠点にロックオンをかけやすいうえ、この付近を占拠すると、敵タンク方向に向かって全員がラインを形成し、取り囲むように攻められるため、序盤は特にスピードが重要な展開となりそうだ。最初から敵陣営と拠点攻撃兵器を鉢合わせしたくなければ、地球連邦軍なら鉱石採掘所、ジオン公国軍なら工場プラントを主な砲撃地点として考え、そこに防衛ラインを引くのもありだ。

 一度中央を占拠されてしまうと、そこから周囲を見渡すことができ、相手を囲む展開になりやすいため、占拠された側は後手に回り、劣勢の展開をひっくり返すのが難しいように見える。中央から拠点方面は開けており、点在する障害物以外は基本的に平地なので、無駄なブーストやジャンプは着地を狙われることになる。ロックオンによる砲撃は相手陣営側に少し入り込まないといけないが、各所にブラインドショットに便利そうな地形が用意されているため、拠点攻撃機体は移動しながらの砲撃が有効そうだ。

 両軍ともスタート地点から右にある迂回ルートは、拠点前の平地からくぼんだ状態になっており、一部梯が渡されているものの、上はふさがっていないところが多い。くぼみの高さは機体が隠れるには十分だが、ルートに分岐はほとんどないため、ミノフスキー粒子濃度が高めの時も、索敵機を派遣されると、敵軍を完全に欺くのは難しそうだ。くぼみの幅は狭く、格闘機を振り切るのは難しい。拠点撃破後のセカンドアタックなどでの迂回ルートとしての利用が考えられる。

 重要なポイントには障害物が設置されているため、弾除けや格闘攻撃を振り切るために利用できる。ただ、ステージ全体が狭いため、各所で乱戦が起こりやすい。また、拠点を撃破した後の拠点攻撃機体の動きも重要だ。拠点の周囲が開けているなら、敵陣深く進攻して相手のアンチタンク部隊のラインを下げ、セカンドアタックでの時間稼ぎが可能だが、ここではリスタート直後に待ち受けるアンチタンク部隊にすぐにつかまってしまう可能性も高い。ファーストアタックで拠点を撃破できた場合でも、2墜とし目を狙っての行動いかんでは形勢が逆転することも多そうだ。



【オデッサ】
戦略マップはこちら
ステージ周囲のくぼみには機体を隠すだけの深さがある。セカンドアタックで利用するなど工夫したい

(C)創通・サンライズ

(2009年 12月 10日)

[Reported by 三番町第20小隊]