「Games Japan Festa 2009」開催

スパイク、SNKプレイモアなどTGS未出展企業も参加


11月14日、15日 開催

会場:ATCホール(アジア太平洋トレードセンター)

入場料:無料



 日本テレビゲーム商業組合(Games Japan)が主催する、新作ゲームソフトの試遊イベント「Games Japan Festa 2009」が、11月14日と15日に大阪・ATCホールにて開催された。18ブース(うち物販2ブース)が参加し、親子連れや若い男女を中心に、多くの人がゲームの試遊に訪れた。

 年末年始のビッグタイトルが多数並んだ「Games Japan Festa 2009」では、マイクロソフト株式会社、株式会社カプコン、株式会社セガ、株式会社バンダイナムコゲームスといった大手メーカーがブースを構え、試遊を求めて最大180分の行列ができるなど、ゲームファンの注目も高かった。試遊用ゲームの多くが「東京ゲームショウ2009(以下、TGS)」と同じバージョンだったものの、TGSでの反応を参考にブラッシュアップしたバージョンを投入したメーカーもあり、TGSとはひと味違った内容で関西のファンを喜ばせた。

また株式会社スパイク、株式会社SNKプレイモア、アイレムソフトウェアエンジニアリング株式会社など、TGSにはブースを出していない企業の出展もあった。本稿ではまずTGS未出展企業のブースから順に紹介していく。


10時の開場前にはすでに数百人規模の行列ができていた開場直後の様子。来場者が目当てのゲームに向かっていった



■ スパイクはDS「極限脱出 9時間9人9の扉」など12月発売タイトルを出展

 Wii用「東京フレンドパークII決定版 ~みんなで挑戦!体感アトラクション~」(12月3日発売、6,090円)、ニンテンドーDS用「くるくる◇プリンセス ~ときめきフィギュア☆めざせ!バンクーバー~」(12月10日発売、5,040円)と「極限脱出 9時間9人9の扉」(12月10日発売、5,040円)の新作タイトル3つと、発売中のプレイステーション 3用「侍道3plus」、PSP用「喧嘩番長ポータブル」という、5タイトルを出展したスパイク。バラエティに富んだゲームに、幅広い層の注目が集まった。出展されたゲーム以外にスパイクから発売が予定されているPSP用「喧嘩番長4 ~一年戦争~」(2010年春、価格未定)、DS用「不思議のダンジョン 風来のシレン4 神の眼と悪魔のヘソ」(今冬、価格未定)、Wii用「MADWORLD」(2010年2月10日、7,140円)、PS3/Xbox 360用「セイクリッド2」(2010年2月10日、7,770円)も映像展示された。

 株式会社チュンソフト開発のDS用「極限脱出9時間9人9の扉」は、シナリオ・ディレクションに打越鋼太郎氏、キャラクターデザインに西村キヌ氏を起用した脱出×サスペンスゲーム。謎に包まれた見知らぬ場所からの脱出を目指す、思考型のパズルゲームだ。ゲームは「ノベルパート」と「脱出パート」、そして「ミニゲーム」の3つのパートで構成されている。主人公・淳平は仲間と協力して、犯人によって仕掛けられた「ノナリーゲーム」なるゲームに勝利することが求められる。

 今回試遊できたのは、主人公が見知らぬ場所で目覚めたところから、閉じ込められた部屋を脱出するまでのイントロダクション部分。最初の部屋ということで、タッチペンで怪しい部分を調べていけば簡単に脱出できたが、物語が進むにつれてどんどん難易度を増すことは間違いなさそうだ。1~9の数字を持つ登場人物たちが、どのように「ノベルパート」で活躍を見せるのか、製品版への期待が高まる。

 Wii用「東京フレンドパークII決定版 ~みんなで挑戦!体感アトラクション~」は、テレビ番組でおなじみのアトラクションが21種類収録され、番組と同じようにオープニングからダーツまで楽しめるモードと、1つのアトラクションを練習するモードの2つに分かれている。操作にはWiiリモコンとヌンチャクを使うほか、バランスWiiボードを使ってさらにリアルに体感もできる。ダーツで手に入れた賞品は、ゲームの中に用意されたマイホームに飾ることも可能だ。ある程度ポイントを貯めると、自キャラクターとしてMiiが使用できるようになるそうで、さらに臨場感が高まりそうだ。2台用意された試遊台には小さな子どもたちが並び、楽しそうにヌンチャクやバランスボードを使ったアクションにチャレンジしていた。操作方法自体は非常に簡単だが、ゲームのクリアは番組同様難しく、練習を必要としそう。年末年始、家族でワイワイと遊ぶのにぴったりのタイトルかもしれない。

 DS用「くるくる◇プリンセス ~ときめきフィギュア☆めざせ!バンクーバー~」は、タッチペンで華麗な技をきめて、フィギュアスケートでバンクーバー大会の金メダルを目指すゲーム。基本的には前作と同じだが、プレーヤーがゆっくり自身の演技を鑑賞できるようにシステムを改良。ステキな男子キャラクターとのペアスケートができるようにも進化した。ペア候補となる4人の男の子とは、恋愛もできるとか。イナバウアーなどの有名な技はほぼ網羅されているほか、「ボレロ」や「くるみ割り人形」など20曲以上の有名な曲も収録し、フィギュアスケートの世界を満喫できる。衣裳やアクセサリーは130種類、メイクと衣裳でセンスよく装うと、スケートの表現力にも影響するという細かな配慮も楽しい。人気ストリートカジュアルブランド「galaxxxy」とコラボレーションしたアイテムもゲーム中に登場。「galaxxxy」店舗では同じデザインのキッズ衣料が販売される。


Wii「東京フレンドパークII決定版~ みんなで挑戦!体感アトラクション~」のコーナーは、笑い声の絶えないなごやかな雰囲気左が「極限脱出 9時間9人9の扉」、右が「くるくる◇プリンセス ~ときめきフィギュア☆めざせ!バンクーバー~」の試遊台



■ SNKプレイモア、Xbox 360「サムライスピリッツ閃」とPSP「メタルスラッグXX」を出展

 SNKプレイモアはXbox 360用「サムライスピリッツ閃」(12月10日発売、7,140円)と、10年前に発売された「メタルスラッグX」の継承者となるPSP用「メタルスラッグXX」(12月23日、5,040円)を1台ずつ展示。

 PSP用2Dアクションシューティング「メタルスラッグXX」は、DSで発売された「メタルスラッグ7」のブラッシュアップ版ではあるものの、ミッションなどはほぼ入れ替えたという限りなく新作に近い内容。70種のミニゲームで操作方法や攻略を勉強できる、好評の「コンバットスクール」も搭載し、シリーズ初心者でも安心の親切設計でユーザ獲得を目指す。ステージは分岐ありの全7ステージ、アドホックモードでの2人協力プレイもできるなど、楽しみの幅も広がった。

 対戦格闘「サムライスピリッツ閃」は、アーケードからXbox 360への移植作。新たな主人公と新参者を迎えた24名の剣客たちが剣を交える。試遊台には多くの人々が詰めかけ、新主人公の猛千代、鈴姫をはじめ、おなじみの覇王丸やナコルルなど常連キャラの動きを確かめていた。


PSP「メタルスラッグXX」Xbox 360「サムライスピリッツ閃」



■ アイレムは難易度もビターテイストのPSP「R-TYPE TACTICS II -Operation BITTER CHOCOLATE-」

PSP「R-TYPE TACTICS II -Operation BITTER CHOCOLATE-」

 発売日が12月10日に決定した、アイレムソフトウェアエンジニアリングのPSP用「R-TYPE TACTICS II -Operation BITTER CHOCOLATE-」(5,040円)。壮大な宇宙空間を舞台に、艦隊を率いる司令官となって、知力を尽くした戦いに挑むSFシミュレーションだ。現在、体験版が第2弾まで配信されている。

 シリーズでおなじみの世界観はそのままに、SFシミュレーションファン向けの濃厚なゲームが展開される。タイトルに付された「ビターチョコレート」の名の通り、難易度も少々高め。「難しいが、きちんと戦略を練って挑めば必ずクリアできるレベルを目指した」という。ブースでは映像と試遊台2台での展開で、コアなファンがブースを訪れてプレイしたり、スタッフへ質問をぶつけたりと、熱心なファンの多い作品ならではの光景が見られた。




■ EAは新たなターゲットに向けたDS「少年鬼忍伝 ツムジ」を出展

DS「少年鬼忍伝 ツムジ」

 エレクトロニック・アーツ株式会社は発売中の「FIFA10 ワールドクラスサッカー」、「ニード・フォー・スピード シフト」をPS3、Xbox 360の双方1台ずつの試遊台を設置したほか、発売日が2010年2月25日と発表されたばかりのDS用「少年鬼忍伝 ツムジ」(4,980円)を4台出展した。

 DS用「少年鬼忍伝 ツムジ」は、タッチペン操作でのアクションアドベンチャーゲーム。山奥の忍者の里で家族と暮らしていた忍者見習いの「ツムジ」は、忍者の里を襲った鬼の力から、家族や幼なじみ、そして世界を救うために過酷な冒険へと旅立つ。同社のプライベートショウ「EA SHOWCASE TOKYO 2009」では既に展示・試遊されたものの、一般のファンが集まるイベントに試遊台が登場するのは初。メインターゲットとして想定する、小学生男女が多く立ち寄り、ゲームに夢中になる様子にはブースサイドからも熱い注目を集めていた。




■ アスキー・メディアワークスはDS「Dear Girl ~Stories~ 響 響特訓大作戦!」に女性の列

 株式会社アスキー・メディアワークスは育成アドベンチャー「Dear Girl ~Stories~ 響 響特訓大作戦!」(12月17日発売、5,040円)と「かものはしかも。あいまい生活のすすめ」(12月3日発売、5,040円)というDSソフト2タイトルを1台ずつで出展した。

 DS用あいまい生活コミュニケーション「かものはしかも。あいまい生活のすすめ」は、「リラックマ」や「たれぱんだ」など人気キャラクターを多数送り出するサンエックス株式会社の「かものはしかも。」をフィーチャーした癒し系ゲーム。「かものはしかも。」と一緒に遊んだり、好物のメロンパンを与えたり、眼鏡や帽子をコーディネートしたりと、かわいらしいキャラクターと戯れることができる。

 DS用「Dear Girl ~Stories~ 響 響特訓大作戦!」はラジオ番組「神谷浩史・小野大輔のDear Girls ~Stories~」から誕生した公式コミック「Dear Girl ~Stories~ 響」をゲーム化したもの。プレーヤーは乙女を助ける秘密組織「響」に所属する坂下いずみとなって、怪しい覆面の男・テライケメン司令官(遊佐浩二)の司令のもと、人気声優・ヒロC(神谷浩史)と、イケメン声優・オノD(小野大輔)をミニゲームで育成して、響の立派な構成員として乙女の悩みを解決する。ミニゲームが1つ体験できて、ゲームの感触がつかめる試遊台には、閉会まで常に行列が続いたが、並んでいたのはすべて女性。声優人気と同タイトルへの期待感をひしひしと感じた。


抜群の女性人気だったDS「Dear Girl ~Stories~ 響 響特訓大作戦!」DS「かものはしかも。あいまい生活のすすめ」



■ GenterpriseはDSiウェア「G.Gシリーズ」10タイトルを出展

 株式会社GenterpriseはニンテンドーDSiウェアで展開する「G.Gシリーズ」10タイトルを出展。パズル、アクション、シューティング、スポーツなどさまざまなジャンルから、「GameらしいGame」と同社がうたうゲームを毎月1~2タイトル配信している。1タイトルは200DSiポイント。試遊台は2台用意されており、タイトルの中から自分の遊びたい物を選ぶ形式。

 既に配信中のシューティング「Wonder Land」やパズルゲーム「Energy Chain」のほか、器械体操アクション「TETSUBOU」とドリフトレース「ドリフトサーキット」(どちらも11月18日配信)、パズルゲーム「BLACK×BLOCK」と「Vertex」(どちらも12月配信)など、今後配信されるゲームも登場した。

 どのタイトルもシンプルで、初見でも遊びやすい内容。自分自身の上達が実感できたり、小さな発見がクリアに結びついたりと、ゲームの楽しみを気軽に満喫できそうなタイトルばかり。すぐに操作方法がわかるため、短時間でしっかりと遊べた人が多かったようだ。




■ バンダイナムコのPSP「GOD EATER」はチーム連携を公開。体験版もまもなく

 バンダイナムコゲームスは2010年2月4日に発売が決定した、PSP用チーム連係型ハイスピードハンティングアクション「GOD EATER」(5,229円)と、DS用怪獣討伐アクション「怪獣バスターズ」(12月3日発売、5,229円)、Wii用RPG「テイルズ オブ グレイセス」(12月10日発売、7,329円)の試遊台を設置した。「テイルズ オブ グレイセス」は女性を中心に早くから人が並び、15時の時点で試遊が締め切られるほど。シリーズの人気ぶりは健在のようだ。

 PSPでのマルチプレイゲームとして期待が高まる「GOD EATER」は11月26日から配信される体験版を使ってのマルチプレイ用の実機4台と、ソロプレイ用試遊台が1台。マルチプレイの試遊はこの日が初めてとなった。今回プレイできたのは、TGSでのアンケートを元にブラッシュアップしたバージョン。ジャンプしながら銃が撃てるようになっていたり、細かな調整が行なわれていたりと、より気持ちよくプレイできるような変更がなされている。ハードタッチで、魅力的なキャラクターとしっかりしたストーリーで魅せる本作。1人で遊ぶ際でもNPCが参加してくれ、マルチプレイ感覚が味わえるのも特長だ。

 プロデューサーの冨澤氏は「開発はまだまだこれから」としながらも、「試遊の際に意見を聞いて、どんどんいい物にしていきたい。ハイスピードのアクションが魅力です。しっかり遊びこめるゲームになります」と意気込みを語った。難易度はかなり高めで、高いアクション性を求められるものの、NPCや仲間のフォローや協力があれば、十分楽しめるとも話してくれた。12月上旬からはゲームショップで体験版UMDが店頭配布される予定だ。

 「怪獣バスターズ」は、ゴモラやバルタン星人、ゼットン、エレキングなど、ウルトラマンに登場する巨大怪獣たちに、怪獣バスターズの隊員である普通の人間が立ち向かうアクションゲーム。非力な人間たちが、科学兵器を駆使して怪獣と戦う。怪獣を倒すと素材が手に入り「ゴモラの鎧」などのアイテムも作れる。

 協力プレイでも遊べる本作だが、試遊はバルタン星人との対決、1ステージのソロプレイのみ。十字ボタンで動き、ボタンを押して攻撃や回避を行なうオーソドックスなアクションゲームとなっている。バルタン星人に小さな人間がひとりで立ち向かうのは非常に骨が折れた。急に体のサイズを変えたり、光線を出したりと、人間界を脅かす怪獣にふさわしい動きも多く、しっかり腰を据えてかからねば倒すことはできない。歯ごたえのあるアクションを要求された。


PSP「GOD EATER」。スピード感のあるアクションが魅力だマルチプレイの試遊ではスタッフがフォローに入ってプレーヤーを助けつつ、アクションの楽しさを体感できるように工夫していたTGSでも上映された10分以上のアニメも放映し、世界観を広く伝えていた
人気シリーズだけに非常に注目されていた、Wii「テイルズ オブ グレイセス」DS「怪獣バスターズ」では、巨大怪獣相手に多くのプレーヤーが苦戦していた



■ セガ、PS3/Xbox 360の「End of Eternity」など注目作が目白押し

 セガからは、「ファンタシースターポータブル2」(12月3日、5,040円)と「戦場のヴァルキュリア2 ガリア王立士官学校」(2010年1月21日、6,090円)の、既に体験版が配布されているPSP用ゲーム2本と、PS3/Xbox 360用「End of Eternity」(2010年1月28日、7,980円)、DS用「プーペガールDS」(12月17日、5,600円)、DS用「コロぱた」(12月24日、5,040円)の5タイトルが出展された。

 前作の不満点を解消したというPSP用「ファンタシースターポータブル2」は、会場で体験版の特別配布が行なわれた。PSPにプラットフォームを移した「戦場のヴァルキュリア2 ガリア王立士官学校」は、「より広い層に世界観を楽しんでほしい」という。サイバーエージェントが運営するファッション特化型のコミュニティサービス「プーペガール」から派生した「プーペガールDS」には、主に女性が列を作り、キャラクターの着替えやメイクを行ない、思い思いのコーディネートを作り上げた。

 PS3/Xbox 360用「End of Eternity」は2台の試遊台に180分待ちもの列ができる、会場内で屈指の人気ブースになった。今回用意されたのはTGSに出展されたものよりも初心者向けに配慮された新バージョン。「実力派の完全新作RPG」と胸を張るタイトルだけに、よりアクションを楽しめるように試行錯誤されているようだ。

 自律キャラお使いアクション「コロぱた」は、物理エンジンを使ったリアクションゲーム。基本の128面とダウンロード64面というボリュームで長く遊べそうだ。機嫌と体力でアクションが変わる主人公・ひまわりを、画面上に配置したアイテムで誘導して、目的(お使い)を達成するパズルテイストのゲーム。アイテムや、ひまわりの機嫌と体力を上手くコントロールしながら、理詰めで解いていく新感覚が楽しい。何面かごとに、キャラクターのほのぼのストーリーも展開される。

 試遊では、スタッフが丁寧に遊び方を教えてくれ、誰でも8面までクリアできるようにサポートしてくれた。アイテムにはあっと驚く方法で使う必要があるなど、全面クリアには固定観念を壊す作業が必要になるかもしれない。かわいらしいひまわりがチョコマカと動いている様子には和まされるが、ゲーム自体の難易度はかなり高い。その分、トライアンドエラーの果てに難しいステージをクリアした際の喜びは大きい。


PSP「戦場のヴァルキュリア2  ガリア王立士官学校」のプレイ説明をスタッフが丁寧に行なうすでに体験版が配信されているにもかかわらず、PSP「ファンタシースターポータブル2」には長い列ができたDS「プーペガールDS」には幅広い年齢層の女性が興味を示してい
ド派手な戦闘アクションが見ているだけでも楽しい、PS3/Xbox 360「End of Eternity」DS「コロぱた」は、途中でやめられない中毒性が



■ スクウェア・エニックスはバラエティ豊かな新作が満載

 株式会社スクウェア・エニックスのブースでは、DS用「クロストレジャーズ」(12月3日発売、5,229円)、PS3「アバター THE GAME」(2010年1月7日、7,329円)、「バットマン アーカム・アサイラム」(2010年1月14日、7,980円)、PSP「ダライアスバースト」(12月24日発売、5,040円)、「アサシン クリードII」(12月3日発売、7,329円)と、大人向けから子どもをターゲットにしたゲームまで幅広い新作が出展された。

 初試遊となる「ダライアスバースト」は長い歴史を誇る横スクロールシューティングゲームのシリーズ最新作。「GダライアスVer.2」以来12年ぶりの新作ということで、懐かしさを覚える人も、初めて見る人も、たくさんの人が試遊に訪れた。担当者は「古くからのファンも多いので、デザインやシナリオなどすべて丁寧に作っています。サウンドにも力を入れていますので、ぜひ聞いてください」と語っていた。遊んでみると、新しい要素を加えながら「これぞダライアス」という味付けで、新旧どちらのユーザーも楽しめるのではないだろうか。

 TGSではトレーラーのみの公開だった「バットマン アーカム・アサイラム」も試遊台が初登場。アイドスが手掛けたアクションアドベンチャーで、プレーヤーはバットマンとなって、ジョーカーやハーレークィン、キラークロック、ポイズン・アイビー、スケアクロウなど、原作や映画に登場した凶悪な敵と死闘を繰り広げる。北米・欧州では既に今年8月に発売されており、発売後約4週間で250万本を出荷。もっとも高い評価を得たヒーローゲームとしてギネス・ワールド・レコーズにも認定されている。大人も子どもも知っているキャラクターなだけにたくさんの人が立ち止まり、画面のリアルさと美しさに「すごい」と声を上げていた。普段はあまりゲームをしないお父さん世代がうれしそうに並んでいる様子も見られた。

 試遊では前に遊んでいた人のプレイを引き継ぐ形で行なわれたため、筆者の番はたまたま戦闘シーンがほとんどない部分が巡ってきてしまったが、高いところから飛び降りるときの滑空感や動きなど細かな部分まで再現されているのが確認できた。プレイを見る限りでは、戦闘アクションもリアルでありながらヒーローチックで豪快というバットマンらしい動きを再現している。闇の騎士であるバットマンの重厚な雰囲気が隅々まで行き渡っており、海外で非常に高い評価を受けているのも頷けた。

 月刊Vジャンプとタッグを組んで作ったアクションRPG「クロストレジャーズ」も試遊できる物は初出展。週刊少年ジャンプで「Mr.FULLSWING」を連載していた鈴木信也氏がキャラクターデザインを担当し、月刊Vジャンプで募集した読者の意見を取り入れて作っている。「みんなで遊ぶ」、「みんなで繋げる」をコンセプトに、最大4人までのマルチプレイができる。ファイター、シーフ、プリースト、メイジの4タイプから自由に主人公を選択してスタート。王様から与えられた島にあるダンジョンにもぐって敵を倒してアイテムを拾い、武器や防具を作ってキャラクターを強くしていく。友だちと一緒に協力プレイすると、より強い敵を倒せたり、レアアイテムがゲットできたりとさらに深くゲームが楽しめるようになる。主人公のタイプは好きなときに変更可能。遊ぶ相手にあわせて職業を変えて、ダイナミックなプレイが楽しめる。

 今回試遊できたのは、戦士のキャラクターで冒頭から1つ目のダンジョンをある程度散策するところまで。当初は、通常攻撃をAボタン、Bボタンで強攻撃、XとYで回復アイテムという、単純なアクションで敵と戦っていくが、ゲームが進むと新しい攻撃パターンを覚えられ、L、Rボタンなども組み合わせたより強い攻撃が可能になる。最初は簡単で、少しずつアクションが増えていく形式のため、アクションが苦手な人でも自然に上達し、面白みが味わえそうだ。


PS3「アバター THE GAME」は、新作映画をベースにしたアクションゲームPSP「ダライアスバースト」の列は若干、年齢層が高かった感も
PS3「バットマン アーカム・アサイラム」は、隠密行動が重要になっているテンポがよく、気軽にダンジョン探索が楽しめるDS「クロストレジャーズ」



■ カプコンはWii「TATSUNOKO VS. CAPCOM ULTIMATE ALL-STARS」を初プレイアブル出展

 カプコンはPS3/Xbox 360用「ロスト プラネット 2」(Xbox 360版は今冬発売予定、PS3版は発売日未定、価格未定)、Wii用「バイオハザード/ダークサイド・クロニクルズ」(2010年1月14日、7,340円)、発売中のDS用「ロックマン エグゼ オペレート シューティングスター」を2台ずつで展開。多くの人が列を作り、かなりの混雑になるなど注目ぶりが伺えた。

 特に人気が高かったのは、Wii用「TATSUNOKO VS. CAPCOM ULTIMATE ALL-STARS」(2010年1月28日発売、3,990円)の初プレイアブル出展。「ストリートファイター2」のリュウや「ガッチャマン」の大鷲のケンなど、カプコンの人気キャラクター13人とタツノコの12人が、アニメとゲームの垣根を越えて対戦する格闘ゲーム。出展はプレーヤー同士の対戦のみが行なえるバージョンで、コンドルのジョー、テッカマンブレード、ZERO、フランク・ウエストの新キャラクター4体もすべて使えた。1回のプレイ時間は短めだったにも関わらず、常時数十人が並び30分待ちは当たり前のホットなタイトルとなった。


Wii「TATSUNOKO VS. CAPCOM ULTIMATE ALL-STARS」Wii「バイオハザード/ダークサイド・クロニクルズ」は2人同時プレイでの試遊



■ テクモはアクション、アドベンチャーとバラエティ豊かな布陣

 テクモはPS3用アクションシューティング「QUANTUM THEORY」(2010年発売予定、価格未定)とDS用「AGAIN FBI 超心理捜査官」(12月10日発売、5,040円)、発売中の「アンデッドナイツ」をすべて2台ずつ用意した。

 PS3用「QUANTUM THEORY」は、ゲームエンジンから独自に開発し、「今後、テクモの基準になるかも」とのコメントも飛び出す意欲作。プレイできたのはごく限定されたシーンだったが、開発はかなり進んでいるという。「色々な場面を見ていただきたいが、まだお見せできないのが残念」とのことなので、続報に期待したい。

 アメリカのサスペンスドラマを彷彿とさせる「AGAIN FBI 超心理捜査官」は、FBI捜査官のジェイとなり、19年前の未解決連続殺人事件の犯人“プロヴィデンス”を名乗る者から送られた挑戦状に挑むアドベンチャーゲーム。「私はまた人を殺すよ……」という殺人鬼を追い詰め、19年前の事件の謎も解き明かすのが目的。聞き込みや調査をする「捜査モード」と状況確認と推理をする「パストビジョンモード」を交互に行ないながら、事件解決を目指す。操作は本体を縦持ちにして、タッチペンで行なう。

 試遊では、ゲームのイントロダクション部分が体験できた。地面に落ちている証拠品を拾い、過去の映像と違う部分を探して、同じ状況を再現する。基本はタッチペン操作ではあるが、移動には十字キー使うなど、少々戸惑う部分もあったが、画面上で細かく操作方法を教えてくれるので安心だ。サスペンス色が満載で、写真風の画面も美しい。過去のトラウマを抱えたジェイが、焦り、追い詰められるドキドキ、ゾクゾクするような雰囲気が上手に再現された、大人ムードのドラマが楽しめそうだ。


PS3「QUANTUM THEORY」では、スタッフに専門的な質問をする光景が見られた独特な雰囲気のDS「AGAIN FBI 超心理捜査官」は、会場内でも目立っていた



■ マイクロソフトは数多くのタイトルで華やかに展開

 広いスペースで華やかなブースを展開したマイクロソフト。Xbox 360のソフトが多数出展されていた。「Forza Motorsport 3」、「鉄拳6」、「BAYONETTA」、「Halo3: ODST」、「ワールドサッカー ウイニングイレブン 2010」、「ドラゴンボール レイジングブラスト」と、発売中のゲームを各1台(「Halo3」のみ4台)、カプコンブースと同じ「ロスト プラネット 2」は4台の試遊台が用意された。

 「Left 4 Dead 2」(11月19日発売、7,665円)と「アサシン クリードII」はZ指定のため、外からは見えないブースの中での試遊。「Left 4 Dead 2」は製品版が用意され、システムリンクでの同時プレイが行なわれていた。人気タイトルなだけに、どちらも90分待ちの列ができた。

 このほかアーケードで人気のシューティングゲーム「虫姫さま ふたり」に、Xbox 360ならではの変更点を追加して、家庭用ゲーム機に初移植した「虫姫さま ふたりVer1.5」(11月26日発売、7,140円)も出展された。試遊は1台のみではあったが、常に誰かがプレイしている状態。人目が多い場所だけに、腕に覚えのあるファンが集っていたらしく、華麗な技を披露していたのが印象的だった。


唯一コンパニオンを配したマイクロソフトブースは、ゲームショウらしさを感じさせた
ダウンロードコンテンツと Xbox LIVE アーケードの体験コーナーは会場にネットワークの設備がないため、模擬的なものだった
「Left 4 Dead 2」と「アサシン クリードII」はこの中がプレイコーナーになっていたXbox 360「Left 4 Dead 2」
Xbox 360「アサシン クリードII」Xbox 360「虫姫さま ふたりVer1.5」は熟練者の華麗なプレイを立ち止って見ていた人も多かった



■ SCEJは東京モーターショウに登場した新車も披露した「グランツーリスモ5」

 株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCEJ)は、「ラチェット&クランクFUTURE2」(11月19日、5,980円)と「グランツーリスモ5」(2010年3月発売)、発売中の「アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団」と、PS3のゲーム3本を2台ずつ展示した。

 レースシミュレータ「グランツーリスモ5」はTGSと同バージョンの試遊台以外に、トヨタのコンセプトカー「FT-86 コンセプト」で遊べる東京モーターショーに出展されたバージョンも出展。ゲームイベントでは初の試遊機会となった。


SCEのPS3「ラチェット&クランクFUTURE2」。SCEJはすべてPS3タイトルの出展となったPS3「グランツーリスモ5」はコクピット型を模した試遊台で、臨場感のあるプレイを楽しめた



■ レベルファイブはニンテンドーDSの「レイトン」シリーズ新作と「二ノ国」でアピール

レベルファイブは「できるだけ多くの人に試遊してほしいので、数多く設置できる実機での出展を行なっている」という

 株式会社レベルファイブはDS用ナゾトキ・ファンタジーアドベンチャー「レイトン教授と魔神の笛」(11月26日発売、5,040円)と、アニメーションをスタジオジブリ、音楽を久石穣氏が担当するDS用ファンタジーRPG「二ノ国」(2010年春発売)、発売中の「イナズマイレブン2 脅威の侵略者 ファイア/ブリザード」の3タイトルを出展。実機を11台用意し、好きなタイトルを選んで10分間遊べた。試遊した人には、先着で作品の映像が収められたDVDやクリアファイル、「イナズマイレブン」のトレーディングカードなど同社のグッズがプレゼントされた。




■ 関西のゲームファンのために、さらなる定番化を願う

 今回で第8回を数え、定番となりつつあるイベント「Games Japan Festa 2009」。関西ではゲームのイベントが少なく、発売前のゲームが試遊できる機会も、プロデューサーやメーカーの人と直に会える機会も少ない。子どもから大人まで気軽に参加できるイベントとして、今後もさらに出展数や試遊台の増加を願ってやまない。


物販ブースは2つ。アークシステムワークス株式会社が自社のゲーム「BLAZBLUE」のキャラクターグッズを販売、株式会社ライズは新品・中古のゲームソフトを販売した

(2009年 11月 16日)

[Reported by 山科明之進/南奈実]