ネクソン、「DNF アジアチャンピオンシップ2009」東京ラウンドを開催
「アラド戦記」日・中・韓3つ巴の戦いは韓国に軍配!

10月31日開催

東京テレビセンター



 株式会社ネクソンは10月31日、同社がサービスを展開するオンラインアクションRPG「アラド戦記」の日中韓戦、「DNF アジアチャンピオンシップ2009」の東京ラウンドを開催した。

 本大会は「アラド戦記」が展開されている日・中・韓の3か国を対象として各国持ち回りで開催されており、東京ラウンドは、9月に韓国で開催されたソウルラウンドに続く2戦目となる。なお、12月には中国での開催が予定されている。

 当日はチーム戦、勝ち抜き戦、個人戦の計3種目を各国4名の代表により争われた。2on2で戦われたチーム戦では韓国が2勝で圧勝、日本1勝1敗、中国2敗と、韓国が余裕ともいえるプレイで圧勝したものの、続く勝ち抜き戦では日本が2勝、韓国1勝1敗、中国2敗とPvPモードでは1対1が人気の日本の底力を見せた。最後の個人戦ではこれまで結果を出せていなかった中国がエースブロックを制する番狂わせを演じ、1位を韓国選手に2位3位を中国選手が占める結果を残した。

 全体を通じて好成績を収めた韓国に軍配が上がったものの、日中韓で、国が変われば戦い方やトレンドが変わるのを垣間見えた大変面白い大会だった。



■ 鬼剣士系で押す日本代表、1on1での強みを見せ「大将戦」を快勝!

本大会の模様はテレビ放送するためにスタジオ内で収録された

 東京ラウンドの模様に入る前に、9月に行なわれたソウルラウンドの結果について簡単に触れておくと、韓国が総合優勝し、個人戦では1位の韓国選手、2位の中国選手に続き、3位は日本からYASAI選手が入賞した。東京ラウンドはソウルラウンドに続く大会で、選手はソウルラウンドとは別に本大会向けに新たに日本サーバーのユーザーの中から選ばれた。キャラクターレベル35以上かつ決闘場での段位“至尊1”以上で応募のあった約70名から選抜された。12月に行なわれる中国ラウンドでは、本大会とソウルラウンドで選抜された選手から2名ずつ計4名が帯同する。

 さて、東京ラウンドの各チームの顔ぶれは、日本のロイド安藤選手(デスペラード)、幼女なばり選手(ヘルベンダー)、東京rockers選手(剣聖)、博麗仙人選手(剣聖)。韓国はTaeyang選手(ゴッドハンド)、lllllllll選手(ベラトリックス)、Gforce選手(ポイズンアイビー)、MallenOppa選手(デスペラード)。中国からはMy Style選手(デスペラード)、Takibin選手(ベラトリックス)、Sm選手(ポイズンアイビー)、jiangxiaobo選手(チャンピオン)が参加した。韓国は偏りのないバランス型、中国は格闘家が2人と多いのに対し、日本は対人戦では鬼剣士系の人気の高いこともあって4人中3人が鬼剣士を選んでいた。

 本大会で最初に行なわれた2on2のチーム戦は韓国チームの独壇場だった。チーム戦ではまったく死角のない戦いぶりで、その実力差は圧倒的で、2人のコンビプレーで相手チームを先に1人戦闘不能にさせると、わざわざ1対1に持ち込んでなおかつ勝つというほどの余裕の戦いぶりだった。チーム戦は韓国が全勝で単独1位、日本と中国は1勝3敗で同率2位という結果となった。

 特に本作のPvPにおいては相手を浮かせて、行動ができない間にいかにダメージを与え続けるかが勝負のポイントになっている。また、大会のサーバー仕様は3カ国中もっともアップデートの遅い中国に合わせられている。特に敵を浮かせた後のコンボのつなげ方はその時々のサーバーアップデート状態で細かい仕様変更が頻繁に行なわれており、韓国や日本の選手にとって大会仕様への「慣れ」は勝利への重要な要素だった。

 チーム戦で韓国チームに実力差を見せ付けられた日本チームだったが、日本で主流の1on1の持ち味を発揮できる勝ち抜き戦に勝負をかける。勝ち抜き戦は4人中3人の選手が参加し、日本は幼女なばり選手のヘルベンダーと東京rockers選手と博麗仙人選手の剣聖と、鬼剣士系ばかり3人の顔ぶれで挑んだ。

 チーム戦の勢いを駆って中国戦を制すと、いよいよ本丸の韓国戦だ。緒戦の幼女なばり選手操るヘルベンダーとMallenOppa選手のデスペラードの戦いは終始MallenOppa選手のペースで試合が進行した。デスペラードは乱射や手榴弾で敵を浮かせた後、移動射撃で地面に着かせずに連続コンボで体力を奪っていくのが定石になるが、綺麗に決まると全体力の3分の1から半分近くを削ることができる。近接でもウィンドミルで相手との距離を取るなど、スキの無い動きが印象的だった。

 MallenOppa選手は半分程の体力を残して博麗仙人選手戦に移る。剣聖の博麗仙人選手は光剣系の装備で、非常に素早い攻撃の手数で、浮かせたあとからの次々に斬りつける。このスタイルは、日本サーバーのウェポンマスターでは非常に人気の高いスタイルだ。嫌がって間合いを取ろうとするMallenOppa選手に対してあっという間に勝負を決めた。続くゴッドハンドのTaeyang選手には、トーテムを刺した範囲の中で勝負を決めるなど積極的な戦いを見せて勝利し、逆転に成功する。続く、lllllllll選手が操るベラトリックスとの戦いでも善戦して敗退し、東京rockers選手の剣聖に有利につないだ。

 東京rokcers選手はガードが可能な大剣を使用しており、博麗仙人選手と同じウェポンマスターでも立ち回りはかなり異なるキャラクターだ。攻撃速度こそ遅いが非常に重い一撃が特徴だ。対バトルメイジ戦特有の序盤の駆け引きを制しそのままねじ伏せ、日本チームに勝ち抜き戦全勝をもたらした。続く韓国対中国戦は韓国が制し、1位日本、2位韓国、3位中国として、日本と韓国が同率1位となった。


司会はお笑い芸人の江戸むらさきさんと解説はソウルラウンドに出場したAKUN選手がつとめた
1対1での基本は「浮かせて、はめる」こと。コンボはつなげればつなげるほど続かなくなってくるが、パーフェクト勝ちに近いゲームが成立するシーンも見受けられた
マップは「死亡の塔」と「月光酒場」が採用された
投網で捕らえたところをリベンジャーで返される。先の読めない白熱した戦いが続く
チーム戦での韓国対日本戦。複数対複数の試合においては韓国は鉄壁の強さを見せ付ける
チーム戦での日本対中国戦。日本は見事勝利し、一矢報いることになったが、日中共にチーム戦はそれほどプレイし慣れていない様子だった


■ 白熱した個人戦は大番狂わせ! 下馬評を覆し韓国MallenOppa選手が優勝! 2位3位は中国勢

幼女なばり選手は体力が減ってから強くなるヘルベンダーを使用。 後半戦のねばりはすさまじい
MallenOppa選手は相手選手にほとんど触れさせずに勝利することもしばしば。 移動射撃のコントロールは素晴らしかった

 最後の個人戦は、まず各国3人で総当たり戦を行なって国の代表を選び、これとは別に各国のエースを集めたエースブロックから1人を選出し、中国対日本、韓国対エースブロック勝者という形でトーナメントが進められた。

 日本チームは幼女なばり選手をエースブロックに送り、残りの3人で日本ブロックの代表を選出した。個人戦では2連勝した選手がブロック勝ち抜けとなる。最初の試合は博麗仙人選手と東京rockers選手との試合。同職業同士の対決は決まり手を欠いて削りあう戦いになった。互いに決め手となる背面攻撃のチャンスを伺いながら決まらない。最後は博麗仙人選手のラッシュが成功するも、東京rockers選手がガードに転じて切り返し、東京rockers選手が接戦のゲームを制した。

 続く試合は東京rockers選手とデスペラードを操るロイド安藤選手の戦い。ロイド安藤選手は距離を取って逃げ回りながら相手を浮かせるタイミングを狙う。対して東京rockers選手はランドランナーや手榴弾をかわしつつ間合いを詰めていく。間合いを詰めた東京rockers選手に対してコンボを決められてしまい万事休すと思いきや、スタックが発生。スタックとは3%ほどの確率で発生する完全回避のことで、危機を脱したと同時に、ロイド安藤選手は自分の間合いから逆にコンボを決めることに成功。そのままゲームをものにした。

 ロイド安藤選手は続く博麗選手戦を制し日本ブロックを勝ち残った。中国ブロックはポイズンアイビーを操るSm選手、韓国ブロックはデスペラードを操るMallenOppa選手が勝ち残った。

 番狂わせが起きたのはエースブロックだ。韓国からGforce選手、日本からは幼女なばり選手、中国からTakibin選手が出場した。Gforce選手は「弱いといわれている職業でも勝てるところを見せたい」と語り気合十分。緒戦のGforce選手と幼女なばり選手の試合は、テクニックで上回るGforce選手が、体力が減って攻撃力の強くなった幼女なばり選手をものともせず勝利。続く中国はTakibin選手のベラトリックスと当たる。Takibin選手はこれといった実績もなく前評判の低い選手だったが、近接職に対する相性の良さを生かし、Gforce選手を下す。続く幼女なばり選手も下し、まさかの勝ち上がりを果たす。

 今回の戦いを通じて勝敗を分けるポイントは、落ち着いて空中コンボを入れ続けられるか否かで、せっかく相手を浮かせて、緊張のためか、数回のコンボで相手を落としてしまうことも少なくなかった。結果として、丁寧に丁寧に戦っていた選手が勝ち戦をもぎ取っていた印象を受けた。

 続く対決は日本ブロック選出のロイド安藤選手対中国ブロック選出のSm選手。中国は超近接職である格闘家が人気とのこと。攻撃を受けてもひるまないスキルで果敢に相手のふところに攻め込む。毒攻撃や投網が決まってからのたたみかけはすさまじい。ロイド選手は1試合目を取れたものの、Sm選手が続く2・3試合目を取り決勝進出を決めた。

 次は韓国MallenOppa選手とエースブロック選出のTakibin選手の戦いだ。MallenOppa選手はまったく隙がない。Takibin選手が最初にかける補助魔法を妨害するのが非常にうまく、キャンセルガトリングガンで相手が魔法をかけている間のわずかな詠唱の隙間を潰す。これに1度成功すると、バトルメイジにとっては数10秒のディレイの間は妨害された補助魔法が効いていない状態になり、非常にもろくなる。乱射や移動射撃、ウィンドミルを駆使して危なげなく2連勝。エースブロックを勝ち上がったTakibin選手をあっさりと下した。

 3位決定戦では、Takibin選手と日本のロイド安藤選手との戦いになった。ロイド安藤選手はこれまでの距離を取る戦いから積極的にTakibin選手の懐に入っていく。これまでの立ち回りとは大胆に打って変わってきた。選手が1試合1試合で力をつけていくように見えるのはトッププレーヤー同士の試合を見る大きな醍醐味の1つだ。ロイド安藤選手は緒戦を手に入れるも、2戦3戦とせっかく浮かせた相手を落としてしまうミスがたたり、ゲームをものにすることができなかった。

 ロイド安藤選手によると、現在の日本サーバーでは仕様の違いからウィンドミルからマッハキックなど本来はつながるはずのコンボが大会の仕様ではつながらないのだが、普段の習慣からついついコンボのつながらないスキルを発動してしまうことが多かったのだという。次回があれば本大会の仕様をより研究したいとのことなので、楽しみにしたい。

 決勝戦では中国のSm選手と韓国のMallenOppa選手の戦いになった。決勝戦のみ3本先取で争われた。1試合目と2試合目をそれぞれが取り、3試合目をMallenOppa選手がとってリーチをかけた。いずれの選手もキューブを使用する大技をかわしきると、それぞれの大技のクールタイムを読みながらのじりじりした展開が続く。ポイズンアイビーにとっては最大の決め技である投網からクレージーバルカンに持ち込めるかが勝負だ。しかし、さすがに決勝戦だけあって、簡単には決まらず、投げ網をかけられた瞬間リベンジャーで逃げるなどコンマ数秒の熱い戦いが繰り広げられた。

 最後は互いにほんのわずか体力が残った状態で、Sm選手が放った投網がMallenOppa選手を捕らえた瞬間、その直前にMallenOppa選手が放っていた銃弾がSm選手にヒットし、MallenOppa選手が勝利した。一瞬早く投網がかけられていればSm選手がラウンドをつなげただけに、最後の最後まで展開のわからない素晴らしい試合だった。

 各国とも4人ずつ選手が集まっていたので2人や3人と枠を限定せずに、団体戦も大将戦も4対4の試合も見たかったところだが、大規模なユーザーを抱える「アラド戦記」ならではのハイレベルな戦いは非常に面白かった。12月に行なわれる中国ラウンドも期待したいところだ。


Sm選手とロイド安藤選手の1戦。画面隅に追い込まれてからの攻撃はすさまじいの一言
MallenOppa選手とTakibin選手の1戦。MallenOppa選手の攻勢もすさまじいが、Takibin選手もしっかりと手を打ってくる
MallenOppa選手とSm選手の決勝戦。武器を次々に持ち替えながら迫りくるMallenOppa選手。最後は本大会を象徴する印象的な結末だった

個人戦で成績を残した中国チーム大将(勝ち抜き)戦で活躍した日本チーム総合優勝を果たした韓国チーム
前回ソウルラウンドにも出場した韓国のGforce選手は、渡韓した日本選手と交換したユニフォームを着て参戦していた日本チームは全員がゲームパッドを使用しており、韓国チームは全員が自分のキーボードを持ち込んだ熱戦を繰り広げた選手たち。中国ラウンドでも善戦を期待したい

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(2009年 11月 2日)

[Reported by 三浦尋一]