キュー、ブラウザゲーム「NikQ」先行体験レポート
最大12匹のネコが騎士団を結成して戦うオンラインRPG


8月31日~9月11日 CBテスター募集

9月15日~20日 CBT実施予定

10月 OBT実施予定


 キューエンタテインメント株式会社は、WEBブラウザ用マルチぼこすかRPG「NikQ」のクローズドβテストを、9月15日15時から20日24時まで実施する。クローズドβテスターの募集は、9月11日17時まで。弊誌では100名のテスター枠をいただいているので、こちらの記事からご応募いただきたい。

 「NikQ」は、人間世界に暮らすネコ達が騎士団を結成して、ナワバリを荒らす敵に立ち向かうMOタイプのRPG。Flashで開発されており、WEBブラウザでプレイできる。推奨環境ではないが、Mac OSでもプレイ可能としている。開発は株式会社バンダイナムコゲームスが担当している。

 10月にはオープンβテストを実施予定としている。正式サービスでは基本プレイ無料のアイテム課金制の採用を予定している。今回はクローズドβテストに先駆け、本作を体験プレイする機会がいただけたので、その内容をお伝えする。




■ ほのぼのとした雰囲気の中で、人間世界に生きるネコ達の物語

 ゲームは主人公の「チロ」が、父親「タマ」と共に追っ手と戦うシーンから始まる。逃げ場を失った「タマ」は、せめて息子だけは逃がそうと、「チロ」を両手に抱きかかえ、力いっぱい遠くに放り投げる。「チロ」は追っ手から逃げ切るが、「タマ」とは離れ離れになってしまう。

 月日は流れ、成長した「チロ」は仲間のネコ達と騎士団を結成する。その後「チロ」は、新たな住処を探して、とある人家の裏庭を訪れる。その家主がプレーヤーという設定だ。「チロ」はいつか父と再会できる日を夢見て自らを鍛えながら、番犬ならぬ番猫としてプレーヤーの下で働き始める。

 ゲームではクエストを受けるという形で、家主の夕飯の魚を買いに使わされるなど、庶民的な世界観になっている。その買出しクエストなどの途中に、襲い掛かってくる敵と戦う、というのが本作の流れだ。


【スクリーンショット】
ストーリーのクエストなどで挿入されるムービーシーン。ネコごとにキャラクターづけされていて、口調も少しずつ異なっている騎士団の拠点となる裏庭。レイアウトや背景を選択できるようになる予定



■ 最大12匹のネコ達が繰り広げる“ぼこすかRPG”

 ゲームではまず最初に、地域マップからクエストを選ぶ。序盤はチュートリアルのクエストしか選択できないが、それらをクリアすることで新たなクエストや、ストーリークエストが選択可能になる。

 クエストを受けると自動的にバトルフィールドへと移行する。ここで現われる敵と戦い、勝てばクエスト達成となる。このサイクルでゲームを進めていくことで、「チロ」の冒険物語が展開されていく。


【スクリーンショット】
ネコ達が住んでいる地域のマップ。マップ上をクリックしてクエストを選択すると戦闘画面に移動する


 バトルフィールドは、右向きの横スクロールタイプのマップになっている。移動操作は、進軍、後退、ストップの3種類。“進”と書かれたアイコンをクリックすると、ネコが右向きに歩き始め、“戻”と書かれたアイコンをクリックすると左に向けて後退し、“止”というアイコンをクリックするとストップする。走る場合には、移動アイコンをダブルクリックする。いずれもマウスクリックだけの簡単な操作となっている。

 進軍していくと敵が現われ、接触すると自動的に攻撃する。戦闘はリアルタイムに進み、どちらかの体力がなくなるまでお互いの攻撃が続く。そうやって敵を倒しながら進軍していき、最終的にバトルフィールドに現われる全ての敵を倒すとクエスト達成となる。

 バトルフィールドは、上・中・下段の3ラインに分かれており、バトルフィールドへの進入前に、この3ラインにネコ達を配置する。配置は最大4匹の小隊単位で行なうが、ネコにはそれぞれコストが設定されており、小隊ごとに合計コストがオーバーしないように収める必要がある。この小隊を3ライン全てに配置する。

 敵とのラインが異なっていても攻撃はできるが、その場合は与えられるダメージが減少してしまう。例えば、上段から上段へ攻撃する場合は最もダメージを与えられるが、上段から中段へ攻撃する場合はダメージが減少し、上段から下段への攻撃だとさらにダメージが減少してしまうという具合だ。同様に、段が違う敵からのダメージも減少する。


【スクリーンショット】
画面中央の青い線を前線として戦闘が繰り広げられるバトルフィールドの敵を全て倒すとクエストクリアとなる


 騎士団に参加するネコは数十種類おり、それぞれ近距離タイプ、中距離タイプ、遠距離タイプというクラスが設定されている。近距離タイプは最前列にいないと敵に攻撃できず、中距離タイプは槍などで2列目からでも攻撃でき、遠距離タイプはどこからでも攻撃可能で、ラインの違いによるダメージ減少もない、といった攻撃射程の違いがある。

 さらに、タイプごとに異なる特性がある。近距離タイプは敵に向かって走りながら接触すると「突撃」攻撃になり、通常の攻撃よりも多くのダメージを与えられる。しかし、中距離タイプに「突撃」攻撃をしてしまうと、槍によるカウンター攻撃で逆にダメージを受けてしまう。そして遠距離タイプは、最前列から攻撃すると命中率が上昇する。

 ほかにも、近距離タイプは遠距離タイプに強く、遠距離タイプは中距離タイプに強く、中距離タイプは近距離タイプに強いという3すくみの要素も取り入れられている。RPGではあるが、戦闘はシミュレーションとアクションの要素を兼ね備えており、簡単な操作ながら戦略的な戦闘が楽しめるようになっている。

 戦闘中は攻防に夢中になってしまうが、敵のセリフにも注目してもらいたいところ。体験プレイ中に、敵が「給料分!」と叫びながら襲い掛かってきたので、一体なんのことかと担当者に尋ねたところ、「この敵は傭兵なので、給料分だけは働くぞ! というセリフになっています。でも倒されてしまったので給料分以上に働いていますね(笑)」と言われ、思わず笑ってしまった。


【スクリーンショット】
小隊選択画面。右側が最前列で、並び方も重要だ右側のアルバムからネコを選んで交代もできる



■ 特技や騎士団タイプなどネコの成長要素も豊富

 ネコ達の成長要素も豊富だ。ネコはクエスト終了時に経験値を得てレベルアップし、ステータスが上昇する。さらに、クエスト終了時に騎士団自体に加算されるAP(アビリティポイント)をそれぞれのネコに使用することで、特技を覚えさせられる。

 特技には、大ダメージを与える近距離攻撃系や、一定時間防御力が上昇する補助系、敵からの攻撃を全て引き受けるといった特殊なものがある。特技の習得に必要なAPは、騎士団タイプにより異なる。それぞれのネコは1つしか特技を習得できないため、新たな特技を覚えると前の特技は使えなくなってしまう。APを無駄使いしないよう、特技の選択も重要になりそうだ。

 特技は、士気を消費することで使用できる。特技ごとに消費する士気の量は異なり、強力な特技ほど必要士気が高い。士気は、戦闘時間が経過すると1ポイントずつ溜まっていく。多少は溜めてから進軍して攻撃ということも可能だが、クエストには制限時間があるため、あまり士気を溜めていると時間切れになり、クエストが失敗してしまう。

 もう1つ士気を溜める方法として、ある程度ダメージを受けることでスロットマシーンが回転を始め、特定の絵柄が揃うと士気が溜まるというシステムがある。ギャンブル的要素が強いが、運よく絵柄が揃えば大量の士気が溜まり、強力な特技で1発逆転も狙えるようになっている。

 またネコのレベルとは別に、騎士団レベルというものがある。ネコがレベルアップした際に、騎士団レベルのポイントが得られ、ポイントが一定量たまるごとにレベルアップしていく。騎士団レベルが上がると、騎士団内のネコ全員にボーナスステータスが付与される。騎士団レベルが高ければ、キャラクターレベルが1のネコでも、通常より高いステータスが得られる。ただし毎回高レベルのネコだけを戦闘に参加させていると、騎士団レベルが上がりにくい仕様になっているので、低レベルのネコも満遍なくレベルアップさせてあげる必要があるという。

 騎士団レベルによるボーナスステータスは、ゲーム序盤に選択した騎士団タイプによっても変化する。騎士団タイプには、「剛剣騎士団」、「堅盾騎士団」、「護弓騎士団」の3タイプがあり、「剛剣騎士団」は物理攻撃系、「堅盾騎士団」は防御系、「護弓騎士団」は魔術系にボーナスステータスが加わる。

 また先述したAPには、「剛剣」、「堅盾」、「護弓」の3種類があり、特技習得に必要なAPを保持していなければ習得はできない。騎士団タイプによって獲得できるAPが決まっており、「剛剣騎士団」は「剛剣」、「堅盾騎士団」は「堅盾」、「護弓騎士団」は「護弓」のAPがそれぞれ獲得できる。


【スクリーンショット】
序盤の騎士団タイプの選択でネコ達の成長が変化するアルバムを開くと、ネコのクラスなどのデータが確認できるネコのデータの裏側には、キャラクターの設定やステータスが表示されている



■ 最大3人の協力プレイや自由度の高いコーディネート

 本作ではソロプレイのほかに、最大3人での協力プレイも楽しめる。協力プレイ時には、3ラインの内の1つをそれぞれのプレーヤーが担当することになる。ソロプレイ時と比べて特に戦闘が有利になるわけではないが、クエストクリア時にAPが多くもらえるというメリットがある。今後はマルチプレイでしか手に入らないアイテムも予定しているという。


【スクリーンショット】
裏庭から出るとアイテム販売などがされているストリートに移動できるストリートで集会所を選択すると、マルチプレイの集会所が表示される集会所を作成する場合は、参加人数やレベル制限などを細かく設定できる
集会所内のゲーム画面。クエスト受注と描かれたNPCをクリックしてクエストを選択する受注中のプレーヤーをクリックすると、クエストの詳細が表示される協力プレイ前には事前準備として、担当するラインを選択できる

 エモーションやフレンドリスト、メール送信機能といったコミュニティ要素も搭載されている。さらに「鈴具(りんぐ)」と呼ばれるアイテムを身につけておけば、同じ種類の「鈴具」をつけたプレーヤー全員とチャットできるようになっている。トレード機能もあり、アイテムの受け渡しも可能だ。


【スクリーンショット】
フレンドリストからメールやチャットなどもできるメール受信画面。コミュニティ機能はしっかり作られている


 またコミュニティ要素としては、騎士団に属するネコの中から1匹を「アバニャー(アバター)」として設定でき、「アバニャーアイテム」と呼ばれる武器、防具、アクセサリなどで着飾れる。このアバニャーアイテムは、アバニャーの上に自由な位置に配置できるほか、向きや大きさも調節できる。コーディネートの自由度の高さも本作の特徴だ。

 アバニャーアイテムは、クエストなどでの入手のほか、有料アイテムを販売するショップ「NPモール」で購入できる。「NPモール」では他にも、回復アイテムなども販売される。また新たなネコが欲しい場合は、「カードダス」の形をした機械を回すと、ランダムでネコが入手できるようになっている。料金設定は今のところ未定で、クローズドβテストの結果などから調整していくという。体験プレイ時の「NPモール」の背景には漫画が表示されており、ユーザーを楽しませようとした工夫も施されていた。

 本作はブラウザから気軽にプレイでき、可愛らしいネコが多数登場する、カジュアルな雰囲気が漂うゲームになっている。内容的にも、進軍と後退をクリックするだけのシンプルなゲームではあるが、それでいて様々な駆け引きの要素と、敵をバッサバッサと倒す爽快感、そして最強の騎士団を作り上げるというやりこみも楽しめる。ベテランのゲーマーも、見た目でカジュアルゲームだと侮ることなく、1度遊んでみてもらいたい。


【スクリーンショット】
アバニャーエディット画面アバニャーアイテムの向きや大きさを調整して自由にコーディネートできる


(C)2009 NBGI/Q Entertainment Inc.
※画面はすべて開発中のものです。

(2009年 9月 4日)

[Reported by 日高文典]