マイクロソフト、Xbox 360「マグナカルタ2」先行体験会レポート
クエストやキャラクター育成といったやり込み要素に注目


8月1日 開催

会場:マイクロソフト代田橋オフィス


一足先に本作の製品版を体験できる貴重な機会とあって、来場者は皆一様に集中してプレイしていた

 マイクロソフト株式会社は、株式会社バンダイナムコゲームスが8月6日に発売を予定しているXbox 360用“愛と憎しみのRPG”「マグナカルタ2」(以下、本作)のブロガー先行体験会を、8月1日にマイクロソフト代田橋オフィスにて開催した。

 本イベントは、プレス関係者とブロガーに本作の製品版を遊んでもらうという内容で、ゲームの最初からスタートして約3時間ほどの間、自由にプレイすることができた。

 今回は、この製品版の序盤をプレイして新たに判明した内容と、クリエイターを迎えてのQ&Aセッションの内容をレポートしていこう。



■ クエストを行なうことで進むシナリオや武器の強化システムなどが判明

 今回、プレイできたのは、現在Xbox LIVEで配信されている体験版とは異なる製品版のため、ストーリーの内容や主人公の「ジュト」とヒロインである「ゼフィ」の置かれている状況がよりわかるようになっていた。

 実際にゲームをプレイしてみて思ったのは、敵と戦闘を行なう屋外はもちろん、町中も意外と広いマップが用意されていること。それでありながら、右上には付近の小マップと目的地の方向が表示されている(常に同じ方角を指している)ほか、BACKボタンを押すことで全体マップも見ることができるため、メインストーリーを進めるためにプレーヤーが迷うことはほとんどない作りとなっている。そのため、どこに行けばいいか迷うことはほとんどなく、快適にプレイできたのが好印象。また、戦闘はエリア内を移動していく中で、モンスターに出会うとシームレスに戦闘に突入する形式となっており、ロード時間を挟むことなく戦闘が開始される(試遊環境ではソフト自体はHDDにインストールされていた)。そのため、集中力が途切れることなくゲームを楽しむことができた。


シナリオの重要なパートでは、迫力あるムービーが楽しめる。カメラワークにこだわったムービーは一見の価値あり会話シーンではキャラクタモデルがアップになって登場する

 ゲームは必須クエストと呼ばれるクエストを遂行していき、ベッドで休むことでムービーシーンが再生され、次のシナリオの舞台へ移動していく形となっている。また、必須クエストのほかにも、選択クエストと呼ばれるクエストが数多く用意されており、これらをクリアすることで経験値やアイテムなどを手に入れられる。レベルアップやアイテムでキャラクターを強化していくことが好きな人は、選択クエストも逃さずクリアしていくといいだろう。

 なお、必須クエストが進行してエリアが変わってしまうと、現在受けている選択クエストがクリアできなくなる場合がある。このような場合、ベッドで休む前に注意メッセージが表示されるので、クリアしたい選択クエストがある場合は、ベッドで休むのを中断して対象のクエストをクリアしてから、再度ベッドで休めばいい。シナリオを進行させていったら、いつの間にかクリアできないクエストができるということはないので安心できることだろう。

 3時間プレイした限りでは、キャラクターを強化する必要性を感じるような難易度の高い敵は現われなかったので、ストーリーの先が気になるという人は、必須クエストだけをクリアしてストーリーを進めていっても問題ないように感じられた。ただし、クエスト全体には達成率が用意されており、実績の解除にも関係しそうなので、気になる人は選択クエストも逃さずクリアしたほうがよさそうだ。

この緑色の“!”マークをつけたNPCに話かけるとクエストが受けられるクエストを受けると、目的や報酬が表示される。クエストの情報はメニュー画面の中からいつでも確認可能だ


 気になる戦闘シーンでは、各キャラクターは2つの戦闘スタイルを持っていることも判明。例えば、主人公のジュトは、片手剣と両手剣の戦闘スタイルを持っており、レベルアップ時に得られるスキルポイントを使うことで、それぞれの違ったステータスやスキルを取得していく。スキルポイントの割り振り方によっては、同じキャラクターでもまったく違った育て方ができそうだ。

 そのほかにも、武器にカモンドとよばれるアイテムをはめ込んで、強化する仕組みも用意されている。武器のカモンドボードの空いているホールに、ステータスを強化するさまざまなカモンドと呼ばれるアイテムをはめ込むことで、武器を強化していくことが可能だ。強化した武器は、カモンドをはめ込んだ後も別のカモンドに交換することができるので、別のステータスを上げたくなったり、より強力な能力のカモンドを手に入れたら、どんどん交換していこう。

 さらに、アイテム作成のレシピを入手して、素材を集めてアイテムを作る楽しみも用意されているなど、ストーリーを追うだけのRPGではなく、クエストやアイテム集めなどのやりこみ要素も豊富に用意されている印象を受けた。全体のボリュームがどれほどあるかは不明だが、すべてをやり込むならばかなりの長時間遊べるタイトルといえそうだ。

空いているカモンドボードにカモンドをはめ込むことで、武器を自分の好みに強化していけるカモンドはゼフィの固有技の「精髄抽出」を使うことで、モンスターからも入手可能だ

 また、各種情報が受け取れる「キューブ」にも注目したい。大雑把に言うと、キャラクター同士が手紙を送ったり受け取ったりできるという仕組みで、キャラクターの性格などがわかる文があったり、ほかにはボスキャラ戦のヒントなども送られてきたりする。初心者には手助けになるシステムといえるだろう。



■ Q&Aセッションでは制作時の苦労とこだわりのポイントが語られた

本作のプロデューサーである株式会社バンダイナムコゲームスの金坂 吉久氏

 約3時間の体験プレイの後は、本作のプロデューサーである株式会社バンダイナムコゲームスの金坂 吉久氏を迎えて、Q&Aセッションが行なわれた。プレイしたてのブロガーの方達から次々に寄せられる質問や感想に対して、金坂氏はひとつずつ丁寧に答えていたのが印象的。ここからは、このQ&Aセッションの内容をいくつか紹介していこう。



Q.シームレスな戦闘とか、エリアが広く、キャラクターがいいと感じたのですが、ここまで作り上げるのに1番苦労した点は何ですか?

A.戦闘システムを作るところが1番苦労しました。ゲーム制作に着手したときに直感的にキャラクターをチェンジしてパーティをコントロールできるシステムを作ろう、ということを決めて開発を進めました。しかし、現在の形になるまではすごく試行錯誤があって、タイミングが悪くなってしまったり、間が長くなってしまったり、ちゃんと要素を説明しようとするとテンポが遅くなってしまったりと、直感的にキャラクターを操作できるようにするための調整にすごく時間がかかりました。

Q.ダウンロードコンテンツは準備されているのですか?

A.ダウンロードに関しては、武器の配信とライブドラマを用意する予定になっています。発売後に配信される予定です。

Q.キャラクターデザイン等が日本市場を意識しているように感じたのですが、そのような意図はありますか?

A.前作「マグナカルタ」でデザイナーにキム・ヒョンテ氏を起用したときから、日本の市場を意識はしています。ですが、先月フランスに行って、「ヨーロッパでも発売します」という発表をしてきたのですが、フランスの方々がキム・ヒョンテ氏のデザインに対して「ミステリアス」と言っていて、キャラクターに対してシンパシーがあるというか、日本人の感性とも合うのだなと感じました。もともと、日本だけを意識しているというわけではないです。

Q.制作する際にこだわったポイントはどこですか?

A.「マグナカルタ」を作った際の反省点というわけではないのですが、今回はムービーの中でのカメラワークを意識しています。これに関してはソフトマックスだけではなく、日本で「この人にお願いしたい!」と思う腕の立つ人に韓国に行ってもらったりもして、カメラワークを調整しました。「マグナカルタ」に比べると本作はカメラワークが格段に良くなっていると思います。

Q.やり込みが好きなのですが、クリアした後の特典とか、クエストをクリアした際にしかもらえないアイテムなどはありますか?

A.クエストはやってもやらなくてもいいものもあるのですが、クエストをクリアしないともらえない武器やアイテムがあって、特別な能力を持っていたりするので、ぜひやっていただきたいと思います。あとは戦闘スタイルの開発というのができまして、1人のキャラクターが2つの戦闘スタイルを持っているのですが、ゲームをクリアするまでに両方の開発を終わらせるのは難しいと思います。2週目は別の戦闘スタイルで遊んでもらえば、演出も違いますし戦い方も変わってくるので、そういった深みを体感してもらいたいと思います。

Q.キャラクターのコスチュームが細部までこだわっていて素敵だったのですが、隠しコスチュームといった要素はありますか?

A.武器が戦闘スタイルによってビジュアルが変わったりするのと、服も途中からストーリーの進行によって、「ジュト」の服が変わったりしますので、そういったところも楽しんでもらいたいです。

Q.1周目クリアした際にはどれくらいの実績が解除できるように設定しましたか? また先ほど2周目という話がでましたが、2周目に引き継げる要素はありますか

A.全体の6割ぐらいになると思います。引き継ぎは基本的にはありません。

Q.プレイさせていただいて、マルチプレイという方向性があっても面白いゲームシステムなのではないかと思ったのですが、開発している際にマルチプレイに関して検討したりはしたのでしょうか?

A.Xbox 360で開発を進めていく中で、マルチプレイという話題は出ていました。しかし、マルチプレイを前提にすると、演出の時間を減らさないといけない等、ゲームの作り方を根本から変えなくてはいけないので、どちらがいいのか議論した上で、今の形に落ち着いています。海外でもマルチプレイに対するご意見はいただいてまして、今後ワールドワイドで成功して次回作が制作できるのであれば、そういうことも十分考えられると思います。

Q.アンリアルエンジンを使用しているようですが、開発をしていく上で苦労した点はありますか?

A.FPSを作るのには適していると思うのですが、RPGの見せ方だとか演出に適しているとは言い難いところがあって、そういう意味ではソフトマックス自体が、アンリアルエンジンを自分達用に作り変えちゃった……というぐらい、大工事をしました。実際、アンリアルエンジンを作ったEpic Gamesの技術提供を受けましたし、社員の方をソフトマックスに引っ張ってきて色々と設計したりと、かなり手を入れています。

Q.先ほど少し話が出たのですが、次回作については何か考えていますか?

A.ソフトマックスの方と検討はしているのですが、本作がまだ発売前ということもあって、ワールドワイドで発売してユーザーの皆さんの反応を見てから、次回作については本格的に検討していきたいと思っています。あと最後に1点だけお伝えしたほうがいいと思うのですが、Xbox 360で開発を行なっていよいよ発売を迎えるのですが、現在Xbox 360でしか開発をしていません。ネットなどで「他のハードでも出すんじゃないか?」といった噂が出ているんですけれど、Xbox 360でしか開発をしていないということをお伝えしておきます。

グラビアアイドルの杏野はるなさん(左)と倉持結香さん(右)も、ブロガーとして本イベントに参加。杏野さんは自由に移動のできる戦闘システム、倉持さんはキャラクターのコスチュームなどのグラフィックスがお気に入りの様子だったイベントの最後は金坂氏とグラビアアイドル2人によるフォトセッション。イベントを無事終了し終えた安堵感からか、終始笑顔がこぼれる撮影となった

 こうして先行体験会は終了した。プレイしたブロガーの方達からは「ストーリーの先が気になる」、「もっとプレイしたかった」など、好意的なコメントが多く寄せられていたのが印象的だった。

 次々とパーティメンバーの攻撃をつなげていく独特な戦闘システムや、魅力的なキャラクターやコスチューム、豊富なやり込み要素など、さまざまな楽しさが詰め込まれている本作は、長期休暇がとりやすいこの時期、じっくりと遊ぶのにピッタリなタイトルといえそうだ。本稿を読んで気になった方は、1度手にとって遊んでみてはいかがだろうか。



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(2009年 8月 3日)

[Reported by 菅原哲二]