ニュース

【スマホアプリ今日の1本】「クラッシュ・ロワイヤル」Supercell新作が面白い!

対人戦の読み合いが深みを増す! シンプルで奥深いカードRTS

3月2日 配信

ダウンロード:無料

利用料金:無料

ビジネスモデル:アイテム課金制

「クラッシュ・ロワイヤル」の3大ポイント

・ゲーム開始1分で理解できるわかりやすさ
・考えるほどに深まっていく戦略性
・言葉の壁を越え世界中のプレーヤーと対戦できる

 2012年にリリースされて以来(Android版は2013年にリリース)、日本国内は言うにおよばず、約150カ国で多くのプレーヤーたちに遊ばれている「クラッシュ・オブ・クラン」。その開発を行ない、現在も運営を続けているSupercellが、3月2日に最新作の配信を開始した。

 新感覚の戦略ゲームであった「クラッシュ・オブ・クラン」に続く新作のタイトルは、これまた新感覚のカードゲーム「クラッシュ・ロワイヤル」。今回は「クラッシュ・ロワイヤル」の見どころをご紹介しつつ、「クラッシュ・オブ・クラン」との違いや楽しみ方の変化についても考えてみたいと思う。

【「紹介動画」クラッシュ・ロワイヤルってどんなゲーム?】

持っているカードのなかから8枚を選んでデッキを構築する。バトルに勝つと獲得できる宝箱を開ければ、新たなカードが手に入ることも
どのタイミングでどのユニットを生み出すかが勝負をわける。バトル開始直後は、あえてユニットを生産せずに、相手の出方を見るのも一手だ

 本作のゲームシステムをご紹介する前に、「クラッシュ・オブ・クラン」について簡単に説明しておこう。「クラッシュ・オブ・クラン」は、リアルタイムで進行するストラテジーゲーム(戦略SLG)。プレーヤーは自分の村を発展させながら、ほかの村を襲撃して資源を奪い、その資源によって村をさらに発展・強化させる。また、ほかのプレーヤーの襲撃から自分の村を守らなければならないため、村の作成はタワーディフェンス的な志向も必要となる作品だ。

 それでは、新作である「クラッシュ・ロワイヤル」はどのようなゲームなのか? 冒頭でも少し書いたように、本作はカードを使ったゲームだが、純粋なカードゲームというわけでもない。むしろ、カードを利用したタワーディフェンスゲームと言ったほうがいいだろう。

 まず、手持ちのカードのうちから8枚を選んでデッキを構成する。これが敵陣を攻め、なおかつ自陣を守る兵士(ユニット)たちだ。バトルが開始されると時間の経過とともにエリクサーがたまっていき、ユニットを生産できるようになる。ユニットにはそれぞれ生産時に消費するエリクサーの数(コスト)が決まっており、無制限に生産することはできない。効率のいい生産を心掛け、敵の生み出したユニットと戦っていく。

 敵陣と自陣には、それぞれ2つの「クラウンタワー」と1つの「キングタワー」がある。敵のキングタワーを破壊すれば自軍の勝利だが、自軍のキングタワーを破壊されれば負けになってしまう。キングタワーの左右にある2つのクラウンタワーは、勝敗に直接の影響はない。ただし、破壊すれば敵の抵抗が減り、陣地範囲も拡大できるので、そのぶん戦闘を有利に進められるようになる。

 ルールを知り、実際に試してみればわかるのだが、本作は非常にシンプルな作りになっているのが特徴だ。それゆえ、「クラッシュ・オブ・クラン」はやるべきことが多く難しいと感じた人にもオススメできる。また、フィンランドで生まれた作品ではあるものの、ルールが端的でわかりやすいため、一部の洋ゲーにあるような取っつきにくさは一切ない。誰もが楽しめるシステムに仕上げているあたり、さすがは「クラッシュ・オブ・クラン」を開発したSupercellの新作と言えよう。

 そして、もっとも特筆すべきはシンプルなゲームシステムでありながらも、深い戦略性を秘めている点。たとえば、序盤でもっともコストの高いユニットはジャイアント(巨人)だが、それではジャイアントだけを量産すれば勝てるのかといえば、決してそんなことはない。なぜなら、ジャイアントはタワーなどの建造物にしか攻撃を行なわないため、敵のユニットに対して無力だからだ。

 そのほか、アーチャーやマスケット銃士は遠距離から攻撃できる反面、接近戦が得意なナイトなどに攻撃されると簡単に倒さるという欠点がある。これを防ぐには、護衛役として近距離で戦えるユニットとセットにして行動させればいいのだが、それでは生産にかかる時間やコストが増加してしまう。また、ユニット同士が近接していると範囲攻撃を受けたときの被害が大きくなりやすいのもデメリットだ。

 戦闘で悩むのは、ユニットの種類だけではない。敵陣のクラウンタワーを破壊するかどうかも、戦局に大きく関係する。1つだけを壊してキングタワーを攻撃するのか、はたまた両方とも破壊して敵軍の弱体化を図るのか。また、あまり現実的な方法ではないが、クラウンタワーを残したまま、矢の雨やファイアボールといった遠距離攻撃でキングタワーだけを狙い撃つこともできる。さらに、自軍のクラウンタワーを守るためにユニットを割くべきか、割かずに全軍を敵陣へ向かわせるかなど、考えるべきことは無限にあると言っていい。

 そして、本作におけるもう1つの大きな特徴が、対人戦をメインに作られているところである。上で述べた戦略性の深さも、人間対人間の読み合いがあってこそのもの。戦略にしても、相手がタワーの破壊を優先してジャイアントを生み出すなら、こちらは弱いユニットを量産して対抗する。逆に、相手が数で押してくるなら、こちらは広範囲を攻撃できるカードでまとめてダメージを与える。あるいは、エリクサーをためられるだけためて、強力なユニットで一気にかたをつける……などなど、考えれば考えるだけ、戦略は無限に広がっていく。

 これほどシンプルなシステムにして、これほど深い戦略性を実現した作品はそうそうないのではあるまいか。ゲームのルールが単純明快であるため、言葉による説明は不要。そのため、日本人だけにかぎらず世界中のプレーヤーと戦える。人種を超えて対戦できる楽しさは、将棋や囲碁といった完成されたゲームと共通するものを感じる……とまで言うと言い過ぎだろうか。

 くり返しになってしまうが、本作に難しい要素は何ひとつない。1分もプレイすれば、誰にでもゲームを理解できるような作りである。ライトユーザーのなかには“ストラテジーゲーム”と聞くと、敷居が高いと感じる人もいるだろう。しかし本作は、初心者から上級者まで誰もが楽しめるようになっている。プレイしたことのない方は、ぜひ本作でストラテジーゲームに触れてほしい。そして、本作でストラテジーゲームの魅力を知った暁には、「クラッシュ・オブ・クラン」もプレイしてみてはいかがだろうか。

赤く表示されているエリアは敵の陣地。敵陣内でユニットの生産はできないが、クラウンタワーを破壊すれば、そのぶん陣地もせまくなる
同じカードを一定数以上集めると、ユニットをレベルアップさせることができ、HPや敵に与えるダメージ・自分が受けるダメージなどが増減する
【スクリーンショット】

(平平平平)