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セガの新作オンラインRPG「ワールド エンド エクリプス」ステージ開催

PC版とスマホ版は内容同じで行き来可能。追加インタビューで課金要素も聞く!

9月17日~20日 開催(17、18日 ビジネスデー)

会場:幕張メッセ

入場料:1,200円(税込)

本山真二氏(左)と、八田規穂氏(右)
スマートフォン版は10月、Windows版はその後まもなく公開される

 東京ゲームショウ2015のセガブースにて、10月よりサービス開始予定のWindows/スマートフォン用オンラインRPG「ワールド エンド エクリプス」のステージが開催された。登壇したのは、セガゲームスでプロデューサーを務める本山真二氏と、運営ディレクターを務める八田規穂氏。

 昨年の東京ゲームショウでもステージイベントが開かれた本作。ゲームはほぼ完成しており、10月にiOSとAndroid版を公開。その後Windows版も間を開けずに公開するとしている。PlayStation Vitaでのサービスも予定されているが、こちらは現時点では未定となっている。価格は基本プレイ無料のアイテム課金制。

 本作の舞台は、かつて竜同士が争い、滅びた後の荒廃した世界。人間は世界中に無数に残る竜の躯の上に街を作り、躯に残された生命エネルギーを汲み上げながら生活している。プレーヤーは街を守る狩猟兵団を率いる隊長となり、魔物やならず者と戦う。

 ゲームプレイとしては、竜の背にある岩や木を開拓して資材を集め、街を大きくしていくことで狩猟兵団を強化。そしてクエストに出てバトルに挑戦し、得たお金を使って資材を集める……というサイクルになっている。クエストではストーリーも展開され、メインストーリーはフルボイスによる重厚な物語が楽しめるという。ソーシャル要素もあり、フレンドやギルドの仲間と協力してキャラクターを貸し借りしたり、一緒になって挑むレイド戦などが用意されている。

 主人公はプレーヤーキャラクター自身で、各プレーヤーの目線で物語が展開される。登場キャラクターは、主人公を支える軍師「エステラ」や、狩猟兵団で弓兵を務めるムードメーカーの「アーシェ」などが登場。バトルで登場するキャラクターは別におり、「剣兵」、「弓兵」、「大剣兵」、「槌兵」、「盾兵」という5つの兵種に分かれた狩猟兵を雇う。各狩猟兵には個別にスキルもあり、これに装備も加えることでキャラクターの特徴が生まれていく。最終的には狩猟兵4人にフレンドなどから借りる1人の計5人パーティを編成する。

 ゲーム内では「竜鱗」というアイテムが稀に入手できる。これを集めると武器を入手するなどの買い物などができる。またバトルが厳しい時には、資材を使って作る「ボムドラ」を持ち込めば、敵全体にダメージを与えたり、仲間の能力を強化したりできる。

開拓、街づくり、クエストというサイクルでゲームをプレイ
主人公の軍師であり、この世界のことを教えてくれるサポート役の「エステラ」
狩猟兵団では弓兵を務めるムードメーカー「アーシェ」
5つの兵種を持つ狩猟兵を雇い、パーティを編成する

 ゲームの説明に続いては、八田氏による実機デモが行なわれた。ボスモンスターとのバトルシーンも紹介されたが、ボスに挑戦する前に本山氏が「勝てたら事前登録キャンペーンでプレゼントする竜鱗を増やしたい」と発言。やや緊張感のあるデモになった。

 バトルはフィールドに2本引かれたラインに沿って味方を出撃させ、敵側からやってくる敵と戦うというシステム。いずれかのラインの敵を倒し、さらに敵陣の最奥にあるクリスタルを攻撃して破壊すればクエストクリア。逆に自陣に攻め込まれ、自陣のクリスタルを破壊されるとクエスト失敗となる。

 バトルが始まったら、画面下に並ぶパーティメンバーを選んで、どちらかのラインに出撃させる。出撃後は敵の射程距離に入るまでどんどん前へと進んでいく。パーティの5人全員を出撃させることもできるが、出撃すると右下にあるエネルギーのような数値を消費する。また各メンバーにはスキルが用意されており、敵に大ダメージを与えるなどの効果がある。ただしこれにもエネルギーを使ってしまう。エネルギーは時間とともに回復していくので、状況を見ながら効率よく使って戦う。そして2つのラインの一方は防衛、もう一方は攻撃など、兵種や能力を考えながら戦略を立てることも求められる。

 八田氏のプレイは、ボスに盾兵が倒された後で強力な範囲攻撃を受けて、一時壊滅寸前に陥ったものの、何とか立て直して勝利。これで事前登録者へプレゼントされる竜鱗は50個増加。PC版とスマートフォン版の両方を事前登録すると100個追加され、計300個もらえることになった。

街の様子。ゲームのメニュー的な場所でもあるようだ
街の外、竜の骸の背中部分。ここで資材を集める
時々入手できる「竜鱗」は重要なアイテム
酒場で狩猟兵を雇う。兵種の違いの他に独自の特性も持っている
バトルではパーティメンバーをどちらかのラインに出撃させる
それぞれのライン上で敵と戦う。今回は両方のラインにまたがるボスが登場
スキルを発動すると、キャラクターのビジュアルとスキル名がカットイン
敵陣の最奥にあるクリスタルを破壊すれば勝利となる

 プレイの後は、本山氏と八田氏がQ&A形式でいくつかの質問に答えていった。まずスマートフォン版とPC版の違いだが、ゲーム的な違いはなく、同じ内容のゲームをプレイできる。セーブデータも共通で、相互に行き来が可能。PC版は大きな画面で迫力ある映像が楽しめること、スマートフォン版は外でも気軽に遊べるのがメリットになる。

 「登場キャラクターにはサブストーリーはあるのか?」という質問には、「メインストーリーの他に、キャラクターの内面を掘り下げるサブストーリーが全キャラクターにある」という。アップデートでキャラクターのエピソードも増やすことも考えているという。

 今後のコラボ企画については、八田氏が「まだ発表できないが色々仕込んでいる」と回答。本山氏は「コラボは世界観が広がるという意味ではいいが、最初にやりすぎると世界観が壊れることもあるので、慎重にやりたい」と控えめに述べつつ、「仲良くさせていただいているイラストレーターさんなどには約束は取り付けているので、後々やりたい」とも語った。

 公式サイトなどでも出ている「“アイギス”とは何か」という質問も。これは竜鱗から生まれる武器に宿る精霊で、竜の意思が顕在化したものだという。「姿形もいろいろで、キャラクター性を持っている。設定テキストもあるが、担当が面白おかしく書いているので見て欲しい」とのことだ。

 最後に本山氏から、本作の主題歌となるMay'nさんの「ゼロ分のゼロ」が紹介された。こちらは公開中のティザームービーにも使われている。

【「ワールド エンド エクリプス」ティザームービー】

ステージイベント後の本山氏と八田氏にインタビュー

 イベント終了後、本山氏と八田氏にお時間をいただき、ステージイベントで語られなかった部分などを伺った。本作についてより詳しく知りたい方は、ぜひご覧いただきたい。

――主人公となるプレーヤーの目的は何ですか?

本山氏: 荒廃した世界で生きていくことだけが目的で、プレーヤーもどうやって生き延びるか、街を守っていくのかを考えています。やがてそこから世界を巡る問題や、それらを利用しようとする人間などとの戦いや出会いを通じて、その先の世界をどうしていくのかというのが基本的なストーリーラインです。

――主人公は周囲で起こる出来事に翻弄されていく、という感じでしょうか?

本山氏: そうですね。本作ではあえて名前のあるキャラクターを主人公には据えていません。全く知らない世界にプレーヤーが放り込まれた時、「あなたはこういう人です」と言われてもピンときませんよね。何も知らないプレーヤーが何も知らないところから始まり、周りのキャラクターとの会話を通じて、世界のルールやしきたりを知っていき、成長していくというストーリーラインにしたかったのです。

――ソーシャルゲームでは時間が経つと体力が回復するといった仕組みがありますが、本作はどうでしょうか?

本山氏: バトルに出るための出撃ポイントというものがあり、時間的制約は設けています。ただバランス的にはあまり厳しくありません。

八田氏: バトルの後に街作りや開拓をしていれば、自然とまたクエストに出られるくらいのサイクルになっていますので、プレイが詰まったりすることはないはずです。クエストに失敗しても、開拓して街を作れば狩猟兵を強化できるので、再度挑めば勝てるかもしれません。

――主人公自身は戦わないんですか?

本山氏: 戦いません。プレーヤーは部下に指示を出すというスタイルになっています。

――主人公と狩猟兵の間に好感度のようなパラメーターはありますか?

本山氏: 最初の段階では入っていません。広くキャラクターを集めてもらいたいと思っています。ある程度ゲームを進めていくと、お気に入りのキャラクターが決まってくると思いますので、より愛情を注いでいただければと思います。後々の追加要素としては考えています。

――狩猟兵のレベルは、バトルに出ると上がっていくのですか?

本山氏: はい、バトルに勝利すると経験値を得てレベルアップします。同様に、武器に宿るアイギスも成長します。

――バトルで出撃したユニットを、自分で戻して別のラインに出撃させるということも可能ですか?

八田氏: 可能です。狩猟兵は敵に倒されると復活するまでしばらく出撃できなくなりますが、プレーヤーの指示で退却させると、次の出撃までの時間が短く済みます。いったん戻して回復させるというのも重要です。

――竜の骸は多数あるそうですが、どの骸に街を作るかで何か変わったりするのですか?

本山氏: 資材として取れるものが変わってきます。また資材を取り尽くしたら、その竜の骸からは何も取れなくなるので、移住しなければならなくなります。その際は、作った街の施設はそのまま持っていけます。

――移住した先に他のプレーヤーがいて、いざこざが起きたりは?

本山氏: PvP要素は後々入れていきたいとは思っていますが、最初から入れると敬遠される方もいらっしゃるので、まずはPvPなしで遊んでいただこうと思っています。

――課金要素はどうなっていますか?

本山氏: ゲーム中でも入手できる竜鱗を追加で購入できます。竜鱗は武器を購入したり、バトルに負けた時のコンティニューに使ったり、建物を建てる時間を早めたりと、あちこちで使えるものになっています。

――武器は竜鱗を使って購入するようですが、レアリティが設定されていますよね。具体的にどういう風に入手するのでしょうか。

八田氏: 本作では召喚と呼んでいますが、鍛冶屋で竜鱗を支払って召喚してもらえます。いわゆるガチャ要素ですね。@@

――ということは、ゲーム内で入手できる竜鱗を大事に取っておけば、それだけで強力な武器を手に入れられる可能性はあるわけですか?

本山氏: そうです。武器を手に入れるところの敷居は低くしています。そうでないと、武器のあるなしが全ての勝敗の肝になったり、後々PvP要素を入れた時の勝ち負けがそこにかかってしまいます。本作では、武器の入手はハードルが低くしていて、それを究極まで育成しようとすると結構な時間ややり込みが必要になる、というバランスになっています。

――Windows版はクライアント型になるのですか?

本山氏: 基本的にそう考えています。様々なAPIを組み込んでいるタイトルだと、ブラウザ側が対応しきれなくなるので、クライアント型の方が手っ取り早いという状況です。

――動作環境はどうなっていますか?

八田氏: Windows 7/8であれば大丈夫です。

本山氏: 外付けGPUはなくても遊べます。敷居を下げたいと思っていますので。

――ありがとうございました。

【スクリーンショット】

(石田賀津男)