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アーク、シリーズ最終章となる「BLAZBLUE CENTRALFICTION」体験会を開催

森Pと石川D「ぜひ新キャラ、変わったキャラ、色々触っていただきたい」

7月18日 開催

会場:秋葉原Hey 5Fイベントホール

プロデューサーの森利道氏(上写真・左)とディレクターの石川辰則氏(同・右)

 アークシステムワークスは、2D対戦格闘ゲーム「BLAZBLUE(ブレイブルー)」シリーズ最新作「BLAZBLUE CENTRALFICTION(ブレイブルー セントラルフィクション)」体験会を秋葉原「Hey」5Fイベントホールにて開催した。

 「BLAZBLUE CENTRALFICTION」は、7月12日に開催されたイベント「ぶるふぇす2015 あるてぃめっと☆さま~!」で電撃的に発表されたシリーズ最新作。会場でもロケテストがイベントの1週間後に開催されるとあって大きな歓声に包まれていた。

 ここでは、森利道プロデューサーと石川辰則ディレクターのカコミ取材からお届けする。

――「ぶるふぇす」で発表されたときに歓声があがったが、そのときの心境を教えてください。

森氏「クロノファンタズマ」、「カラミティトリガー」、「コンティニュアムシフト」のときもそうでしたけど、発表するときは凄く緊張する感じです。「コンティニュアムシフト」のときはヌルッと発表しちゃったんですけど(笑)。それ以降は全部、その日に発表しようって決めて皆で動いていたので……。石川もそうですけど、今回は新しいスタッフがメインを張っている。今までサブだった人間がメインになって「セントラルフィクション」を作っている者が多い。たぶん僕よりも石川なり、新しいメインプログラマーやグラフィッカー、調整もパチくんから加藤に代わりましたし。世代交代をした形で「セントラルフィクション」を発表させていただいたんで、彼らのほうがある意味緊張したんじゃないかという気はしています。

石川氏前回の「クロノファンタズマ」からも関わってはいて、そのときの発表も盛り上がってて会場で感動しているんですけど、今回はディレクターを担当させてもらっているので、発表まで凄くドキドキしている感じ。PVが流れてワーッ!って歓声が上がった瞬間は、凄く感動しましたね。

森氏ヒビキの歓声が凄くてビックリしましたね!(笑)。

――声優さんも(ファンが)待ちに待った方だったので……。

森氏ああ、そうですね。市來(光弘さん。新キャラクターのヒビキ=コハク役)くんは本人も「格闘ゲームのキャラをやりたい!」ってずっといってて。運よく、いいめぐり合わせで使わせていただいた。本人も格闘ゲームに明るく、やる気だけはハンパじゃない(笑)。

――サブタイトル「セントラルフィクション」の意味と、「ラグナ」物語の最終章、そのあたりについて教えてください。

森氏えー、どこまで話していいかが難しいのですが。サブタイトルは、今回「神の観る夢」と書いて「セントラルフィクション」というふうにいっている。このへん(背筋)がゾワゾワするタイトルにしましたが……まぁ(ここで説明するよりは実際のゲームで)ストーリーモードをやってもらったほうがいい! っていう感じですね。ストーリーモードをやっていただくとわかるのですが、あるキャラがズバリ! ネタばらしをずーっと話すシーンがある。どのキャラとはいいませんが、できればそのキャラクターのストーリーモードを見ていただけると非常に嬉しいな、と思っております。

――物語的には、前作のアーケードモードよりも先?

森氏ああ、もう全然先です。こうやって興味を持っていただけるのは僕らとしても嬉しいですし、そういう形でもゲームセンターに遊びにきてくれるお客様を増やせればいいなと思って作っていますので、皆様そういうところにもご期待いただけると嬉しいな、と思います。

――新システム「エクシードアクセル」と「アクティブフロウ」導入の意図を教えてください。

石川氏「エクシードアクセル」はオーバードライブ中に使える超必殺技という形。オーバードライブは、今までのシリーズだと使いこなそうとするとコンボを覚えなきゃいけないなど、メリットを得るための敷居が若干高かった。そのへんの緩和のために、全ボタン押しで出せる超必殺技を実装してみました。「アクティブフロウ」は、「ネガティブペナルティ」に対し“攻めたほうがメリットがあるという形。このほうがユーザーさんも楽しめるのではないか、ということで実装しました。

――「ネガティブペナルティ」中でも「アクティブフロウ」が発動する?

石川氏今後の調整次第でもあるんですけど、今のところ同時に発動はしないようになっています。

――今回の体験会で、ユーザーさんに注目して欲しいポイントがあったら教えてください。

森氏(声を大にして)「エクシードアクセル」ですね! 「セントラルフィクション」全体が尖ったキャラクター調整になっていると思うので、特に攻撃的なところは触っていただきたい。あとは新キャラクターのナオトとヒビキをいじっていただければ嬉しいなっていうのと、既存キャラクターも色々いじっているものも多いので、そちらのほうも是非注目していただければと思います。

――あまり複雑化しない方向に進んでいるんでしょうか?

森氏そうですね……変な話かもしれませんが、メイン画面のUIがあるじゃないですか。白系にしたんですけど、あれにもちょっと意味があります。「ブレイブルー」って凄いゲージが多いじゃないですか。そこでゲージに色をいっぱい使っちゃうと、見づらいんですよ。できる限り、キャラ固有ゲージとかアイコンが見やすくなるよう、こっちはシンプルにしようという意味合いをこめて、ああいう形になっています。今回はUI自体をわかりやすくしたい意図もあって、オーバードライブも発動すると数字がでるようにしたんです。

――システムや技の調整も、これまであった技を別の技に替えたり、あまり数が多くなりすぎないようにされているのでしょうか?

森氏それはありますね。死に技が多くなっちゃうと、つまらないじゃないですか。結局それしか使わないっていうふうになっちゃう。

石川氏あとは新鮮さが必要。似たような内容の技を入れ替えという形で削除したり、そのぶん新しい技が追加されていたり、そのへんでバランスを取っています。

――新規ファンに向けてもシステムをいじられたと思いますが、そうした方々に対しての意見やお考えは?

森氏今いったとおり、できる限りわかりやすくするようにしましたし、元々新規の方が入りやすいように「スタイリッシュタイプ」モードも入れています。とりあえず触っていただいて……新規の人に関しては、難しいことをいいたくないんですよ! ガチャプレイでもいいから触っていただいて、それで楽しければそれでいいでしょう! って。そこから徐々に好きになってもらえればいいなとは思っています。

 新しく入られる方は「このキャラクターが好き」、「この声優さんが好き」、「『ぶるらじ』が面白かったから触ってみよう」とか、色々なキッカケはあると思うんですよ。とりあえず触って楽しんでもらい、そこから……これはどこでもいっているんですけど、やっぱり対戦格闘ゲームなので“人と遊ぶ”のが楽しいんですよ。ゲームは“人と遊ぶのが楽しいもの”だって僕は思っているので、そこでユーザー同士のコミュニティを広めてもらえれば嬉しいなと思っています。

――先日、杉田(智和。ラグナ役)さんもおっしゃられていましたが、対戦格闘ゲームの今後、こういったところにシフトしていく、こういう路線を進んでいくとか、そういったお考えは?

森氏今いったとおり、対戦格闘ゲームは“人がいてはじめて成り立つもの”だと僕は思っているんですよ。CPUと戦っても、あまり面白くないと思うんですよ。大会という競い合う場所があったり、人がいてはじめて成り立つゲーム。そういう形で広めていければいいな、と。「アークレボ」しかり、「ぶるらじ」しかり、色々な形でユーザーとコミュニケーションをとっていければと思っています。ただ、ずっと同じことをやっていると飽きちゃうんで……うちの社長、とにかく飽きっぽいので(笑)そこに新しい要素を入れてみたりとか、色々しながら進んでいこうかな、と思っています。

――今回、新キャラクターとしてナオトとヒビキがいますが、他に追加キャラクターは?

森氏あるんですか?

石川氏どうでしょうね?

森氏PVの1番最後を見りゃわかるでしょう! っていう(笑)。数字に関係するキャラクターが、どう考えてもいるだろって。まぁ、そのへんはご期待ください。

――ナオト参入の理由を教えてください。

森氏それは、なんていえばいいんですかねぇ……今ここじゃいえないものが多少ありますんで……あと数カ月もすれば「あぁ、そういう意図で入れたのね!」っていうのが、たぶんわかっていただけると思っています。

――重要なキャラクターであることは間違いない?

森氏それは間違いないです。

――ヒビキは「クロノファンタズマ」の時点でプレイアブル化を決めていたのですか?

森氏ああ、もう決めて入れました。今までと同じで、NPCで出てきたキャラクターが……人気とかっていったら変かもしれませんが、様子や雰囲気をつかんでもらってプレイアブル参入するほうが盛り上がるかな? というふうに僕は思っています。

――将来的にアーケードのオンライン対戦は考えていますか?

石川氏可能ならやりたいと思っています。人がいてこその対戦格闘ゲームなので、オンラインならその場にいなくても対戦できる。

森氏店舗間対戦は、インフラがちゃんとすればね……ぜひやりたいですよね。

石川氏研究はしています。

――最後に、ロケテストに参加予定の方々にメッセージをお願いします。

石川氏ロケテストは今日だけではなく明日、明後日も開催するのですが、ぜひ新キャラ、変わったキャラ、色々触っていただいて……前作から結構変わっているので、そのへんをぜひ体感していただきたいなと思います。

森氏僕は毎回いっているとおり、「対戦格闘ゲームを楽しんでください」と。これもお祭りのひとつだと思うので、こういうところで人と出会って仲良くなって、大会に出ることもあると思うんですよ。だから、そういう場のひとつと思って楽しんでいただければ嬉しいな、と思います。「ブレイブルー」というツールを通して、色々な人とコミュニケーションをとっていただければと思います。

――本日はお忙しいところをありがとうございました。

■ プレス先行体験 ~間口が広く奥深い快作!~

 今回、一般入場前にプレス先行体験の場が設けられた。実は筆者「ブレイブルー」シリーズに触るのは久しぶりで「マトモに動かせるかなぁ……」と気が重かったのだが、スティックを握りキャラクターを動かし始めると、そんな杞憂も一瞬で吹き飛んでしまった。

 同社が長年磨き上げてきた、対戦格闘ゲームの“手触り”。森プロデューサーの「とにかく触ってみて!」という主張の根拠が、耳目と両手からビシビシ伝わってくる。キャラクターの造詣は個人の嗜好もあるのでなんともいえないが、ゲームとしての“手触りのよさ”を否定できる人はほぼいないだろう。「対戦格闘って何?」という人は、スタイリッシュタイプを選択すればボタン連打とオートガードでそれなりに、慣れてきたらテクニカルタイプでストイックに楽しめる。このあたりは「ブレイブルー」シリーズらしい懐の深さといえる。

 新システムのエクシードアクセルは、石川ディレクターも言及しているとおり、オーバードライブ中にボタン全部同時押しというシンプルさもあって、久々にプレイした筆者でも使える実に嬉しい仕様。現時点ではどのキャラクターもだいたい単発で2,000ダメージ以上が出るようで、アクティブフロウ中だと倍の4,000ダメージを叩き出すなど、これまた森プロデューサーがいう“尖った”仕様が際立つ。

 もうひとつの新システム「アクティブフロウ」については、個人的に「近接が得意なキャラクターに若干利するのかな?」とも思えたが、発動条件が「戦況が優勢な時」となっているため、このあたりは必ずしも攻め立てるキャラが有利とは限らない模様。メインプログラマー氏に「やっぱりがんガードしているとダメですかね?」と質問したところ「ガードも対戦格闘ゲームにおける攻防のひとつですから」とのことで、このあたり実に悩ましい。ロケテストに来られる方は、このあたりもぜひチェックしていただければと思う。

新キャラクターのナオト=クロガネ。対空技インフェルノクルセイダーや連続入力のバニシングファングなど正統派の主人公スタイルといった印象
こちらはもうひとりの新キャラクター、ヒビキ=コハク。森プロデューサーの目論見どおり(?)プレイアブル化でファンも大歓喜

プレス先行体験は1時間弱。文字どおりアッという間に過ぎてしまい「ああもう早く製品版が出ないかな!」状態

ロケテスト版の勝利メッセージ。恐らく全キャラクターに用意されていると思われ、実に芸が細かい

開場前の秋葉原「Hey」5Fスペース。数分後には人、人、人で凄いことに……。

さぁ開場!……と思いきや扉を開けて入ってきたのはアークシステムワークスの社長さん。思わず笑ってしまう森プロデューサーと石川ディレクター

用意された整理券は開場11時の時点で約400枚がはけてしまい、1時間弱で底をつく盛況ぶり! ファンの期待値の高さがうかがえる

物販も大盛況。個人的に欲しいものもありましたがお仕事できていたのでグッとこらえました(涙)
体験した人に配布されていたネシカ用シール。実に美麗で貼らずに額縁にでも入れておきたくなる

(豊臣和孝)