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ゲーマーからプロレーサーへ! GTアカデミー“JAPAN FAINAL”開催

頂上決戦、その結果は?

7月11日 開催

会場:六本木「ニコファーレ」

これまで全世界で開催されてきたが、なぜか日本では開催されてこなかった「GTアカデミー」。ついにチャンスの順番が回ってきた

 日産自動車とソニー・コンピュータエンタテインメント、ポリフォニー・デジタルはプレイステーション 3用「グランツーリスモ6」を使用した大会「GTアカデミー by 日産×プレイステーション 2015」の最後を飾る「JAPAN FAINAL」を六本木ニコファーレで7月11日に開催した。

 「GTアカデミー by 日産×プレイステーション 2015」は、精度の高いシミュレーションを実現したPS3用「グランツーリスモ6」を使用し最速タイムを出したプレーヤーをプロレーサーに育て上げる企画で、国際レースを走るために必要な訓練とライセンスを取得するチャンスが与えられる。

 2008年にSony Computer Entertainment Europ、ポリフォニー・デジタル、欧州日産自動車によってスタートした企画で、すでにルーカス・オルドネス(Lucas Ordonez)選手をはじめとした「GTアカデミー」が輩出した選手が数々のレースで結果を残している。

 これまでにも日本での開催を各方面から熱望する声がレース関係者などからも起こっていたが実現できずにいた。今回用意されたキャッチコピーは「ゲーム大国を、レース大国に。」。ついに日本のプレーヤーにもチャンスが回ってきたと言える。

 今回日本で初めての開催となり、4月21日からオンライン、オフラインで予選が行なわれていた。のべ6万人以上、3カ月にも及ぶ予選期間を経て、この都度、上位記録を残した選手が7月11日に実車走行テスト、体力測定、メディアテストを経て12日に開催された最終ゲームスキルテストへと20名が駒を進めた。この日の結果で6名が選出され、イギリスのSilverStoneサーキットにおいて実施されるレースキャンプに挑むことになる。

エレキコミックの今立 進さんが司会で大会を大いに盛り上げた
実況を行なった木幡ケンヂ氏。最後に「富士スピードウェイで実況をしているようだった」と選手に賛辞を贈った
柳田真孝選手もレースの解説を行なった。レースの見所やポイントをわかりやすく解説した
オフィシャルレースクイーンの石川恋さん。前日から選手達を間近で見ていたが、「最後のレースでは表情が違っていてすごかった」と感想を述べた

「JAPAN FAINAL」のスケジュールなど。延べ6万人が参加し、そのファイナリスト20人ということで名実ともにトップ中のトップとなる

 11日に行なわれた体力測定(フィジカルテスト)、では、サージェントジャンプ(垂直跳び)、プランク(既定の姿勢を指定の時間キープする)、プレスアップ(腕立て伏せ)、ブリープテスト(既定のコースを時間内に反復運動する)などをチェック。これらの結果がポイント化され、これをベースに20名の選手は、12日にゲームスキルテストに参加した。

 ゲームスキルテストは選手の得意とする「グランツーリスモ6」でどれだけ速く走れるかとなる。11日に行なわれたテストの結果、4人ずつ5つのグループに分けられGTオリジナルコース「ケープリンク」内周コースを5周走りラップタイムを競う。使用車種は「フェアレディ(Z34)'08」でタイヤはスポーツ・ハード。上位4人が日本代表に決定し、5位から12位までの8人の選手が「ROUND2」、「ROUND3」で残り2人の日本代表選手枠をレース形式で争うこととなる。

 「ROUND1」のラップタイムの結果は、最速が3番目に走ったグループCのタカノ選手が0'58.193でトップ。後からラップに挑戦する方が有利かと思いきや、ゲストの柳田選手によれば「後から走ると、他の選手の走りやラップタイムなどに左右されて、自分の走りができないことがある」といい、心理的な面での揺れから一概に有利ではないという。実際今回のテストでも、1番最初に走ったグループAの選手のタイムが基準となり、後半の選手はそれに近づけなければいけないという思いから、ブレーキングの踏み込みの甘さからコーナーを攻めきれなかったり、逆に焦りからかコーナーの攻め込み過ぎから立ち直れずストレートでスピードに乗れないといったことが発生し、タイムが伸び悩んだ面もあった。

 タイムアタックというストイックな戦いの結果、11日のフィジカルテストの結果がダントツに良かったイ ジョンウ選手が逃げ切りでトップを死守。以下ハタケヤマ コウヘイ選手、タカハシ ユウ選手、タカハシ タクヤ選手が上位ポイント獲得者として日本代表選手に決定した。

コチベ選手、ヨシダ選手、シラカワ選手、オカモト選手
イノウエ選手、ニシムラ選手、ヨコヤマ選手、ワタナベ選手
ウメザワ選手、カワヒト選手、タカノ選手、オオイシ選手
タカハシ(タ)選手、イワサキ選手、ノザキ選手、キクチ選手
イ選手、イトウ選手、ハタケヤマ選手、タカハシ(ユ)選手

「ROUND1」のタイム。12位までが58秒内という接戦となった。イ選手はタイムは17位と振るわなかったが、「前日1位を取って守りに入り、ブレーキングが速くなった」とレースの難しさについて振り返っていた

 「ROUND2」では2グループに分けられ、富士スピードウェイを舞台に「GT-R GT500 ベースモデル'08」を使用してレースが行なわれた。上位2名が「ROUND3」に進み、残り2枠の日本代表に挑むことになった。

 ここからは「ROUND1」のタイムトライアルと違い勝負強さを競うことになり、違った走りが求められる。実際、レースは抜きつ抜かれつの展開となり、大会は異様な盛り上がりを見せた。富士スピードウェイはストレートからはじめのヘアピンに入るところで誰がトップを取るかが見所の1つだが、ポールポジションを取れば有利にもかかわらず、ここで気の迷いが生じるからかトップを奪われるケースが続出。その後、強引にトップを奪い返しに行くも攻めきれず下位に沈むケースも見られた。

 また、ラストのカーブで無理をせず態勢を整えてストレートに突入。目の前を走る車の真後ろに付けて、スリップストリームで一気に抜き去る手法を確実に決めることでトップを奪う戦術も見られたが、ROUND3では周回数をキチンと計算したうえでトップを奪い逃げ去るというレース巧者のイワサキ コウジロウ選手が勝利を飾った。

 今回日本代表選手が6人決定したが、前述の通り世界から集まった猛者達による「地獄のSilverStoneサーキット」でのキャンプが待っている。以前、ルーカス・オルドネス選手にインタビューを行なったとき、ゲームとの違いを聞くと「体力」を上げていた。実際にコースを走るとわかるが、想像を絶する「G」で、2周するだけで汗だくになってしまう。そんな過酷な中で瞬間的な判断力を長時間維持しなければならないのだから、モータースポーツはハードなスポーツなのだ。

 ゲストの柳田選手は試合前は「チームメイトになるかもしれないから、今のうちに潰しておこうかな」とおどけて見せていたが、最後には「非常にクリーンな試合で、本物のレースを見ているようだった。とても興奮しました。この本気度をイギリスに持って行って、ぜひ真のレーサーになってください」とエールを送った。

 「ゲーム大国を、レース大国に。」。ぜひとも日本代表選手陣の今後に期待したい。

【「GTアカデミー by 日産×プレイステーション 2015」結果】

順位 選手名
1位 イ ジョンウ選手
2位 ハタケヤマ コウヘイ選手
3位 タカハシ ユウ選手
4位 タカハシ タクヤ選手
5位 イワサキ コウジロウ選手(「ROUND2/3」により選出)
6位 ノザキ ユウヤ選手(「ROUND2/3」により選出)

ROUND2/3は、富士スピードウェイを舞台に「GT-R GT500 ベースモデル'08」を使用してレースが行なわれた。「ROUND2」は3周、「ROUND3」は5周。白熱した戦いで、最後のコーナーまで結果がわからない熱戦となった
レースではスター選手が登場するが、今回の注目選手の1人だったイノウエ ショウタロウ選手。「ROUND2」では他の選手のミスを見逃さず、コーナーの要所で華麗に抜き去る姿が見られた。実は「ROUND3」で戦うことになったノザキ選手とは友人で、いつも「グランツーリスモ」を一緒にプレイする中というドラマチックな展開に! 最後は残念ながらいま一歩及ばなかったが、クリーンな戦いを称え合った
「ゲーム大国を、レース大国に。」ぜひとも真のレーサーとして世界に羽ばたいていただきたい

(船津稔)