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「HITMAN」、ファッションショーに潜む1人の影……その“自由度”に驚嘆

これまで以上に広いフィールドで、様々な暗殺が可能

会期:6月16日~6月18日(現地時間)

会場:LA Convention Centre

 スクウェア・エニックスが北米で12月8日に発売を予定している。「HITMAN」は、前作の「ヒットマンアブソリューション」より前の若き日のエージェント47を描く作品だ。日本での配信/発売は現時点では未定。

【HITMAN - World Exclusive Gameplay Trailer】
IO InteractiveのGame Directorを務めるChristian Elverdam氏
若き日の47が描かれる
ファッションショーが暗殺の舞台だ
47が若いことでスタイリッシュな魅力が増している

 今回はトレーラームービーとゲームの解説という形で出展されていたが、クローズドブースで開発元IO InteractiveのGame Directorを務めるChristian Elverdam氏によるデモプレイを見ることができた。

 今作の「HITMAN」は世界中を舞台に暗殺を行なっていく。フィールドはオープンワールドとなっており、47はその中を動き回り様々なアプローチが可能となっている。事故に見せかけた方法から直接手を下す方法まで、暗殺の仕方は多彩で、プレーヤーは時間の流れや警備員の配置、様々なイベントを活用して任務を遂行していくこととなる。

 今回見ることが出来たのはパリのファッションショーの会場となる場所だ。今回はデバッグモードを使用し、自由に建物内を移動できた。今作でのマップはシリーズ最大であり広大な世界が用意されている。チェックポイントシステムはなく、プレーヤーは自由に進行をセーブすることができる。

 47が会場のゲートをくぐることで時間が動き出す。ゲーム内では時間が刻々と経過し、NPCはそれぞれの目的を持って行動している。入り口付近ではアナウンサーがカメラに向かってファッションショーが始まることをアナウンスしている。ファッションショーの観客は会場の入場を待ちパーティをしている。モデル達は化粧や衣装の準備をしており、その横では今回のターゲットの主催者・ビクターがデザイナーと口論している。警備員は周囲を見張り、スタッフは最終準備に大慌てだ。

 彼らの“会話”に耳を澄ますことで今後の活動も予想できる。レポーターはターゲットにインタビューをする予定で、それを頭に入れておけば暗殺場所のひとつのヒントとなるだろう。暗殺をどうするか、プレーヤーには様々な選択肢が用意されている。今回見ることが出来たのは1つのマップだけだが、その圧倒的な広さ、NPCの多さ、そして仕掛けの多さに驚かされた。すさまじい情報量が込められており、それを“暗殺”にどう活かすのか想像するだけでも期待が膨らんだ。

 仕掛けは非常に多い。屋外のヒーターは穴を開けてガス漏れを起こせば、タバコの火などが引火し爆発させられる。テラスにくくりつけられたスピーカーはネジを緩ませれば落下させられる、巨大なシャンデリアも落下させることが可能だ。バーテンダーに変装して毒入りカクテルを飲ませることも出来るし、ファッションショーの装飾に仕掛けを施せば、ショーのど真ん中で暗殺することも可能だ。スタッフが運んでいる箱の中に武器を潜ませれば、警備の者に気づかれずに武器を運び込ませることもできるのだ。

 会場の外にはヘリコプターとボートがある。鍵を持っていれば逃走に使える。誰が鍵を管理しているかを探すのも楽しいだろう。地下道を見つけることが出来れば絶好の狙撃ポイントである足場まで行くことができる。また周囲の川には花火を仕掛けた船が浮かんでいる。ショーの最後に使われるものだが、コントローラを入手でき、花火を上げれば、多くの人の注意を引けるだろう。

 実はこのマップではもう1人ターゲットがいる。ファッションショーとは離れた場所で闇オークションを開催しているナディアという女性だ。彼女こそが真の黒幕であり、ビクターを操っている人物だ。自信家で大人物を装うビクターだが、彼女から電話がかかってくるととたんにビビりまくるという。ビクターは動き回るため暗殺の機会が多いが、ナディアは常に警備に囲まれており、暗殺は困難を極める。全く違うターゲットを用意することで、暗殺のアプローチの多彩さも演出しているとのことだ。

 このほかプレーヤー自身が暗殺ターゲットを指定し、世界中のプレーヤーに挑戦できる「コンストラクトモード」のパワーアップも明らかになった。前作では40人の暗殺の指定が可能だったが、今作では300人以上の指定が可能になっている。このほかの要素はまだ明かせないとのことだ。

 今回のマップの話を聞いているだけでも複雑な要素が盛り込まれているのがわかる。Elverdam氏はマップの制作について「次世代機によって今までやれなかったことが出来るようになりましたが、デザイナーの作業量も大きく増加しました。できるからこそ大変になっています、その作り込みを見て欲しい」と語った。

(勝田哲也)