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Xbox One、速さにこだわった新UI「New Xbox One Experience」を初披露

Windows 8ライクなタイルUIから脱却。Xbox Oneにも「コルタナ」を搭載!

今秋実装予定

 E3 2015では、Xbox 360の後方互換性のサポートや、Windows 10デバイス「Hololends」の話題で持ちきりのMicrosoftだが、Xbox Oneに新たに導入される新しいUIも披露された。その内容は、7月29日にグローバルリリースされるWindows 10の導入を踏まえたもので、Xbox 360の時代から継続して採用されてきた、Windows 8ライクなタイルベースのUIを刷新し、まったく新しいUI、UXと共に新たな機能を搭載するというもので、Xbox Oneユーザーにとっては非常にエキサイティングなニュースだ。実装時期は今秋を予定し、日本でも実装予定。本稿ではその概要をまとめてみたい。

新しいホーム画面。スッキリした画面となった
コミュニティ画面はアクティビティフィードの表示がメインとなる
コミュニティではXbox Live上のトレンドもわかるように

 「New Xbox One Experience」は、Xbox 360にも同様の名称で実装されたUIの刷新アップデート。Xbox Oneでは、Windows 8を強く意識したタイルベースのUIが採用されてきたが、OSの世代がWindows 8.1からWindows 10に代わるのに合わせ、Xbox OneのUI(シェル)も刷新する。

 新しいUIでは、ホーム、コミュニティ、ストアの3つの項目に変化はないものの、その見せ方が劇的に変化している。タイルはなくなり、下へのスクロールのみとなる。その新UIでもっともこだわった点はスピードだという。見た瞬間にハッキリ違いがわかるほどキビキビと動作する。このスピードへのこだわりはホーム画面のみならず、ホームからゲームへ、ゲームからホームへといった切り替えにも適用されており、Xbox One特有のもっさり感がなくなっている。

 新しいホーム画面でもっとも最初に表示されるのは、最近プレイしたゲームで、ゲームタイトルの表示と並んで、今それを遊んでいるフレンドのアイコンやゲームクリップ、アーチブメント、メーカーからのメッセージ、DLCの購入案内などが、少し小さなフォントで表示され、それらの機能にダイレクトにアクセスすることができる。

 現行のUIは、ピンを使うことでお気に入りのゲームやアプリを見やすい位置に表示させることに重きが置かれ、逆にピンを設定していないと、ゲームやアプリのたどり着くまでに時間が掛かるという弱点がある。新UIでは、ピンは引き続き存在するものの、優先順位は下がり、表示は最近プレイしたゲームを優先し、ピン指定したゲームは、優先表示されたゲームの下にまとめて表示されるように変更されている。

 このUIデザインは、PS4の影響が感じられるが、デザイン的にもっとも近いのは、Windows 10というよりはXbox Appだ。Xbox Appは黒とグレーをベースに、シンプルかつ直感的なデザインを採用しているが、そのデザインがWindows 10デバイスのみならず、Xbox Oneにも逆輸入的に適用されるわけだ。

 コミュニティ画面は、こちらもXbox App同様、アクティビティフィードが大きく表示されるようになり、フレンドがずらりと並ぶ従来の面影はない。メーカーが発信したプロモーション映像や、フレンドが公開したスクリーンショットや動画などがSNSサイトのような感じで表示される。画面右側はXbox Live上のトレンドがリアルタイムでわかるようになっており、コミュニティで人気のタイトル、遊んでいるユーザーの多いタイトル、人気のコミュニティリーダー、人気の動画までわかる。ゲームに遊び飽きたら、ここを参照すれば、いつでも今のXbox Live上のトレンドがわかるというわけだ。

 ちなみにフレンドリストをはじめとしたフレンド関連機能は、クイックメニューとして画面左に収納されており、Xboxボタンひとつで呼び出すことができる。ゲーム中でもXboxボタンダブルタップですぐに呼び出せる

表示スタイルはオンラインフレンドが優先され、その下にオフラインフレンドが並ぶ。フレンドリスト、通知、メッセージ、セッティングと切り替えが可能で、このセッティングから電源も落とせる。デモでは、「Fable Legends」で新UIのクイックメニューを呼び出し、フレンドを誘っているシーンを確認できるが、とにかくクイックで使いやすい。新UIにより、特にマルチプレイタイトルの遊び勝手が大きく向上すると感じられた。

 そして新UIでなんといっても注目されるのがWindows 10に標準搭載されるパーソナルデジタルアシスタント「コルタナ」が新UIと共にXbox Oneにも搭載されるところだ。

 デモでは、「Forza Horizon 2」でドライブしながら、コルタナを呼び出し(Hey Cortana)、フレンドのアマンダがオンラインにいるかを聞くと(Is Amanda Online?)、コルタナが即座にオンラインにいることをテキストとボイスで教えてくれる(Looks like Amanda is Online)。この際のテキストは左上にゲームの邪魔にならないサイズで黒の背景で表示される。

 次のステップではAmandaをパーティーに誘っていた。音声コマンドのみで完結し、レースゲームをプレイしている時など、まったく手を離せない環境でもフレンドをパーティーに誘えるのは非常にインテリジェントだ。「Fable Legends」では、テキストメッセージ付きで、ゲーム動画をシェアして欲しいと依頼し、即座に実行していた。またしても音声コマンドのみであり、かつゲームプレイ中にも関わらず、ゲームプレイをまったく止めずにそれを行なっている。まさしくパーソナルデジタルアシスタントといっていい内容だ。

 新UIは、残念ながらWindows 10の発売と同時とはいかず、発売より数カ月後の今秋が予定されている。Xbox Oneの可能性を底上げしてくれるコルタナの実装も楽しみだが、単純に動作が速くなるのも嬉しいところ。楽しみに実装を待ちたいところだ。

【新クイックメニュー】

【コルタナとのやりとり】
「Fable Legends」でのコルタナとのやりとり。このスクリーンショットでのやりとりでは、なんと次のクエストについて聞いている

(中村聖司)