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【必見! エンタメ特報】映画「マッドマックス 怒りのデス・ロード」

砂嵐! トゲトゲ! 大爆発! 本家近未来バイオレンス映画が大暴れで到来!

6月20日 公開予定

「Fallout 4」発表トレーラーより。相棒の犬(オーストラリアンキャトルドッグ)の登場は「マッドマックス2」と共通している
こちらは「ボーダーランズ2」。アホっぽいポージングからもわかるとおり、独自の味付けで確固たる世界を築いている
一方、映画「マッドマックス 怒りのデス・ロード」はこんな感じです

 「Fallout」シリーズや「RAGE」、「ボーダーランズ」シリーズなどに大きな影響を与えた作品といえば、映画「マッドマックス」シリーズだ。

 「マッドマックス」は不死身の元警官マックスを主人公とするアクション映画シリーズで、第1作「マッドマックス」では暴走族に妻と子供を殺された男の復讐を描く現代劇、第2作「マッドマックス2」と第3作「マッドマックス/サンダードーム」では戦争後の荒廃した未来世界が舞台となっていた。

 中でも特に影響を与えているのは雰囲気をガラリと変えた第2作「マッドマックス2」。砂埃の舞う荒廃世界、「ヒャッハー!」と叫んでいる狂気の略奪者、変な形の車やバイクが大量かつ猛スピードでチェイスする様子など、その強烈なイメージは様々なフォロワー作品を生んでおり、日本では「北斗の拳」がその代表だ。

 「Fallout 3」は核戦争後という設定と、目の前に広がる荒廃世界で犬を連れて歩くイメージ(犬種はオーストラリアンキャトルドッグ)がベース。「マッドマックス」よりも核の影響が色濃い世界を探検する名作で、先日発表された「Fallout 4」でもこのイメージが引き続く。こちらも大いに楽しみなのだが、トレーラーを見る限り「Fallout 4」でもオーストラリアンキャトルドッグがやはり主人公の相棒となっているようで、「マッドマックス2」へのオマージュが捧げられ続けている。

 一方の「ボーダーランズ」シリーズは「ヒャッハー!」方面にアクセル全開しており、狂いも狂ったりの無法者たちの表現は「マッドマックス」と共通する。作品自体はバイオレンスに満ちながらもコミカルで、笑い声を上げながらプレイするような本作に比べれば、「Fallout 3」は「マッドマックス」派生作品の中でも超真面目な部類だ。

 さて、そんな「マッドマックス」であるが、実に30年ぶりに新作映画「マッドマックス 怒りのデス・ロード」が公開される。監督はジョージ・ミラーが再び務め上げているのだが、今更感は微塵もなく、むしろ爆発・チェイス大増量の傑作だった! 上映時間は2時間だが、チェイス、爆発、チェイス、爆発の連続で、息つく暇がほとんどない。これが本家「マッドマックス」だ! と言わんばかりの熱量でやってくる本作を今回はご紹介したい。

 なおプレイステーション 4/Xbox One向けのゲーム版「マッドマックス」が開発中であり、こちらの発売日が10月1日だとアナウンスされている。「マッドマックス」ファンのGAME Watch読者は、ぜひこちらもチェックしていただきたい。

【映画「マッドマックス 怒りのデス・ロード」予告編】

突き抜けてオリジナルの車体、キャラクターを見逃すな!

主人公のマックス・ロカタンスキー。本作ではほとんど喋らない

 舞台は石油も水も尽きかけた砂漠の広がる世界。孤独な放浪を続けるマックス(トム・ハーディ)は、資源を独占し帝国を築き上げているイモータン・ジョー(ヒュー・キース・バーン)の軍団「ウォーボーイズ」に捕えらえる。

 時を同じくして、軍団大隊長のフェリオサ(シャーリーズ・セロン)は反逆を企てていた。フェリオサは水と石油を載せた巨大トラック、そしてイモータン・ジョーの子作りのための女奴隷「ワイブズ」たちを奪って逃走を図る。

 マックスは「ウォーボーイズ」の輸血袋として追撃軍に駆り出されると、命からがら脱出。その後マックスはフェリオサと対峙することとなり、マックスとフェリオサはお互いを警戒しつつも共闘戦線を張る。そこから、マックス&フェリオサとイモータン・ジョーの決死の大チェイスが始まるのだった……。

“輸血袋”として載せられるマックス。拷問以上のひどい扱い
マックスと共闘することとなるフェリオサ(左)
フェリオサに奪われた巨大トラックとワイブズたち。安住のユートピアを求めてイモータン・ジョーの下から脱出を図る
悪の帝王イモータン・ジョー。貴重な資源と妻たちを奪われ、怒りの追撃を繰り広げる
強烈な個性で彩られたイモータン・ジョー軍団の面々

笑ってしまうくらい不思議な魔改造マシンが満載!

 本作の見どころは、なんといっても走りっぱなしの車上で展開されるアクションだ。冒頭数秒で突如として勃発するチェイスにはじまり(マックスのトレードマーク、インターセプターが即効でひっくり返る!)、その後は巨大トラックとそれを追う悪の帝王・イモータン・ジョーの軍団との追いかけっこが切れ目なしに繰り返される。

 ステアリングを崇拝し、イモータン・ジョーのために死ぬことが名誉だと刷り込まれているウォーボーイズたちにとっては、チェイスこそ生きている証だ。チェイス中のウォーボーイズたちははっきり言って「アゲアゲ」で、見ているこちらも激しい高揚感に浸りながら行方を見守ることとなる。

 劇中には変な改造車が満載で、トゲトゲに武装していたり、車体の下部が戦車のキャタピラーになっていたり、タンカートレーラーのヘッド部分がベンツになっていたり、突き抜けたオリジナルぶりに目が離せない。中でも笑ってしまったのは音楽鼓舞トラックで、後ろには大太鼓を叩く部隊がおり、前には巨大アンプがあって、その前でギタリストがヘヴィメタルを大音量で演奏している。「なんだこいつ!」と圧倒されていると、ギターの先から炎が「ぶわー!」と噴出されるダメ押し。こんな世界で誰が狂わずにいられるだろうか?

 何がすごいって、本作は全編そんな感じということ。途中で休憩するようにしんみりしたシーンも入るが、あとは大チェイス大会で、砂嵐に突っ込んでいったり(人が飛ぶ!)、車体同士をぶつけあったり(撃ち合いもある!)、車上で殴り合いする大立ち回りがあったり(何度も!)、爆弾槍で車をどんどん爆破させていったり(ドカーン!)、めまぐるしいスピードで常に走り続けている。むさっくるしい男どもだけでなく、フェリオサやワイブズをはじめとした女性、さらには女性だけで組織されたバイク乗り集団の活躍も見逃せない。

ちゅどーん!
バゴーン!

 シリーズ最新作にして第4作目に数えられる「怒りのデス・ロード」では、主人公マックスがメル・ギブソンからトム・ハーディに交代し、ビジュアル面で刷新がはかられている。そこに頭部は坊主頭で真っ黒、さらに片腕という戦士フェリオサが加わることで、若々しくも濃厚なアクション作品に仕上がった。

 無駄なセリフはほとんどなく、映画の中で何が起きているのかもほとんど説明されない。ただそこにあるのは、広がる赤土の荒野、爆発、車、そして1度見たら忘れられない強烈なキャラクターたちだけだ。まともな奴が1人もいない狂気世界で繰り広げられるアクションは、まさに「MAD MAX」。近未来バイオレンス映画の原点にして最強の「マッドマックス」最新作、この作品は必見だ!

(安田俊亮)