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「ドラゴンクエストヒーローズ」ステージイベントに堀井雄二氏が登場!
「ドラクエ」初の中文版も発売決定。世界初公開「キングレオ」戦のデモを公開
(2015/1/31 18:59)
Taipei Game Showもいよいよ週末に突入。1月31日は朝から通路を来場者が埋め尽くし、例年通りの人気振りを見せた。SCETブースでは、今回のメインイベントのひとつとして位置づけられる「ドラゴンクエストヒーローズ 闇竜と世界樹の城」のステージイベントが実施され、伝説的クリエイターである堀井雄二氏を一目見ようと多くの来場者が集まった。イベントでは台湾向けの発表に加えて、世界初となるボスバトル「キングレオ」の実機デモも行なわれたのでお伝えしたい。
「ドラゴンクエストヒーローズ 闇竜と世界樹の城」のステージイベントには、スクウェア・エニックスからチーフプロデューサーの市村龍太郎氏、コーエーテクモゲームスから開発プロデューサーの小笠原賢一氏、そして「ドラゴンクエスト」シリーズの生みの親である堀井雄二氏の3人が登壇。日本でもなかなか観ることができない贅沢なゲストとなった。
堀井氏はホイミスライムのキャラクター「ホミロン」のぬいぐるみを手に現われた。一際大きな拍手に笑顔で応えながら、「大家好(タージャーハオ、皆さんこんにちは)!」と中国語を話し、「こんなに集まってくれて嬉しいです。今日はマスコットのホミロンも来てくれました。楽しくやりましょう」と日本語で挨拶した。
「ドラゴンクエスト」シリーズは、台湾ではプレイステーション2の「ドラゴンクエストVIII」に続いて2度目の登場となる。すでに10年以上の時間が経過しており、堀井氏の登場にどれだけの反応があるのか、メディアの我々でも未知数なところがあったが、ふたを開けてみると、ステージ前は「ドラゴンクエスト」携帯やメタルスライムエディションのPS4を購入したという「ドラクエ」ファンでギッシリとなり、日本と変わらない高い人気振りを見せつけていた。
チーフプロデューサーの市村氏は、1986年の「ドラゴンクエスト」の起こりから丁寧に説明し、最新作の「ドラゴンクエストヒーローズ 闇竜と世界樹の城」は、コーエーテクモゲームスで「無双」シリーズの開発を手がけるω-Forceとタッグを組んでアクションRPGとして開発を進めていることを説明した。
そもそもの開発経緯について堀井氏は、コーエーテクモゲームス代表取締役社長のシブサワコウこと、襟川陽一氏と古くから交流があり、いつか一緒にゲームを作れたらいいなと話していたことがきっかけとなり、今回それが実現してこのゲームになったと説明。堀井氏は、「ドラクエには有名なキャラクターが登場するが、それらのキャラクターを使ったアクションゲームということで楽しいゲームになると期待している」とコメントした。
続いて「ドラゴンクエストヒーローズ 闇竜と世界樹の城」のゲーム概要が説明された。とりわけ時間を掛けて説明していたのがボイスについて。2人の主人公の男女を松坂桃李さんと桐谷美玲さんが務めることを紹介した後、主要キャラクターたちの担当声優を次々に紹介。台湾にも名の知られた有名声優が数多く起用され、その都度歓声が上がっていた。
概要紹介後、日本語版の発売日が日本の同日の2月26日と発表された。これはすでに会場で流されているトレーラーでも告知されており、比較的冷静に受け止められた。初回購入特典として「ドラクエIII」の勇者の衣装がついてくるほか、予約特典として登場キャラクター固有の武器などが付いてくることが発表された。SCETの特約店やSony Style、バハムート、Yahoo、PC Homeなどが対象で、どこで予約するかによって受け取れる特典が異なる。ちなみに、メタルスライムエディション購入者には特典は付かない代わりに、1日早い2月25日からダウンロードして遊ぶことができる。
発売情報の発表後、待望の実機デモがスタートした。街でプラチナソードを購入して装備を調え、ボスモンスター「キングレオ」との一戦がスタートした。実機デモは小笠原氏自身が操作を行ない、市村氏が解説を担当。「小笠原さん、順調にやられそうですね」とときおり突っ込みを交えながらも、「キングレオは非常に素早いモンスターで、ひっかいてきたり、氷の息を吐いてきたりする」と真面目に解説を加え、プレイと解説の両方を楽しみながらデモを鑑賞することができた。
バトルで印象的だったのはキャラクターチェンジだ。4人パーティーの自分以外の3人はAIが操作してくれる。主人公としてタンク的なポジションで敵を引きつけてもいいし、アリーナにチェンジし、アタッカーとしてモンスターの側面や背面から攻撃をたたき込んでもいい。ヒーラー好きならクリフトにチェンジしてスクルトで防御力を上げたり補助に回るなど、シングルプレイのゲームでありながら、MMORPGのようなロール(役割)がしっかりしたリアルタイムバトルが楽しめるのが大きな特徴となっている。
小笠原氏はアリーナに切り替え、ぶんしんけんからのばくれつけんを連発。キングレオのHPをガンガン削っていくが、近接攻撃のため、相手の反撃を受けやすく、乱戦の最中いきなり倒されてしまった。小笠原氏は落ち着いた手つきで、クリフトにキャラクターを切り替え、ザオリクで蘇生すると見せかけて、スロットにはスクルトとザキしか入ってなかったため、主人公にキャラクターを切り替え、薬を使ってアリーナを蘇生。クリフトにも見せ場を作るためか、得意の槍を使ったスキル攻撃でダメージを与えていった。
再び主人公にキャラクターを戻したところ、連続攻撃を食らってピンチに陥ってしまう。ここで小笠原氏は、ステージの端にあるツボを破壊し、テンションアップのアイテムを獲得。ハイテンションの無敵状態を利用して反撃をスタートした。高速移動しながら連続攻撃を繰り出し、トドメはハイテンション状態での必殺技「ギガブレイク」。カッコイイカットシーンに切り替わり、稲妻でパワーを増幅させた回転斬りでキングレオに大ダメージを与えることに成功した。
ひるんだキングレオに、さらにアリーナでぶんしんけんからのばくれつけんを繰り出し、70ヒットという驚異的なコンボをたたき込んだ。もうひとりの主人公メーアもハイテンション状態からの必殺技「ギガスラッシュ」を繰り出し、一気にHPを削っていく。最後は、アリーナの必殺技を見せるために、アリーナのテンションを上げるべく周囲の雑魚モンスターを叩いていたら、クリフトがとどめを刺してしまうという中途半端な終わり方でキングレオを撃破。市村氏が「一応言っておくと、最後は必殺技で倒すって言ってたんだよ」と逆フォローすると、小笠原氏は謝りながら、見せるだけは見せましょうと、宝箱を回収するロスタイムの時間を使ってアリーナの必殺技「閃光烈火拳」を披露してくれた。
デモ終了後、会場の来場者に向けて「日本語は読める?」と質問したところ、会場の反応はまちまちな感じ。市村氏は、「ムービー部分だけでも2時間半のボリュームがあって、もっとより深く楽しんで貰いたい」と切り出し、まさかの中文版を正式発表した。ボイスは日本語、テキストのみ中文繁体字にローカライズし、2015年夏発売予定。
続いて堀井氏は「台湾にも人気のタレントからビデオメッセージを持ってきた」と切り出し、アリーナのボイスを担当する中川翔子さんからのビデオメッセージが公開された。
中川さんは、アジア版の発売を我が事のように喜びつつ、「ドラゴンクエストヒーローズ」の紹介というよりむしろ、いかに自分が「ドラクエ」を好きで、「ドラゴンクエストヒーローズ」を遊び込むかについて力説。最後に「また台湾に行きたいです」と台湾のファンにアピールしていた。堀井氏によれば、中川さんは、アリーナが一番好きなキャラクターで、自分が声を当てることを知らされた時、泣いて喜んでくれたそうだ。
堀井氏は最後に、「台湾は2回目ですが、もっともっと台湾が好きになった。またローカライズ版発売の時に台湾に来たいです」と今夏の発売に合わせて再び台湾を訪れることを約束。「ドラゴンクエストヒーローズ」中文版は、SCETにとって今年最大級のキラータイトルとなりそうだ。
今回の中文版発表は、我々メディアにとっても驚きだった。サードパーティーの大型タイトルは、まずは日本語版のみ、次いで中文小冊子等での補助的な対応、最後に中文ローカライズと段階を踏むことが通例なのに、その手順をすべてすっ飛ばしていきなり中文化が決定したからだ。これは堀井雄二氏のアジア市場への熱意の高さと、SCETとスクウェア・エニックスとのパートナーシップの深さを感じさせる。日本語版ともども中文版についても注目していきたいところだ。
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