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大人気MOBA「League of Legends」の国内リーグ戦がスタート!
「LEAGUE OF LEGENDS JAPAN LEAGUE 2015」開幕式レポート
(2015/1/26 15:40)
1月24日、現在世界で最も人気のあるMOBA(Multiplayer Online Battle Arena)タイトルである「League of Legend(LoL)」の国内トップチームが集まるリーグ戦「LEAGUE OF LEGENDS JAPAN LEAGUE 2015(LJL 2015)」が開幕し、秋葉原のe-Sports SQUAREにて開幕セレモニーが開催された。
本リーグの主催・運営を務めるのは様々なオンラインタイトルのe-Sportsイベントを手がけるSANKOで、国内選りすぐりのセミプロ級6チームが参戦した。リーグ戦のすべての試合はオンライン配信され、「LoL」のファンなら誰でも最高峰の試合模様を観戦して楽しむことができるという催しだ。
「LoL」ファンのための“観るe-Sports”に、国内トップの6チームが集結!
本リーグ「LJL」は、他のオンラインゲームで主流の全プレーヤー参加型の大会ではなく、あらかじめ選ばれたトップチームによる戦いを観戦することに主眼をおいた大会だ。その意味ではサッカーや野球などのスポーツにおけるプロリーグに似ている。
「LJL」のリーグ戦全試合は毎週土曜18時から全12週にわたって実施され、その模様はTwitch、ニコニコ生放送で配信される。日々「LoL」のプレイに励んでいる一般プレーヤーにとっては、純粋に国内トッププレーヤーの試合を観戦し、応援する最良の機会のひとつとなる催しだ。
「LJL」は今年が開催2年目となり、規模も拡大。2014年のリーグに参戦した4チームに、新たに参入した2チームを加えて6チーム制へ移行したことで、配信される試合数もさらに増加する。今年の参加チームは以下のとおり。なお、LJL公式サイトでは対戦スケジュールを含めて確認できる。
・DetonatioN Rabbit Five(RF)
多数のゲームでプロ/セミプロ活動を行なっているマルチゲーミングチームDetonatioNの「LoL」部門セカンドチーム。兄弟チームであるDetonatioN FMが昨年のLJLグランドチャンピオンとなったことで、「それを超える存在になるために1年間がんばってきました」とコメントし、今年からリーグ戦に参加。
・7th heaven
こちらも今年から初参加のチーム。「LJLという舞台においてエンターテイメントを提供し、視聴者の方々を楽しませていきたい」と、魅せるプレイと視聴者との交流に意気込みを持つ。
・OZONE RAMPAGE
2014年から続いて今年もリーグ戦に参加。これほど長くチームが続くとは思っていなかった、というチームリーダーの言だが、昨年は複数のシーズンでトップに僅差で2位に食い込むなど高い地力アリ。「2015年も自然体で楽しめるチームでありたい」という。
・Salvage Javelin
LJL参加を目標として2014年に活動を開始した新しいチーム。新鋭だけに「勝ちたいという気持ちはどこにも負けない」といい、チームエンブレムに描かれた錨(団結)と槍(勇気・強さ)に恥じぬよう、闘志溢れるプレイを視聴者にアピールしていくことが今シーズンの目標だ。
・DetonatioN FM(Focus Me)
2014年のグランドチャンピオン。今年は追われる立場での参戦となるDetonatioNの「LoL」部門トップチーム。国内のみならず世界でも勝てるチームづくりを意識し、新メンバーを迎えて万全の体制で連覇を目指す。視聴者を魅了するプレイでハイレベルな試合を展開していきたい意向だ。
・CROOZ Rascal Jester
2014年から引き続き参戦。昨年は複数のシーズンで最多の勝ち点を得え、グランドファイナルで準優勝を果たすなどど、DetonatioN FM最大のライバルと目されるチーム。昨年11月からは専用の練習場を確保し、メンバーがオフラインで揃っての練習を続けている。2015年の目標はもちろん優勝。視聴者を魅了できるプレイをできるようがんばりたいと意気込む。
この「LJL 2015」では、上記6チームによる12週間にわたるリーグ戦を2シーズン実施する。各シーズンは10週の総当り戦と、その上位3チームによる2週間のプレイオフで構成されるフォーマットだ。その上で、2シーズンで獲得したプレイオフポイントの上位2チームが9月中旬に開催予定の「LJL GRAND CHAMPIONSHIP」に出場し、年間優勝を決める。
各試合の模様はTwitch、ニコニコ生放送のほか、今年から本リーグと提携したアフリカTVと、Azubu.TVという海外のライブストリーミングサービスにて国際配信も行なわれる。この大会、「LoL」ファンなら見逃せないものになることは間違いない。
「LoL」トッププレーヤーの戦いが展開。DetonatioNのプロ化も発表!
開会の宣言に引き続き、リーグ戦の第1節として3試合が実施された。初戦はどちらも初参加のDetonatioN RFと7th Heavenの対決。試合準備のため使用チャンピオンを選んでいく時点から勝負は始まっており、相手の選択に応じて各メンバーが使用チャンピオンを変更するシーンも。そのひとつひとつの選択に会場からは歓声やどよめきが起こっていた。
「LoL」をご存じない方のために簡単に解説しておくと、対戦は5対5のチーム戦で行なわれる。マップは上部(Top)、中央部(Middle)、下部(Bottom)のそれぞれを通る3本のメインルート(レーン)から構成されていて、マップ端にある各チームの陣地を繋げている。各チームはそれぞれの陣地から出撃し、各ルートを自動的に進んでいく多数のミニオンを利用し、敵のそれを撃破しながら経験値とゴールドを貯め、チャンピオンのレベルと装備を充実させつつ敵陣の撃破を目指す。
各レーンの間の空間には中立のNPCモンスターが徘徊するジャングルが存在し、ここを制圧することも経験値とゴールドの確保のために重要だ。特にジャングルの中央部に出現するドラゴンを倒すことで多くの経験値とゴールド、加えてチーム全体の能力を強化するバフが得られるため、出現に合わせてタイミング良くチーム全体が集まり、火力を集中することも重要なセオリーだ。
各ルートの侵攻ならびにジャングルの確保、時折発生する集団戦を効率よく行なうため、5人のメンバーにはTop、Jungle、Mid、ADC(Attack Damage Carrier)、Supportといった役割分担があり(実際の構成はチームスタイルにもよる)、それぞれに適したチャンピオンを選択して試合に臨むことが基本。同系統のチャンピオンでも(例えばタンク系)、アクティブ・パッシブそれぞれのスキル構成や装備の相性は様々で、その選択にプレイスタイルや対抗プレーヤーへの対策が現われやすいというのが「LoL」はじめ人気の高いMOBA系タイトルの難しくも面白いところである。
正直なところ筆者は「LoL」のプレイ時間がまだ50時間程度で、各選手が見せたチャンピオン選択の意図やULT(Ultimate Skill、各キャラが一定レベルで獲得する大技)を用いた連携攻撃といった駆け引きの細部には理解が及ばない部分もあったのだが、それでも選りすぐりのチームが見せる試合展開には目を釘付けにされた。
初戦、DetonatioN RFと7th Heavenの対決は非常に慎重な流れの試合となった。一方的なGank(複数で1人に襲いかかる、多くは奇襲で起こる)はほとんど起こらず、ギリギリのところで全面衝突を避ける両チーム。試合が傾きはじめたのは、7th HeavenのメンバーがBottomレーンを担当していたDetonatioN RFのメンバーにGankを仕掛けた直後だ。
複数名でULTを連発して仕留めようとしたところ、ギリギリでこれが交わされる。ULTはクールダウンに長い時間がかかる。そのスキを見て取ったDatonatioN RFは素早くBottomレーンに集結、ULTを使えない7th Heavenのメンバーを一気に4人倒し、それまで互角に推移していたチャンピオン撃破数に大きな差ができはじめた。
チャンピオンは倒されると一定時間後(レベルに応じて可変する)に再出撃となる。その間、生き残った方はゆうゆうと各レーンでの侵攻と経験値&ゴールド稼ぎを進められる。特に大勢のチャンピオンが1度に撃破されるとすべてのレーンが無防備になり、後々まで影響を与えやすい。それまでドラゴンのキルスティールを見事に成功させるなど素晴らしいプレイで優位に立っていた7th Heavenは、ここからじわりと不利になっていった。
それでもDetonatioN RFは無理に攻めることなく、じわじわとタワーを撃破、ミニオンが作る前線を押し上げつつ、劣位に立っていたドラゴン撃破数でも差を縮めることに時間を費やした。試合は60分以上の長期戦となり、最後は両チームともゴールド差はあれどレベルや装備の差はほとんどない状態へ。DetonatioN RFは各レーンのタワーを撃破完了し敵陣へのルートを先に開通させるもまだ急がない。
一方、7th Heavenはどうにかして集団戦に持込み、状況を打開したいという動き。これを上手にいなし続けたDetonatioN RFは63分、勝負を急ぐ7th Heavenに対して奇襲成功。2人倒されながらも5人全員を倒し、一気に敵陣へなだれ込んで勝利を確定させた。これにて第1戦はDetonatioN RFの勝利。
こうしてこの日はリーグ戦第1節の全3試合が続けて実施された。第2試合のOzone Rampage 対Salvage Javelinおよび第3試合のDetonatioN FM対CROOZ Rascal Jesterはより早く差がついての決着となったが、リーグ戦の結末にはまだ各チーム9試合を残している。今日の結果がどうあれ、残り9週にわたるリーグ戦の中では、現在の好調を維持していくことや、地力を上げていくといった、長期的な視野に立ったチームマネジメントも重要になるはずだ。
そういった“大きな流れ”も楽しめる点で、複数シーズンで構成されるLJLは「LoL」ファンに様々な見どころを与えてくれそうだ。
DetonatioNがプロ化を発表!
シーズンの開幕を飾った3連戦の最後に、マルチゲーミングチームDetonatioNの代表を務める梅崎伸幸氏から大きな発表が行なわれた。それによると、「LoL」部門のファーストチームであるDetonatioN FMは2月よりプロゲーミングチームとしての活動を開始する。
プロ化というのは文字通りの意味で、DetonatioN FMのメンバーには給料が支払われ、「LoL」プレーヤーとして専業の活動が可能となる。セカンドチームであるDetonation RFについては活動資金を提供するという形で、セミプロレベルの活動を展開。またこれに合わせ練習と活動の拠点としてシェアハウス形式のゲーミングハウスを設立。個室も用意され、メンバーが集っての本格的なオフライン練習セッションが可能となる格好だ。
これに加えて梅崎氏はDetonatioNとして英語、中国語、韓国語に堪能な通訳を雇い、海外チームとの交流や国際大会への参加など、国際的な活動も積極的に広げていくことを表明。まずはLJLでの活躍をベースに、世界に通用する本格的なプロゲーミングチームを育てていくという考えだ。
文字通りのプロチームも誕生したLeague of Legends Japan League。2015年のグランドチャンピオンシップが開催されるまでの2シーズン、各チームがどのように戦い、「LoL」ファンに何を見せてくれるのか。プレーヤーの皆さんは要注目だ。