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「新生FFXIV」、「パッチ2.5 希望の灯火」実装直前インタビュー
メインストーリーからチョコボレースまで、遊びどころと詳細を吉田Pに聞いた
(2015/1/20 12:00)
「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア(以下、「新生FFXIV」)」の2.0シリーズのクライマックスとなる「パッチ2.5 希望の灯火」のPart1がいよいよ本日、1月20日のメンテ空けと同時に実装される。
パッチ2.5は3回に分けて公開される予定で、本日実装されるのはPart1。「ゴールドソーサー」が入るパッチ2.51は2月下旬。拡張パックへ続く、最後のストーリーと「イシュガルド攻防戦」という新コンテンツが入るPart2は3月下旬の実装予定だ。
パッチ2.5はいつもに比べて事前に情報の露出が少なかったために、まだまだ謎の部分が多い。そこで今回は、プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏からパッチ2.5について、詳細な話を聞いてきた。フリーカンパニーで遊ぶ新コンテンツ「エーテリアルホイール」や、「フロントライン」の新ルールなどトレーラーには出ていなかった新要素についても詳細を聞いてきた。
トレーラーの発表が遅れたためにファンをやきもきさせたが、ようやく公開されたトレーラーは10分近くあるにも関わらず全容を詰め込めなかったというビッグなボリュームとなっている。「蒼天のイシュガルド」に向けていよいよ大詰めを迎える「2.0」の最後を、その目で見届けよう。
メインストーリーのボリュームはPart2がPart1の倍
――いよいよ1月20日に「パッチ2.5 希望の灯火」のPart1が実装されますね。ずっと情報が出なかったので、1月20日は見送られたのかとハラハラしました。
吉田氏: 1月20日~21日に行なわれたファンフェスティバルの翌日から、コアメンバーが次々にインフルエンザで倒れまして……。なぜか僕はインフルエンザにかからず、パッチ内容の最終チェックは僕が受け持ち、高井は復帰してパッチトレーラー作成と、かなりの綱渡りスケジュールでした(笑)。毎回パッチトレーラーは、パッチ公開日の2週前の週末にお披露目させていただき、週末2回分のPR期間を取る……というのがいつもの流れです。今回はインフルエンザと年末年始のため、公開が数日ズレてご心配をおかけしました。パッチ本体も何とか予定通り1月20日にリリースできそうです。
――パッチ2.5は、1月20日で終わりではなく、Part2、パッチ2.51と続くわけですが、この後の開発は順調なのですか?
吉田氏: Part1とPart2のコンテンツ、メインシナリオなどは、すべて作業が完了しています。残っているのはゴールドソーサーの細かい調整と、トリプルトライアドなどのUIデザインの追い込みぐらいです。あとは運営しつつ出た問題や、調整項目はHOT FIXにしたり、パッチ2.51やPart2に後から足す形です。現時点でパッチ2.5シリーズで開発が予定していたものは、ほぼ作業終了ですね。今回Part1とPart2にわかれていますが、基本的にはパッチ2.5として制作してきたのです。ゴールドソーサー部分だけ、丸ごと別開発と思っていただければ。
――それでは、もう開発的には2.0は終わったのですか?
吉田氏: そうですね、先ほどもお話ししたように、運営中にライブで発生する案件以外はほぼ終わりました。みんな3.0「蒼天のイシュガルド」の作業をしています。ゴールドソーサーだけはギリギリまでいじりますが、それ以外はコンテンツのバランス取りも全部終わっている状態ですね。
――最初にメインストーリーに付いてお伺いします。「希望の灯火」のロゴには、ゴブレットが描かれていますが、あれにはどういう意味があるのですか?
吉田氏: そのものズバリです。あのゴブレットがどんなシーンで出てくるのかは、プレイしていればここかとわかる瞬間が来ます。
――キーアイテムとしてメインストーリーの中に出てくるということですか?
吉田氏: そうですね。傾いて置かれているということもなんとなく頭の片隅に置いてメインシナリオを進めていただけるといいかもしれません。
――あの傾きにも意味があるわけですか?
吉田氏: そうですね。
――トレーラーと一緒に発表されたキービジュアルにアシエンと共に描かれているのは誰ですか?
吉田氏: あれは光の戦士です。
――主人公とアシエンが絡むような話になるのですか? 年頭に発表された四行詩には過去編を匂わせるような文言がありましたが、何か関係がありますか?
吉田氏: あの四行詩は2015年全体をイメージして書かれているものなので、パッチ2.5というよりも「蒼天のイシュガルド」についてかなあ……となんとなく思っていてください。2.5ではあまり深読みしなくても大丈夫です(笑)。
――パッチ2.5ストーリーの見どころはどこですか?
吉田氏: シヴァの騒動はあれで終わりではなく、それを踏まえた話になっています。それにパッチ2.0シリーズの伏線の答えがある程度出ていきます。例えば三国エオルゼア同盟は、同盟といいながらそれぞれの国の都合があり、正義は必ずしも1つではないという描き方をしています。その中でアルフィノが1番の理想家であり、「人々はまとまるべきだ」と組織づくりをしているわけです。しかし他の組織から見ると「あのお坊ちゃんは、綺麗ごとばかり言っているが、軍事力を持ち始めていて、結局は他の変わらないではないか」などと思われているでしょうし、これらが激突する話でもあります。そういった物語の中で、色々な伏線や意味深なセリフの意味が、明かされていくことになります。
――トレーラーを見る限りでは、今回のストーリーはかなりドラマチックでボリュームも大きそうですね。
吉田氏: 以前、パッチ2.5のストーリーはPart1で3分の2、Part2で残りの3分の1と言っていたのですが、調整していく中でボリュームが逆転しました。Part2のメインストーリーはPart1の倍ありますので、たっぷりプレイ時間をとって、「今日はメインシナリオをどっぷり見るぞ」という覚悟で見ていただきたいです。特にPart2では、メインシナリオと「イシュガルド防衛線」が目玉になります。本当に2.0の最終話という感じになりますので、じっくり見ていただきたいと思います。
――Part2で実装予定の「イシュガルド攻防戦」はどんなコンテンツなのですか?
吉田氏: メインストーリー上の重要な出来事をコンテンツ化したものです。これ以上はパッチにてお確かめください。
――トレーラーでユウギリの素顔がちらっと出ていましたが、マスクを外すのはPart2ですか?
吉田氏: はい、そうなります。Part2でマスクを外すシチュエーションがやってきます。
「モブハント」の報酬に詩学強化素材が登場!
――新しいダンジョンの映像では、プレーヤーキャラが新装備らしいものを着ていましたが、あれはダンジョンドロップですか?
吉田氏: そうです。今回トレーラーに入っているもの以外にも、クラフター用の新装備や、クラフターしか作れない武器や防具などもあるのですが、それらを除いてもトレーラーの長さが10分にもなっていて、どこにも差し込める余地がなかったのです。フロントラインの新ルールなどもいれたかったのですが、泣く泣くカットしました。
――完全新規ダンジョンとなる「幻龍残骸 黙約の塔」ですが、ミドガルズオルムとの激しい戦闘になりそうですね。あれはメインストーリーの中で戦うのですか?
吉田氏: そうです。
――ミドガルズオルムは「旧FFXIV」のムービーや、「大迷宮バハムート:侵攻編」のカットシーンにも登場していて、物語上かなり重要なポジションのキャラクターに思えますが、IDのボスとして倒すだけなのですか?
吉田氏: それほど単純な話ではないです。ミドガルズオルム自体は「旧FFXIV」で僕が関わる前から設定されていました。ハイデリンにおいて最初に生み出された龍という設定をちゃんと踏襲したうえで、ストーリーが構成されています。黙約の塔では、光の戦士にとって大きな出来事が起きます。パッチ2.5のわりと序盤の方で、結構大きな出来事に巻き込まれるのですが、そのきっかけを作ることになります。ミドガルズオルム自体のエピソードも今回で完結するわけではありません。
――原初の龍なのに毎回IDで倒されるというのも気の毒ですからね。
吉田氏: そこはうまく設定的に丸め込んだつもりです。周回されてもおかしくないようにしたつもりです。
――ダンジョンのBGMがどれも印象的ですね。あれはすべてロングバージョンなのですか?
吉田氏: そうなっています。僕は「武装聖域 ワンダラーパレス」の曲がすごくテンションが上がりますね。
――「邪念排撃 古城アムダプール」の曲は少し他とは雰囲気が違いますね。
吉田氏: 「アムダ」はファンフェスでも少し触れましたが、他のダンジョンとテンポも少し変えています。攻略にかかる時間はいつもと同じになっているのですが、テンポが少し違います。
――中ボス2体、ラスボスという基本的な流れが違うということですか?
吉田氏: そこは同じですが、道中はいままでと毛色が違います。今回の3つのダンジョンの中では僕は「アムダ」が1番好きですね。難易度的にも。
――現在コンテンツルーレットの「エキスパート」に入っている3つのダンジョンは、「ハイレベル」に移るのですか?
吉田氏: そうです。
――以前に「IL90装備が取りにくいのを早急になんとかします」というお話をされていましたが、今回90装備の取り方は何か変わりますか? 例えば神話装備への交換アイテムがハイルレ全体で出るとか?
吉田氏: それぞれのダンジョンの難易度が違いますので、全体にばらまくようなことではなく、50になった直後のダンジョンは装備が出やすいような調整はしています。以前よりは入手機会が高くなっているので、取りやすくなっていると思います。それに今回また「モブハント」が注目されると思いますので、そこで集めてもいいかなと。
――もしかして「モブハント」で「アラガントームストーン:詩学」がドロップするようになるのですか?
吉田氏: あくまでアラガントームストーンを集めるのはダンジョンやコンテンツという考え方をしています。やはり「モブハント」でストーンを落としてしまうと、ほかのコンテンツに行く必要がなくなってしまうし、それが飽きにつながっていくということもあるからです。コンテンツファインダーを待っている間にモブが湧いたらみんなでわーっと集まって、マッチングしたらそのままIDにという流れの方が健全だと思っています。
――それでは何で「モブハント」が注目されることになるのですか?
吉田氏: 詩学装備の強化素材が同盟記章の交換アイテムに入ります。
――戦記の強化素材と同じような感じですか?
吉田氏: 交換の仕組みはほぼ同じですが、戦記強化素材よりも交換レートは高くなっています。
――最初から全部の種類が入るのですか?
吉田氏: クリスタルタワーもですが、パッチを追う毎に追加されていくパターンになります。
――新しいSクラスのモブは追加されますか?
吉田氏: 今はもう3.0の作業をしているので、これ以上の追加はなく、作っているのは「蒼天のイシュガルド」向けのモンスターですね。
――イシュガルドにもモブがいろいろといるのですか?
吉田氏: もちろん新モンスターも多数登場します。
「闘神オーディン討滅戦」ではミラプリ可能な「オーディン」の鎧が手に入る!
――「クリスタルタワー:闇の世界」ですが、パーティの構成は「シルクスの塔」と同じですか?
吉田氏: 同じです。タンク1、ヒーラー2、DPS5になります。
――暗闇の雲やケルベロスなどがトレーラーに出ていましたが、ツインヘッドの姿がありませんね。出てこないのですか?
吉田氏: 24人で攻略する「FFXIV」のクリスタルタワーとオリジナルの進行は、やはり少し違いますので「そのまま」ではなく、「FFXIV」に落とし込んだ内容になっています。雑魚やボスの攻撃や行動に注目していただくと嬉しいですね。あとはふたを開けてのお楽しみ、ということにさせてください(笑)。
――「古代の民の迷宮」では3分岐のギミックが特徴で、「シルクスの塔」では全員でまっすぐ上っていくという特徴がありましたが、今回はどんな特徴があるのですか?
吉田氏: 今回は総集編的な意味合いもあるので、久しぶりにまた3分岐を作ってみました。またパーティにわかれてアライアンスで息を合わせて進めていただきたいです。ただプレイ難易度や攻略時間は今までのものを踏襲していますので、24人でワイワイ遊んでもらうという部分は同じです。「暗闇の雲」くらいは難しくてもいいよなーというご意見も拝見しましたが、やはりクリアが大変になってしまうので、いつものような程よい内容にしたつもりです。みなさんでワイワイやっていただければと思います。
――今回、防具のドロップと、詩学の強化装備のドロップはフラグを分けるということですが、どういった感じになるのですか?
吉田氏: まず「闇の世界」で各ボスを倒した時の宝箱からは、防具が出ます。まずはシンプルに防具を集めることが目標になるようにしてあります。もちろん暗闇の雲からは、これまでにあった「次元刀の欠片」や「ミニオン」のような24人でルートするアイテムも用意しています。
それ以外に「闇の世界」をクリアすると、週に1回受けられる特別なクエストが発生するようになります。このクエストは「古代の民の迷宮」、「シルクスの塔」、「闇の世界」という「クリスタルタワー」シリーズを全部クリアすると、詩学強化アイテムがもらえるというウィークリーのクエストになります。それ以外にもクラフターが製作するクリスタル綿-武器に必要なキーとなる素材がありますが、こちらはシルクスの塔と古代の民の迷宮に追加実装されており、入手方法もそこだけにとどまりません。ですので「闇の世界」のドロップについては、気兼ねなくニードしていただいても大丈夫です。
――強化素材はクエスト報酬として手に入るのですね。
吉田氏: 極蛮神を3体倒したらかならず90武器がもらえるというクエストがありますが、あれと同じです。週に1度クリスタルタワーを3つ回れば必ず強化素材がもらえるので、コツコツ毎週強化していけるという流れを作りました。
――最初は「硬化薬」だけということですが、他の2つの素材はいつごろもらえるようになるのでしょうか?
吉田氏: 闇の世界だけでなく、ほかのコンテンツでも私学装備強化装備は入手可能で、パッチ2.5開始の時点では「硬化薬」と「強化繊維」が用意されています。「暗号化トームストーン」は、皆さんのアイテムレベルの上昇を拝見して、パッチのいずれかで追加していきます。
――「真ギルガメッシュ討滅戦」と「闘神オーディン討滅戦」について教えて下さい。
吉田氏: 「真ギルガメッシュ討滅戦」はヒルディブランドのストーリー内に入っています。以前にあった「ギルガメッシュ討伐戦」の延長線上にあります。戦記装備くらいのILがあれば、ワイワイ遊んでいただけるようなコンテンツです。
2.0のメインストーリーで重要な役割を担っている蛮神はシヴァで一旦終わっているので、「闘神オーディン討滅戦」に関しては、どちらかというとスペシャルゲスト的な存在です。イベント会場とは違い、ゲームに実装されると負けた場合でもリトライしやすくなりますので、その分難易度はファンフェスよりは難しくなっています。ただ今回実装するもの全体にも言えるのですが、「大迷宮バハムート:真成編」を除いては、2.0のコンテンツはできるだけ皆さんにクリアしてもらいやすいような難易度にしています。「オーディン」は最初からCFにも対応していますし、打ち合わせしなくてもクリアできるレベルになっていると思いますので、みなさんで楽しんでいただければと思います。
――極ラムウや極シヴァを倒していない人でも戦うことができるのですか?
吉田氏 :はい。そういう縛りは特にありません。
――この「オーディン」が実装されることで、今までフィールドに出現していた「オーディン」はいなくなるのですか?
吉田氏: いえ、そちらも出ます。設定状、それでも不都合がないのがオーディンの特徴なのです。
――オーディンが何故そこにいるのかわかるようになるのですか?
吉田氏: 今回オーディンのエピソードの断片は見られるようになっています。ただ「オーディン」は蛮神ではなく「闘神」です。この「闘神」というカテゴリに関しては3.0以降もしばらくは引っ張るつもりです。ですので、「オーディン」の全容がわかるのはもう少し先になると思います。
――それぞれの討滅戦ではどのような報酬が手に入るのですか?
吉田氏: 「真ギルガメッシュ討滅戦」はヒルディクエストの中にあるので、クリアすると必ずもらえる報酬がありますが、武器や防具にはしていません。ルーレットにも入るので、そこでも楽しんでいただければと思います。「オーディン」は、一応防具が出ますがどちらかというとミラージュプリズム用です。フィールドで遭遇するオーディンの報酬で交換できる鎧はミラージュプリズムの素材に使えなかったので、パーツを分けたものを用意しました。キャスターやヒーラーは鎧を着られないので、オーディンをイメージしたローブを用意しています。
――もう1つある謎の「???討伐戦」はエンキドゥですか?
吉田氏: いいえ、別のものですが、メインストーリー上の大きな流れに沿っているので、これ以上はパッチをお楽しみ下さい。