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演奏姿で魅せる! セガの新音ゲー「CHUNITHM(チュウニズム)」

“中二っぽい自己陶酔感”が気持ちいい!? ロケテストバージョン先行プレイレポート

11月28日~30日 開催

開催店舗:クラブセガ秋葉原新館5F

 セガの放つ新感覚スタイルの音楽ゲーム「CHUNITHM(チュウニズム)」。好評稼働中の音ゲー「maimai」チームが手がける最新作で、物理ボタンを排除し電子デバイス「GROUND SLIDER(グラウンドスライダー)」と、空中に上げた手の判定を取る「AIR STRINGS(エアーストリングス)」など、斬新なアイデアを取り入れている。

 本作は11月28日、29日、30日の3日間、クラブセガ秋葉原新館にて初めてのロケテストが開催される。ロケテストに出展されるバージョンを先駆けてプレイする機会を頂けたので、実際にプレイしてみてわかった、どんなゲームになっているのか? どんなところが新しいのか? をお伝えしていこう。

電子デバイス「GROUND SLIDER」と空間センサー「AIR STRINGS」など、斬新な要素を取り入れた新音ゲー

 筐体は、モニターの上にあるLED掲示板が鮮やかに光り輝いているのが目を引く。横から見ると、全体がグイッと前方向へとせり出すように斜めになっているので、実機の前に立つと迫ってくるようなインパクトがあるのだが、上半分はスモークブラックの仕切り用のフードなので、重心は低い。独特のフォルムだ。

 ディスプレイは32インチの液晶が搭載されており、その手前には「GROUND SLIDER」と命名された横長のタッチパネル演奏ボタンがある。静電容量式のタッチセンサーで、パネルには鍵盤のようなラインが描かれているものの、突起などのひっかかりはついていない、完全にフラットな形状だ。

スタンドアップ型で全高の高い筐体。前傾の独特なフォルムだが上半分は仕切りのフードと電光掲示板だ
32インチの画面に電子デバイスの演奏ボタン「GROUND SLIDER」と、両横には空間センサーの「AIR STRINGS」用が搭載されている

 「GROUND SLIDER」こと演奏ボタンに対して、演奏する際、流れてくる譜面(ノーツ)の幅が、曲調や難易度に合わせて随時変化していく、これがこのゲームの大きなポイントの1つ。例えば、鍵盤が2分割された大きなノーツから4分割や8分割と細分化されることでゲームの難易度が変化する。

 曲中の演奏パートで、例えばメインメロディーは大きなノーツで、リズムは小さく小刻みに、とタッチパネルを押させたり、またはプレイする難易度によって、自由自在に分割数を変えられるわけで、従来の固定ボタンのゲームではできない、ノーツの位置と幅、そして流れてくるスピードによって難易度が変更できる。さらに、曲中に幅が変わっていくため、楽曲の展開に合わせて変化していくノーツの展開が没入感を高める、という点が新しいといえるのではないだろうか?

「グラウンドスライダー」は16鍵盤分のラインが引かれているが、プレイの時には2~8鍵盤まで使用幅が変わる
画面のようにノーツによってタップする範囲が変化する

 もうひとつの特徴が、左右にあるセンサーを使う「AIR STRINGS(エアーストリングス)」。タッチパネルの上部の空間をセンサリングし、腕の位置の上下を検知するデバイスだ。これによりノーツのアクセントとして、タップ後やホールドから“手を振り上げる&降ろす”という動きを加えている。

 例えば、リズムの節目でターンッと手を上げたり、ホールドで溜めるようにタップし続けてから、ジャンッという感じに手を上げたり。はたまた、手を上げつつけてからのフィニッシュ的に手を下ろしたり。リズムにノっている演奏の“動き”をノーツとして取り入れることで、3次元的な操作になる。

両サイドにある「AIR STRINGS」用センサー。手を上げると黄色く反応する

 スピーカー周りを見ると、筐体下部にウーハーを内蔵し、大人の肩あたりにスピーカーが左右1対、さらに上から音が降り注ぐサウンドシャワー状態のスピーカーを2基搭載した、4.1chとなっている。

 ちなみに、左右ある仕切りには「AIR STRINGS」のセンサーを固定する役割のほか、スピーカーの音の広がりと効果範囲の抑制、反響をコントロールするサウンド的役目のほか、周囲の目を気にせずに手を動かせるといった効果も狙っていると思われる。

スピーカーは、センター2基、上空2基、下にウーハーという4.1ch構成。上空からのシャワー状態の音がフード内で響くようになっていて、外から聞いている時とプレイしている時とでは、聞こえ方が全く異なってくる。もちろんイヤフォンジャックも搭載

 ちなみに「CHUNITHM(チュウニズム)」というタイトル。パッと思いつくのは「中二」+「リズム」の造語というところかと思うが、それ以外にも“チューニングのチュウ”だったり、手を上げる“空中のチュウ”であったりと、いろいろな意味を持たせているという。自分の世界に入り込み、自分なりのかっこいい演奏スタイルを楽しむという意味で“中二心がくすぐられる”的な意味合いも入っているのかもしれない。

スライドから「AIR STRINGS」と、憧れの“かっこいい演奏姿”が自然に決まる!

フード越しで申し訳ないが、画面の左上に「お助けキャラクター」が表示されている。育成要素・開放要素も。ロケテストverでは5キャラだが、今後もいろいろなキャラクターが追加されていく

 それでは実際にプレイした際の状況をレポートしていこう。まず印象的だったのは音周り。画面の前に立つと、センタースピーカーからの音だけでなく、上からの音が仕切りの中で反響することで、音の広がりが感じられる。離れて見ている時にはグッとボリュームが絞られて聞こえるので、ぜひ筐体の前に立ってみて、仕切りの中でのサウンドシャワーを体験してみてもらいたい。

 プレイを開始すると、チュウニペンギンという黒いフードを被ったキャラクターが操作方法のチュートリアルなどガイドをしてくれる。ペンギンの姿は「CHUNITHM」の筐体をモチーフにしているそうだ。

 ロケテストverでの収録曲数は20とのことで、初期状態からすべての曲が選択できるわけではない。Aimeを使ってプレイしていくことで、“プレイを重ねると開放される”曲もある。今回はテストなので、製品になるころには収録曲数そのものも、あらゆるジャンルからどんどんと増やされる。

 ここで3つ目の本作の特徴を紹介するが、本作には楽曲クリアを助けてくれるお助けキャラクターが存在する。ロケテストverではキャラクターが5種類いて、ミスによるゲージ減少を減らしてくれるなど、スキルを持っている。

 音ゲーが苦手な人でも楽曲クリアだけならお助けキャラの力を借りて達成できるようにサポートしてくれる。ちなみにスキルを使うかどうかはもちろんプレーヤーが選択できるし、スコアに対して、サポート効果の影響は働かないよう配慮されている。

 プレイ後の獲得スコアによってマス目が進んでいくスゴロク的なものがあり、お助けキャラクターの獲得やレベルアップ、さらに課題曲(新曲開放)が出現。

 これまで、コアな上級者はさておき、そうでない人には、簡単な楽曲から入ってある程度の難易度までは楽しめるものの、どこかで楽曲の難易度についていけず挫折してしまうことはありがちだったと思うのだが、キャラクターを育成してスキルを駆使し、助けてもらうという要素があることで、そのあたりの挫折時をなんとか乗り越えられるようにしているそうだ。開放楽曲の存在もあり、ストイックなスコア争い以外にも、やりこめる要素が入っている。

 前述の「GROUND SLIDER」の演奏ボタンによってノーツの種類・バリエーションを受け入れやすい形でコントロールできることも、一気にノーツの量が増える、というこれまでの音ゲー的チューニングに一石を投じる解決法といえ、もっと緩やかに難易度をつけられるようになっていることもあり、初・中級者への配慮がなされているところは注目しておきたい点だろう。

斜めに進むホールドノーツに合わせ、「GROUND SLIDER」をなぞるようにスライド!さらには、パッと腕を振り上げての「エアーアクション」! 演奏姿が自然とかっこよくなる

 さて、プレイの方に戻ると、画面構成は奥側から手前へとノーツが流れてくる形式。ノーツには「タップ(単音)」、「ホールド(長押し)」、「AIR STRINGSの腕上げ・上げ続け、腕振り」が存在。高難易度になると「フリック(タップから左右どちらかへ流す)」が加わってくる。

  注目どころは「ホールド」で、ただの長押しではない“斜めホールド”的な「スライド」がたくさん登場する。左端から右端へと斜めになっているスライドホールドなら、タッチパネルの上に左から右へと手を滑らせるという弾き方だ。ピアノやキーボードで鍵盤をダララララッとなでるように演奏するグリッサンド奏法を思い出してもらえればわかるが、斜めホールドはそれにかなり近い。フラットなタッチパネルなので指が引っかからずスムーズにスライドできる。

 筆者としては「タッチセンサーで演奏するのは手の感触がなくて遊びづらくないのかな?」というのが当初心配だったのだが、プレイしてみるとそれも問題なかった。直感的にタップする場所を触れるし、反応もクイック。物理ボタンではない分、コンディションやメンテナンス状態にプレイ感覚が左右されにくいというメリットもあるだろう。このタッチセンサーの位置や感度についてはかなり調整を重ねたそうだ。

 ちなみに4鍵盤まとめて1ノーツのところなら、手が4鍵のうち半分ぐらい(2鍵ぐらい)触れていればOKの判定になるそう。そのあたりの「シビアにするとストレスになりがち」なところは排除しつつ、ストイックにすべきところはコアなプレーヤーも納得するように配慮しているそうだ。

 ただ、タップした時の効果音がシンプルなタンバリン音になっていたのだが、もう少し強めの印象的な音の方が触ったという実感がより高まっていいかもしれない。こちらは、プレーヤーによるカスタマイズを稼働版で検討中とのこと。

 タップとホールドからのスライドは擬音にすると「トントン、スーッ!トントン、スーッ!」というような、手で刻み、流すというような新感覚の動きが楽しめる。そして、そこにさらに加わってくるのが「AIR STRINGS」だ。先ほどの擬音が「トントン(タップ)、スーッ(スライド)、バッ!(手上げ)」になってくる。

 ぶっちゃけた話、1曲目をプレイしていた時は不慣れなこともあって、手を上げ動きをそれっぽくつけるのに恥ずかしさを感じてしまっていたのだが、一方で「ビクビク遊んでいても気持ちよくないな、これじゃあもったいないな」と思っていたのも事実。そこで2曲目はダイナミックに腕を動かしてみたのだが、そうするとこれがなんとも気持ちいい。“自分なりのかっこいい動きをもっとやりたい”という気持ちがムクムクとわき上がっていく。忘れていた中二心が目覚めていく!

 リズムの区切りでサッ! サッ! と手を上げ、腕を動かしていると、次第に体全体も、そして気持ちもリズムに乗って弾んでいく。指先をそれっぽくかっこいい形にしたり、優雅に指揮者っぽく振ってみたり。気迫のこもったピアノ演奏の如く腕をダイナミックに上げ、そして鍵盤へと振り下ろす。そうした動きがノーツ側から指定されるのは新感覚だ。

 なお、「AIR STRINGS」のセンサーはプレーヤーの肘~肩のあたりにあり、最初は「これぐらいの高さで大丈夫なのかな?」とも思ったのだが、これは「GROUND SLIDER」に手を置くと、自然と腕の動きを検知する位置に設定されていて、腕を上げれば、肘や二の腕が必ずセンサー内に入るようになっている。なので、指先はむしろ自由な形でOKだ。

 曲の終盤ともなると、ノーツの動きも過熱していく。左から右、右から左の斜めホールド流しをあえて逆の手でクロスさせるように流し、ダラララッとスライドからの最後にターンッと腕を上げてフィニッシュ!!

 ノーツによって身体が動き、それが自然とかっこいい動きになってくれるという独特な新しさを堪能できた。タッチパネルの不安もなく、スライドの気持ち良さあり、「AIR STRINGS」の自己陶酔に入っていけるような面白さありと、体で表現する音の楽しみ方が斬新。そうしたアクセントがありつつも、ストイックに高難易度に挑むというのももちろん可能で、そちらはむしろベーシックな音ゲーとも思える。お近くの方は、ぜひ秋葉原でのロケテストでその気持ち良さを体験してみてもらいたい。

ロケテストプレイ特典

 本作のロケテストに参加すると、以下のような特典がもらえる。

【maimaiの称号】
Aimeを使って1回プレイすると、「maimai」の称号がもらえる。ロケテスト終了時までにmaimaiをプレイしたことのあるAimeに対し、ロケテスト終了後から順次配布となる
【CD交換チケット入り限定クリアファイル(全5種)】
【イベント限定CD】
プレイ後にアンケートに答えると、CD交換チケット入りクリアファイル(全5種)のうち1枚がもらえる
CD交換チケットを5枚貯めれば、イベント限定のCDがもらえる。収録曲は本作オリジナルの楽曲となっている(11月28日追記:チケットは3枚でCDがもらえることになった)

(山村智美)