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「nasne」Ver.2.50のリモート視聴を体験!“家のなかでどこでも”から“外でもどこでも”へ!

「nasne システムソフトウェアVer.2.50」

9月25日 配信予定

この日に解説を行なってくれた研究開発部 2部 部長の石塚健作氏。PS Vitaのリモート視聴は石塚氏の実家、鹿児島に置いているnasneと繋がれていた
研究開発本部2部の大橋良徳氏。スマートフォンのXperia SO-04Dでのリモート視聴を解説してくれた。こちらの接続先はソニー本社内のnasneだ

 ソニー・コンピュータエンタテインメントは、9月25日に提供予定のネットワークレコーダ「nasne」の最新システムソフトウェア「Ver.2.50」の機能をメディア向けに紹介した。

 Ver.2.50では、目玉機能として、外出先のスマートフォンやタブレットなどからデジタル放送番組や録画番組などを視聴できる「リモート視聴」を搭載。これまでは家庭内ネットワークで様々な機器から番組を楽しめるところが魅力だったが、これからは外出先でも可能となる。

 会場では、PlayStation Vitaとスマートフォンとで、リモート視聴による視聴が試せるようになっており、PS Vitaはこの日に解説を行なって頂いた石塚健作氏の実家、鹿児島に置かれているというnasneと接続。スマートフォンの方は、会場より数ブロック離れているソニー本社のnasneに、リモート視聴されていた。

 Ver.2.50でのリモート視聴は、家の中でも外でも変わらない視聴環境を目指し開発してきたということで、さすがに全く同じとはいかないので多少の違いはあるものの、違和感のないものに仕上がったということだ。なお、こうした機能が快適に使えるかは、さすがに回線状況が安定しているかに左右されるが、テストではアメリカ、ドイツ、香港といった海外から国内のnasneに接続でき、視聴も快適に行なえたということだ。回線が安定していれば、まさにどこでも視聴できる。

 回線の接続速度は、特に自宅から放送データを送信するための上り(アップロード)の帯域は重要で、ビットレートは速度優先モードで1Mbps、画質優先モードでは2Mbpsになる。そのため、PS Vitaの3G接続では、ちょっと快適な視聴は難しいという。この日はスマートフォンにテザリング接続したPS Vitaで、鹿児島のnasneに接続という、ユニークな状況になっていた。

 実際に試させて頂くと、各種のレスポンスはこれまでPS VitaからWi-Fi接続でnasneを使っていた時とほとんど変わらないという印象だ。この日はメディア陣の無線搭載機器類が大集結したこともあってか、少々不安定になる場面は見られたものの、安定している時はスムーズ。放送や録画番組の再生が始まるまでに1~2秒程度の待ちは出るものの、鹿児島のnasneに繋いでいるとは感じさせないぐらいになっていた(でも、放映中の番組はしっかり鹿児島ローカルだった)。

 レスポンスを含めても、これまで室内でnasneに接続していたのと大きな違いや違和感はなく、見た目だけではそのすごさがわからないぐらいだ。リモート視聴中を示すアイコンの存在ぐらいしか、目立った違いはない。

 接続には独自方式を使い、NATやポートなどのルーター設定も特に必要なく、誰でもすぐに使えるものになっているという。一部の独自な制限をかけているプロバイダや、ホテルの回線など、できるかぎりテストを繰り返してきたということだ。

 なお、リモート視聴の設定では、設定画面にある「エニタイムアクセス設定」をオンにし、1度Wi-Fi環境でセットアップすると、自動的に外でもリモート視聴が可能になる。「エニタイムアクセス設定」はデフォルトではオフになっているそうで、これは接続の待ち受けなど多少負荷が増える点や、自身の回線状況など理解した上でオンにして試してみて欲しいという考えからだという。なお、1度認証されると90日間利用可能で、定期的にWi-Fiで繋いで認証を更新する必要があるそうだ。こちらは不正な使い方を防止するための措置となっている。

 PS Vitaでは、これまでプレイステーション 4 / 3だけの機能だった「ニコニコ実況」にもVer.2.50から対応するのも魅力的だ。リモート視聴でもニコニコ実況は利用可能で、実況コメントは東京のドワンゴにあるサーバーから取得する。そのためこの日は、鹿児島のnasneからの放送を見つつ、その背景に東京からのニコニコ実況コメントが流れるという、これまた不思議な光景に。PS Vita用の実況機能は、文字表示のデザインや、表示量などを調整し、快適に楽しめるものになっているということだ。

リモート視聴の画面。トップ画面の右上にリモート視聴を示す緑色のアイコンが出る以外、基本的な外見や使用感は変わらない。鹿児島のnasneからデータを受けているとは思えないレスポンスだった。ニコニコ実況機能も楽しめるようになる。なお、リモート視聴を利用するには、エニタイムアクセス設定を有効にする必要がある

 スマートフォンの方は、Xperia SO-04Dにおいてアプリ「nasne ACCESS」を使用。こちらもLTE接続でリモート視聴でき、nasneの放映中なデジタル放送や録画番組を視聴したが、PS Vita同様に特に大きな違和感はなく、こちらもスムーズに見ることができた。なお、設定面では、PS Vita同様に90日までの認証があり、定期的にWi-Fi接続でnasneにアクセスして更新することになる。

 アプリの「nasne ACCESS」のバージョンは1.50になり、それによって上部アイコンの右に「テレビ」が加わる。こちらも明日、9月25日より最新バージョンが配信予定だ。また、iOSでもアプリが提供されている「TV Side View」でもリモート視聴が可能になるが、こちらの最新バージョンへのアップデートは早ければ明日だが、少し遅れる可能性もあるという。

スマートフォンでも遠くのnasneとリモート視聴が実現。放送中の番組や録画番組を視聴できるほか、録画予約や「今すぐ録画」も行なえる

 リモート視聴機能の開発は、今年2月にレコーダー向けのリモートアクセスに関する仕様が策定されたが、その前からアイデアレベルに仕組みなどは検討しており、2月の策定を機に本格始動。実質は3~4カ月ほどで形になったそうだ。回線状況次第なところはあるが、nasneをお持ちの方はまず試してみてもらいたいということだ。

 なお、PCでnasneを利用できる「PC TV with nasne」でのリモート視聴対応においては、ソニーの別チームが開発しているため、詳しくはわからないということだったのだが、対応は検討されているはずということで、こちらも期待したい。

 実際に試してみると、“家の中でも外でも同じように使える”というコンセプトが実現されているのを確認できた。旅行や出張先でも、特別な手間なく自宅の番組コンテンツにアクセスできるのは魅力で、ちょっとした外出時の移動中に見るというのも、より身近に行なえる。明日、Ver.2.50が配信されたら、早速試してみてもらいたい。

(山村智美)