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日本マイクロソフト、大型タブレット「Surface Pro 3」記者発表会を開催

新たな市場の開拓に挑む12インチフルスペックの大型タブレット

7月17日発売予定



価格:91,800円(税別)より

 日本マイクロソフトは6月2日、Windows 8搭載タブレットの最新モデル「Surface Pro 3」の発表会を開催した。「Surface 3」の日本での発売時期は7月17日を予定し、価格は91,800円(税別)より。予約受け付け開始は6月3日0時より、Microsoft Storeおよび全国量販店にて予約受付を開始する。

 発表会では、日本マイクロソフト代表執行役社長樋口泰行氏のほか、Microsoft ジェネラルマネージャー Surface & Windows Hardwareセールス&マーケティング担当のブライアンホール氏と、日本マイクロソフト業務執行役員 Windows本部本部長の藤本恭史氏、そしてパートナーを代表してアドビシステムズの栃谷宗央氏が登壇し、Surface Pro 3の魅力をアピールした。

【7月17日発売決定!】
発売は当初予測よりも早い7月17日。早くも今夜6月3日より予約を開始する

【Surface Pro 3】

「Surface Pro 3」を手に持って登場した日本マイクロソフト代表執行役社長樋口泰行氏
樋口氏は、Surfaceを中心としたWindowsタブレットが、タブレット市場全体の30.5%を占め、しっかりキャッチアップしつつあることをアピール
ホール氏は、様々な実演を通じてSurface 3の使い勝手の良さをアピール
ホール氏はCore i7搭載のために放熱周りの設計を新しくしたことを報告
コンパニオンが手に持つとその大きさがわかる

 「Surface Pro 3」は、Windows 8搭載タブレットとしては3世代目に相当する「Surface Pro」シリーズの最新モデル。前モデル「Surface Pro 2」よりも、より軽く(907g→800g)、より薄く(13.5mm→9.1mm)なりながら、液晶モニターを10.6インチ(1,920×1,080ドット)から12インチ(2,160×1,440ドット)へと大型化を図り、タブレットとしての携帯性よりも、キーボード接続時におけるPCとしての使い勝手や、付属のタッチペンによるペンタブレットの使い心地にこだわるという、脱タブレット化を図った野心的なモデルとなる。

 今回、これまでSurfaceシリーズは、Windows RTを搭載した純粋なタブレットのSurfaceと、Windows 8を搭載したPCとしても使えるSurface Proの2つのラインを市場に投入してきたが、Surface Pro 3で、ついにWindows RT搭載タブレットの新製品投入を断念。そして5月20日の北米での発表会、そして今回の日本の発表会でも、比較対象としてはiPadではなくMac Book Air(11インチ)を引き合いに出し、軽さ、薄さ、そして性能、タブレットでありながら、あらゆる点でMac Book Airを凌駕することを繰り返しアピール。“ポストiPad”のアプローチはバッサリ諦め、“ノートPCの置き換えとしてのタブレットマシン”としてトップシェアを獲得したい考えだ。

 Surface 3では、ハードスペックも機能強化が図られている。CPUは第4世代Coreプロセッサー(Haswell)を採用し、今回初めてラインナップの最上位となるCore i7の選択が可能となった。メモリやSSDは前モデルから引き続き最大8GB、最大512GBまで選択できる。

 発表会の中でとりわけ力説されたのは、Surface ProやSurface Pro 2ではなしえなかったモニターサイズやチップセット、拡張性を含めたフルスペックのPCを、タブレットのカテゴリに封じ込めたという点だ。それにもっとも近づいたのはSurface Pro 2だったが、前モデルはPCというにはモニターサイズが小さく、タブレットと言うには重量があり、そして分厚かった。Surface Pro 3はそうしたSurface Proシリーズの弱点をすべて克服した上で、12インチタブレットという新たな市場を狙うデバイスということになる。

 さらに、Surfaceの3世代目として過去の経験や反省点が、周辺機器や付属品に活かされている。まず、キックスタンドは、わずか2段階の角度調整から0から150度の間で自由な角度に設定できるようになった。これにより目的に応じて最適な角度でSurfaceを利用できるようになった。

 今回も別売(12,980円)となったキーボードは、厚さ3mm、キーボードバックライト付きで、トラックパッドが大きくなり操作性も改善されている。マグネットで装着するようになっており、こちらも使い方や体勢に応じて柔軟に角度を変えられる。具体的にはビーズソファーに体を預けてPCを扱うようなケースでも、自分の体勢に合わせてキーボードを置くことができる。

 そして、こちらも別売のSurface Pro 3専用タッチペン「Surface Pen(4,980円)」は、重量感のあるタッチペンとして使えるだけでなく、ワイヤレス操作可能なUIにもなっていて、ペンの頭をカチッと押すことで、手書きモードになったり、手書きメモをクラウド上にアップすることができる。

 そのほか発売日、価格共に未定ながら専用のドッキングステーションも用意されており、4Kでの外部モニター出力やUSB端子×5、1Gbitのイーサネット、オーディオアウトなどを利用することができる。

 発表会後には試遊も行なわれた。ファーストインプレッションは、非常に新鮮でデカいタブレットだと感じた。見た目はタブレットというよりむしろノートPCの液晶部分だけという印象で、軽いため片手で操作できなくはないものの、大きいため安定感を欠く感じがあり、基本は机や膝の上に置いて使う形になりそうだ。

 2,160×1,440ドットの12インチ液晶は、非常に高精細で美しい。3:2という変則的な解像度を採用しているが、特に違和感はなく、フルHDを上回る高解像度を活かした画面分割表示もこれまで以上に活用できそうだ。12インチというと、通常のタブレットよりも大きく、1kgクラスのモバイルノートPCと同等のモニターサイズとなるため、よりPCゲームやブラウザゲームなどが遊びやすくなりそう。グラフィックスは前モデルと同様、Intel HDグラフィックスとなるため、グラフィックス水準の高いFPSタイトルをバリバリ遊ぶには厳しいところがあるが、ブラウザゲームや、MMORPGなどは十分楽しむことができそうだ。

【Surface Pro 3参考価格表】
製品税別参考価格発売日
Surface Pro 3(CPU:Core i3、メモリ4GB、SSD:64GB)91,800円2014年8月(予定)
Surface Pro 3(CPU:Core i5、メモリ4GB、SSD:128GB)111,800円2014年7月17日
Surface Pro 3(CPU:Core i5、メモリ8GB、SSD:256GB)139,800円2014年7月17日
Surface Pro 3(CPU:Core i7、メモリ8GB、SSD:256GB)164,800円2014年7月17日
Surface Pro 3(CPU:Core i7、メモリ8GB、SSD:512GB)202,800円2014年7月17日
【Surface Pro 3アクセサリ参考価格表】
製品税別参考価格発売日
Surface Proタイプカバー ブラック12,980円2014年7月17日
Surface Proタイプカバー ブルー12,980円2014年7月17日
Surface Proタイプカバー パープル12,980円2014年7月17日
Surface Proタイプカバー シアン12,980円2014年7月17日
Surface Pen4,980円2014年7月17日
イーサネットアダプター3,980円2014年7月17日
36W電源ケーブル7,980円2014年7月17日

【日本版の仕様について】
藤本氏からは、主に日本版の独自仕様について紹介された。日本版では個人向け、法人向けが用意され、個人向けにはOffice Home and Business 2013とNote Anytime、そして1万点を超えるテンプレート集がクラウドを通じてダウンロードできる

【タッチアンドトライコーナー】

(中村聖司)