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これが「Diablo III」の決定版! PS4「Diablo III Ultimate Evil Edition」体験レポート

拡張パック「Reaper of Souls」同梱の完全版。1080p/60fpsでヌルヌル動く衝撃

1月23日~27日開催

会場:Taipei World Trade Center

 SCETは、今年のTaipei Game Showでは、例年のようなサプライズ発表はなかった。時期的にはプレイステーション 4とPlayStation Vitaの発売直後であり、これらの最新ラインナップを揃えるだけでゲームファンが関心を持ってくれるという、ある意味で横綱相撲が可能な状況だったからだと思われる。もっとも、台湾のゲームファンにとっては、連日、日本のゲームクリエイターから、新規タイトルのローカライズや独自要素に関する発表が行なわれており、毎日がサプライズといえる。

SCETブースでPS4向けの完全版「Diablo III Ultimate Evil Edition」を発見!
「Diablo III Ultimate Evil Edition」には拡張パック「Reaper of Souls」を同梱しているため、新クラスが最初から選べる
言語は英語版。台湾では今のところはPS3版同様に英語版のまま販売する方針
SHAREボタンを押すと、スクリーンショットや動画撮影、ライブストリーミングの配信などが行なえる

 日本のゲームメディアである本誌が驚かされたのは、「Diablo III」の出展だ。といってもPC版やPS3版ではなく、PS4版。しかも一般向けには世界初となるプレイアブル出展が実施されていたのだ。

 日本ではまさに来週の1月30日にPS3版の発売を控えている状況だが、グローバルで今もっともホットな話題は、「Diablo III」初の拡張パックとなる「Reaper of Souls」と、その「Reaper of Souls」を同梱したPS4向けの完全版「Diablo III Ultimate Evil Edition」だ。これらの情報は、昨年8月に開催されたヨーロッパのゲームショウGamescomや、Blizzard EntertainmentのプライベートショウBlizzConにて明らかにされたもので、アジア展開の予定は未発表だったが、SCETがアジアで最初に名乗りを挙げたことになる。

 今回SCETは、Blizzard EntertainmentにPS4版「Diablo III Ultimate Evil Edition」の出展を依頼し、見事世界初のプレイアブル出展にこぎ着けた。PS4版「Diablo III」の出展にこだわった理由は、台湾を含むアジア地域では「Diablo III」の人気が非常に高く、昨年9月にリリースしたPS3版「Diablo III」は、英語版ながら好評だったからだという。なお、「Diablo III Ultimate Evil Edition」の台湾での発売時期、価格は未定。

 今回は、18禁コーナーに設置されていた「Diablo III Ultimate Evil Edition」を少しだけ体験することができた。今回体験できたものは、体験版相当のもので、いずれ公開されるものと思われる。

 使用できたキャラクターは、「Reaper of Souls」で新たに追加される新クラス「Crusader」を筆頭に、全6クラスが選択できた。ステージはこちらもまた「Reaper of Souls」で追加される新Actとなる「Act V The Fall of Westmarch」。

 気になるPS4版のユーザーインターフェイス(UI)は、ほぼPS3版準拠で、操作の面での違いはほとんどない。PS4で新設された中央のスライドパッドはボタン機能のみを使用しており、押すとキャラクターメニューが開く。SHAREボタンを押すと、スクリーンショットや動画の管理、そして動画の配信が行なえる。PS Vitaに出力するリモートプレイには対応していないようで、設定画面等は用意されていなかった。

 PS4版をプレイして最初に実感したのは、画面の美しさと表示の滑らかさだ。PS3版と比較すると表示解像度は720pから1080pに向上し、PS3版はマシンスペックの限界で残念ながらジャギーが目立っていたが、PS4版はPC版に勝るとも劣らない美しいグラフィックスを実現している。エフェクトもよりリッチになっており、より派手なグラフィックスでダンジョン探索が楽しめるようになっている。

 フレームレートはPS3版では可変フレームレートを採用し、シーンによって多少フレームレートが低下することがあるが、PS4版は60fpsの上限に絶えず張り付いているという感じで、画面のスクロールや切り替え、ローディングなども諸事スムーズで、ハイエンドゲーミングPCで遊んでいるかのようなヌルヌル感が素晴らしい。

 新クラスのCrusaderは、短い時間触った限りでは「Diablo II」のParadinに近い印象を受けた。自分の周囲にパーティーに有利な効果を与えるバフを発生させながら、近接武器の鈍器フレイルをぶんぶん振り回していく。炎に包まれた馬で前方攻撃を繰り出すスキルや、範囲攻撃を繰り出すスキルなどもあり、「Diablo」シリーズとしては比較的オーソドックスな設計のクラスだと感じた。

 Act Vは、「The Wolf Gate」と名付けられた石畳と石壁、鉄門で覆われた硬質的な印象のステージからスタートし、新たな物語が幕を開ける。新クラスを含め、「Diablo III」はすでにPC版で遊び尽くしたという人にも新たなやり込み要素を提供する内容に仕上がっている。

 日本で1月30日にスクウェア・エニックスより発売される「Diablo III」日本語版については、拡張ディスク、PS4版については未発表なのが気がかりなところだが、「Diablo III
をすべて楽しむなら、「Diablo III Ultimate Evil Edition」はベストチョイスなのは間違いなく、日本語版の登場が期待される。今後関係各社からの正式発表が待たれるところだ。

【6つのクラス】
試遊では6つのクラスがすべて使用できた。拡張パック「Reaper of Souls」が同梱された状態となっているため、キャラクター画面のデザインも変化している

【スクリーンショット】
陰影が非常にクッキリしたメリハリのあるグラフィックス。このクオリティで1080p/60fpsでヌルヌル動作するため感動も大きい。PC版でここまで動作させようとするとかなりのハイスペックが必要となる。PS4のパワーを目の当たりにしたという印象だ

【各メニュー画面】
こちら2点は、スライドパッドを押すと表示されるメインメニュー
こちら2点は、SHAREボタンの静止画と動画
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(中村聖司)