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新作MMORPG「黒い砂漠(仮)」インプレッション&CEOインタビュー

目指された「今までにないゲーム」とは? 生産、貿易、探検、戦闘……なんでもできるMMORPG

2014年サービス予定

 ゲームオンは、2014年に新作MMORPG「黒い砂漠(仮)」のサービス開始を予定している。本作は、MMORPGの基本要素である戦闘要素や、生産要素はもちろん、探検や貿易といった要素に加え、多彩なミニゲームなどかなり多くのコンテンツが詰め込まれている意欲作である。日本での正式名称はまだ未定となっているため、今回は仮称としてタイトルを記載する。

 本作の印象は、本当になんでもできるMMORPGといった感じだ。様々なオンラインゲームやコンシューマーゲームから影響を受けており、他のプレーヤーと協力したり、時には出しぬいて財を得るといったオンラインゲームらしい要素と、高精細なグラフィックスや豊富に用意されたミニゲームなどによるコンシューマーゲームらしい要素がうまく交じり合った新しいMMORPGができあがっていた。

 開発は韓国PearlAbyss。「C9(Continent of the Ninth」などのオンラインゲームの開発に携わってきたキム・デイル氏が独立して立ち上げた会社だ。今回は韓国で実施されたクローズドβテスト(CBT)に伴い、デモプレイと、PearlAbyss CEOのキム氏にインタビューできたので、この模様をお送りしたい。

 なお今回プレイできた要素はごく一部とのこと。キム氏によればさらに多くのコンテンツが用意されているそうなので、その辺りも考慮しつつお読みいただきたい。

全方向へのパワーアップを目指したMMORPG「黒い砂漠(仮)」とは何か?

美麗なグラフィックスで描かれる世界。遠くに見える城や山にも行く事ができる

 インタビューに入る前に、まずはデモプレイの様子からお届けしたい。まず目を引いたのが、明暗がくっきりとしているリアル寄りのグラフィックスだ。壁の模様などのテクスチャも細かく描かれているほか、昼夜の概念があり、太陽の位置にあわせて影や色味などが変化していく。なお昼夜の概念は見た目だけでなくゲームシステムにも影響を与えており、一部のNPCは夜になると自分の家に帰ってしまう。

 また街にある建物は全て入ることができるほか、プレーヤーが所持できる家もいくつか用意されていた。家の種類はアパートの一室や一戸建てなどがあり、家には様々なオブジェクトを配置することが可能。設備を配置することでアイテムの生産が可能になったり、特定のオブジェクトを置くとプレーヤーにバフを与えるものもある。

 生産したアイテムはプレーヤー間で取引するだけでなく、貿易用のNPCに売ることも可能だ。珍しいのは、NPCの買取価格は常に変化し、町によっても価格が異なるというシステムが導入されていること。例えば値段が安い街で購入し、高い街に持って行って利益を上げるという“貿易”や、安いタイミングで品物を大量に買い取って、高くなった時に売るという“株”の様な使い方も可能となる。キム氏によるとプレーヤー間で情報を流し、価格操作することも可能で、実際にCBTではその方法を使って莫大な金額を稼いだプレーヤーもいたそうだ。

 このほか、一部のNPCには好感度というパラメーターがあり、好感度を上げる事で扱っている商品のラインナップが増えたり、隠しクエストが起きたりする。デモプレイでは馬商人の好感度を上げる事で通常時は売っていない「白馬」を手に入れるシーンが確認できた。

 キム氏は、「知識」を使って好感度を上げるデモを見せてくれた。「知識」は世界を冒険し新たな土地を発見したり、NPCから話を聞くことで得られる情報のこと。例えば、あるNPCが街にいる商人に関する情報(知識)に興味を持っている場合、このNPCに話しかけると現在プレーヤーが持っている「知識」が画面に表示され、その中から組み合わせを選択できる。その組み合わせ次第で、どの位好感度が上がるかが変化するという。

 さらに街には様々なミニゲームが用意されているというのも特徴だ。街に隠れている泥棒を全て見つけるといったものや、ネズミ退治など、ほかのMMORPGではちょっと見られないバラエティに富んだ物が用意されている。これらのクエストを達成することで、「貢献度」が入手できる。「貢献度」が上がると街で売っている品物のバリエーションが増えるといった変化が起きるという。

【街】
街のNPC達が会話しているシーン。生活感が感じられる
ネズミ退治や石を運ぶミニゲームがあり、達成すると「貢献度」が獲得できる

 今回は生活系要素として「釣り」のデモプレイも見せてもらった。「釣り」は海や川、湖などでプレイ可能で、場所によって釣れるものが変わる。釣った魚は、「料理」に使用できる。「料理」は専用のインターフェイスがあり、食材を選択し、「混ぜる」や「干す」といった調理方法を選択するというもの。今回は釣り上げた「イカ」を「干す」ことで「干しイカ」を作った。他にも「水」と「塩」を「混ぜる」ことで「塩水」など、様々な調理ができるという。

【釣りと料理】
海や川で釣りができる。釣った魚は調理することが可能だ

 街の外に目を向けると草原や森が広がっていて、遠くには朽ち果てた廃墟が見えた。キム氏によるとプレーヤーから見えるところはどこでも行けるという。

 実際にプレイ機会を得たので、筆者も街から見えた廃墟に行ってみた。廃墟にはモンスターがたむろしており、狩場になっている……というところまでは想定の範囲内だったが、面白かったのはその廃墟にNPCが居て、「知識」を教えてくれたということ。

 ここからわかるのは、探検には狩場を探す以外にも意味があること。フィールド上のとある山の中には洞窟があり、その中には宝箱が隠されていたりもするという。ただフィールドを探検するだけでも、様々な発見ができるというのが特徴となっている。

 今回探検できたエリアは韓国でのCBTで開放されていた世界のごく一部だったが、海があり、川が流れ、森があり、沼地があり、山の上には放牧場があり……とかなりバラエティに飛んでいるロケーションが確認できた。端から端まで歩くと数十分、もしくは1時間以上かかりそうな位の広さとなっているため、キム氏は移動は馬などの乗り物を使うことを勧めていた。

【馬】
マップはかなり広いので移動する際は馬などの乗り物を使ったほうが良さそうだ

(八橋亜機)