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「METAL GEAR SOLID V THE PHANTOM PAIN」、KONAMI小島秀夫監督インタビュー

オープンワールドの中で、どうやってミッションをこなし脱出するか?
何度も何度も遊べるリアル潜入シミュレーター

9月19日〜22日 開催(一般開催日:21日〜22日)

会場:幕張メッセ1ホール〜9ホール

入場料:1,000円(中学生以上・前売)

1,200円(中学生以上・当日)
入場無料(小学生以下)

 今年の東京ゲームショウは次世代機の激突などいくつかのトピックがあるが、話題の1つに、小島秀夫監督による「METAL GEAR SOLID V THE PHANTOM PAIN」の解説ステージが予定されていることがあった。プレイステーションブースで2回、日本マイクロソフトのXbox Oneのブースでもステージイベントが実施された。

 プレイステーションブースでのイベントは非常にサービス精神にあふれた内容となっており、東京ゲームショウ2013でしか見られない映像である旨が伝えられると、会場から大きな拍手が巻き起こった。特に一般開催日となった21日のイベントステージはプレイステーションブースの前が埋まってしまい、通るのが困難になったほどだ。それだけ注目度の高いタイトルということができる。

 そしてこの機会にゲームメディアを対象とした囲みインタビューが実施された。ここではその内容をお伝えするとともに、21日に行われた「METAL GEAR SOLID V THE PHANTOM PAIN」のプロローグにあたる「GROUND ZEROES」のサブオプスをプレイしたスクリーンショットをお届けする。「METAL GEAR SOLID V THE PHANTOM PAIN」はどのようなゲームを目指して製作されているのか、小島監督のインタビューからその一端を感じ取ってもらえればと思う。

なるべくゲーム的なシステムを排除したかった

21日にプレイステーションブースで行なわれた「一遊入魂」で披露されたサブオプスの1カット。これまで夜のシーンばかりだった「GROUND ZEROES」だが、明るいと印象が違う

−−19日に「GROUND ZEROES」が公開されました。 オープニングから1ショットで進行する演出を採用されていましたが、本編でも1ショットで進行するのでしょうか?

小島秀夫監督: ゲームのカメラは操れますけど、1つのカメラでやっていますよね。肩越しから寄りのショットに移ってカットシーンまで繋がって1カメでやります。(デモが)終わったらまた戻っていくので、どうしても仕方なくカットを割っていることもありますが、それでもほとんどが1カメです。

−−昨日は、ぐっとこらえて1カメでやっていると仰っていましたが?

小島秀夫監督: たとえばこの部屋にいる人全員の表情を1カメで撮ろうと思ったら、(1台のカメラで追っていかなければならないので)大変でしょ? でもカットバックで入れると映画的な手法でやりやすいですけど、ユーザーから見たカメラは1つということになりますので、そういう意味で徹底しています。結構きついですね。別に挑戦とかたいしたことではないですが、やってみるとしんどいです。

 (カットが少ないといえば)今度、アルフォンソ・キュアロン監督の「ゼロ・グラビティ」が公開されますが、2時間くらいで9カットくらいしかないらしんですよ。見てみたいですねぇ、天才ですから、あの人。

−−(1カメを採用したのは)没入感ということですが、新世代ということでチャレンジしたいということですか?

小島秀夫監督: 別に新世代というわけではなく、オープンワールドなので……たとえばオープニングで普通のデモシークエンスですと、犬の吠えているところをカットバックして兵士が歩いていてその足下が映って……っていう方が結構いい演出ができるんですが、あの中をロードもなくカメラがずっと進んでいく方が、ある種オープンワールドの最初の没入感としてはいいのかなと。そこから空撮で上がっていてスネークがいるという方がいいかなと。

−−敵のAIが進化しているということですが?

小島秀夫監督: 進化しているというか、FPSのようなリニアなゲームってお化け屋敷のレールの上を歩いていって、ある場所に来たら敵が撃ってくるわけです。でも「メタル」って裏側からもいけるので、それでAIが必要なんですね。そうなってくると、1度見つかるとAIに依存してしまうので、思ったようにゲームができない。なので、かっこよく倒してほしいけどそうはいかない。そういう意味でのAIなんですね。高度なAIっていうか、まだ高度になっていないので(笑)。

 「メタル」って、前のゲームはリニアですけど、4作目の時に上からスナイパーライフル持った兵士がいるときに、FPSではこちらから撃つしかないですが、「メタル」では裏口から階段を上っていってホールドアップとかできますよね。結局リニアな状況ですけど、ある種建物のどっからでも入れたので。今作ではそれよりもっと自由度が高いんです。ほかのかっこいいプレイをやっているレールゲームは、ある場所を通過しなければゲームが進行しないようになっているので、そっちの方が絵的には作りやすいですけど、同じミッションでも何回もプレイしてほしいじゃないですか? 今度は右から行ってみよう、左から行ってみよう、ヘリで行ってみようとかそういう自由度はあります。

 でも、AIはまだアホです(笑)。永遠のテーマですね。

−−本編は舞台設定が1984年ですが、「メタル」といえば時代設定に合わせた武器などが登場しますが、今回もいろいろなものが登場するのでしょうか?

小島秀夫監督: 武器などはその時代風のものは多数登場します。

 ヘリなども自分でデザインできます。「GROUND ZEROES」ではオープニングで「基地に査察団が来て……」とか言っていたかと思いますが、なので1機しか借りられない。だから、フルトンもできない。フルトン用のヘリなんてないですから。だからあそこから人を連れて帰るには1人1人担いで帰るしかないんです。すごく面倒くさい。でもその中にダンボールを作れるやつがいるんです。だから本編ではダンボールが出てくるかも。

−−オープンワールドになり自由度が高く、何でもできるようになりました。ゲームを好きな人はなんでも工夫してプレイしますが、そうでない人はそれをしないので難しく感じると思います。その人たちへのケアは難しいところだと思いますが、いかがでしょうか?

小島秀夫監督: 潜入していって、もし見つかったら人を撃つしかないようなゲームを普通の人はやらないと思うので(笑)、そういう意味で言うと、どちらかと言えば今回はゲームデザインを排除しているんです。

 いや、海外の人にめちゃくちゃ言われたんです。「今回は、撃たれたら赤くなるとか、敵兵をマーキングするのとか、ほかのゲームに入っているシステムがいっぱい入っている。『メタル』は『メタル』らしさがあったのに……敵兵に見つかったらハイスピードになるのとか、『メタル』からパクったゲームのパクり直しか!」って。

 そういうんじゃないんです。これまで、できなかったことをゲームデザインしてルールを作って提供していた。トランプとかそうじゃないですか? キングとクイーンがどちらが強いとか、あんなの記号化ですよ。でも今回はそうではなくて、オープンワールドなので、実際にサバゲーをやっているとして、どうやったらいいかと頭で考えて直感的に行動したら結論でますよね? そういったゲーム作りにしているので、シンプルなんです。「人を見つけて助けてこい」とか。ヘリから降りて探して見つけてどこでもいいからヘリを呼んで助けてくるだけの話なんですよ。だから「こういうときはこうしなさい」とか、なるべく排除しています。

 それでも、360度敵がいて上からも下からも見られていたら、突然どこからか見つかるわけです。誰に見つかったんやと。α1版(試作版)をやっているとみんな敵兵に見つかりまくって、「何ですか、これ?」って言うわけです。しかたないから、見つかったらハイスピードになってトリガー引いたらそっちに向く、そしてその間に倒すことができる。

 それと、タグ付けはしたくなかったんですが、やっぱりあれがあると便利なんです。僕の中ではリアルの世界でないものはなるべく入れたくないです。だから「METAL GEAR SOLID V THE PHANTOM PAIN」に関していえば、自分が普通にそこに行ってどうすればいいか考えればおのずとわかる。車があれば乗って運転するだけの話で。そこで「あーしなさい、こうしなさい」とはいわないです。

−−なるほど、現実世界をなるべくそのまま再現して、常識的に判断したらこうなるでしょということなんですね。

小島秀夫監督: そうそう。この高さより上から飛び降りたら死にますとか、色が変わってたりするじゃないですか。そういうのがこれまでのゲームデザインだったんですけど、そういうのは無しにしましょうと。で、「GTA」と何が違うかというと、「GTA」はなんでもできるからいろいろやっている間に何していたか忘れてしまうんですけど(笑)、「メタル」は時間切れのあるミッションがあって、敵地に潜入ミッションをおこなうので、どうゆう手段でどうゆうルートで行くかをリアルに考えてやると、それが反映されていくというゲームです。

−−今回、「GROUND ZEROES」だけ公開した理由は?

小島秀夫監督: あのプレゼンではわからない人が多かったみたいなんですけども、「普通の『メタル』やん」って言われたんですね。僕が心配してたのは、「オープンワールドだから『メタル』じゃないじゃないですか?」といわれるのが怖くて。

 本編はものすごく広大です。天気も変わるし時間も変わる。長い距離を歩いていったら夜になってしまう。夜は真っ暗ですよ。でも僕らは夜が暗いものと知っているので、そこはルールではなくリアルに近いんですけど、それをいきなりプレイしてもらうと「『メタル』ちゃうやん!」とか言われるので、本編に比べると小さい……本編に比べると1/300くらいのところで遊んでもらうために、プロローグがあるんです。

 そういつもりでプレゼンしたのに、E3で発表したときに、オープンワールドに期待している人と、「オープンワールドとステルスは相性悪いですよね」という人までいる。そんなん誰が決めたんやと。実際に潜入している人とか、オープンワールドでやっているわけじゃないですか? 実際のサバゲーもオープンワールドですし。めちゃくちゃですよ(笑)。

−−今作では潜入シミュレーターといった作りになっていますが、寝食などは今回要素としてあるのでしょうか?

小島秀夫監督: 毎回入れようとするんですが、そこをあんまり入れても仕方ないかなと。自分が敵地に潜入して、自由度のあるところでいかに戦略を組み立てて生きて帰ってくるかというところが友達に自慢できるところなので、そちらを優先しています。RPGのように街中に立っていて、そのキャラクターたちがどうなっているかとか、そういったところは狙っていないです。

−−これまではアクションボタンがありましたが、今回はジャンプボタンがあるじゃないですか? これが衝撃的だったのですが?

小島秀夫監督: いや、あれはアクションボタンですよ。押しっぱなしにすると勝手に柵を超えていったりしますよ。「メタル」は見つかる見つからないのゲームじゃないですか? そうすると高さの概念が難しいんですね。上にあがっていくとだいたい自分の視点は遠くを見ているので、そういったときに下から見られていたりすると、もうゲームにならない訳なんですよ。

 ゲーム制作の初期段階では、前述の通りタグをつけるのとかいやだったので、(ストイックに)作っていたら、プレイすると敵兵から見つかりまくりなんですよ。「GROUND ZEROES」はまだいいですよ。本編に登場するアフガニスタンなんか広いから、馬に乗って走っていたら、もうどこから見られているかわからない(笑)。先に自由度を付加して作ってみて、ちょっと(システム的に)親切にしたりしましたが。

 ジャンプに関して言えば、「MGS3」あたりまでジャンプを入れるとゲームが崩壊していたんですよ。でも、あんな強いヒーローがほんの少しの段差に阻まれて迂回するとか、なんやそれ?(笑)。でも今回はオープンワールドなので、どこにでも行けないといけない。当然上がれない高さは存在するんですが。

 台を上がったり、はしご上ったり、結構な高さも上れますし。5mほどあるコンテナの間とか、「ASSASSIN'S CREED」とか、ジャンプしていってしまいますけど、「メタル」ではそこまでやると怒られてしまいますので、間に台とかおいてますけどね。

 今回のデモで、見張り台とか上っていって下から見張りを引きずり落としたりしてますが、そんなの別に新しくも何ともないです。普通なんです。「メタル」ってちょっと特殊なユーザーが多いので、それで怒っているんでしょうね。「メタル」は操作系が特殊で、FPS系の人たちやコアゲーマー系の人からしたらやりにくいので、いろいろなモードをつけているんですけど、タグ付けも同じで間口を広げていろいろな人にやってもらうためなんです。ほかのゲーム見たらみんなタグ付けしてて、「みんな一緒やん」と。でもその先が違うんです。「メタル」はリアルタイム潜入シミュレーターなので、タグを付けたりの操作感は違わないかもしれませんが、自分で潜入して脱出するのを経験すると、結構ゲーム感は違いますよ。そこは実体験を伴うことなので、デモできないんですよね。

最新スクリーンショット
21日に公開されたサブオプスは、潜入しているスパイのブライアンを見つけ情報を仕入れ、秘密情報が入ったカセットテープを入手するというもの。デモではブライアンを見つけ情報を入手し、目的地までたどり着き、カセットテープを入手するまでは順調だったが、ここで銃撃戦に突入。ヘリを近くに呼ぶも撃墜され、自力で脱出するしかなくなってしまう。逃走していると戦車が登場。これを海岸線近くまでうまく誘導し、C4で爆破。車に乗って検問を突破して見事ミッションクリアとなった。銃撃戦でやられるとフィルムが溶けるような演出でスネークの体力を表現するなど、見所の多いデモとなった

−−リプレイ性といった点では今作ではいかがですか?

小島秀夫監督: 「MISSION GROUND ZEROES」がストーリーの本ミッションなんですね。それで、その同じ地形を使った全然違ったパラレルのお話とか、おもしろいミッションがいっぱい入っているんですね。さらに本ミッションの中にも「おつかい」みたいなチャレンジがある。

 本ミッションやパラレルのミッションをプレイしていくと、1話2話と分かれたテレビドラマと一緒で、徐々にストーリーがわかっていく。でも、プレイ内容によってプレーヤーにとって見たり見なかったりは違ってくるじゃないですか? それが伏線になっていって、そこを種明かしでカットバックのように見せるのではなく、バラバラの情報をプレーヤーが自分で組み立てると、その向こう側により大きなストーリーが見えてくるようなのが本筋としてあります。

 また、いろいろとチャレンジでやったことがすべて基地に反映されるんです。何回もやることでそれが反映されていくというのはあります。

−−マップ内にランドマーク的な建物や施設などはありますか?

 あくまでも敵地への潜入なので、ニューヨークなどの都市が舞台というわけではなく、自分以外には敵か捕虜しかいません。アフガニスタンでいえば、基地もあれば村もあり、関係ない川もあって、動物も歩いている。でも、自分以外の人間は敵か捕虜ということで、非常にシンプルで、そういった意味では緊張感が途絶えることはありません。

−−「GROUND ZEROES」だけでかなりのボリュームが用意されているようですが、そこだけ単体で先にユーザーに遊んでもらうといったことは考えていませんか?

小島秀夫監督: マップ的なボリュームはそんなにないですけどね。本編は“作れないくらい”でかい(笑)。作ったら印をつけていっているのですが、作っても作っても残りが減らない。

 「メタル」を知っている人には「GROUND ZEROES」をやってほしいんですね。「GTA」を知っている人は(オープンワールドのゲームになれているので)そのまま本編やってもらってもいいのですが、「メタル」ユーザーにはなれてほしいんですね。まだ言えないですが、「GROUND ZEROES」には「メタル」ユーザーが涙するようなアホミッションがあります(笑)。

−−作りきれないという話が出ましたが、アップデートやDLCで広がっていくと言うこともあるのでしょうか?

小島秀夫監督: うーーん、DLCはもう計画しているので、どうなんでしょうね。ゲームを作りきれない分をDLCという風には考えていないです。

−−本編には、人間以外にも動物が登場するということですが。

小島秀夫監督: ええ、登場しますよ。基地にはネズミやトリとか飼っている犬くらいしかいませんが。基地にオオカミとかいたら困るし。「MGS3」みたいに捕まえて食べたら……そういったこともあるかも(笑)。まぁ、基地があるので。なんとなくわかります? フルトンがあるわけですから。運べるわけですから。

 あと、「モンハン」は出てこないと思います(笑)。アフガンには「モンハン」のモンスターとか似合うんですよ。すごく広いので、山の上とかにいたら特別ミッションとかでね(笑)。

 その土地にいる動物は登場します。取材にも行っていますから。

−−作中登場する最新機器「アイドロイド」がゲーム的なものを担っているんだと思うのですが、、どんなことができるのでしょうか?

小島秀夫監督: なるべくUIを出したくないんですよ。1個内側に階層があると思ってください。なんか押すとひゅっと出てくる。で、アイドロイドが表示されている間もリアルタイムに時間は流れます。マップやマーキングやヘリなど全部集約されてます。iPhoneみたいなものです。見ながら走れません。

 「アイドロイド」でマップも確認できますし……タグ付けは頭の上に出ますけどね、あれイヤやったんです、はじめは。はじめは“ビックリマーク”もなかったんです。でも、スタッフから「なかったら殺されますよ!」って。「そんなん言うてたら作られへん!」とか言ってましたが、やっぱり無いとねわからないんです。本来ならあれだけの性能のゲームマシンなので、表情とかで表現できる。でも、曖昧さがないといけないんです。でもそれだとわからない。一昔前のゲームは音楽が変わったり、色が変わると見つかったってわかるんですが、わからないから怖い。そこを狙ってたんですが、自由度が高すぎてやることも多くて、「これではキツいですよ」とボロかすに言われまして、そこで今つけています。

 でも、オフモードみたいなのは考えてもいいかなと思うんですけど。

−−今までのシリーズ作品では、敵兵がエロ本に興味示したり、少し抜けたところがあったと思うのですが、そういった表現は継承されているのでしょうか?

小島秀夫監督: テーマが報復とかなので、なるべく無いようにしていますが、意図しないAIの馬鹿さ加減は残っていますけどね。それは至らないっていう……今は! ダンボールは出したいので……本当は出さないと言ってたんですけど。ダンボールだけはほかの皆様もマネしないので。

身振り手振りを交えながら最新作「METAL GEAR SOLID V THE PHANTOM PAIN」を説明した小島秀夫監督

−−テーマが重いだけにお笑い要素は押さえている感じでしょうか?

小島秀夫監督: お笑いというか……ダンボールはアイコンなんでね。ビックリマークもいいと思うんですけど。実際にサバゲとかでどうするか考えたときに、そんなことせえへんやろというのはなるべくやめようかなと(笑)。まぁ、平凡パンチを置いたって、敵がそんなものに引っかかるわけないじゃないですか? いや、作るの大変なんですよ。スネークだけでモーション量が何万とあるんです。それをブレンドしてやってるんですが、アイテムを出すたびに厳選してやらないと。

 でも、アホなミッションはありますよ。地形はありますので、その地形を使ってリアルじゃないミッションをプレイできます。それと、そこで難易度調節しようかなと。ものすごく難しいミッション作って。それはクリアしなくてもいいわけですから。

−−プラットフォームがPS4/PS3/Xbox One/Xbox 360と多岐にわたっています。現世代機より次世代機のほうができることも多いと思いますが、プラットフォームによっていろいろ違ったアイディアを盛り込む予定などはありますか?

小島秀夫監督: もともと「METAL GEAR SOLID V THE PHANTOM PAIN」は現行機で企画して作っていたんですね。それで、うちのエンジンの出来が悪かったのでマルチのやつを作り直したのがFOX ENGINE。なので、次世代機に特化してるほかの洋ゲーなどの方が絵的なクオリティは高いと思いますよ。1個のモデルにしてもものすごいポリゴン使ってますから。

 で、現行機では30フレーム、次世代機では60フレーム。さらに、テクスチャーの解像度も違うしライトの数も違うので、印象は一緒ですけど、かなりきれいです。ただ、次世代の方が敵が1,000人出ます……ということはないです(笑)。ゲーム的にはほぼ一緒ですが、マルチデバイスなども含めて次世代機にしかついていないようなサービスはそちらを使うので、そっちの方がおもしろいです。入り口は一緒でもミッションを解きながらいろんなことができるんですけど、その向こう側にあるのは次世代機の方が当然、かなり奥行きがあります。次世代機の方がいいですよね。

 僕がやりたいのは、その奥にあるものなので。そのために「PEACE WALKER」なども作ってましたし、次世代ではSNSやタブレットなども繋がりますので、その先にあるものを最終的にはウリにしています。入り口はほかのゲームのパクりに見えるかもしれないけど、そこは別にアピールしたいところではないので。

−−そこら辺のクラウドなお話はいつくらいに……

小島秀夫監督: それは言うとパクられますから(笑)。パクるとかパクられる前に僕らが力尽きそう。オープンワールドだけでも広いのに、その先のクラウドの世界があってとか……もうちょっとできてから言います。

−−オセロットのCVが三上さんですが、起用の理由は?

小島秀夫監督: かっこいいからです! 米国版のトロイさんがすごい男前な人で、本当の声はあんな声ではないんですよ。声をつぶして無理矢理ああいった声にしているんですが、元々ああいったテイストで行こうと思ったのですが、いろいろなテイクを録るうちに三上さんのカンバーバッチ風の声がよくてFIXしました。

 オセロットは毎回声優さん変えてますが……今回、ニュートラルなんですよ、あいつだけ。秘密があるので言えないんですけど。ほかはみんな傷を持つ身なんですが。オセロットは特殊なキャラなので、三上さんと相談してあのようにしました。

 スネークは大塚さんの声ありきですが、今回キーファー・サザーランドさんがやっていて、演じている俳優さんがすべて外国の方なんですね。するとリップシンクもすべて英語なので、アフレコになるんですよ。そうなると、本当はあのキャラクターたち皆日本語を話したらおかしいじゃないですか。そこまで精度が上がっているんです。でもこれまで日本の声優さんは大塚さんなので、アフレコをしてます。本来なら字幕がいいんですが、「メタル」は特別なので、アフレコでやっています。

【GREEN BAND「MGSV THE PHANTOM PAIN」日本語音声版】

【RED BAND「MGSV THE PHANTOM PAIN」日本語音声版】

(船津稔)