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【ChinaJoy 2013】武侠ファンタジーMMOの決定版! テンセントの「天涯明月刀」
少林拳のコンボ、多彩な武器を使う女武術家など武侠エッセンスを凝縮
(2013/7/26 00:21)
テンセントは中国オンラインゲーム業界でトップを争うメーカーの1つだ。今回は様々なタイトルのコーナーを作り、多彩なタイトルをアピールしていた、NC SOFTの「ブレード&ソウル」や、「ナルトOnline」など注目タイトルが多かったがその中から本稿は「天涯明月刀」を取り上げたい。
「天涯明月刀」は武侠世界を扱ったMMORPGであり、美しいグラフィックスで描かれた風景の中で、強く美しいキャラクターが悪漢どもに立ち向かうというオーソドックスな雰囲気の中、特にアクションに光るものを感じさせる作品である。
人気小説の世界を再現。PhysXを採用したリアルな演出で、集団を倒す強さに酔える
「天涯明月刀」は台湾の武侠小説家・古龍氏の作品を原作とするMMORPG。「天涯明月刀」は中国でTVドラマとなり、大きな人気を博した。ゲームは古龍氏が生み出した魅力的な武侠世界を再現している。
「天涯明月刀」は“武林会”という武術を統べる組織の盟主が暗殺されて20年後、復讐を誓って黒幕を探し続ける盟主息子の姿をが描かれる。魅力的なキャラクターが多数登場し、どんでん返しやなど劇的なドラマが展開する。TVドラマに関しては、日本語字幕付きのDVDも発売されている。
MMORPGの「天涯明月刀」は今年の3月に制作正式に発表され、7月前半にクローズドβテストが行なわれた。基本プレイ無料のアイテム課金を予定しており、現在のところ今後のテストスケジュールは未定だ。今回は武器と拳で戦う2タイプの近接キャラクターと、遠距離タイプのキャラクターの試遊ができた。
本作は、その美しい世界の描写に大きな特徴がある。水、大地、遠くにかすむ山、鮮やかな緑が広がる森や、寒々とした雪景色などが質感たっぷりに描写されており作品世界にグッと引き込まれる。
そしてキャラクターのアクションは強く印象に残る。近接タイプは腕や脚を華麗に使い戦う。パンチやキック、武器の攻撃は軌跡が残り、それに触れたキャラクターは吹っ飛ばされる。これらの操作は基本的にマウス連打で可能で、格闘ゲームの様なコンボを簡単に繰り出せる。技のモーションは凝っており、簡単操作で多彩な技を出す爽快感が味わえる。
街の周りに敵が配置されており、今回の試遊ではその敵をたたくというシンプルな内容となっていた。他のMMORPGの試遊バージョンと比べると敵の耐久力は高めで、その分コンボによる攻撃が気持ちよく楽しめるようになっていた。コンボ中にスキルをつくことで連続技が変化する。来場者は様々なスキルの組み合わせを行なっていた。
敵は群れで固まっていて、「真・三國無双」シリーズのように、集団をまとめて吹っ飛ばして倒していく爽快感がある。その集団には身体の大きなボスがいて、そのボスだけはコンボもものともせずに攻撃してきたりする。ボスの攻撃をかわし戦うというアクション性が盛り込まれていると感じた。
「天涯明月刀」ではNVIDIAのPhysXを採用しており、キャラクターのアクションにリアリティを加えているという。敵が吹っ飛ばされる要素や、ジャンプといったアクションに力が入っていると感じた。
距離を取り、多彩な武器で戦うテクニカルな遠距離戦も
遠距離タイプのキャラクターは、近距離タイプと戦い方が大きく異なっていた。画面にマウスポインタで線を引くように走らせると、その軌跡の通りに地面から剣が飛び出してきたり、詠唱すると手の周りに黒いエネルギーが溜まり、それが巨大な手裏剣になって前に飛んでいくなど、様々な武器を使う戦い方だった。
敵をおびき寄せ強力な技を使うというのが基本的な戦い方で、空間に罠を浮遊させ敵をそこにぶつけて倒すというスキルも見られた。近接以上にユニークで、クセの強い職業だと感じた。その分プレーヤースキルを活かせる職業となりそうだ。
「天涯明月刀」には剣を使う「太白」や、忍者のような暗殺者の「五毒」といった職業が「八門」という武術大系に分けられている。ちなみに今回体験できた近接タイプは「少林」、遠距離タイプは「天香」という職業だ。
この他、フィールドを探索していると海に出てしまった人もいたが、キャラクターは水の上を問題なく走っている姿が見られた。湖の向こうには島が見え、そこに向かって水の上を走る姿は仙人のようで、いかにも武侠ものっぽい演出だと感じた。
「天涯明月刀」はグラフィックスの美しさと、中国のユーザーの好む武侠もののエッセンスを凝縮した作品で、中国プレーヤーの心をつかむ作品だと感じた。作品の雰囲気は魅力的であり、この高品質のグラフィックスは、日本でも人気を得られるのではないだろうか。