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スクエニ、「FFXIV: 新生エオルゼア」αテストプレイレポート

本当に“面白いMMORPG”になったのか!? 2年間の開発成果を厳しくチェック!

10月29日〜12月27日αテスト実施

αテストでは2種類のキャラクターを作成可能だった

 10月29日から「FFXIV: 新生エオルゼア」のαテストが行なわれている。GAME Watch読者にはいまさら説明の必要はないかもしれないが、αテストとは開発途中のゲームを部分的に開放して行なうテストのこと。ある程度完成されたクライアントを使ってゲームバランスの調整やデバッグのために行なわれるβテストとは違い、システムが正常に稼働するかどうかといった動作確認が主となる。このαテストのフィードバックを受けて、βテスト用のクライアントが作られることになるので、今の段階でのバトルシステムやUI等は今後変更される可能性が高い。

 そんな前提を踏まえたうえで、この記事では「FFXIV: 新生エオルゼア」のαテストをプレイしたファーストインプレッションをお届けしたい。筆者は2年前の「FFXIV」αテストからずっと本作を見守ってきた経緯から、「FFXIV: 新生エオルゼア」にも一抹の不安を持っている。これは「FFXIV」に失望した多くのファンも同じ思いだと思う。

 このレポートでは、「『FFXIV: 新生エオルゼア』はMMORPGとして本当に面白いものに仕上がっているのだろうか?」という疑問には答えられないかもしれない。なぜならαテストの段階では未実装の要素が多く、ゲーム全体を見渡すことが難しいためだ。しかし「面白くなる可能性」については、語ることができる。そんな視点で「FFXIV: 新生エオルゼア」を概観してみたい。

 なお「FFXIV: 新生エオルゼア」は、プレイステーション 3でもサービスされる予定だが、αテストはWindowsでのみ参加可能なので、このレポートはPC版のインプレッションであることをお断りしておく。

“世界標準MMORPG”を目指して操作系を一新

ジャンプで段差を飛び降りることができるようになった

 「FFXI」が発売された2001年、MMORPGにはまだ鉄板といえるようなの定番はなく、バトルシステムもUIも様々なバリエーションが活発に生みだされていた。しかし2004年に「World of Warcraft(WoW)」(Blizzard Entertainment)の登場は、世界に衝撃を与えた。最盛期にはアクティブユーザーが1,000万人を突破するほどの盛況を極めた「WoW」のシステムは、その後に登場した多くのMMORPGによって模倣され、結果としてオンラインゲーム業界の世界標準となっていった。

 「WoW」以降のMMORPGはすべて「WoW」と比較されるようになり、どのタイトルも「WoW」との差別化に苦心することになった。「WoW」がサービスされていない日本ですら、「WoW」のUIやシステムを模倣したゲームが多くサービスされているため、プレーヤーは知らない間に「WoW」タイプの操作に慣れ親しんでいる。もはやこの流れを無視してゲームを構築するのは無謀ですらある。「FFXIV」は2年前、その無謀な戦いに挑んでしまい、その戦いに完敗しただけでなく、多くのオンラインゲームファンの批判にさらされることとなった。

 「FFXIV: 新生エオルゼア」では、その反省を踏まえて「WoW」が確立した標準的なUIを強く意識した作りになっている。スペースキーでのジャンプや、マウス&キーボードに特化したUI、ターゲット式のバトルなど、「WoW」タイプのゲームで遊んだことがあるユーザーなら、感覚的に何をすればいいのかが分かるようになっている。これは「FFXI」や旧「FFXIV」でしか遊んだことのないユーザーにとっては、かなり新鮮な感覚を覚えるのではないだろうか。

 「FFXIV」はマウス&キーボードでの操作性に問題が多く、ゲームパッドだけでも完結しないとどちらの方法でも使い勝手が悪い面があった。これが「FFXIV: 新生エオルゼア」では少なくともマウス&キーボードでの操作はストレスフリーになった。ゲームパッドは今回試すことができないが、専用の全く違うUIが用意される予定だ。UIは現状でも位置をカスタマイズできるが、正式サービス後にはユーザーが自分で作ったアドオンでカスタマイズできるようにすることも検討されている。

 だが「FFXIV: 新生エオルゼア」は単純な「WoW」コピーではなく、「FFXIV」や「FFXI」から受け継ぐスクエニオンラインゲームの遺伝子もしっかりと残している。世界標準とオリジナリティという2つがどのように融合しているのか、以下、詳細に説明していく。

キーコンフィグでキーボード操作をカスタマイズできる
まだ未到達の場所はマップが白く表示されるようになった
プレーヤー検索では、そのプレーヤーの使用言語がわかるようになった

クエストがゲームの世界を形作り、キャラクターを育てていく

クエストを持っているキャラクターにはクエストマークがつく。このマークはマップにも表示される

 かつてのMMORPGでは、レベル上げのために延々と同じ場所でモンスターを倒し続ける必要があった。しかしこの「ファーミング」、あるいは単に「レベリング」と呼ばれるこの種のプレイは、多分に開発側の延命処置という意味合いを含んでいた上に、過度の長時間プレイやBOTなどの温床になりやすいため、近年のトレンドでは、レベリングそのものが縮小傾向にある。

 代わりに登場したのが、点在するクエストを解決しながらフィールド内を旅していくロードムービーっぽい遊び方だ。その場所にあるクエストをすべてクリアすると、最期に次の場所へ誘導するクエストを受けられる。そして次の場所でまたクエストをこなしていくうちにいつのまにかレベルが上がっていく。

 プレーヤーは死角になりやすいフィールドの隅から隅まで冒険できるし、開発者は開発リソースを無駄なく活用できる。だが大量のクエストを飽きのこない形で設置するのはなかなか大変だ。どこへ行っても「〇〇を倒してこい」では、プレーヤーも「またか」とうんざりしてしまう。これもまた完璧な解決策ではなく、ある程度のバリエーションがなければすぐ飽きられるし、バランスの難しいところだ。

 αテストでは、チュートリアルと一部のクエストのみが実装されており、クエストベースでレベリングを行なっていく部分は、まだ端緒しか味わうことができないが、サブクエストにもカットシーンが用意されていたり、収集や人探しなどバリエーションも頑張っている。「WoW」の評価が高い理由のひとつに、クエストのバリエーションの豊富さがある。これは開発力と時間がなければできない力技で、まさにスクエニクラスのメーカーでなければ対抗できない部分でもある。この部分がどうなるかはまだ未知数だが、期待したいところだ。

マップにはクエスト起点やクエスト目標がアイコンで表示される。クエストウインドウから直接マップを確認することもできる
クエスト対象のモンスターには、それと分かるようなアイコンがつく。クエスト詳細を読み飛ばす人向けの親切設計だ
1人のNPCが複数のクエストを持っている。1つがコンプリートするとすぐに次のクエストが現われる

初めてHPが0になったとき、初めて耐久度が減った時などハウツーウインドウが必要に応じて表示される

 チュートリアルクエストは、キャラクター作成後はじめてゲーム世界に降り立つプレーヤーを導いてくれるハウツーのためのクエストだ。αテストではプレーヤーはグリダニアの入口からゲームをスタートする。そこからまずは基本の移動方法を学び、クエストの受け方を学ぶ。グリダニアの町中を一周する頃には、ある程度レベルも上がり、装備も一通り揃って戦闘に出かける準備が整っているというわけだ。

 チュートリアルで重要なのは、いかにスムーズにナビゲートできるかという部分だ。「FFXIV: 新生エオルゼア」の場合、既に2年も「FFXIV」の世界にいたプレーヤーと、全くの新規プレーヤーが混在することになるので、ナビゲートはかなり難しい。ちなみに筆者も、ある程度知識を持っていたので、途中でナビゲートを外れてどんどん進めてしまった。もちろんそれでも支障はない。

 チュートリアルクエスト終了後は、レベルに応じて出てくる各種のクエストでゲームが進行していく。クラス固有のギルドクエストはそのクラスのメインストーリーになるもので、レベル5、レベル10と飛び飛びのレベルで受けることができる。ちなみにαテストでは、まだストーリーが伏せられており、カットシーンは黒画面で隠されてしまっている。ストーリーはβテスト以降のお楽しみとなるようだ。

 次に、サブクエストは、いくつかのクエストで構成されたミニストーリーとなる。途中にはカットシーンもあり、メインストーリーとは異なるミニストーリーを楽しむことができる。ミニストーリーは本筋には関係ないが、世界にリアリティや深みを持たせるのに一役買っている。このあたりは「FFXI」から培われてきたノウハウのなせる技だろう。

 用意されたクエストがすべて終わった後には、繰り返し可能なギルドリーヴで遊べる。ギルドリーヴは、基本的には「FFXIV」のギルドリーヴと同じだが、「FFXIV: 新生エオルゼア」ではパーティー向けではなく、ソロプレイ向けのコンテンツになっている。「FFXIV」で、今後大人数で遊ぶコンテンツが追加される予定があるため、パーティープレイや多人数プレイの人数が揃わないときの暇つぶし用、といったポジションだ。

キーコンフィグでキーボード操作をカスタマイズできる
まだ未到達の場所はマップが白く表示されるようになった
プレーヤー検索では、そのプレーヤーの使用言語がわかるようになった

クエストを順番にこなしていくと、ギルドリーヴを受注できるようになる

 リーヴは街の冒険者ギルドだけではなく、クエストやクラスクエストで足を運ぶことになるフィールドでも受けられる。「FFXIV」のギルドリーヴと大きく違っているのは、リーヴで指定された敵を、別のプレーヤーも攻撃できることだ。「FFXIV」ではリーヴを開始すると、フィールドにリーヴ受注者しか攻撃できないモンスターがポップしていた。「FFXIV: 新生エオルゼア」ではリーヴを受注するとマップにモンスターがポップするエリアが表示される。そのエリアにいるモンスターはすべてクエストの対象で、他のプレーヤーの戦闘に途中参加することもできる。

 αテストでは、チュートリアルクエストや一般のクエストは一度しか受注できないため、クラスチェンジができるようになった後のキャラクター育成には使えない。クエストベースでゲームを進めていくのは楽しいが、その楽しさに慣れてしまうとバトルを繰り返すレベリングがとても退屈に思えてしまうので、クラスを変更した時に受けられるクエストが今後もっと増えて欲しいところだ。

受注時に難易度を設定する。最初は自分のレベル相当の難易度に自動で設定されている
ギルドリーヴを受注すると専用のモンスターが沸く専用のインスタンスに移動する。そこにいるモンスターはどれでも戦うことができる
終了すると自動的にクエストNPCの前に戻ってくる。冒険者ギルドで受けた時には、リーヴのモンスターがいる該当エリアのNPC前に戻る

新しい黒衣森ではマップごとに趣の違う森の顔が楽しめる

まったく新しいマップに生まれ変わった黒衣森(こくえのもり)。あちこちに意味深な構造物が点在している

 クエストで巡るフィールドのマップはかつての姿から一新されている。グリダニアは新市街と旧市街、黒衣森は中央森林、東部森林、南部森林といった形でそれぞれ別のフィールドに分かれているかわりに1つのマップ内では移動できる範囲が広がり、以前はエーテライトとエーテライトを道が結ぶ直線的な印象のマップだったが、拠点を中心に同心円状に広がる面的なマップへと生まれ変わった。

 ジャンプの導入に合わせて高さを出した地形も多くなり、崖をジャンプで飛び降りてショートカットしたりもできるようになった。ただ、飛び降りにはダメージ判定がなく、飛び降りたら死にそうな断崖には見えない壁がある。同じくらいの高さの場所で飛び降りられる場所とそうでない場所があるので、個人的にはすべての場所で飛び降り可能にして欲しい。

 フィールドにいるNPCはプレーヤーが近づくと吹き出しを出して会話をはじめることがある。家はハリボテではなく、ちゃんと中まで入れて、そこで生活しているNPCがいる。限られた期間の中で妥協なくしっかりと作りこまれたフィールドの作り込みには好感が持てる。

 BGMを絞り、環境音を生かした音響の演出は筆者の好むところだ。通常流れるBGMを抑えて、戦闘やカットシーンなどエモーションを喚起したい場所にのみ使用することで、音楽の効果がより生きてくると思う。それに時には静けさが、最高の演出にもなりえるからだ。

 グラフィックスはテクスチャーこそ同じだが、エンジンを作り直したことで以前よりもギラギラした感じが薄れて絵画的になった。カメラをかなり遠くまでひくことができるので、美しいフィールドを堪能しながら走り回れるのが楽しい。

 大地に横たわる大木を橋代わりに崖を上って行ったり、迷路のような隘路を通った先に怪しげな屋敷があったりと、ファンタジーらしい風景も増えて、探索の楽しみが増した。αテストでは、それ以上先に進めないようテストエリアの周辺部には非常に強力なモンスターが配置されている。そのためちらりとしか見ることはできなかった場所もあるが、同じ黒衣森でも、マップによって植生が異なり生息モンスターも異なっている。

 そんなことは当然だと思うかもしれないが、「FFXIV」ではその当然のことができていなかったので、この進化は喜ぶべきところだろう。

巨大な木の根を上った先にも道が続いている
しっとりした雰囲気の黒衣森南部森林
イシュガルドから来た人々がチョコボを育てているベントブランチ牧場
チョコボの好物、ギサールの畑
大きく枝を広げた巨木がそびえる湖を舞台にしたサブクエストもある
森の奥にたたずむ十二神大聖堂

アーマリーシステムが初心者エリアに人を呼び込む

最初のクラスでクエストを進めていくと、アーマリーシステムがアンロックされ転職できるようになる

 旧「FFXIV」の基本システムだった武器を持ち変えることで様々なクラスに転職できるアーマリーシステムは「FFXIV: 新生エオルゼア」でも健在だ。最初に選んだクラスをある程度まで育てると、転職がアンロックされてアーマリーシステムが使えるようになる。それ以降はそれぞれのクラスのレベルを上げつつ、必要に応じて転職したり、他クラスのスキルを使うことができるようになる。

 例えば槍術士でスタートした後、幻術士に転職。幻術士で覚えたケアルを槍術士の追加スキルとしてセットし、槍術士を再開する、といった形で同じクラスでもキャラクターごとの個性が生まれる。一般的なスキル制を採用したMMORPGとの大きな違いは、セットした追加スキルをいくら使ってもそのスキル自体の成長はなく、幻術士のスキルを育てるためには幻術士そのもののレベルを上げる必要があるという部分だ。

 仮に1つのクラスでレベル50のキャラクターを持っていても、新しいクラスはレベル1から育てなければならず、何度も初心者エリアに舞い戻ることになる。現状では2クラス目以降のキャラクターを育てるためのコンテンツがまだ少なく感じるが、アーマリーシステムが上手く機能すればゲームの進行に合わせて過疎になりやすい初心者エリアに人を呼び寄せるための有効な手段になるのではないかと思う。

 ちなみに、一度覚えたクラスは、武器を持ち変えることで簡単に変えることができる。装備一式を一括でショートカットに登録しておけば、装備変更も一発で済み、実に楽ちんだ。

槍術士のスキルにケアルを追加する。追加できるスキルの数は、レベルを上げると増えていく
幻術士でレベルを上げることで、使える魔法の技が増えていく
追加スキルをセットすると、槍術士でケアルが使えるようになる

スピード感と迫力が倍増した新バトルシステム

バトルはスピード感が増したぶん戦闘は爽快になった

 バトルシステムはまだまだ発展途上にあるので、今の段階で判断できない。概要だけを説明しておくと、システムはターゲットをクリックするか、またはキーボードの「Tab」キーで選んでからスキルのショートカットアイコンから攻撃を選ぶというMMORPGではベーシックな方式を採用している。武器固有の技であるウェポンスキルと術士の使う魔法があり、それぞれTPとMPを消費する。

 「FFXI」や旧「FFXIV」では、TPは攻撃開始時には基本的に0で、通常攻撃をしながら貯めていくという、ある種“必殺技”的な位置づけだったが、「FFXIV: 新生エオルゼア」ではTPは時間で回復していくため、戦闘開始時からウェポンスキルを使えるようになっている。

 筆者は槍術士と幻術士でプレイしてみた。戦闘エフェクトやアクションはかなり派手で爽快感がある。武器を構えたりしまったりというアクションは攻撃の開始と終了に合わせて自動的に行なわれるようになり、「FFXIV」で感じていた武器の出し入れに伴うもたつきは解消された。

 攻撃はそのスキルの射程距離内に入っていれば、向きは関係なく発動する。一度スキルを撃つと、その後はオートバトルになり、スキルの合間に自動で通常攻撃が挟まる。現段階では、攻撃スキルはリチャージにかかる時間がすべて同じなので一度スキルを使うと何秒か何もできない時間が挟まる。それがプレイを単調にしているが、ここは今後、リチャージ時間の調整が入ることで、リチャージ時間を考えながらどのスキルを使うかという戦術の入る余地が生まれてもっとバトルを熱いものにしてくれるはずだ。

 バトルに関してはまだまだ仮のものが入りましたという段階で、上述のリキャストタイムや敵のAIやHP、攻撃のダメージ値などまだまだ改良の余地がある。特にパーティープレイの時にそれを強く感じた。現状が単調だと感じるテスターの人も多いようで、フォーラムでそういったフィードバックも見かける。

 だが、旧「FFXIV」の戦闘を経験したことがある人なら、「FFXIV: 新生エオルゼア」で戦闘がとてもスピーディになったと感じるはずだ。旧「FFXIV」では実際に戦闘に入ってウェポンスキルを使えるようになるまでに、武器を出して戦闘を開始し、オートバトルの通常攻撃でTPが貯まるのを待ってからようやくウェポンスキル発動に至った。雑魚との戦闘でも毎回この手順が繰り返されることが、戦闘をまどろっこしく感じる原因の1つになっていた。アクティブモンスターに絡まれて、焦って武器の出し入れボタンを複数回押してしまい、せっかく出した武器をまたしまってしまい、その間にダメージを食らう、という体験が「FFXIV」プレーヤーなら一度ならずあるのではないだろうか?

 「FFXIV: 新生エオルゼア」ではターゲットした次のアクションでもうウェポンスキルを繰り出して攻撃が可能だ。アクティブなモンスターがいきなり攻撃してきても、すぐにターゲットして次の瞬間にはもう攻撃を開始している。ラグやもたつきがなく、思考のスピードに応じた操作は爽快さを生む。「FFXIV: 新生エオルゼア」のバトルは未調整ではあるが、そういう意味でこれからに期待を感じさせてくれる。

モンスター同士で縄張り争いをしているものもいる
黒衣森は鳥や虫など動物系のモンスターが多い
MMORPGに出てくるモンスターの定番、ゾンビ系ももちろんいる

レベル15インスタンスダンジョンでパーティープレイを体験

中央森林にあるパーティー向けのインスタンスダンジョン「タムタラの墓所」

 αテストには、パーティープレイが楽しめる場所として、レベル15から入れる「タムタラの墓所」というインスタンスダンジョンが用意されている。タイムアタックダンジョンで、一定時間内にミッションを遂行するのが目的だ。途中にある部屋には宝箱があり、装備品がドロップする。欲しいプレーヤーは入札に参加し、ダイスで所有者が決定する。

 今はまだパーティー集めのためのシステムが実装されていないので、もっぱらシャウトか現地で勧誘しあう方式で仲間を集める。インスタンスには転々とモンスターがいて、1匹を攻撃するとそのグループすべてが襲ってくる。

 αテストで使えるクラスにはタンク系の職業がないので、敵を引きつけておいて後ろから攻撃するという手法がとりにくい。ミニマップにはモンスターが表示されないので、敵の動きや視野を計算して動くというよりは、当たるを幸いすべてなぎ倒していくという感じだ。殲滅戦にはそれはそれで爽快感があるのだが、延々と同じような攻撃を繰り返してくる敵との度重なる戦いは少々冗長だ。

 ダンジョンはかなり枝分かれして複雑な地形だが、地図を見ることができるので道に迷う心配はない。他のタイトルと比べても、序盤のダンジョンにしてはかなり長い方だろう。その割に、特徴のある中ボスが少ないことが単調さを生んでいるのではないかと思う。ただ雑魚モンスターはかなり多く、レベル上げをしたいプレーヤーにはオススメの場所になりそうだ。また、序盤はパーティーを組む機会がほどんとないため、ここが最初のパーティープレイの場所になる人も多いだろう。そういった意味で、コミュニティ形成のチャンスを生み出す場所でもある。

パーティーを組みたいプレーヤーがダンジョン入口に集まってくる
中ボスのボックマン。討伐がクリア条件に入っている
墓所の中は入り組んでおり、あちこちに行き止まりがある

MMORPGとしてようやくスタート地点についたところ。引き続きβテストに期待

ギャザラーの探査はカジュアルな仕様に変更され、木が探しやすくなった
レシピの材料が減って、生産も遊びやすくなった

 そのほかで気づいた点としては、ギャザラーとクラフターはシステムが大幅に変更されている。採集はランダム要素がなくなり、欲しいものを選んで採取する方式になった。生産は、レシピに必要なアイテム数が減り、初期の生産物は自分の採取物とショップで購入した材料で作れるようになった。どちらも分かりにくかった部分がそぎ落とされて、気軽になったことで遊びやすくなっている。

 アイテム売買に関わるラグも気になるほどではなくなった。とにかくラグに関しては、 「FFXIV」の時に多くのプレーヤーを苛立たせた原因となったが、「FFXIV: 新生エオルゼア」ではほぼ完全に解消されている。

 表示人数も制限がなくなり、グリダニアのエーテライト前にはいつも何十人ものプレーヤーがたむろっているMMORPGらしい光景をみることができるようになった。

 2年間という限られた時間の中で、ここまでよく作り上げたなと感心すると同時に、これからが重要だとも思う。以前の「FFXIV」は、「ここを改善すれば良くなるのでは?」、と思ってもそれが仕様の関係で実行できないという部分があまりにも多く、ゲームの発展性という部分に行き詰まりを感じずにはいられなかった。

 「FFXIV: 新生エオルゼア」は、ゲームの前に立ちはだかっていた壁を突き崩して、進化の可能性を見せてくれた。だが、現時点ではそれはまだ可能性であって、これからの調整次第でゲームはいくらでも変わっていく。今はまだ素材の下ごしらえができたところで、料理の味はこれからの味付け次第と言ったところだ。「ファイナルファンタジー」という素材は申し分ない。調理のためのベースづくりもまずまず順調だ。つまり面白くなる可能性は十分にある。

 αテストでは、オープニングは仮のものでメインストーリーはまだ隠されている。クエストも低いレベルのものしか実装されておらず、メインコンテンツとなるフルアクティブタイムイベントや対人戦などはまだ影も形もない。時間の制約が大きかったため、フィールドにもまだまだ作りこむ余地が残されているように思う。じっくりと時間をかけて作ったMMORPGのフィールドは、時間をかけなければ決して実現しない緻密な作りこみがされており、それがユーザーを世界に引き込む強いモチベーションにもなる。

 まだまだ発展途上の「FFXIV: 新生エオルゼア」だが、伸び代は充分にある。じっくりと時間をかけて調整と作りこみを行ない、βテストではさらに進化した姿を見せてもらいたい。

(石井聡)