ミクシィとDeNA、ソーシャルゲーム事業の業務提携を発表
2013年春にスマホ用ゲーム開発環境を共通化
ミクシィ代表取締役社長の笠原健治氏 |
DeNA代表取締役社長の守安功氏 |
開発環境を共通化することで、サードパーティーは1度の開発コストで2つのプラットフォームにゲームを提供できるようになる |
ミクシィとディー・エヌ・エーは11月22日、スマートフォン用ゲームの開発環境を共通化する業務提携の発表会を開催した。
発表会に登壇したのは、ミクシィ代表取締役社長の笠原健治氏と、DeNA代表取締役社長の守安功氏。今回の業務提携は、両社の運営するスマートフォン版のゲームサービス「mixi ゲーム」と「Mobage」に提供されるゲームの開発環境を共通化し、1度の開発でMobageとmixi ゲームの両方に配信が可能となるというもの。
これに伴ってスマートフォン版mixi ゲームは2013年春にリニューアルを実施する予定で、リニューアルされればMobageに提供されるタイトルを容易にmixi ゲームに配信させることが可能になる。ただし、プラットフォームは別のままのため、相互のユーザーが連携されるということはない。
笠原氏はミクシィの運営するSNS「mixi」のスマートフォンからのアクセスが800万人を超えていることに触れながら、「DeNAと業務提携をすることで、ゲーム事業を新調していきたい。よりユーザーにとって楽しめるようなゲームを提供し、元々コミュニケーションサービスとしてスタートしたmixiをよりパワフルに展開できる」と話した。
一方の守安氏は、スマートフォン版Mobageのモバコイン(Mobageの仮想通貨)消費量がフィーチャーフォン版を超え、特にブラウザアプリでの消費量が多いと語った。スマートフォン、かつブラウザアプリが成長していることを踏まえた上で、mixiの抱える800万のアクティブユーザー数を「最大限に活かせる」と考えたという。
今回の業務提携に際する最大のメリットは、デベロッパー側の工数削減にある。これまで違うプラットフォームにゲームを提供しようとすると、その度に開発工数、ひいては運営コストをかけなくてはならず、開発工数のコストにどの開発会社も苦しんでいる状況があったという。
そこで1度の開発で2つのプラットフォームへ提供できるようにすることで、開発のコストを下げ、その分のコストをタイトルの質の向上やより多くのタイトルラインナップに繋げてほしい狙いだ。なお共通化された開発環境の仕様の公開は、2013年1月を予定している。
今回の共通化により、既にMobageに提供されているタイトルや今後作成されるタイトルはmixiにそのまま提供できるため、mixiユーザーはより多くのゲームタイトルに触れる機会を得ることとなる。開発環境の共通化後も、mixiのID、ソーシャルグラフ、仮想通貨はこれまでと変わらずにプレイできる。笠原氏は「mixiに適したタイトルを選びながら提供していきたい」と語った。
またDeNAにとっても、内製タイトルをmixiにより簡単に提供できるようになるメリットがあるため、守安氏は「開発会社、mixiユーザー、ミクシィ、DeNAの4者のいずれもメリットがある業務提携になる」と話した。
具体的にどのようなタイトルが提供されるかは明言されなかったが、DeNAの内製タイトルについては積極的にmixiに配信していきたい考えだという。DeNAではmixiに提供されたゲームのコンサルティングなども行なっていくそうで、共通化することで得られるデータを元に「mixi ゲーム自体をどのようにしていくべきか、アドバイスなどできるのではないか」と守安氏は話した。
開発会社、mixiユーザー、mixi、DeNAがそれぞれメリットを得られる業務提携だ、と守安氏は話した |
(2012年 11月 22日)