ユービーアイソフト、プライベートショウ「UBIDAY2012」を開催
「アサクリ3」、「ZombiU」など最新タイトルに長蛇の列、Wii U版に高い注目
ユービーアイソフトは10月27日、東京のベルサール秋葉原 2Fホールで自社の新作タイトルを集めた試遊会「UBIDAY2012」を開催した。入場は無料で、Wii U向けタイトルなど今後のタイトルが試遊でき、ここでしか買えない限定グッズの販売、そして様々なイベントが行なわれた。
目玉の「アサシン クリード」シリーズの最新作「アサシン クリードIII」はプレイステーション 3/Xbox 360版に加えてWii U版も出展され、さらに初の女性アサシンが主人公となるPlayStation Vita版「アサシン クリードIII レディリバティ」も試遊できた。加えてWii Uならではの機能を活かしたホラーゲーム「ZombiU(ゾンビU)」、本物のギターでプレイできる「ロックスミス」もプレイ可能で、来場者は楽しそうに最新タイトルをプレイしていた。
そして「アサシン クリードIII」ステージでは、「アサシン クリードIII」の主人公コナーを演じる声優の浪川大輔さんと、「アサシン クリードIII レディリバティ」の主人公アヴリーンを演じた甲斐田裕子さんが登壇。本稿では会場全体の模様と、「アサシン クリードIII」、「アサシン クリードIII レディリバティ」のプレビュー、そして「アサシン クリードIII」ステージの模様をお伝えしたい。その他のタイトルとイベントは、別稿でレポートする。
■ 開場直後に物販コーナーは大賑わい、女性ファンが目立った「アサクリIII」
開場直後に物販ブースに多くの人が詰めかけた |
スタッフも着ていた「ZombiU」のTシャツ |
「ロックスミス」では、実際のギターでプレイできた |
「UBIDAY2012」は開場前から多くの人が入場待ちの列を作った。熱心な来場者のお目当てはユービーアイソフトのゲームグッズである。ユービーアイは通販などは行なっておらず、グッズを販売する機会も少ない。さらに販売するグッズの中には数十個という限定商品も多いため、注目度が高いのだという。
開場直後から会場の半分を占める物販コーナーはあっという間に長い列ができ、次々と商品が売れていった。見本として出しているものも販売し、すぐに売り切れになってしまうものが多かった。「アサシン クリード」のグッズが特に好評で、主人公のアサシンを思わせるフード付きパーカーや、バックパックはあっという間に売り切れになった。また「ラビッツ・パーティ」シリーズのぬいぐるみも好調だった。
この他にもタイトルにひっかけた「アサ“栗”どら焼き」や、様々なTシャツ等のグッズが販売されていた。強烈なのが「ZombiU」のTシャツで、首から血を滴らせてるようなデザインで、試遊台のスタッフも着ていた。
試遊台では、特に「ZombiU」が人気で、1時間以上の待ち時間にもなった。人々がゾンビ化していく世界で生き残りをかけるホラーで、Wii U GamePadが様々なガジェットになるのが楽しい。Padを両手に握りあちこちをスキャンしたり、銃座につくと砲台からの視界がGamePadに映し出されたりと、Wii Uならではのギミックが楽しめた。
「アサシン クリードIII」のコーナーは最も大きく、PS3、Xbox 360、Wii U各8台の試遊台が用意されていたが、それでも1時間以上の待ち時間にもなった。こちらで目立ったのは女性の姿である。熱心な女性プレーヤーが多く、しかもシリーズのファンばかりなようで、基本操作は習得しており、激しい戦いもスムーズにこなしていった。「アサシン クリード」ファンは、イベントへの参加も熱心で、2時間近く前から試遊台や物販コーナーにも行かず、ステージ前に陣取っていた女性ファンも多かった。
「アサシン クリードIII レディリバティ」、「ロックスミス」も人気だった。「ロックスミス」は実際に協力している楽器店からギターを貸し出してもらっており、本物のギターでプレイできた。どのタイトルもユーザーは10数分という限られた時間でのプレイだったが、様々な要素を試しプレイしていた。
「UBIDAY2012」は「アサシン クリード」のコアなファンと、Wii Uに興味を持ったユーザーが集まった、熱気を感じさせるイベントだった。年末、ユービーアイのタイトルがどのくらい人気を獲得していくか、注目したい。
会場では“UBIガールズ”との撮影会も。右は「アサクリ」のファンのコスプレ | ||
どのタイトルもプレイ待ちの長蛇の列ができた。Wii Uにも発売に先がけて触ることができた | ||
様々なグッズを販売。展示品も売り物だ |
■ 「アサシン クリードIII」ステージでは、浪川さんと甲斐田さんが名場面を熱演
「アサシン クリードIII」の主人公コナーを演じる声優の浪川大輔さん |
「アサシン クリードIII レディリバティ」の主人公アヴリーンを演じた甲斐田裕子さん |
コナーのコスプレをしたダンテ・カーヴァーさん |
「アサシン クリードIII」ステージでは、声優の浪川大輔さんと、甲斐田裕子さんが登壇した。イベントでは2つの作品へのキャラクターへの想い、そして収録の苦労話なども語られた。
ゲームの音声収録の場合は、キャラクターのイメージイラストと、基本的なストーリー、簡単な台詞の状況だけで、セリフを収録しなくてはならない。オリジナルの英語音声の波形を見て、台詞を聞きながら、日本語音声を吹き込む。例えば「火に炙られている」、「高いところから飛び降りながら」といった簡単な状況だけで、そういった少ない情報でゲームに合う声を出していく。集中力を必要とする仕事であるが、こうすることで北米のオリジナル版からそれほど時期を空けずに販売できるようにするため、やむなくこの方式にしているとのことだ。「アサシン クリードIII」は11月15日発売だが、北米では10月30日に発売となる。
浪川さんが演じる「アサシン クリードIII」の主人公コナーは、ストイックな男だが、ストーリーが進むにつれ心を許す人や、憎しみを向ける人などが出てきて、心の中の想いを原動力に激しく活動し、戦っていく。メインとなるのは青年期だが、少年や、年を取った声も収録しているという。船に乗ったり、様々な状況もあり、浪川さんも実際のプレイを楽しみにしているという。
「アサシン クリードIII レディリバティ」の主人公アヴリーンはフランス人と黒人のハーフで、解放された奴隷。甲斐田さんは最初はイラストのイメージからきつめの演技をしていたが、アヴリーンは“お嬢様”としての教育を受けているということで、かわいらしさを強調したという。成長したアヴリーンはアサシンとしての顔や、作戦のために男性をたぶらかしたり、奴隷として振る舞ったりもする。様々な顔を使い分けるキャラクターでもあるという。
コナーとアヴリーンは、実は「アサシン クリードIII レディリバティ」で出会うシーンがあるという。イベントでは、ゲーム内のシーンを使って実際にアテレコが行なわれた。ストイックなコナーを演じる浪川さんの抑えた声と、自分の信念の揺らぎをコナーにぶつけるというアヴリーンを演じる甲斐田さんの声。まだ前後の状況はわからないものの、2人の緊張感のある演技にグッと引き込まれるシーンだった。
この後、コナーのコスプレをした俳優のダンテ・カーヴァーさんも登場した。コスパ協力の衣装は細かく作り込まれ、ゲーム内のアイテムもほとんどを装備しており、とても見応えがあった。浪川さんも甲斐田さんも衣装に感心し、細かいところをチェックしていた。さらにダンテさんは会場での写真撮影の時間もあり、ここでは弓を引いたり、他のポーズを取るなど、大いにサービスをしてくれた。
生アテレコがあったり、こだわりの衣装のダンテさんが登場したり、楽しいイベントとなった。ダンテさんは撮影時、様々な武器を使うサービスも |
■ 「アサシン クリードIII」試遊コーナーではボストン茶会事件をモデルにしたミッションを体験
史実のボストン茶会事件をモデルにしたミッション |
アメリカ先住民の血を引くコナーは、斧で戦う |
会場では、「アサシン クリードIII」の1つのミッションがプレイできた。史実の「ボストン茶会事件」をもとにしたミッションで、港に停泊中のイギリスの船を襲い、積んであったお茶を全て投げ捨ててしまった事件で、アメリカ独立戦争へ繋がっていく。
コナーはここではお茶を捨てる船の上で、イギリス軍を迎え撃つこととなる。最初は船を警護しているイギリス軍を倒し、その後は船に近寄ろうとする敵と戦う。敵は2カ所から押し寄せ、コナーは2つの船の間を飛び回って独立派を助ける。油断すると船から落ちてしまうこともあるが、敵を落とすことですぐに倒すこともできる。
今回触ってみて気がついたのが「戦闘システムの革新」である。これまでのシリーズでは敵と戦う際、敵の攻撃を待ってカウンターを行なうのがベストで、戦闘は単調な部分もあった。ところが今作はカウンターを取るよりも、敵のガードを崩したり、タイミングを計って攻撃するという、より積極的な戦いが求められている。
カウンターに関してはコマンド操作が求められ、より効果的な返し方をしなくてはならない。また暗殺用の武器「アサシンブレード」はこれまでは敵に築かれると攻撃には使えなかったのだが、今作ではこの武器でもコンボで戦えるようになった。コナーはアメリカ先住民の血を引いており、トマホークも武器で使う。剣とはひと味違うパワフルさを感じられた。戦闘システムはこれまでより楽しく、アグレッシブになっていると感じた。
今回の体験は短かったが、2つの船を動くスピード感のある防衛戦は楽しかった。敵はライフルを使用してくるため、狙われないように動き回る必要があり、そこからジャンプして「エア・アサシン」を狙うといった要素もある。状況による技の出方や、敵との位置関係で変化する攻撃が非常に多彩で、プレイしていてとても楽しかった。
Wii U版では、Wii U GamePadにマップが表示できるのと、タッチパネルで武器が選択できる。今回は狭い場所でのミッションなので、あまりマップの恩恵は感じられなかったし、前作までのプレーヤーは切り換え画面を呼び出してしまうのでWii Uならではというところはちょっと少なく感じた。
PS3/Xbox 360はショートカットに登録すれば武器を切り換えできるが、複数の武器を使うときなどは選択画面を呼び出す必要がある。Wii Uでも同様の機能はあるのだが、さらにゲームを止めずにアイテム選択画面が出せるので、より素早くアイテムを選択できる。激しくなった本作の戦闘システムに合っていると感じた。Wii U版では、いくつもの武器を効果的に使いこなすアサシンならではの戦いを極められるかもしれない。
「アサシン クリードIII」はPS3/Xbox 360版が11月15日に発売。価格は7,700円。Wii U版は12月8日発売で、価格は7,700円 | ||
Wii U版はWii U GamePadに様々な情報を表示できる |
■ 「アサシン クリードIII レディリバティ」試遊コーナーでは、姿を変え、反乱を扇動
シリーズ初の女性主人公アヴリーン |
「アサシン クリードIII レディリバティ」は「アサシン クリードIII」と時間軸の重なる物語が進行する。舞台となるニューオリンズは「アサシン クリードIII」のボストンとは異なり、アメリカ南西部の湿度の高そうな雰囲気で、植物相が大きく異なる。建物の様式は似ているものの、全く違う場所であることがわかる。
ここでは住人を扇動して、街を支配しているスペイン軍に対して反乱を起こさせる。アヴリーンは奴隷の姿(といってもみすぼらしいわけではなく、この時代の婦人の服)を着て、見込みのありそうな人に話しかけていく。そうすると広場に人が集まり、そこからさらに声を掛けることで住人達の暴走が始まる。
そして次のミッションとなる。馬車を奪い、郊外に行くというミッションだが、馬車はスペイン軍に守られている。ここでアヴェリーンは着替えることとなる。アサシンの服に着替えるのだが、他にも娼婦の服などもあり、どんなときに使うのか、また、女性主人公ならではの華やかな演出も楽しめそうである。
馬車を奪うときは、大きな音を立ててはいけないということで、気づかれずに敵を倒していく。驚いたのは、有効な方法が「射撃」なのだ。銃は先ごめのマスケット銃なのだが、この銃が実は音がしないのだ。この銃を駆使することで周りの敵を倒すことができた。アサシンの技術で作られた特別な銃なのだろうか、ストーリーが気になるところだ。
「アサシン クリードIII レディリバティ」はPS Vitaならではの機能として、タッチパネルや、背面タッチパッドに対応している。タッチパネルは武器の切り換えの他、特別な操作を要求されたときに使用する。背面タッチパッドは馬の手綱などに使用する。馬車の操縦でも、曲がるときなどはその方向に背面タッチパッドを引っ張るように触る。他にも敵をタッチしたり、背面のタッチパッドでカヌーを操ったりと、多彩な使い方がある。今回はあまり体験できなかったが、様々なシーンでこれらの機能を使ってみたい。
「アサシン クリードIII レディリバティ」はPS Vita専用タイトルで、11月15日発売。価格は6,090円 |
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(2012年 10月 27日)